【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)

高瀬ユキカズ

文字の大きさ
312 / 552
始まる人類領域への侵攻

第312話 ロイヤルストレートフラッシュを狙うミリア

しおりを挟む
 ポーカー勝負の1回目が始まった。先に3勝した者が勝利となる。

 ミリアの手は、

[Q♦] [K♦] [A♠] [A♣] [A♦]

 最初からエースのスリーカード[A♠][A♣][A♦]ができていた。

「ミリアすごい。強運かも――」

 私は心の底から感心する。
 マフィアの男がカードを場に放った。

「俺は3枚チェンジだ」

「ミリアは2枚なのです」

「だろうな」

 にやりと男は笑う。まるでミリアの手が分かっているかのようだった。

 男が手札を公開する。ストレートができていた。

「悪いな。俺の勝ちだ」

「いいえ、ミリアの勝利なのです! ミリアの強運を思い知るのです!」

 ミリアは自分の手を開いた。
 テーブルに開かれた5枚のカード。

[4♥] [J♦] [Q♦] [K♦] [A♦]

「ろいやるすとれーとふらっ、なのです!」

 ロイヤルストレートフラッシュには1枚が足りなかった。

 ミリアはAのスリーカードができていたにもかかわらず、Aを2枚捨てていたのだ。ミリアの狙いはあくまでもロイヤルストレートフラッシュ。[J♦]を引くことはできたが、惜しくも[10♦]は逃していた。

「ロ、ロイヤルストレートフラッ、だと!?」

 男は驚いて立ち上がる。しかし、ミリアの手をあらためて見ながら座り直した。

「1枚足りないけれど、きっと強いのです!!」

「ブタじゃねえか」

 男はあざ笑い、周りのマフィアたちも煽り立てながら笑った。
 画面のこちら側にいる私たちは落胆していた。

「ブタだ」
「ブタだね」

 私と湊ちゃんがそろって肩を落とす。

『相手はいきなりイカサマをしてきたな。マフィアの男はミリアの手がスリーカードだと分かっていてストレートを揃えてきた』

 あいかわらず感情のこもっていないタブさんの声だった。

 ミリアの0勝1敗。
 負けるたびに脱がなければならないルールだ。

 ミリアは装備を解除し、ワンピースの姿になった。
 男は舌なめずりをしながら、いやらしい目つきでミリアを見ていた。

「へー、かわいい服を着てるじゃねえか。まあ、それも脱がせてやるがな」

 2回目の勝負が始まった。
 ディーラーがカードを配る。

 画面越しにミリアの手札が見えている。

[9♥] [10♣] [J♣] [Q♣] [K♣]

「すごい! ストレート!」

 ミリアの手札は最初からストレートができていた。だが、ロイヤルストレートフラッシュのリーチでもある。

 ここは湊ちゃんが解説をしてくれる。

「これは[9♥]を捨てられないよね。だって、ロイヤルストレートフラッシュは狙えないよ。[A♣]はすでに出てしまったから。狙う意味はない」

 だが、ミリアは[9♥]をチェンジしてしまい、ストレートを崩してしまった。ミリアはロイヤルストレートフラッシュしか見えていないのかもしれない。

「2連続でブタじゃねえか」

 ここでも、あっさりと負けてしまう。

 男と周囲のマフィアは笑う。だが、冷や汗をかいた様子は伝わってきた。なにしろ、あと1枚でロイヤルストレートフラッシュができていたのだ。やはり男はミリアの手を知っていたのだ。

「さて、そのかわいらしいワンピースを脱いでもらおうかな、お嬢ちゃん。下着姿になってもらおう」

 下卑た笑いを浮かべるが、ミリアはさっさとワンピースを脱いでしまう。

「ミリア!」

 私たちはいつでも飛び込む準備をして見ていたが、躊躇もなくミリアは脱いでしまった。だが、その下はまたもやワンピース。
 ん!?

 画面の向こうでも似たような反応だった。

「は!?」

 マフィアたちも困惑の声を上げた。
 なんともない様子で、ミリアは平然と告げる。

「ミリアはワンピースを2枚重ねで着ていたのです。さあ、次の勝負を始めるのです」

「ふ、ふざけんな! それも脱げ! 下着になるのが約束だろうが!」

「でも、ミリアはこれを脱いでしまうと何も着ていないのです。すっぽんぽんなのです。だからこれが下着なのです」

「お、お前……。ブラジャーもつけていなければ、パンツも履いていないということか……。まあ、その大きさの胸なら……。しかたないのか……。しかし、それにしても、パンツも履いていないとは……」

「さあ、勝負なのです!」

 ミリアは意気揚々と椅子に座る。
 ミリアの発言に対して、タブさんの解説が入った。

『ミリアはちゃんとパンツを履いておるぞ。われは何度かスカートの中を目撃している。ミリアは言葉で相手をコントロールしているのだ。なかなかの知性じゃないか』

 私は聞き逃さなかった。タブさんはしっかりと見ていたのだ。ミリアのスカートの中を。

「タブさんのエッチ」

『それに関しては不可抗力だ』

 これでミリアの2連敗となった。あとがない状況なのは変わらなかった。
 だが、ここで奇跡が起こる。

 ミリアはすごいカードを揃えてきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...