27 / 104
第二章
26話 リーグ戦
しおりを挟む
神奈川県大会本選当日。
県予選においてベスト8まで勝ち上がった高校が、本選会場であるゆとりの森公園テニスコート場に集合した。
そのうちの二校が、青峰学院高校と我が才徳学園である。賞状はベスト8から贈られるが、才徳学園は興味もない。勝ち獲るべくは県優勝から関東大会への切符ただひとつ。
「とうとう県本選よ。みんなのこと信じてるから、絶対に優勝しましょうね!」
と、顧問の天谷が拳を突き上げる。
どこか緊張感の削がれる応援に、レギュラー陣はほっこりとわらった。が、大神はひとり険しい顔で一同を見渡す。
「では、今日のオーダーを発表する。S1が俺でS2に杉山」
「おう!」
杉山の頬が紅潮した。
あれから大神との特訓を繰り返し、杉山はわずか二週間足らずでシングルスに対しての苦手意識を打ち消した。
今日がその御披露目なのである。伊織がにっこりわらって杉山の肩を叩く。
「D1に倉持と明前」
「おっ、よろしくな明前」
「はいッス。めっちゃ頑張ります」
「なんでオレんときと反応ちゃうねんコラァ!」
「うるさっ」
「前回も言ったとおり、今年からベスト4以上はリーグ戦だ。オーダーは前にも発表したが変わらずD2に姫川と星丸、S3に蜂谷──」
と、聞くなり星丸と姫川はよっしゃあと飛び上がった。いい加減、公式戦の待機に飽きていたところだったからだ。
いいか、と大神の口元に笑みが浮かぶ。
「オーダーは以上だ。次の試合、ベンチコーチはこれまでと同じ、S1には七浦、ほかは俺が入る」
え。
などという声こそ上げないものの、伊織はわずかに首をかしげた。果たして自分がベンチに入る必要があるのか──という疑問が浮かぶ。
しかし大神は心のうちを読んだのか、
「必要はある」
ピシャリと言った。
それから、倉持と顧問の天谷の肩に手を回す。才徳学園円陣の合図である。一斉にメンバーはとなりの人間の肩を組み、前傾した。
「県大会、俺たちが残す結果は優勝ただひとつ。こんなところで転けんじゃねえぞッ」
「応ッ」
声がひとつになる。
ここで一番嬉しそうだったのは、なぜか顧問の天谷であった。こういう運動部のノリがたまらなく好きらしい。
とはいえ、青峰以外の高校など、いまの才徳学園には大した相手ではない。大神は準々決勝のS1試合時間を二十分に抑え、ゲームカウント6-0というストレート勝ち。D1ペアも難なく勝ち進んだ。レギュラー陣が一抹の不安としたのは、公式戦でのシングルスが久しい杉山のS2であったが、チームメイトの心配もよそに、彼は人一倍楽しそうにテニスをしてベスト4進出を決める。
神奈川県の関東大会出場枠は四校。これで関東大会への切符は手に入れたようなものである。
やったやった、と伊織はよろこんだ。
「スゴイ、関東大会行けるんや!」
「当たり前だろ。こんなところでまごついてたら、桜爛なんて夢のまた夢だぜ」
と、姫川は星丸とともに入念にストレッチをおこなう。
公式戦で伊織がこのふたりのダブルスを見るのははじめてだ。もちろんS3に出る蜂谷も。彼はいつもどおりのクールな面持ちでラケットをくるりと遊ばせる。
「Aコートが終わって、ベスト4が揃った。ここからはリーグ戦だ」
「うちと青峰──あとどこだ?」
「星翔と入生田。まあ、出るとこが出揃ったって感じか」
蜂谷が言ったところで、各々クールダウンを終えた四人の才徳選手が戻ってくる。
ついさっき試合を終えたというのに、彼らの顔に疲れは一切見えない。伊織は満面の笑みで杉山の腕に抱きついた。
「オスギ、めっちゃええ感じやーん!」
「うるさいわピーコ。オスギ言うなや。まあ確かに、今日はシングルスがめちゃくちゃ楽しいよ。不思議なもんやで」
「大神とどんな特訓したん」
「そらァ秘密でんがな」
と、杉山の瞳が泳ぐ。
伊織は不思議そうに大神を見るも、彼は言うつもりがないのかフッとわらってラケットのグリップを巻き直した。
きたわよぉ、と背後から天谷夏子が駆けてくる。リーグ戦の対戦表を受け取ったらしい。星丸がぐっと顔を寄せた。
「天谷先生、リーグ戦の初戦は?」
「青峰学院ですって」
「ッエ、初戦から!?」
「そうなの。つぎに星翔ときて、最後が入生田だそうよ。まあ最初に一番難しいところ突破しちゃう方が、あとが楽だわよ」
とほほえむ彼女。
コート割りは出ましたか、と大神が紙を覗き込む。天谷ははりきって紙を突きつけた。
「A、Bコートでうちと青峰のS3、D2。C、Dコートで星翔対入生田のおなじ試合がおこなわれるって。それからは空いたコートへ順にS2、D1、S1って試合を開始するそうよ。いちいちアナウンスはしないから、個人でしっかり見ておくようにって!」
「初戦が本命──上等じゃねえの。いいかお前ら、一切の妥協も油断も許さねえ。どこであろうと完膚なきまでに叩きつぶせ」
唸るように言い放った大神の笑みは凶悪である。台詞も笑顔もあくどいなぁ、と杉山が苦笑した。
「ちなみにリーグ戦じゃ試合順がどうなるか見えねえ。俺はベンチコーチに入らねえからな、俺が見てねえからって各々たるんだ試合すんじゃねーぞ」
「むしろ気が抜けていい試合が出来るかもな」
と、姫川はにんまりわらった。
ほどなくしてS3とD2の試合開始五分前のアナウンスが流れる。会場に残った四校の該当選手が一気に動きはじめた。もちろん才徳の姫川と星丸、蜂谷も同様である。早々にコートへ入るD2を見送って、大神を除くレギュラー陣はコート前を陣取った。
一方、緩慢な動きでラケットを手にした蜂谷が一冊のノートを伊織に渡した。
「七浦さん、これ」
「うん?」
「全員の試合を見て、気がついたこととかメモしといて」
「え、うちが? でもこのノート、いつもハチやんが大切にしとるやつやんか──勝手に書き込んでええの?」
「別に落書きしろって言ってるんじゃない。相手のことでも、才徳のことでも、七浦さんの目に映るみんなのテニスをここに書いてくれ。あとで見直して練習メニューとかを調整したいから」
「じ、重大任務やな!」
「ああ。期待してるよ」
蜂谷はふっと口角をあげてゆっくりAコートへと入っていく。
手元に残った分厚いノートはやけにずっしりと重たくて、中にはこれまで蜂谷が見つめてきた自他校の選手たちが、いつどんな試合を繰り広げてきたのかが刻銘に記されていた。伊織はそれはぎゅっと胸元に抱きしめる。うしろで見ていた大神がふっとわらった。
「よお、頼んだぜマネージャー」
「うん──なあ大神」
「あん」
「うちは、大神の試合でベンチコーチ入ってもええやんな?」
「……当然だ」
「うん!」
パッと伊織の顔に花が咲く。
彼女はさっそく倉持と天城のあいだに身を滑り込ませ、どちらの試合も見える場所を陣取ると、身を乗り出してノートをひらいた。
「伊織、おまえほかの試合のベンチには入らへんのんか」
「うちは大神専属のベンチコーチやからな。S1はじまるまでは、ハチやんに任された使命をここでつとめることにした」
「まあでもたしかに、伊織さんがベンチ入ったら──逆に気が散って集中できなさそうッスね」
「かわええマネが近くにいてると緊張するんか? 案外ウブやな薫くん」
「……マジ絡みづれェな令和の徹子」
「徹子ちゃうわタモリや!」
これより、神奈川県大会ベスト4リーグ戦第一試合、才徳学園対青峰学院高等学校D2およびS3試合がはじまる。
両校とも全国に通用するレベルの実力。会場の視線は一気に集まった。──それは当然、県大会参加以外の観戦者たちも同様である。
県予選においてベスト8まで勝ち上がった高校が、本選会場であるゆとりの森公園テニスコート場に集合した。
そのうちの二校が、青峰学院高校と我が才徳学園である。賞状はベスト8から贈られるが、才徳学園は興味もない。勝ち獲るべくは県優勝から関東大会への切符ただひとつ。
「とうとう県本選よ。みんなのこと信じてるから、絶対に優勝しましょうね!」
と、顧問の天谷が拳を突き上げる。
どこか緊張感の削がれる応援に、レギュラー陣はほっこりとわらった。が、大神はひとり険しい顔で一同を見渡す。
「では、今日のオーダーを発表する。S1が俺でS2に杉山」
「おう!」
杉山の頬が紅潮した。
あれから大神との特訓を繰り返し、杉山はわずか二週間足らずでシングルスに対しての苦手意識を打ち消した。
今日がその御披露目なのである。伊織がにっこりわらって杉山の肩を叩く。
「D1に倉持と明前」
「おっ、よろしくな明前」
「はいッス。めっちゃ頑張ります」
「なんでオレんときと反応ちゃうねんコラァ!」
「うるさっ」
「前回も言ったとおり、今年からベスト4以上はリーグ戦だ。オーダーは前にも発表したが変わらずD2に姫川と星丸、S3に蜂谷──」
と、聞くなり星丸と姫川はよっしゃあと飛び上がった。いい加減、公式戦の待機に飽きていたところだったからだ。
いいか、と大神の口元に笑みが浮かぶ。
「オーダーは以上だ。次の試合、ベンチコーチはこれまでと同じ、S1には七浦、ほかは俺が入る」
え。
などという声こそ上げないものの、伊織はわずかに首をかしげた。果たして自分がベンチに入る必要があるのか──という疑問が浮かぶ。
しかし大神は心のうちを読んだのか、
「必要はある」
ピシャリと言った。
それから、倉持と顧問の天谷の肩に手を回す。才徳学園円陣の合図である。一斉にメンバーはとなりの人間の肩を組み、前傾した。
「県大会、俺たちが残す結果は優勝ただひとつ。こんなところで転けんじゃねえぞッ」
「応ッ」
声がひとつになる。
ここで一番嬉しそうだったのは、なぜか顧問の天谷であった。こういう運動部のノリがたまらなく好きらしい。
とはいえ、青峰以外の高校など、いまの才徳学園には大した相手ではない。大神は準々決勝のS1試合時間を二十分に抑え、ゲームカウント6-0というストレート勝ち。D1ペアも難なく勝ち進んだ。レギュラー陣が一抹の不安としたのは、公式戦でのシングルスが久しい杉山のS2であったが、チームメイトの心配もよそに、彼は人一倍楽しそうにテニスをしてベスト4進出を決める。
神奈川県の関東大会出場枠は四校。これで関東大会への切符は手に入れたようなものである。
やったやった、と伊織はよろこんだ。
「スゴイ、関東大会行けるんや!」
「当たり前だろ。こんなところでまごついてたら、桜爛なんて夢のまた夢だぜ」
と、姫川は星丸とともに入念にストレッチをおこなう。
公式戦で伊織がこのふたりのダブルスを見るのははじめてだ。もちろんS3に出る蜂谷も。彼はいつもどおりのクールな面持ちでラケットをくるりと遊ばせる。
「Aコートが終わって、ベスト4が揃った。ここからはリーグ戦だ」
「うちと青峰──あとどこだ?」
「星翔と入生田。まあ、出るとこが出揃ったって感じか」
蜂谷が言ったところで、各々クールダウンを終えた四人の才徳選手が戻ってくる。
ついさっき試合を終えたというのに、彼らの顔に疲れは一切見えない。伊織は満面の笑みで杉山の腕に抱きついた。
「オスギ、めっちゃええ感じやーん!」
「うるさいわピーコ。オスギ言うなや。まあ確かに、今日はシングルスがめちゃくちゃ楽しいよ。不思議なもんやで」
「大神とどんな特訓したん」
「そらァ秘密でんがな」
と、杉山の瞳が泳ぐ。
伊織は不思議そうに大神を見るも、彼は言うつもりがないのかフッとわらってラケットのグリップを巻き直した。
きたわよぉ、と背後から天谷夏子が駆けてくる。リーグ戦の対戦表を受け取ったらしい。星丸がぐっと顔を寄せた。
「天谷先生、リーグ戦の初戦は?」
「青峰学院ですって」
「ッエ、初戦から!?」
「そうなの。つぎに星翔ときて、最後が入生田だそうよ。まあ最初に一番難しいところ突破しちゃう方が、あとが楽だわよ」
とほほえむ彼女。
コート割りは出ましたか、と大神が紙を覗き込む。天谷ははりきって紙を突きつけた。
「A、Bコートでうちと青峰のS3、D2。C、Dコートで星翔対入生田のおなじ試合がおこなわれるって。それからは空いたコートへ順にS2、D1、S1って試合を開始するそうよ。いちいちアナウンスはしないから、個人でしっかり見ておくようにって!」
「初戦が本命──上等じゃねえの。いいかお前ら、一切の妥協も油断も許さねえ。どこであろうと完膚なきまでに叩きつぶせ」
唸るように言い放った大神の笑みは凶悪である。台詞も笑顔もあくどいなぁ、と杉山が苦笑した。
「ちなみにリーグ戦じゃ試合順がどうなるか見えねえ。俺はベンチコーチに入らねえからな、俺が見てねえからって各々たるんだ試合すんじゃねーぞ」
「むしろ気が抜けていい試合が出来るかもな」
と、姫川はにんまりわらった。
ほどなくしてS3とD2の試合開始五分前のアナウンスが流れる。会場に残った四校の該当選手が一気に動きはじめた。もちろん才徳の姫川と星丸、蜂谷も同様である。早々にコートへ入るD2を見送って、大神を除くレギュラー陣はコート前を陣取った。
一方、緩慢な動きでラケットを手にした蜂谷が一冊のノートを伊織に渡した。
「七浦さん、これ」
「うん?」
「全員の試合を見て、気がついたこととかメモしといて」
「え、うちが? でもこのノート、いつもハチやんが大切にしとるやつやんか──勝手に書き込んでええの?」
「別に落書きしろって言ってるんじゃない。相手のことでも、才徳のことでも、七浦さんの目に映るみんなのテニスをここに書いてくれ。あとで見直して練習メニューとかを調整したいから」
「じ、重大任務やな!」
「ああ。期待してるよ」
蜂谷はふっと口角をあげてゆっくりAコートへと入っていく。
手元に残った分厚いノートはやけにずっしりと重たくて、中にはこれまで蜂谷が見つめてきた自他校の選手たちが、いつどんな試合を繰り広げてきたのかが刻銘に記されていた。伊織はそれはぎゅっと胸元に抱きしめる。うしろで見ていた大神がふっとわらった。
「よお、頼んだぜマネージャー」
「うん──なあ大神」
「あん」
「うちは、大神の試合でベンチコーチ入ってもええやんな?」
「……当然だ」
「うん!」
パッと伊織の顔に花が咲く。
彼女はさっそく倉持と天城のあいだに身を滑り込ませ、どちらの試合も見える場所を陣取ると、身を乗り出してノートをひらいた。
「伊織、おまえほかの試合のベンチには入らへんのんか」
「うちは大神専属のベンチコーチやからな。S1はじまるまでは、ハチやんに任された使命をここでつとめることにした」
「まあでもたしかに、伊織さんがベンチ入ったら──逆に気が散って集中できなさそうッスね」
「かわええマネが近くにいてると緊張するんか? 案外ウブやな薫くん」
「……マジ絡みづれェな令和の徹子」
「徹子ちゃうわタモリや!」
これより、神奈川県大会ベスト4リーグ戦第一試合、才徳学園対青峰学院高等学校D2およびS3試合がはじまる。
両校とも全国に通用するレベルの実力。会場の視線は一気に集まった。──それは当然、県大会参加以外の観戦者たちも同様である。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される
けるたん
青春
「ほんと胸がニセモノで良かったな。貧乳バンザイ!」
「離して洋子! じゃなきゃあのバカの頭をかち割れないっ!」
「お、落ちついてメイちゃんっ!? そんなバットで殴ったら死んじゃう!? オオカミくんが死んじゃうよ!?」
県立森実高校には2人の美の「女神」がいる。
頭脳明晰、容姿端麗、誰に対しても優しい聖女のような性格に、誰もが憧れる生徒会長と、天は二物を与えずという言葉に真正面から喧嘩を売って完膚なきまでに完勝している完全無敵の双子姉妹。
その名も『古羊姉妹』
本来であれば彼女の視界にすら入らないはずの少年Bである大神士狼のようなロマンティックゲス野郎とは、縁もゆかりもない女の子のはずだった。
――士狼が彼女たちを不審者から助ける、その日までは。
そして『その日』は突然やってきた。
ある日、夜遊びで帰りが遅くなった士狼が急いで家へ帰ろうとすると、古羊姉妹がナイフを持った不審者に襲われている場面に遭遇したのだ。
助け出そうと駆け出すも、古羊姉妹の妹君である『古羊洋子』は助けることに成功したが、姉君であり『古羊芽衣』は不審者に胸元をザックリ斬りつけられてしまう。
何とか不審者を撃退し、急いで応急処置をしようと士狼は芽衣の身体を抱き上げた……その時だった!
――彼女の胸元から冗談みたいにバカデカい胸パッドが転げ落ちたのは。
そう、彼女は嘘で塗り固められた虚乳(きょにゅう)の持ち主だったのだ!
意識を取り戻した芽衣(Aカップ)は【乙女の秘密】を知られたことに発狂し、士狼を亡き者にするべく、その場で士狼に襲い掛かる。
士狼は洋子の協力もあり、何とか逃げることには成功するが翌日、芽衣の策略にハマり生徒会に強制入部させられる事に。
こうして古羊芽衣の無理難題を解決する大神士狼の受難の日々が始まった。
が、この時の古羊姉妹はまだ知らなかったのだ。
彼の蜂蜜のように甘い優しさが自分たち姉妹をどんどん狂わせていくことに。
※【カクヨム】にて編掲載中。【ネオページ】にて序盤のみお試し掲載中。【Nolaノベル】【Tales】にて完全版を公開中。
イラスト担当:さんさん
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる