5 / 139
壱の抄 夢路
其の弐
しおりを挟む
※
白泉大学──環奈の通う私立大学である。
近鉄奈良駅からおよそ十分ほど先の駅。
車窓からも望めるそこは、フェンスを挟んだとなりに八郎と柊介が通う附属の高等部所有の敷地が広がる。高校は駅寄りにあって、大学はその正門前を通ったさらに先に建っている。
「なんだかんだでギリギリになってもた──かんちゃん間に合うけ?」
高校の正門前にたどり着いた八郎が腕時計をのぞく。現在、八時三十分。
高校生は予鈴まであと五分である。
「ダイジョブ。今日のかんなは始業式とかないの。九時にガッコついたら研究室のセンセとお話しするだけなのネ」
「ほんならあとでな、終わったら連絡するさかい──いっしょに帰ろ」
「ウン」
環奈は笑顔でうなずいた。
大学方面へと駆け出す彼女の背中を見送っていると、うしろから「おはよう」と声をかけられた。
八郎と柊介が同時に振り返る。そこに立っていたのは、見知らぬ男だった。
長い黒髪をひとつに束ね、すらりとした体格に全身黒ずくめのスーツをまとっている。左目の下には傷痕がひとつ。堅気かどうか疑わしいほどに雰囲気のある男である。
どこかで見た顔だが、どこだったか──。
「あ、はざーす……?」
八郎はぽかんと男を見上げた。誰だ、と顔に書いてある。
その戸惑いを悟ったのだろう、男はクスクスと笑った。
「タカムラロクドウ」
低く通る声である。
「今日付でここに赴任してきた先公や」
「あ、ほんまに先生なんや」
「お前らみたいなぎりぎりに来よる生徒を叱り飛ばすためにおんねん。早うクラス分け見て教室行けよ」
とタカムラが言った矢先に予鈴が鳴る。
「すんません」
「行くで、ハチ」
柊介はもう歩き出している。
生徒がひしめく掲示板前。
みなが一様に見上げるのは、それぞれの新しいクラス表である。
「アッ、おれ三組や。しゅうも同じやで」
「ほかは?」
「武晴、明夫──みんなおる。修学旅行学年でこれは幸先ええな!」
八郎はガッツポーズをした。
中学校からともに進学した友人が、同じクラスに集結している。高校二年生ではイベントも多いため、このクラス替えは最良といっていい。
柊介は視線を上にあげる。
「おい」
と八郎の肩を小突く。
紙の上部、『二年三組』という表記の下に書かれた担任の氏名である。
八郎はどきりとした。
「高村六道」
タカムラロクドウ──先ほど会った教師の名前がそこにあった。
(…………)
胸が騒がしい。
あの顔を知っている。
どこで見た。
どこで──。
(…………)
「クラス行くで。置いてくど」
考え込んでいた八郎の思考回路は、柊介の声によって遮断された。彼はすでに掲示板前から離れた場所にいる。
おう、と曖昧な返事をして、八郎は柊介のもとへ駆けた。
※
「写真で見るより、ずっとかわいい」
と、大学院生の黒木冴子はにっこり笑った。
『九時に大学正門前にいてくれたら、迎えを出す』──という浜崎准教授との約束通り、正門前で佇んでいた環奈に声をかけたのが彼女だった。
艶やかな黒髪に、切れ長で黒目がちな瞳。
見目麗しい容姿だが、漂う雰囲気はどこか暗い。声もかき消えそうな細い声である。
彼女も浜崎研究室に院生として在籍しているのだという。
「これが、四号館ね」
大学敷地の奥。
附属高校と敷地を隔てるように設置されたフェンスのそばに、その建物は存在した。
冴子はか細い声で「先生の研究室には」と四号館を見上げる。
「三・四年生がいなくて、院生が三人所属しているの。二年生はあなたを含めて四人」
「あんましいないのデスネ」
「そうね、浜崎先生っていい先生なのだけど、毎度の課題量がすごくてみんな移籍しちゃうの」
「ふうん?」
白泉大学は、国内の大学にしてはめずらしく、一年次の後期課程から希望の研究室を選択することとなっている。
当初、東京のキャンパスにある文化史学科の研究室に在籍していた環奈であったが、そこで提出した論文がきっかけで、学科及び研究室を移籍した。
四号館は、移籍先の文化財学科専用館となっており、学科の研究室はすべてここに固まっているのだという。
入口から中へ入り、階段を降りる。
薄暗い廊下を歩きながら冴子はほくそ笑んだ。
「共通科目の授業以外は、基本的にここを利用することが多くなると思う。覚えておいてね」
