【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)

高瀬ユキカズ

文字の大きさ
17 / 552
フレイムドラゴン討伐編

第17話 216層へ

しおりを挟む
 この7日間、私はふてくされまくり。
 チャンネル登録者数は60万前後をいったりきたり。
 閲覧者数はどんどん減って、現在は8万から10万ほど。

 女子中学生がだらだら寝ているだけの配信だ。
 この人数が見ているだけでも奇跡だった。

 ドラゴンの経験値はとてつもないものだった。
 なんと、脅威の10億超え。

 ちなみに、私が与えたダメージは小さい。
 ほとんどがマグマのダメージだった。
 つまり、全HPを私が与えていたらと考えると、その経験値の総量は2,000億から3,000億と推定された。

 けれど、普通は単独で挑むような相手ではないのだ。経験値を独り占め、なんてことは起こらないのが普通。

 経験値は討伐隊の人数で割られるわけで、それを考えると私のもらった経験値はしごく妥当なものだ。いや、むしろおつりがくるくらいだ。

 10億の経験値がどのくらいすごいかというと、今ワールド1位のミランダ・モリスさんが次のLV88に到達するのに200億くらいの経験値が必要だそうだ。
 だから、今回のドラゴン討伐を20回くらい繰り返したら、レベルがあがる。……ってすごいのか、すごくないのか、わかりにくい数値だけれど。

 でもLV88になるまでに3年はかかるとか聞いていたから、きっとすごい数字なのだろう。

 そして、ドラゴンのドロップアイテム。

 もうね、レアアイテムのオンパレード。
 レア装備のオンパレード。
 レア素材のオンパレード。
 すごいアイテムばっかり。

 いやあ、これを売ればうはうは。私は大金持ち。
 でもね。

 私はふてくされている。
 レア装備っていってもお兄ちゃんの装備と同じくらいの強さ。だったら、お兄ちゃんの装備を使い続ける。
 あとさ。
 帰還用のアイテムはなかったし、レベルアップシードもなかったし、ステータスを大幅に増加させるアイテムもなかった。

 唯一役に立ったのが、知力の実。
 現在の知力を2倍に上げる。ただし、上限は50。

 まあ、私のINTが1だったからね。
 なにげにいままでスルーして触れてこなかったところなんだけれど、知力の実で1から2に上がった。やったぜ。

 この知力の実ね、すぐに食べないと消えちゃうんだと。
 しかたないから消費した。
 他にも腕力の実だとか、素早さの実だとか、あったんだけれど、やはり消費期限つき。

 この知力の実だけが例外で、超希少アイテムだった。
 他の実は1.05倍だとか、1.1倍だとか、5%増や1割増などの効果。
 普通ならこれだけでも奇跡と言ってもいいほどすごくて、レベルで言ったら数レベル分にも相当する。高レベルだったらね。

 だけどね。
 小数点以下は切り捨てだと?

 HP 7→7(生命力の実で1.1倍)
 STR 2→2(腕力の実で1.2倍)
 AGI 4→4(素早さの実で1.05倍)

 意味ねえ!
 意味ねえじゃねえか!

 知力の実以外がすべて無駄打ち!
 まあ、コメント欄が爆笑の渦だったからよかったけれど。
 って、私はお笑い芸人じゃあねえんだよお。

 腕力の実とか、素早さの実とか、高レベルを前提として用意されているとしか思えない。LV2の私が使うなんて想定がされていないのだ。

 レベルも上がらず、まったく強くもなれず、でも多額のダンジョンポイントと高価なアイテムを所持している。

 いや、そんなことより、水と食糧だ……

 毎日毎日、ダンジョンをうろついてモンスターを探す。
 でも見つからないから、ごろごろ寝てばかり。

 これは推測なのだけれど、どうやら階層主を倒したことでモンスターのポップが一時的になくなったようなのだ。7日間のあいだの平和が訪れ……

 って、本当に余計なお世話だ。
 まじで、まじで、餓死するかと思った。
 下へ降りるシューターもなかなか見つからないし。

 罠に落ちるときはすぐにハマるくせに、探すと見つからない。やっとのことでシューターを見つけたのが7日目で、モンスターがぽつりぽつりとポップし始めたのも同じ頃。

 お腹をすかせまくった私は鬼のような形相でモンスターに飛びついた。
 今の私は神王の長剣があるからなんとか倒すことができる。
 きっと、フレイムドラゴン・ロードの百倍くらい恐ろしい形相でモンスターに向かっていたことだろう。

 ダンジョンデバイスは私の頭の上に装着していた。
 私の顔が視聴者に見えなかったことだけが幸いだ。

 とりあえずここで水と食料を確保し、私は216層へのシューターへと飛び込んだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

処理中です...