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廿弐の抄 和解
其の弐
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──このままじゃあ、みんな死んじまう。
──神さまにおねがいしよう。
──ささげるのだ。
──白き童を!
かつての光景がよみがえる。
わたしは、足の長い草影に隠れて身をひそめている。
「見つけたぞ!」
しかし草の根をかき分ける村の男に見つかってしまった。
視界が翳る。大人たちがこちらを見下ろしている。
こわい。こわい。こわい──。
(どうしてわたしをそんな目で見るの)
どうして。
髪をつかまれた。痛い。
そのまま川に顔をつっこまれて、わたしはおどろき慌てて水を呑み込んでしまった。
(あっ)
がぼ、と肺に水が流れこむ。
苦しい。苦しい!
暴れもがくと、頭をおさえつける力がなくなった。あわてて身を起こす。ゲホゲホと噎せるなか、水面に映った自分の顔を見た。
──この白い髪がいけないの?
──赤い瞳がいけないの?
──なにをしたら生きていてもいいの?
──どうしたら、……愛されるの。
「ごめんよ」
うしろで声がする。
振り返ると、涙を流す男がひとり。
(おっとう)
息苦しくてぜえぜえと肩を上下に揺らしながら、心のなかでつぶやいた。
「おまえがこの村を救うんだ。神様となって──どうか見守っておくれ」
──神さま?
──どうしてわたしが神さまになるの?
──おっとうはそれでいいの?
──どうして。
────。
ゆれる。ゆれる。
大きな戸板に乗せられて、わたしは『お供え淵』へと運ばれている。
「どうか怒りをお鎮めくだされませ。娘をお供えいたします。どうか──」
父が下卑た笑みを浮かべた。
(おっとう、おっかあ)
頬に涙が伝う。
身体がふわりと浮かんだ刹那のことである。
「ぐわあッ」
父やうしろに控えた男たちの悲鳴が真上から聞こえた。
自分のからだが投げ出される。痛い。けれど生きている。
すぐ先は、淵であった。
いったいなにが起きた、とおそるおそる顔をあげる。
目の前に見えたのは、切り裂かれた男と、闇の奥に光る"琥珀色の瞳"だけ。
(……神さま?)
ぽろりと涙がこぼれた。
よく見ると、それは黒い毛におおわれた大きな獣。琥珀色の瞳がぎろりとこちらを睨みつけている。食われる──と思ったけれど、獣はわたしの腕をぺろぺろとやさしく舐めた。
よく見ると腕に傷がついている。
そうか、さきほど投げ出されたときに擦りむいたんだ。けれどどうして──。
「神さま、あなたが神さま……?」
「グルルルル」
ひどく悲しい目をしている。
わたしとおなじ。けれど、その瞳の奥はなんて慈悲深い光──。
獣はまもなくその場を立ち去った。
『お供え淵』のまわりには身体を食い破られた男たちの死骸が転がっている。きっと淵に投げ捨てられるわたしを憐れにおもって助けてくださったんだ。
わたしはそう思った。
きっと、いつか御礼に行こう。そう思った。……けれど。
「あの娘はやはり呪われているのかもしれません」
「祟りか」
「なればほかの娘を」
「そうだ、村のはずれにまだ六つの娘がいたな」
「あの子にしよう」
「そうしよう」
聞いてしまった。
たまたま、通りがかりで聞いてしまった話。わたしが身を投げなければ、ほかの娘が淵に投げられるということだった。
ドッ。ドッ。
胸のうちがおおきく鼓動をうつ。
まもなくして、その六つの娘は村の男たちにさらわれてきた。わたしは草の影に隠れてこっそりとそれを見ていた。
少女はわけもわからずに泣いていた。
そのうしろには、優しそうな父母が泣き崩れていた。
嗚呼──。
わたしは決めた。
やはり身を投げなければならない。
それが、わたしがこの世に生まれ出でた意味だった。
おっとう。おっかあ。
生んでくれてありがとう。わたしは生まれてはじめて、生まれてきてよかったと思えた。
あの獣の神様には申し訳ないけれど、これもサダメと受け入れよう。
わたしはふたたび祭祀をつとめる村長のもとへと申し出で、それからまもなく、お供え淵へと身を投げた。
落ちる。落ちる──。
もはや意識もないなかで、わたしの瞼の裏にはあの琥珀色のきれいな瞳だけが映っていた。
※
「わたしは、神になどならなかった」
胡蝶は泣いていた。
かつて御供となった少女、六花はずっとずっと抱えていた孤独を吐き出すかのごとく、声をあげて泣いていた。
「ハルカゲが、あの琥珀色の瞳にわたしを映してくれたあのときから──わたしはハルカゲのために生きようとおもってた」
気がつけば淵から離れられぬ自分がいた。
でも、それでもよかった。なぜならここで自分はハルカゲという神さまと出会ったのだから。
「だけれど鬼一が、鬼一が来たの」
鬼一が。
「あの人が、永劫落ちつづけるわたしをすくってくれた。ハルカゲに会わせてくれた──ずっと逢いたいとおもっていたわたしの神さまに会わせてくれた」
「胡蝶──」
「だからあの人の式になってもいいと、思って。そうしてハルカゲのそばにいると、……誓ったのに」
それももう、といって胡蝶は口を閉ざした。
闇のなかに彼女の雫がぽたりと落ちる音がやけに鮮明にひびく。静謐な空気をだれも乱そうとはしなかった。──が。
しかし八郎はちがった。
ひとり、身体を折って泣き出した。
篁と玄影が目を見開いて八郎に寄る。
「は、八郎」
「…………おれ、そんなん──」
しゃくりあげてことばをつむぐ八郎に、胡蝶でさえも顔をあげた。
「そんなんツラすぎるやんか、なにが神さまや。なにが村のためや。おまえの人生、お前のもんやのに──」
以前、夢のなかで白い娘と同調したことがある八郎にとって、その気持ちがどれほど苦しいものだったかがよく分かってしまった。
恵まれぬ環境のなかで、唯一見つけた黒い光。
それに一心にすがっていた彼女の心情を思えば、涙をこらえることなどできはしなかった。
「おれ、アンタの術を解きに来てん」
しゃくりあげながらも、八郎はつづけた。
「ホンマは術も解かずにそのまま──和本にハルカゲといっしょにもどったらそれでええんちゃうかとも思たんやけど。でも、それはちがった」
「…………」
「アンタは、もうええ加減に自由にならんといかんねん。鬼一からも、ハルカゲからも解き放たれて、今度こそアンタはアンタの人生歩かなあかんねん」
「解かれたところで」
胡蝶はさけんだ。
「どこに行けばいいの。わたしにはいく場所なんかどこにもない。わたしの帰る場所は、唯一──ハルカゲだったのに。だけどもうそれもできない。ハルカゲはそばにいさせてくれない。だってわたしいじわるしたんだもの。ハルカゲの逢いたい人から遠ざけて、捨てられるのがこわくて、いじわるしてたんだものッ」
ハッ、と玄影が息を呑む。
しかしそのさけびにつられるかのように、八郎もさけび返した。
「そんなんで嫌いになるかよ!」
「…………」
「千年もいっしょにいて、なんでそんなことわからへんねや。おれは、おれは……たった二日間のうちに夢見ただけやけど、それでもなんでか玄影の気持ちわかるよ。だから言えるんよ、胡蝶。……」
もう泣かんでもええねん。
そういって八郎は胡蝶をやさしく抱きしめた。
「……う、ゥ」
その腕のぬくもりに。
その鼓動のあたたかさに。
胡蝶はふたたび声をあげて泣いた。
「胡蝶」
玄影が近づく。
しかし胡蝶はビクッと肩を揺らして八郎を盾にして身を隠した。
「胡蝶、かえろう」
「…………」
「胡蝶」
「どこに……?」
胡蝶は八郎の腕をしっかと掴み、涙声でつぶやく。
一歩。また一歩と玄影が近付いた。
「胡蝶は鬼一へ、六花は──私たちといっしょに」
盾になっていた八郎が身体をずらす。
玄影は、ようやく姿を見せた胡蝶の頬に鼻をすり寄せて、
「もうかえろう」
といった。
──神さまにおねがいしよう。
──ささげるのだ。
──白き童を!
かつての光景がよみがえる。
わたしは、足の長い草影に隠れて身をひそめている。
「見つけたぞ!」
しかし草の根をかき分ける村の男に見つかってしまった。
視界が翳る。大人たちがこちらを見下ろしている。
こわい。こわい。こわい──。
(どうしてわたしをそんな目で見るの)
どうして。
髪をつかまれた。痛い。
そのまま川に顔をつっこまれて、わたしはおどろき慌てて水を呑み込んでしまった。
(あっ)
がぼ、と肺に水が流れこむ。
苦しい。苦しい!
暴れもがくと、頭をおさえつける力がなくなった。あわてて身を起こす。ゲホゲホと噎せるなか、水面に映った自分の顔を見た。
──この白い髪がいけないの?
──赤い瞳がいけないの?
──なにをしたら生きていてもいいの?
──どうしたら、……愛されるの。
「ごめんよ」
うしろで声がする。
振り返ると、涙を流す男がひとり。
(おっとう)
息苦しくてぜえぜえと肩を上下に揺らしながら、心のなかでつぶやいた。
「おまえがこの村を救うんだ。神様となって──どうか見守っておくれ」
──神さま?
──どうしてわたしが神さまになるの?
──おっとうはそれでいいの?
──どうして。
────。
ゆれる。ゆれる。
大きな戸板に乗せられて、わたしは『お供え淵』へと運ばれている。
「どうか怒りをお鎮めくだされませ。娘をお供えいたします。どうか──」
父が下卑た笑みを浮かべた。
(おっとう、おっかあ)
頬に涙が伝う。
身体がふわりと浮かんだ刹那のことである。
「ぐわあッ」
父やうしろに控えた男たちの悲鳴が真上から聞こえた。
自分のからだが投げ出される。痛い。けれど生きている。
すぐ先は、淵であった。
いったいなにが起きた、とおそるおそる顔をあげる。
目の前に見えたのは、切り裂かれた男と、闇の奥に光る"琥珀色の瞳"だけ。
(……神さま?)
ぽろりと涙がこぼれた。
よく見ると、それは黒い毛におおわれた大きな獣。琥珀色の瞳がぎろりとこちらを睨みつけている。食われる──と思ったけれど、獣はわたしの腕をぺろぺろとやさしく舐めた。
よく見ると腕に傷がついている。
そうか、さきほど投げ出されたときに擦りむいたんだ。けれどどうして──。
「神さま、あなたが神さま……?」
「グルルルル」
ひどく悲しい目をしている。
わたしとおなじ。けれど、その瞳の奥はなんて慈悲深い光──。
獣はまもなくその場を立ち去った。
『お供え淵』のまわりには身体を食い破られた男たちの死骸が転がっている。きっと淵に投げ捨てられるわたしを憐れにおもって助けてくださったんだ。
わたしはそう思った。
きっと、いつか御礼に行こう。そう思った。……けれど。
「あの娘はやはり呪われているのかもしれません」
「祟りか」
「なればほかの娘を」
「そうだ、村のはずれにまだ六つの娘がいたな」
「あの子にしよう」
「そうしよう」
聞いてしまった。
たまたま、通りがかりで聞いてしまった話。わたしが身を投げなければ、ほかの娘が淵に投げられるということだった。
ドッ。ドッ。
胸のうちがおおきく鼓動をうつ。
まもなくして、その六つの娘は村の男たちにさらわれてきた。わたしは草の影に隠れてこっそりとそれを見ていた。
少女はわけもわからずに泣いていた。
そのうしろには、優しそうな父母が泣き崩れていた。
嗚呼──。
わたしは決めた。
やはり身を投げなければならない。
それが、わたしがこの世に生まれ出でた意味だった。
おっとう。おっかあ。
生んでくれてありがとう。わたしは生まれてはじめて、生まれてきてよかったと思えた。
あの獣の神様には申し訳ないけれど、これもサダメと受け入れよう。
わたしはふたたび祭祀をつとめる村長のもとへと申し出で、それからまもなく、お供え淵へと身を投げた。
落ちる。落ちる──。
もはや意識もないなかで、わたしの瞼の裏にはあの琥珀色のきれいな瞳だけが映っていた。
※
「わたしは、神になどならなかった」
胡蝶は泣いていた。
かつて御供となった少女、六花はずっとずっと抱えていた孤独を吐き出すかのごとく、声をあげて泣いていた。
「ハルカゲが、あの琥珀色の瞳にわたしを映してくれたあのときから──わたしはハルカゲのために生きようとおもってた」
気がつけば淵から離れられぬ自分がいた。
でも、それでもよかった。なぜならここで自分はハルカゲという神さまと出会ったのだから。
「だけれど鬼一が、鬼一が来たの」
鬼一が。
「あの人が、永劫落ちつづけるわたしをすくってくれた。ハルカゲに会わせてくれた──ずっと逢いたいとおもっていたわたしの神さまに会わせてくれた」
「胡蝶──」
「だからあの人の式になってもいいと、思って。そうしてハルカゲのそばにいると、……誓ったのに」
それももう、といって胡蝶は口を閉ざした。
闇のなかに彼女の雫がぽたりと落ちる音がやけに鮮明にひびく。静謐な空気をだれも乱そうとはしなかった。──が。
しかし八郎はちがった。
ひとり、身体を折って泣き出した。
篁と玄影が目を見開いて八郎に寄る。
「は、八郎」
「…………おれ、そんなん──」
しゃくりあげてことばをつむぐ八郎に、胡蝶でさえも顔をあげた。
「そんなんツラすぎるやんか、なにが神さまや。なにが村のためや。おまえの人生、お前のもんやのに──」
以前、夢のなかで白い娘と同調したことがある八郎にとって、その気持ちがどれほど苦しいものだったかがよく分かってしまった。
恵まれぬ環境のなかで、唯一見つけた黒い光。
それに一心にすがっていた彼女の心情を思えば、涙をこらえることなどできはしなかった。
「おれ、アンタの術を解きに来てん」
しゃくりあげながらも、八郎はつづけた。
「ホンマは術も解かずにそのまま──和本にハルカゲといっしょにもどったらそれでええんちゃうかとも思たんやけど。でも、それはちがった」
「…………」
「アンタは、もうええ加減に自由にならんといかんねん。鬼一からも、ハルカゲからも解き放たれて、今度こそアンタはアンタの人生歩かなあかんねん」
「解かれたところで」
胡蝶はさけんだ。
「どこに行けばいいの。わたしにはいく場所なんかどこにもない。わたしの帰る場所は、唯一──ハルカゲだったのに。だけどもうそれもできない。ハルカゲはそばにいさせてくれない。だってわたしいじわるしたんだもの。ハルカゲの逢いたい人から遠ざけて、捨てられるのがこわくて、いじわるしてたんだものッ」
ハッ、と玄影が息を呑む。
しかしそのさけびにつられるかのように、八郎もさけび返した。
「そんなんで嫌いになるかよ!」
「…………」
「千年もいっしょにいて、なんでそんなことわからへんねや。おれは、おれは……たった二日間のうちに夢見ただけやけど、それでもなんでか玄影の気持ちわかるよ。だから言えるんよ、胡蝶。……」
もう泣かんでもええねん。
そういって八郎は胡蝶をやさしく抱きしめた。
「……う、ゥ」
その腕のぬくもりに。
その鼓動のあたたかさに。
胡蝶はふたたび声をあげて泣いた。
「胡蝶」
玄影が近づく。
しかし胡蝶はビクッと肩を揺らして八郎を盾にして身を隠した。
「胡蝶、かえろう」
「…………」
「胡蝶」
「どこに……?」
胡蝶は八郎の腕をしっかと掴み、涙声でつぶやく。
一歩。また一歩と玄影が近付いた。
「胡蝶は鬼一へ、六花は──私たちといっしょに」
盾になっていた八郎が身体をずらす。
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