「あい!」
「ふっ」
環奈の赤ん坊のような返事に、冴子はおかしそうに笑った。
「あなたの論文を読んで、どんなパリッとした子が書いたのかと思っていたのだけど──本人と結び付かないくらい、ギャップがすごいのね」
「ウン?」
「ううん、こっち。先生が戻るまでもう少しだから──先にメンバーを紹介するね」
と、冴子が入ったのは『第八研究室』と書かれた一室である。三回ノックをして、戸を開ける。
中には、男子生徒がひとりノートパソコンに向かっていた。
「あら、岩崎くんだけ?」
「黒木先輩」
熊のような風貌の男子生徒である。
ふくよか──というよりはガッチリとした体格で、大柄な身体つきのわりにくりっとしたどんぐり眼とちいさな唇が妙にかわいらしく映る。
彼はアッ、と声をあげてから立ち上がった。
「もしかして例の?」
「そう。この子が研究室に入る二年生の刑部環奈ちゃん。よろしくしてね」
「オオ、ほんまにお人形さんみたいや。おんなじ二年の岩崎剛いいます。よろしゅう」
人の良さそうな笑みを浮かべて、岩崎剛が頭を下げる。それにつられて環奈も「よろしゅう」と頭を垂れた。
「岩崎くん、ほかの二年生は来てる?」
「あ、はい。もうまもなく戻ってくるんちゃうかな。図書館で本借りて戻る言うてたんで──あ、噂をすればや」
岩崎が耳を済ましてわらった。
研究室の外、廊下から足音と話し声が漏れ聞こえている。地下なのでよく響くのだ。
「──から、早うやっとけて言うたやろ」
と、刺々しい声色で研究室に入ってきたのは、すこしボーイッシュな雰囲気の女子生徒であった。後ろにつづく男子生徒は、視線を携帯に落としたまま曖昧に返事をしている。
女子生徒は、不服そうな顔で男子生徒をひと睨みしてから、ようやく研究室の状況に気が付いた。
「あ──黒木先輩おはようございます」
「おはよう麻由ちゃん」
「お、休み前に言うてた移籍の子ォやろ。そっちの」
と、男子生徒が環奈を見つめた。
麻由と呼ばれた女子生徒も彼の視線を追う。そして微かに眉をひそめて「ああ」とつぶやいた。
「刑部環奈ちゃんよ。よろしくしてね」
「佐藤尚弥。よろしゅうな」
「田端麻由──」
「あい。刑部環奈デス」
ぴょこんと頭を下げた環奈に、麻由は眼鏡の奥の瞳を歪めて「へえ」と唸るようにつぶやいた。
「ご立派な論文書くヤツやと思たら、ずいぶんと想像からかけ離れとったわ」
「たしかに、俺ももっとキャリアウーマン的な女の子想像しとったけど。想像のななめ上やな。こっちのが断然ええやん」
尚弥はクククと笑う。
それに突っかかるように麻由は「アンタは顔がよけりゃなんでもええんやろ」と刺々しく言った。
あっ、と剛が目を見開いた。壁にかかった時計に視線を向けている。
「黒木先輩。学科会議が終わるころやと思いますよ。先生、そろそろ空いたんちゃうかな」
「そうね。環奈ちゃん行ってみましょ」
「あーい」
気の抜けたような返事である。
フッ、と尚弥が噴き出したときだった。研究室の扉がノックされ、ひとりの男がひょっこりと顔を覗かせる。
「あーおった。すまん遅れてもた」
「あっ先生」
ボサボサの頭にヨレヨレのワイシャツ、眠そうに垂れた瞳の下にはくっきりと隈が出て、顎にはうっすらと無精髭すらうかがえる。
どう見ても『だらしない』が第一印象であるこの男こそ、環奈を自研究室にスカウトした浜崎辰也准教授その人のようであった。
「会議お疲れ様でした」
「おう。案内役ご苦労やったな黒木──俺が浜崎や、わざわざ東京から戻ってきてもろてすまんやったな」
「刑部環奈デス!」
ぴょこんと環奈が頭を下げる。
「──ほんなら刑部はこっちゃ来い。今後の履修科目とか相談せなあかん」
「あーい」
ふたたび尚弥が笑う。
どうやら環奈の気力の抜ける返事が気に入ったようである。その様子に、浜崎が二年生の三名をじとりと見つめた。
「お前らちゃんと仲良うなったんか」
という質問に、自然と一同の視線は環奈に注がれる。当の彼女は嬉しそうにわらってうなずいた。
「ゴウくん、マユちゃん、ナオくん」
「────」
「もうお友達になりマシタ!」
その言葉に、ずっとしかめ面をしていた麻由は「こいつアホや」とそっぽを向いた。
白泉大学──環奈の通う私立大学である。
近鉄奈良駅からおよそ十分ほど先の駅。
車窓からも望めるそこは、フェンスを挟んだとなりに八郎と柊介が通う附属の高等部所有の敷地が広がる。高校は駅寄りにあって、大学はその正門前を通ったさらに先に建っている。
「なんだかんだでギリギリになってもた──かんちゃん間に合うけ?」
高校の正門前にたどり着いた八郎が腕時計をのぞく。現在、八時三十分。
高校生は予鈴まであと五分である。
「ダイジョブ。今日のかんなは始業式とかないの。九時にガッコついたら研究室のセンセとお話しするだけなのネ」
「ほんならあとでな、終わったら連絡するさかい──いっしょに帰ろ」
「ウン」
環奈は笑顔でうなずいた。
大学方面へと駆け出す彼女の背中を見送っていると、うしろから「おはよう」と声をかけられた。
八郎と柊介が同時に振り返る。そこに立っていたのは、見知らぬ男だった。
長い黒髪をひとつに束ね、すらりとした体格に全身黒ずくめのスーツをまとっている。左目の下には傷痕がひとつ。堅気かどうか疑わしいほどに雰囲気のある男である。
どこかで見た顔だが、どこだったか──。
「あ、はざーす……?」
八郎はぽかんと男を見上げた。誰だ、と顔に書いてある。
その戸惑いを悟ったのだろう、男はクスクスと笑った。
「タカムラロクドウ」
低く通る声である。
「今日付でここに赴任してきた先公や」
「あ、ほんまに先生なんや」
「お前らみたいなぎりぎりに来よる生徒を叱り飛ばすためにおんねん。早うクラス分け見て教室行けよ」
とタカムラが言った矢先に予鈴が鳴る。
「すんません」
「行くで、ハチ」
柊介はもう歩き出している。
生徒がひしめく掲示板前。
みなが一様に見上げるのは、それぞれの新しいクラス表である。
「アッ、おれ三組や。しゅうも同じやで」
「ほかは?」
「武晴、明夫──みんなおる。修学旅行学年でこれは幸先ええな!」
八郎はガッツポーズをした。
中学校からともに進学した友人が、同じクラスに集結している。高校二年生ではイベントも多いため、このクラス替えは最良といっていい。
柊介は視線を上にあげる。
「おい」
と八郎の肩を小突く。
紙の上部、『二年三組』という表記の下に書かれた担任の氏名である。
八郎はどきりとした。
「高村六道」
タカムラロクドウ──先ほど会った教師の名前がそこにあった。
(…………)
胸が騒がしい。
あの顔を知っている。
どこで見た。
どこで──。
(…………)
「クラス行くで。置いてくど」
考え込んでいた八郎の思考回路は、柊介の声によって遮断された。彼はすでに掲示板前から離れた場所にいる。
おう、と曖昧な返事をして、八郎は柊介のもとへ駆けた。
※
「写真で見るより、ずっとかわいい」
と、大学院生の黒木冴子はにっこり笑った。
『九時に大学正門前にいてくれたら、迎えを出す』──という浜崎准教授との約束通り、正門前で佇んでいた環奈に声をかけたのが彼女だった。
艶やかな黒髪に、切れ長で黒目がちな瞳。
見目麗しい容姿だが、漂う雰囲気はどこか暗い。声もかき消えそうな細い声である。
彼女も浜崎研究室に院生として在籍しているのだという。
「これが、四号館ね」
大学敷地の奥。
附属高校と敷地を隔てるように設置されたフェンスのそばに、その建物は存在した。
冴子はか細い声で「先生の研究室には」と四号館を見上げる。
「三・四年生がいなくて、院生が三人所属しているの。二年生はあなたを含めて四人」
「あんましいないのデスネ」
「そうね、浜崎先生っていい先生なのだけど、毎度の課題量がすごくてみんな移籍しちゃうの」
「ふうん?」
白泉大学は、国内の大学にしてはめずらしく、一年次の後期課程から希望の研究室を選択することとなっている。
当初、東京のキャンパスにある文化史学科の研究室に在籍していた環奈であったが、そこで提出した論文がきっかけで、学科及び研究室を移籍した。
四号館は、移籍先の文化財学科専用館となっており、学科の研究室はすべてここに固まっているのだという。
入口から中へ入り、階段を降りる。
薄暗い廊下を歩きながら冴子はほくそ笑んだ。
「共通科目の授業以外は、基本的にここを利用することが多くなると思う。覚えておいてね」
「あい!」
「ふっ」
環奈の赤ん坊のような返事に、冴子はおかしそうに笑った。
「あなたの論文を読んで、どんなパリッとした子が書いたのかと思っていたのだけど──本人と結び付かないくらい、ギャップがすごいのね」
「ウン?」
「ううん、こっち。先生が戻るまでもう少しだから──先にメンバーを紹介するね」
と、冴子が入ったのは『第八研究室』と書かれた一室である。三回ノックをして、戸を開ける。
中には、男子生徒がひとりノートパソコンに向かっていた。
「あら、岩崎くんだけ?」
「黒木先輩」
熊のような風貌の男子生徒である。
ふくよか──というよりはガッチリとした体格で、大柄な身体つきのわりにくりっとしたどんぐり眼とちいさな唇が妙にかわいらしく映る。
彼はアッ、と声をあげてから立ち上がった。
「もしかして例の?」
「そう。この子が研究室に入る二年生の刑部環奈ちゃん。よろしくしてね」
「オオ、ほんまにお人形さんみたいや。おんなじ二年の岩崎剛いいます。よろしゅう」
人の良さそうな笑みを浮かべて、岩崎剛が頭を下げる。それにつられて環奈も「よろしゅう」と頭を垂れた。
「岩崎くん、ほかの二年生は来てる?」
「あ、はい。もうまもなく戻ってくるんちゃうかな。図書館で本借りて戻る言うてたんで──あ、噂をすればや」
岩崎が耳を済ましてわらった。
研究室の外、廊下から足音と話し声が漏れ聞こえている。地下なのでよく響くのだ。
「──から、早うやっとけて言うたやろ」
と、刺々しい声色で研究室に入ってきたのは、すこしボーイッシュな雰囲気の女子生徒であった。後ろにつづく男子生徒は、視線を携帯に落としたまま曖昧に返事をしている。
女子生徒は、不服そうな顔で男子生徒をひと睨みしてから、ようやく研究室の状況に気が付いた。
「あ──黒木先輩おはようございます」
「おはよう麻由ちゃん」
「お、休み前に言うてた移籍の子ォやろ。そっちの」
と、男子生徒が環奈を見つめた。
麻由と呼ばれた女子生徒も彼の視線を追う。そして微かに眉をひそめて「ああ」とつぶやいた。
「刑部環奈ちゃんよ。よろしくしてね」
「佐藤尚弥。よろしゅうな」
「田端麻由──」
「あい。刑部環奈デス」
ぴょこんと頭を下げた環奈に、麻由は眼鏡の奥の瞳を歪めて「へえ」と唸るようにつぶやいた。
「ご立派な論文書くヤツやと思たら、ずいぶんと想像からかけ離れとったわ」
「たしかに、俺ももっとキャリアウーマン的な女の子想像しとったけど。想像のななめ上やな。こっちのが断然ええやん」
尚弥はクククと笑う。
それに突っかかるように麻由は「アンタは顔がよけりゃなんでもええんやろ」と刺々しく言った。
あっ、と剛が目を見開いた。壁にかかった時計に視線を向けている。
「黒木先輩。学科会議が終わるころやと思いますよ。先生、そろそろ空いたんちゃうかな」
「そうね。環奈ちゃん行ってみましょ」
「あーい」
気の抜けたような返事である。
フッ、と尚弥が噴き出したときだった。研究室の扉がノックされ、ひとりの男がひょっこりと顔を覗かせる。
「あーおった。すまん遅れてもた」
「あっ先生」
ボサボサの頭にヨレヨレのワイシャツ、眠そうに垂れた瞳の下にはくっきりと隈が出て、顎にはうっすらと無精髭すらうかがえる。
どう見ても『だらしない』が第一印象であるこの男こそ、環奈を自研究室にスカウトした浜崎辰也准教授その人のようであった。
「会議お疲れ様でした」
「おう。案内役ご苦労やったな黒木──俺が浜崎や、わざわざ東京から戻ってきてもろてすまんやったな」
「刑部環奈デス!」
ぴょこんと環奈が頭を下げる。
「──ほんなら刑部はこっちゃ来い。今後の履修科目とか相談せなあかん」
「あーい」
ふたたび尚弥が笑う。
どうやら環奈の気力の抜ける返事が気に入ったようである。その様子に、浜崎が二年生の三名をじとりと見つめた。
「お前らちゃんと仲良うなったんか」
という質問に、自然と一同の視線は環奈に注がれる。当の彼女は嬉しそうにわらってうなずいた。
「ゴウくん、マユちゃん、ナオくん」
「────」
「もうお友達になりマシタ!」
その言葉に、ずっとしかめ面をしていた麻由は「こいつアホや」とそっぽを向いた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~
御崎菟翔
キャラ文芸
【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】
「選ぶのはお前だ」
――そう言われても、もう引き返せない。
ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。
そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。
彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。
「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。
なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに!
小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。
その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる――
これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。
★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』
この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858
幽縁ノ季楼守
儚方ノ堂
キャラ文芸
「季楼庵当主の代理を務めてもらう」
幼少期、神隠しにあった過去を待つ青年ユメビシ。
迷い込んだ先で、事件に巻き込まれ両手を失い、生死を彷徨うことに。
ただ「死にたくない」と望んだ願いは、ある故人の手を移植することで実現した。
これを境に不死の体質へと変貌したユメビシは、約70年の時を経て、因縁の土地『瞑之島(みんのとう)』へ帰還する。
しかし、どうして今自分がここにいるのか、その理由となる記憶がすっぽり抜け落ちた状態で……。
奇妙な忘却に焦りを抱えながら、手がかりを求め探索するさなか、島の中枢を担う組織『季楼庵(きろうあん)』の面々と関わりを持ち、次々と巻き起こる騒動に身を投じていくのだった。
現代において、人と人ならざる者が共存する瞑之島を舞台に、半ば強制的に当主代理に据えられたユメビシの非日常。
異色の現代ファンタジー✖️和風奇譚✖️ミステリー
様々な思惑が交錯する中、彼の帰還を以て、物語は一つの結末へ動き出す。
その約束は、何十年何百年経ち、たとえ本人達が覚えていなくとも。
幽かな縁で繋がり続け、決して解けない糸となる。
それを人は、因縁――またの名を『呪い』と呼ぶのだった。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
祓い姫 ~祓い姫とさやけし君~
白亜凛
キャラ文芸
ときは平安。
ひっそりと佇む邸の奥深く、
祓い姫と呼ばれる不思議な力を持つ姫がいた。
ある雨の夜。
邸にひとりの公達が訪れた。
「折り入って頼みがある。このまま付いて来てほしい」
宮中では、ある事件が起きていた。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
白苑後宮の薬膳女官
絹乃
キャラ文芸
白苑(はくえん)後宮には、先代の薬膳女官が侍女に毒を盛ったという疑惑が今も残っていた。先代は瑞雪(ルイシュエ)の叔母である。叔母の濡れ衣を晴らすため、瑞雪は偽名を使い新たな薬膳女官として働いていた。
ある日、幼帝は瑞雪に勅命を下した。「病弱な皇后候補の少女を薬膳で救え」と。瑞雪の相棒となるのは、幼帝の護衛である寡黙な武官、星宇(シンユィ)。だが、元気を取り戻しはじめた少女が毒に倒れる。再び薬膳女官への疑いが向けられる中、瑞雪は星宇の揺るぎない信頼を支えに、後宮に渦巻く陰謀へ踏み込んでいく。
薬膳と毒が導く真相、叔母にかけられた冤罪の影。
静かに心を近づける薬膳女官と武官が紡ぐ、後宮ミステリー。
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる