13 / 139
弐の抄 花見
其の伍
しおりを挟む
「えらいことや」
と、高村は爆笑した。
オリエンテーリングを終え、近鉄奈良駅からの帰路のこと。刑部桜の花見のため、食糧調達をした松田恵子の荷物を見た反応である。
「それで一人分の量なんか!」
「ね、恐ろしいでしょ。納得するでしょ。コイツが猛獣と言われる所以が」
と武晴は顔を青くした。
しかし、当の恵子は知らん顔でからあげ棒を頬張っている。その横顔に、高村は感嘆の息を吐いた。
「こんな小柄でよう入るもんやなァ」
「食べ盛りなんスよ」
「いや盛りすぎやろ」
と柊介が口角をあげる。
「牛にも勝る女やでこれは──あいただだだッ」
「…………」
恵子は、無言で柊介の腕を締め上げた。
※
「この度はお招きいただきまして──」
刑部家の庭である。
雄々しく咲き誇る桜樹の下、浜崎を筆頭にゼミ集団六名が八郎の母に向けて深々と頭を下げる。この場にいないゼミ生は仙石である。買い物があるらしく開始までに間に合うように向かうと連絡があった。
「これ少しですが御礼をとおもいまして」
と、冴子から心ばかりの手土産が渡された。
包みこそしているが、その手触りから一升瓶であることは想像に容易い。
ゆきは機嫌のよい顔で腰を折った。
「あらまぁご丁寧にどうもです。お土産まで貰うてしもうてほんま、おおきに」
「いやとんでもない。なんやワシの知らんうちに話が決まっとってですね、さすがに迷惑やろ言うたんですけど──」
「エエんですよう」
とゆきが目を細める。
「こちらがお礼したいくらいです。環奈ちゃんを呼んでくれた先生にも、仲良うしてくれるお友達にも。改めまして私、環奈の叔母です。高校生の息子とその友だちも来はるさかいに、ちょっとうるさいかもわかりまへんけど。どうぞ楽しんだってください」
すでに庭にはテーブルと椅子、桜樹の下にはシートも敷かれていた。料理はこれから出すというが、そのほとんどが彼女の手作りだというから驚きである。
なるほど、これは最優先すべき一大イベントだろう──と剛はひっそり思う。
「なにかお手伝いさせてください」
と、冴子が胸を押さえた。
「まあ、助かるわ。それじゃお料理出すのとか手伝うてくれる? 剛くんと尚弥くんはそっちの大きいの、麻由ちゃんは盛り付けお願い。院生のみんなは飲み物……環奈ちゃーん」
「あーい」
と、居間から顔を出した環奈の胸には、文次郎が抱えられている。これから散歩へゆくところのようだ。
「文次郎の散歩ついでに、中村さんでお酒買うてきて。先輩といっしょに」
「あーい」
いつの間に着替えたか、スウェット姿で縁側から降りてくる。潮江は財布の中身を確認して「俺がいこう」とはりきった。
「潮江くんごめんなさいね、お願いします」
というゆきに、
「筋トレにちょうどええですけえ」
と、潮江はわらって門を出た。
──向かう先は『中村屋』という、馴染みの酒屋らしい。
酒屋に馴染みがあるとは意外だった。刑部家の女性ふたりを見るかぎりでは、酒屋に馴染みを持つほど飲むようには見えない。
「お前の叔母さん、けっこう飲むんか」
「すっごいんだって。”うわばみ”なのネ。はっちゃんパパが言ってた」
「はっはは、人は見かけによらんな」
角を曲がった。
左手前で、野生の鹿が町屋の扉を鼻先でつついている。奈良公園が近いせいだろう、近隣住民は慣れているためかその光景を意にも介していない。
福岡の田舎で生まれ育った潮江にとっては、野生動物とのふれあいはそう珍しくもないことだが、とはいえ鹿がこれほど近くに来るなど移住当初はとくに目を疑ったものだ。
「このあたりは家の方にも鹿が来るんやって?」
「ウン。文次郎のお散歩してるとたまに会うけど、みんないい子だからお互いにキョリをとってくれるのネ。でも、かわいいから鹿せんべいをたまにあげるデスヨ」
「へえ」
「あそこ!」
環奈は無邪気に指をさす。
『中村屋』は、家から十分ほどの場所にあった。文次郎を外につなぎ、中へ入る。
「おっちゃーん、こんちは!」
「……らっしゃい」
カウンターには新聞を広げる初老の男がひとり。環奈をじろりと一瞥すると、ふたたび新聞に目線を落とした。
店内は想像よりもこじんまりとしていたが、酒類は整然と並べられており、のんべえが求めるような酒がごろごろと目に付く。
