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拾壱の抄 恋の淵
其の陸
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──。
────。
カタン、と音が鳴る。
冴子は肩を揺らして外の様子をうかがった。
どうやら八郎たちが戻ってきたようだ。よかった、これで全員ペンションのなかで眠っていることだろう。
ホッと息を吐く。
彼らの戻りを確認したら寝ようと思っていた。これまで開いていた参考文献を閉じて、冴子は寝巻きに着替える。
そして部屋の鍵を閉めようとして、
「あ」
とおもわず声を漏らした。
──部屋の鍵、開けといて。
といった仙石の声を思い出す。
(…………)
しかし彼も、夕方から夜にかけては相当酒を飲んでいた。きっともう酔っぱらってしまって、起きては来ない──。
冴子の心臓がふたたびドッと激しく脈打った。
「……ま、いっか」
冴子は鍵から手を離す。
べつに鍵を閉めずに寝てもそう問題ではない。来なければ来ないで、それならそれでいい。
「バカバカしい──寝よう」
そして冴子はベッドにもぐりこむ。
布団に包まれる安心感にほうと息をついたことで、あの言葉を聞いてからずっと気を張っていた自分に気が付いた。
もういい、考えないようにしよう。
冴子はぎゅうと瞳をつむった。
────。
コンコン、コン。
三度のノックがする。
冴子はぐっすりと眠っている。やがて部屋主の返事も待たずに、扉は開いた。
「…………寝てるし」
仙石清武。
すこし調子にのって飲みすぎた頭を、仮眠によってしゃっきりと目覚めさせてやってきたのだが──すこし待たせすぎたようだ。
「……さえこ」
枕元に寄る。
しかし彼女はわずかに身じろぎをするのみで、目を覚ましはしない。
ベッドの端に腰を掛け、そろりと彼女の頬に触れる。
ふわっとした感触が指から伝わって、仙石は眉を下げた。
「ん──きよ、?」
冴子がわずかに目を開けた。
ぼんやりと目の前にいる影を見て、やがてパチッと覚醒する。
「あっ」
「遅なった、すまん。起こしてもうたな」
「やだ──本当に来たの」
「あかんかった?」
「そ、うじゃないけど」
と身体を起こそうとした。が、仙石はそれを押さえて「そのまま」とつぶやく。
どういうことだろう。
冴子は、掛け布団を鼻頭まで引き上げた。彼は眠そうに目をこすると、冴子の隣にごろりと横になる。シングルベッドゆえに、窮屈そうに身を縮みこませている。
哀れに思ってすこし身をずらした。
彼は「ありがとう」と自分の左腕を枕に、冴子の方へ身体を向けた。
「ずいぶん酔ってるね……」
「きょう、有沢くんと話したよ」
「────」
唐突に語りはじめる。
いつも、彼の話は嫌いじゃなかった。だから冴子は顔だけを右に向けて続きを待つ。
「僕の悩みを聞いてもらった」
「悩み?」
悩みとは、いったいなんだろう──。冴子はこくりと喉を鳴らした。
しかし仙石はそれに言及することなく、すこしささやくような声でつづける。
「そしたら『アホか』ってひと言、叱られた」
「ええ?」
「出来もせえへんことで悩むより、これまでの時間のなかにある答えにさっさと気付けってさ」
よくわからない。
悩みってなんなの、と冴子はおもいきって聞いてみた。
仙石はすこし黙ってから
「すすむか、戻るべきか」
とだけつぶやいた。
「戻る──?」
「うん」
仙石はじっと冴子を見つめた。
どきり、と心臓が脈打つ。その視線にこもる熱に気が付いた。
口のなかが渇いて「それで」と発した言葉はすこしかすれた。
「答えは、出たの」
「──うん。もうあった」
「…………」
どんな答え──とは聞けなかった。
すすむか、戻るべきか。
こわかった。もし、戻ろうと言われたら。……
きっとそれでも物わかりのいい女を演じてうなずいてしまう自分がいるだろう、とも思っていた。
「仙石くん、……」
声がふるえる。彼はむくりと起き上がる。
聞きたくない。ききたくない──。
ドッ、ドッ、と心臓がうるさく響く。そんな冴子をよそに彼がうつむいてとっくりと熟考をはじめた。腕を組み、凛々しい横顔がわずかに曇る。
やがて、
「しゃーないよな」
と彼はみょうに優しい声色でいった。
えっ、と冴子が頭をもたげる。浮いた彼女の背に手をまわしてその身を抱き寄せた。
「あきらめてくれ」
「…………」
「キミにとって、僕がどういうもんか図りかねて──らしくもないことで悩んでしもうたけど、やっぱり僕にとっての答えはもうひとつだけやねん」
冴子の髪を梳く。
「今後一生、僕といっしょにいてほしい」
そして頭を自分の胸に抱いた。
冴子は、ぼう然としたまま身じろぎひとつしない。
「これまでの何倍もの時間もずーっと、ずっと」
「せ、」
「──やっぱり。『好き』もしっくり来いひんのよな。もっと深くて……うまいことばが見つからへん」
心臓の音がする。
すこし速いそれは、いったいどちらの音だろう──。
冴子がふと顔をあげた。彼は、思いのほか頬を赤くして黙っている。きっとこちらの返事を待っているのだ。
(一生。……)
心のなかで復唱した。
冴子の答えは決まっている。考えなくても、気が付けばもうずっと。
「その、つもりだった──けど」
いったとたん、頬がカッと熱くなった。
しかし彼はほころぶようにわらって、やがて冴子に身を重ねる。
五年という月日をともに過ごしてきたというに、彼の声も、吐息も、表情も。
そのすべてが新しくて、冴子はひとつも見逃すまいと必死に瞳をあけていた。
──最後。
深い口づけののち、ふたりはどうと倒れるように眠りについた。
はてさて、それはどちらの夢路か。
『筑波嶺の みねより落つる みなの川
恋ぞつもりて ふちとなりぬる』
──。
塵は積もれば山となり、恋が積もれば淵となる。
気が付けばおさまりのつかぬほどに深くなった愛情が、これほどに心地よいものとは。
※ ※ ※
──あるかも知らなんだ恋心。
筑波山の峯から流れる川がやがて
深い淵を作るように、この想いは積もり、
いつしかこれほどにきみが愛しい。──
第十三首 陽成院
使者に持たせ、
のちの妻となる釣殿の皇女に
あてて詠める。
※
──。
────。
帰りのとき。
「えっ、冴ちゃんセンパイはまだ残るのォ」
と環奈が口を尖らせる。
すこし疲れた顔をして、冴子はうなずいた。
「あした父が迎えに来ることになってるの。もうすこし、論文も進めたいし」
「まっじめェ」
「だから環奈ちゃん、また学校でね」
その先。
車の準備をする尚弥が「乗ってええぞ」と声をあげる。さすがの松子も帰りまで同乗者を気にかけるのは面倒くさかったのか、
「がんばって!」
と京子、明夫の背中を叩いている。
「有沢くん」
「──?」
仙石だった。
とてもスッキリした顔でわずかに微笑している。柊介はその表情ですべてを察したか、
「悩みは解決したっスか」
と笑った。
「ああ。大いにね」
「おめでとうございます」
「ありがとう」
フフフ、とわらう彼が、柊介の肩を叩く。
昨日。
黒木冴子の気持ちを図りかね、今後の関係をすすませるか戻るべきかと悩む仙石清武に、有沢柊介がこぼした言葉がある。
『関係を進ませて、仙石さんが後悔すんのやったらやめたがええ。……ほんでもひとつだけ言わせてもらうけど』
淡白だとおもっていた彼の、
『──恋を知ってしもたらもう戻れへん』
内にくすぶる激情を、垣間見た。
『あったけえのも、つぶれそうなんもぜんぶ知ってもうたら……戻れへん。怖くても心細くても、進むしかないねん。それがたぶん、恋ってもんやねん』
きっと昨日の彼こそ、彼そのものなのだろうと仙石は思っている。
(いつか聞けるだろうか)
聞けたら、そのときは。
「──楽しみやなァ」
「え、なにがスか」
仙石は、肩を揺らしてわらった。
────。
カタン、と音が鳴る。
冴子は肩を揺らして外の様子をうかがった。
どうやら八郎たちが戻ってきたようだ。よかった、これで全員ペンションのなかで眠っていることだろう。
ホッと息を吐く。
彼らの戻りを確認したら寝ようと思っていた。これまで開いていた参考文献を閉じて、冴子は寝巻きに着替える。
そして部屋の鍵を閉めようとして、
「あ」
とおもわず声を漏らした。
──部屋の鍵、開けといて。
といった仙石の声を思い出す。
(…………)
しかし彼も、夕方から夜にかけては相当酒を飲んでいた。きっともう酔っぱらってしまって、起きては来ない──。
冴子の心臓がふたたびドッと激しく脈打った。
「……ま、いっか」
冴子は鍵から手を離す。
べつに鍵を閉めずに寝てもそう問題ではない。来なければ来ないで、それならそれでいい。
「バカバカしい──寝よう」
そして冴子はベッドにもぐりこむ。
布団に包まれる安心感にほうと息をついたことで、あの言葉を聞いてからずっと気を張っていた自分に気が付いた。
もういい、考えないようにしよう。
冴子はぎゅうと瞳をつむった。
────。
コンコン、コン。
三度のノックがする。
冴子はぐっすりと眠っている。やがて部屋主の返事も待たずに、扉は開いた。
「…………寝てるし」
仙石清武。
すこし調子にのって飲みすぎた頭を、仮眠によってしゃっきりと目覚めさせてやってきたのだが──すこし待たせすぎたようだ。
「……さえこ」
枕元に寄る。
しかし彼女はわずかに身じろぎをするのみで、目を覚ましはしない。
ベッドの端に腰を掛け、そろりと彼女の頬に触れる。
ふわっとした感触が指から伝わって、仙石は眉を下げた。
「ん──きよ、?」
冴子がわずかに目を開けた。
ぼんやりと目の前にいる影を見て、やがてパチッと覚醒する。
「あっ」
「遅なった、すまん。起こしてもうたな」
「やだ──本当に来たの」
「あかんかった?」
「そ、うじゃないけど」
と身体を起こそうとした。が、仙石はそれを押さえて「そのまま」とつぶやく。
どういうことだろう。
冴子は、掛け布団を鼻頭まで引き上げた。彼は眠そうに目をこすると、冴子の隣にごろりと横になる。シングルベッドゆえに、窮屈そうに身を縮みこませている。
哀れに思ってすこし身をずらした。
彼は「ありがとう」と自分の左腕を枕に、冴子の方へ身体を向けた。
「ずいぶん酔ってるね……」
「きょう、有沢くんと話したよ」
「────」
唐突に語りはじめる。
いつも、彼の話は嫌いじゃなかった。だから冴子は顔だけを右に向けて続きを待つ。
「僕の悩みを聞いてもらった」
「悩み?」
悩みとは、いったいなんだろう──。冴子はこくりと喉を鳴らした。
しかし仙石はそれに言及することなく、すこしささやくような声でつづける。
「そしたら『アホか』ってひと言、叱られた」
「ええ?」
「出来もせえへんことで悩むより、これまでの時間のなかにある答えにさっさと気付けってさ」
よくわからない。
悩みってなんなの、と冴子はおもいきって聞いてみた。
仙石はすこし黙ってから
「すすむか、戻るべきか」
とだけつぶやいた。
「戻る──?」
「うん」
仙石はじっと冴子を見つめた。
どきり、と心臓が脈打つ。その視線にこもる熱に気が付いた。
口のなかが渇いて「それで」と発した言葉はすこしかすれた。
「答えは、出たの」
「──うん。もうあった」
「…………」
どんな答え──とは聞けなかった。
すすむか、戻るべきか。
こわかった。もし、戻ろうと言われたら。……
きっとそれでも物わかりのいい女を演じてうなずいてしまう自分がいるだろう、とも思っていた。
「仙石くん、……」
声がふるえる。彼はむくりと起き上がる。
聞きたくない。ききたくない──。
ドッ、ドッ、と心臓がうるさく響く。そんな冴子をよそに彼がうつむいてとっくりと熟考をはじめた。腕を組み、凛々しい横顔がわずかに曇る。
やがて、
「しゃーないよな」
と彼はみょうに優しい声色でいった。
えっ、と冴子が頭をもたげる。浮いた彼女の背に手をまわしてその身を抱き寄せた。
「あきらめてくれ」
「…………」
「キミにとって、僕がどういうもんか図りかねて──らしくもないことで悩んでしもうたけど、やっぱり僕にとっての答えはもうひとつだけやねん」
冴子の髪を梳く。
「今後一生、僕といっしょにいてほしい」
そして頭を自分の胸に抱いた。
冴子は、ぼう然としたまま身じろぎひとつしない。
「これまでの何倍もの時間もずーっと、ずっと」
「せ、」
「──やっぱり。『好き』もしっくり来いひんのよな。もっと深くて……うまいことばが見つからへん」
心臓の音がする。
すこし速いそれは、いったいどちらの音だろう──。
冴子がふと顔をあげた。彼は、思いのほか頬を赤くして黙っている。きっとこちらの返事を待っているのだ。
(一生。……)
心のなかで復唱した。
冴子の答えは決まっている。考えなくても、気が付けばもうずっと。
「その、つもりだった──けど」
いったとたん、頬がカッと熱くなった。
しかし彼はほころぶようにわらって、やがて冴子に身を重ねる。
五年という月日をともに過ごしてきたというに、彼の声も、吐息も、表情も。
そのすべてが新しくて、冴子はひとつも見逃すまいと必死に瞳をあけていた。
──最後。
深い口づけののち、ふたりはどうと倒れるように眠りについた。
はてさて、それはどちらの夢路か。
『筑波嶺の みねより落つる みなの川
恋ぞつもりて ふちとなりぬる』
──。
塵は積もれば山となり、恋が積もれば淵となる。
気が付けばおさまりのつかぬほどに深くなった愛情が、これほどに心地よいものとは。
※ ※ ※
──あるかも知らなんだ恋心。
筑波山の峯から流れる川がやがて
深い淵を作るように、この想いは積もり、
いつしかこれほどにきみが愛しい。──
第十三首 陽成院
使者に持たせ、
のちの妻となる釣殿の皇女に
あてて詠める。
※
──。
────。
帰りのとき。
「えっ、冴ちゃんセンパイはまだ残るのォ」
と環奈が口を尖らせる。
すこし疲れた顔をして、冴子はうなずいた。
「あした父が迎えに来ることになってるの。もうすこし、論文も進めたいし」
「まっじめェ」
「だから環奈ちゃん、また学校でね」
その先。
車の準備をする尚弥が「乗ってええぞ」と声をあげる。さすがの松子も帰りまで同乗者を気にかけるのは面倒くさかったのか、
「がんばって!」
と京子、明夫の背中を叩いている。
「有沢くん」
「──?」
仙石だった。
とてもスッキリした顔でわずかに微笑している。柊介はその表情ですべてを察したか、
「悩みは解決したっスか」
と笑った。
「ああ。大いにね」
「おめでとうございます」
「ありがとう」
フフフ、とわらう彼が、柊介の肩を叩く。
昨日。
黒木冴子の気持ちを図りかね、今後の関係をすすませるか戻るべきかと悩む仙石清武に、有沢柊介がこぼした言葉がある。
『関係を進ませて、仙石さんが後悔すんのやったらやめたがええ。……ほんでもひとつだけ言わせてもらうけど』
淡白だとおもっていた彼の、
『──恋を知ってしもたらもう戻れへん』
内にくすぶる激情を、垣間見た。
『あったけえのも、つぶれそうなんもぜんぶ知ってもうたら……戻れへん。怖くても心細くても、進むしかないねん。それがたぶん、恋ってもんやねん』
きっと昨日の彼こそ、彼そのものなのだろうと仙石は思っている。
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聞けたら、そのときは。
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「え、なにがスか」
仙石は、肩を揺らしてわらった。
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