浜崎が好きそうな焼酎とハイボール用のウイスキー、炭酸水をじっくりと選び抜き、かごに突っ込む。そして潮江は環奈を見た。
「刑部はまだ二十歳じゃないよな、ジュース買うか?」
「アッ。かんな飲みたいものあるの」
「持ってこい、ついでに買っちゃるけん」
「やったやった。ありがとござマス!」
環奈は慣れた手つきで桃のジュースを取り出し、かごに入れる。
いつも酒屋に来るたび、ついでにこの商品を買ってもらっているのだろう──想像するとおかしくて、潮江はくすっと笑った。
「どうも」
「毎度」
と、親爺はいった。
会計から退店時までぶっきらぼうではあったが、環奈にはわずかに口元をゆるめ、暗黙のままに値引きをしてくれた。
どうやら顔馴染みには甘いらしい。
「よし戻るぞ」
潮江は両腕に酒瓶の袋を提げ、環奈は文次郎のリードを引いて、ゆっくりともと来た道を引き返す。
「ねーね、潮江センパイ」
「うん?」
「刑部桜のコト知ってたデショ。それを教えてくれたのって、今日のお花見に来てくれる子だってゆってたけど、お友達なの──デスか?」
「ああ、特別親しいってわけじゃあない。同じジムに通っとるってだけで」
角を曲がり、右手に刑部家を捉える。
「ジムって?」
「うん」
前を見据えていた潮江が、口をへの字にした。
文次郎もワッと飛びはねる。
前方から高校生の集団が迫ってくるのを見て、アッ、と環奈が声をあげた。
「ボクシングを──」
「あ」
刑部家の前、高校生集団のうちのひとりが「潮江パイセン」と声をあげた。
からあげ棒を口にしていた、松田恵子である。
「どうぞいらっしゃい。八郎の母です、よう来てくれはっておおきに」
ゆきは京子と恵子の手をとって微笑した。
武晴と明夫は中学時代から顔見知り、松子と春菜は去年の参加者のため知っている。初参加のふたりが居心地悪そうに立ちすくむので、和ませようと思ってのことである。
案の定、京子はホッとした顔をした。
「刑部くんと同じクラスの滝沢京子と申します。このたびはお邪魔させてもろうて──ありがとうございます」
「おなじく松田恵子です。いっぱい食べに来ました」
頭を下げる京子と対照的に、恵子はテーブルに並べられた料理に釘付けになったまま快活にいった。すかさず松子がたしなめるように背中を叩く。
「まあ可愛らしい。どうぞどうぞ、そっちからお庭に行けますから。あと、今日は大学生のお兄さんお姉さんも参加してはるの。ちょっと狭いかもしれんけど、気にせず楽しんでね」
と、ゆきはすこし早口になった。
まったく今日は客人が多くて、気を配る相手が多い。
「おかん、遅なったごめん」
八郎だった。
後ろには柊介と見慣れぬ大男もいる。前日に八郎から聞いていたメンバーを思い返すかぎりでは、彼が八郎たちの担任だろう──と決めつけた。
「まあどうも、高村先生……かしら」
「本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。担任の高村六道です」
パリッとした黒スーツに堅気を疑わんばかりの面構えだが、柔らかな物腰からくる品の良さがその雰囲気を誤魔化している。ゆきは恐縮した。
「お忙しいやろうにご無理言いましてすみません。八郎の母です。いらしていただいてほんまおおきに。どうぞ向こうが庭なんです、八郎ご案内してちょうだい──あ、環奈ちゃんのゼミのお仲間もいらしたはるから粗相ないようにね」
「ああ、さっき会うた。お酒買うてきたってよ」
いいながら八郎は高村を連れて庭へと向かう。その後姿を見送って、
「柊くん」
と、すこし疲れた顔で柊介を見上げる。
「悪いんやけど文次郎連れてきてくれる? 散歩から帰ってきて、居間で休んでると思うから」
「うす」
勝手知ったるようすで柊介が家のなかへ上がりこむ。
居間から派手に足音が響いてまもなく、縁側の方から歓声があがった。どうやら文次郎が参加の女性陣に愛想を振りまき始めたらしい。かわいい、とか凛々しい、といった声が聞こえてくる。
ゆきはホッと脱力した。
戻ってきた柊介は、彼女を労わるように背に手を添えて「オーケイ」と口角をあげる。
まもなく仙石も合流した。これで参加者は全員だ。
ようやく花見の開始である。
と、高村は爆笑した。
オリエンテーリングを終え、近鉄奈良駅からの帰路のこと。刑部桜の花見のため、食糧調達をした松田恵子の荷物を見た反応である。
「それで一人分の量なんか!」
「ね、恐ろしいでしょ。納得するでしょ。コイツが猛獣と言われる所以が」
と武晴は顔を青くした。
しかし、当の恵子は知らん顔でからあげ棒を頬張っている。その横顔に、高村は感嘆の息を吐いた。
「こんな小柄でよう入るもんやなァ」
「食べ盛りなんスよ」
「いや盛りすぎやろ」
と柊介が口角をあげる。
「牛にも勝る女やでこれは──あいただだだッ」
「…………」
恵子は、無言で柊介の腕を締め上げた。
※
「この度はお招きいただきまして──」
刑部家の庭である。
雄々しく咲き誇る桜樹の下、浜崎を筆頭にゼミ集団六名が八郎の母に向けて深々と頭を下げる。この場にいないゼミ生は仙石である。買い物があるらしく開始までに間に合うように向かうと連絡があった。
「これ少しですが御礼をとおもいまして」
と、冴子から心ばかりの手土産が渡された。
包みこそしているが、その手触りから一升瓶であることは想像に容易い。
ゆきは機嫌のよい顔で腰を折った。
「あらまぁご丁寧にどうもです。お土産まで貰うてしもうてほんま、おおきに」
「いやとんでもない。なんやワシの知らんうちに話が決まっとってですね、さすがに迷惑やろ言うたんですけど──」
「エエんですよう」
とゆきが目を細める。
「こちらがお礼したいくらいです。環奈ちゃんを呼んでくれた先生にも、仲良うしてくれるお友達にも。改めまして私、環奈の叔母です。高校生の息子とその友だちも来はるさかいに、ちょっとうるさいかもわかりまへんけど。どうぞ楽しんだってください」
すでに庭にはテーブルと椅子、桜樹の下にはシートも敷かれていた。料理はこれから出すというが、そのほとんどが彼女の手作りだというから驚きである。
なるほど、これは最優先すべき一大イベントだろう──と剛はひっそり思う。
「なにかお手伝いさせてください」
と、冴子が胸を押さえた。
「まあ、助かるわ。それじゃお料理出すのとか手伝うてくれる? 剛くんと尚弥くんはそっちの大きいの、麻由ちゃんは盛り付けお願い。院生のみんなは飲み物……環奈ちゃーん」
「あーい」
と、居間から顔を出した環奈の胸には、文次郎が抱えられている。これから散歩へゆくところのようだ。
「文次郎の散歩ついでに、中村さんでお酒買うてきて。先輩といっしょに」
「あーい」
いつの間に着替えたか、スウェット姿で縁側から降りてくる。潮江は財布の中身を確認して「俺がいこう」とはりきった。
「潮江くんごめんなさいね、お願いします」
というゆきに、
「筋トレにちょうどええですけえ」
と、潮江はわらって門を出た。
──向かう先は『中村屋』という、馴染みの酒屋らしい。
酒屋に馴染みがあるとは意外だった。刑部家の女性ふたりを見るかぎりでは、酒屋に馴染みを持つほど飲むようには見えない。
「お前の叔母さん、けっこう飲むんか」
「すっごいんだって。”うわばみ”なのネ。はっちゃんパパが言ってた」
「はっはは、人は見かけによらんな」
角を曲がった。
左手前で、野生の鹿が町屋の扉を鼻先でつついている。奈良公園が近いせいだろう、近隣住民は慣れているためかその光景を意にも介していない。
福岡の田舎で生まれ育った潮江にとっては、野生動物とのふれあいはそう珍しくもないことだが、とはいえ鹿がこれほど近くに来るなど移住当初はとくに目を疑ったものだ。
「このあたりは家の方にも鹿が来るんやって?」
「ウン。文次郎のお散歩してるとたまに会うけど、みんないい子だからお互いにキョリをとってくれるのネ。でも、かわいいから鹿せんべいをたまにあげるデスヨ」
「へえ」
「あそこ!」
環奈は無邪気に指をさす。
『中村屋』は、家から十分ほどの場所にあった。文次郎を外につなぎ、中へ入る。
「おっちゃーん、こんちは!」
「……らっしゃい」
カウンターには新聞を広げる初老の男がひとり。環奈をじろりと一瞥すると、ふたたび新聞に目線を落とした。
店内は想像よりもこじんまりとしていたが、酒類は整然と並べられており、のんべえが求めるような酒がごろごろと目に付く。
浜崎が好きそうな焼酎とハイボール用のウイスキー、炭酸水をじっくりと選び抜き、かごに突っ込む。そして潮江は環奈を見た。
「刑部はまだ二十歳じゃないよな、ジュース買うか?」
「アッ。かんな飲みたいものあるの」
「持ってこい、ついでに買っちゃるけん」
「やったやった。ありがとござマス!」
環奈は慣れた手つきで桃のジュースを取り出し、かごに入れる。
いつも酒屋に来るたび、ついでにこの商品を買ってもらっているのだろう──想像するとおかしくて、潮江はくすっと笑った。
「どうも」
「毎度」
と、親爺はいった。
会計から退店時までぶっきらぼうではあったが、環奈にはわずかに口元をゆるめ、暗黙のままに値引きをしてくれた。
どうやら顔馴染みには甘いらしい。
「よし戻るぞ」
潮江は両腕に酒瓶の袋を提げ、環奈は文次郎のリードを引いて、ゆっくりともと来た道を引き返す。
「ねーね、潮江センパイ」
「うん?」
「刑部桜のコト知ってたデショ。それを教えてくれたのって、今日のお花見に来てくれる子だってゆってたけど、お友達なの──デスか?」
「ああ、特別親しいってわけじゃあない。同じジムに通っとるってだけで」
角を曲がり、右手に刑部家を捉える。
「ジムって?」
「うん」
前を見据えていた潮江が、口をへの字にした。
文次郎もワッと飛びはねる。
前方から高校生の集団が迫ってくるのを見て、アッ、と環奈が声をあげた。
「ボクシングを──」
「あ」
刑部家の前、高校生集団のうちのひとりが「潮江パイセン」と声をあげた。
からあげ棒を口にしていた、松田恵子である。
「どうぞいらっしゃい。八郎の母です、よう来てくれはっておおきに」
ゆきは京子と恵子の手をとって微笑した。
武晴と明夫は中学時代から顔見知り、松子と春菜は去年の参加者のため知っている。初参加のふたりが居心地悪そうに立ちすくむので、和ませようと思ってのことである。
案の定、京子はホッとした顔をした。
「刑部くんと同じクラスの滝沢京子と申します。このたびはお邪魔させてもろうて──ありがとうございます」
「おなじく松田恵子です。いっぱい食べに来ました」
頭を下げる京子と対照的に、恵子はテーブルに並べられた料理に釘付けになったまま快活にいった。すかさず松子がたしなめるように背中を叩く。
「まあ可愛らしい。どうぞどうぞ、そっちからお庭に行けますから。あと、今日は大学生のお兄さんお姉さんも参加してはるの。ちょっと狭いかもしれんけど、気にせず楽しんでね」
と、ゆきはすこし早口になった。
まったく今日は客人が多くて、気を配る相手が多い。
「おかん、遅なったごめん」
八郎だった。
後ろには柊介と見慣れぬ大男もいる。前日に八郎から聞いていたメンバーを思い返すかぎりでは、彼が八郎たちの担任だろう──と決めつけた。
「まあどうも、高村先生……かしら」
「本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。担任の高村六道です」
パリッとした黒スーツに堅気を疑わんばかりの面構えだが、柔らかな物腰からくる品の良さがその雰囲気を誤魔化している。ゆきは恐縮した。
「お忙しいやろうにご無理言いましてすみません。八郎の母です。いらしていただいてほんまおおきに。どうぞ向こうが庭なんです、八郎ご案内してちょうだい──あ、環奈ちゃんのゼミのお仲間もいらしたはるから粗相ないようにね」
「ああ、さっき会うた。お酒買うてきたってよ」
いいながら八郎は高村を連れて庭へと向かう。その後姿を見送って、
「柊くん」
と、すこし疲れた顔で柊介を見上げる。
「悪いんやけど文次郎連れてきてくれる? 散歩から帰ってきて、居間で休んでると思うから」
「うす」
勝手知ったるようすで柊介が家のなかへ上がりこむ。
居間から派手に足音が響いてまもなく、縁側の方から歓声があがった。どうやら文次郎が参加の女性陣に愛想を振りまき始めたらしい。かわいい、とか凛々しい、といった声が聞こえてくる。
ゆきはホッと脱力した。
戻ってきた柊介は、彼女を労わるように背に手を添えて「オーケイ」と口角をあげる。
まもなく仙石も合流した。これで参加者は全員だ。
ようやく花見の開始である。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~
御崎菟翔
キャラ文芸
【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】
「選ぶのはお前だ」
――そう言われても、もう引き返せない。
ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。
そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。
彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。
「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。
なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに!
小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。
その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる――
これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。
★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』
この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858
幽縁ノ季楼守
儚方ノ堂
キャラ文芸
「季楼庵当主の代理を務めてもらう」
幼少期、神隠しにあった過去を待つ青年ユメビシ。
迷い込んだ先で、事件に巻き込まれ両手を失い、生死を彷徨うことに。
ただ「死にたくない」と望んだ願いは、ある故人の手を移植することで実現した。
これを境に不死の体質へと変貌したユメビシは、約70年の時を経て、因縁の土地『瞑之島(みんのとう)』へ帰還する。
しかし、どうして今自分がここにいるのか、その理由となる記憶がすっぽり抜け落ちた状態で……。
奇妙な忘却に焦りを抱えながら、手がかりを求め探索するさなか、島の中枢を担う組織『季楼庵(きろうあん)』の面々と関わりを持ち、次々と巻き起こる騒動に身を投じていくのだった。
現代において、人と人ならざる者が共存する瞑之島を舞台に、半ば強制的に当主代理に据えられたユメビシの非日常。
異色の現代ファンタジー✖️和風奇譚✖️ミステリー
様々な思惑が交錯する中、彼の帰還を以て、物語は一つの結末へ動き出す。
その約束は、何十年何百年経ち、たとえ本人達が覚えていなくとも。
幽かな縁で繋がり続け、決して解けない糸となる。
それを人は、因縁――またの名を『呪い』と呼ぶのだった。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
祓い姫 ~祓い姫とさやけし君~
白亜凛
キャラ文芸
ときは平安。
ひっそりと佇む邸の奥深く、
祓い姫と呼ばれる不思議な力を持つ姫がいた。
ある雨の夜。
邸にひとりの公達が訪れた。
「折り入って頼みがある。このまま付いて来てほしい」
宮中では、ある事件が起きていた。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
白苑後宮の薬膳女官
絹乃
キャラ文芸
白苑(はくえん)後宮には、先代の薬膳女官が侍女に毒を盛ったという疑惑が今も残っていた。先代は瑞雪(ルイシュエ)の叔母である。叔母の濡れ衣を晴らすため、瑞雪は偽名を使い新たな薬膳女官として働いていた。
ある日、幼帝は瑞雪に勅命を下した。「病弱な皇后候補の少女を薬膳で救え」と。瑞雪の相棒となるのは、幼帝の護衛である寡黙な武官、星宇(シンユィ)。だが、元気を取り戻しはじめた少女が毒に倒れる。再び薬膳女官への疑いが向けられる中、瑞雪は星宇の揺るぎない信頼を支えに、後宮に渦巻く陰謀へ踏み込んでいく。
薬膳と毒が導く真相、叔母にかけられた冤罪の影。
静かに心を近づける薬膳女官と武官が紡ぐ、後宮ミステリー。
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる