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第三章
47話 一番好きやもん
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夕食後から消灯までには二時間のフリータイムがある。とはいえ、温泉に浸かったり就寝支度をしたりするうちに、あっという間に消灯時間を迎えてしまう。
しかし今宵の伊織はちがった。
風呂も支度もそこそこに、パジャマ代わりに持ってきたジャージを着て裏口からこそりと宿の外へ出た。テニスコート場で再会した旧友、横峯佑が宿の近くで会おうと連絡を入れてきたのである。
柱の影に隠れ、巡回する引率教員の目を盗み、いきおいよく建物の裏側にまわった。その時。
「ぅわっ」
襟首を掴まれた。
教員か、とあわてて振り返る。いやちがう。闇夜にぼんやりと浮かぶ顔──大神だ。
「な、なんや大神か。ビビらせんとってや!」
「どこに行くんだ、こんな時間に」
「さっき会うた横峯がホンマに連絡寄越してきてん。ちょこっと話してくるだけやから、許してやァ」
「……俺も行く」
「え。なんで?」
「俺が飛天金剛のレギュラーと仲良くしちゃわりーのかよ」
「いや別に──かまへんけど」
まあいいか、と伊織がふたたび歩きだそうとしたとき、今度は暗闇のなかからぬっと現れた壁が伊織にぶつかってきた。
「あだッ」
「うわぁゴメンナサイッ」
と。
ぶつかった何かが謝罪する。今度はなんだと伊織が顔を上げると杉山が背を丸めて怯えている。
「す、杉やん──何しとんねん」
「な。なんや伊織か……うわ大神もいてるやん。もーびっくりさせんでや」
「どっか行くん?」
「いや、こっちの知り合いと連絡とってん。中学の同級生やねんけどな。ほしたらこの辺りまで来てくれる言うから」
「えーホンマ? 実はうちもそやねん、なんや奇遇やなぁ!」
「ほんならいっしょ行こうや。大神がいてるなら先生に見つかってもうまく誤魔化せそうや」
などと話していると、近くでバイクが止まる音がした。三人が同時に振り向く。エンジン音が止まり、ボソボソと掠れるほどのちいさな話し声が聞こえてきた。
辺りの外灯は薄暗く、様子が見えない。
伊織が不安げな顔で大神を見上げる。しかし、大神がなにかをいう前に「おっ」と声がした。杉山がパッとあかるい顔をしている。つられて視線の先を見ると、足音とともに暗がりから現れたふたりの男──。
「あっ?」
伊織の声が裏返った。
なぜならそこに横峯と、夕方の公園で会ったばかりの桜庭がいたからである。
「た、たすく!」
「コタローッ」
同時に声を上げた。直後、顔を見合わせる。
「杉やん知り合いなん」
「そういう伊織も──」
ヘルメットを小脇に抱えた横峯が、にっこりわらって伊織に駆けよった。そのすこしうしろでは桜庭が杉山に向かって姿勢よく手を上げている。
はからずもふたたび、飛天金剛学院のレギュラーふたりと会いまみえることとなった才徳テニス部メンバーであった。
「あとから考えれば考えるほどおもろかったわ。フツー修学旅行先で喧嘩ふっかけてテニスするか? あれからうちの部員にそれ言うたらみんな笑てたで」
宿からすこし離れた公園にて。
ブランコに座る横峯佑がケタケタと笑った。
「せやってムカつくやんか。ちょーっと歳いっとるだけで偉そうにさぁ! 大神がいてへんかったら殴ってたで。よお殴らんかったな大神」
「ムカついたくらいでいちいち殴るわけねーだろ。それよりテニスで、ああいう奴らの鼻っ柱をへし折るのが楽しいんじゃねえか」
「ははぁ、さては慣れとるな」
「うるせー」
「そんときにコタローとも会うてたんやな。世間って狭いなァ」
杉山が桜庭に目を向ける。
遅い時間に起きていることがそう多くないらしく、桜庭はすこし眠たそうな目で「うん」とつぶやいた。
「僕が生きるには狭い世界や」
「わははっ、出たな虎太朗節。こいつボンボンやからか基本的に自分が世界の中心やねん。あ、せや。関西大会は勝ち上がれそうか?」
「オイオイ」
と、いまにも寝落ちそうだった桜庭は急激に元気になると、ベンチからすっくと立ち上がって手を広げた。
「僕ら飛天金剛が全国行かれへん可能性が一パーセントくらいはあるとでも言いたげやな、杉」
「ご心配なく。今年の関西じゃうちが独走させてもろてますねん。数年前の関西ジュニア大会でベスト8以上の奴らが、けっこううちに集まってきてんのよな」
「そらスゴいやん」
「ま、そのうちのひとりが関東に流れてもうたわけやけど──」
桜庭がじとりと杉山を睨み付ける。
すまんすまん、と眉を下げてわらう彼を見て、大神がにやりとわらった。
「そういや横峯はD1つったか。お前が当たる可能性もあるんじゃねーか、杉山」
「えっホンマ? そら楽しみやわ」
「へえ、杉山クンもダブルスか。あれ、でも俺らここ来る前に神奈川県大会の試合結果見たけど、シングルスやってへんかった?」
「リサーチ速いな。オレ両刀使いやからな、シングルスもいけんねん」
「杉やんはメンタル安定しとったら強いもん。あんな、才徳ホンマに強いで。たすくもあんま舐めんときや」
「舐めてへん。なにせあの如月千秋相手にタイブレーク百ポイント以上で競ったちゅう男がいてるんやで」
と。
横峯のことばで、一同の視線が一気に大神へ注がれた。しかし当の本人はその話をされるのがあまり好きではないのか、フンとちいさく鼻をならして「負けたけどな」とつぶやいた。
インターハイ決勝戦の死闘は、よほど全国に広まっているらしい。横峯の話だと試合のテープが出回っており、それを見て練習に生かす学校もあるのだとか。
なにを参考にすることがある、と大神は首をかしげたが、伊織はなぜか胸を張った。
「そりゃあ大神の持ち味は、スタミナが支えるきれいなフォームやろ。あれほど動いてもコントロールがほとんど鈍らへん、フォームが崩れへんからや。ふつう疲れたらおんなじようには打てんようなるのに」
「なんや」横峯が口を尖らせる。「えらい自慢気やな」
「せやって一番好きやもん」
「大神が?」
「大神のテニスが」
伊織はふところから取り出した揚げパンにかぶりついた。どうやら夜食のため、あらかじめコンビニで買っていたらしい。
「これまで出会うたテニスプレイヤーのなかで、いっちゃん好き」
「それは聞き捨てならんど伊織、お前むかしは俺のテニスめっちゃ好きや言うてたやんけ!」
「せやん。倉持のテニスもめっちゃ好きやァ言うてたん忘れてへんで!」
横峯と杉山が同時に身を乗り出す。
が、伊織はけろりとしている。早々に胃へと送り込まれた揚げパンの袋をぐしゃりと潰し、
「好きやで」
とうなずく。
「たすくも倉持クンも、ホンマにええテニスしよるもん。好きやで。ほんでも──ほんなら一番好きなテニスはどれやねん言われたら、大神のテニスやんなぁ」
「う、浮気者ォ」
「なんやねんうっとうしい。あれか、『将来はパパと結婚する』って言うた娘が年頃んなって彼氏連れてきたような心境なんか。残念やな、たいていそういうんは誰にでも言うてんねん──」
そこまで言って、伊織がはたと動きを止める。
妙に熱い視線が一身に注がれていることに気がついたからである。おそるおそるそちらを見ると、大神がまっすぐにこちらを見ていた。
なんとも形容しがたい微妙な顔に、伊織は
「どういう感情……?」
とつぶやいた。
「テメー、そんだけ俺のことが好きなら、さっさと俺とのシングルスを承諾しろ」
「俺のこと──って」
伊織は一瞬言いよどむ。
「だっ……だアホッ。だれがアンタのこと好きやねん。アンタのことちゃうわアンタのテニスやッ。そこいっちゃん大切なとこやから間違えんとって」
「どっちも変わんねーだろ」
「変わるわ!」
言いながら、伊織は頬が熱くなるのを感じた。暗闇で助かった。まだ日があったなら、するどい大神ならばそこにもツッコんできただろう。
「────ッねむい。帰る」
「なんや、えらい急やな」
「そっちのコタローさんもおねむなんやろ。また全国で会えんねんから、今日はもうお開きにしよ。うちら明日も早いねん!」
伊織は早口でわめきたてる。
その心情を悟ったか否か、大神がフッと鼻でわらう気配がして、伊織の頬はもっと熱くなった。
しかし今宵の伊織はちがった。
風呂も支度もそこそこに、パジャマ代わりに持ってきたジャージを着て裏口からこそりと宿の外へ出た。テニスコート場で再会した旧友、横峯佑が宿の近くで会おうと連絡を入れてきたのである。
柱の影に隠れ、巡回する引率教員の目を盗み、いきおいよく建物の裏側にまわった。その時。
「ぅわっ」
襟首を掴まれた。
教員か、とあわてて振り返る。いやちがう。闇夜にぼんやりと浮かぶ顔──大神だ。
「な、なんや大神か。ビビらせんとってや!」
「どこに行くんだ、こんな時間に」
「さっき会うた横峯がホンマに連絡寄越してきてん。ちょこっと話してくるだけやから、許してやァ」
「……俺も行く」
「え。なんで?」
「俺が飛天金剛のレギュラーと仲良くしちゃわりーのかよ」
「いや別に──かまへんけど」
まあいいか、と伊織がふたたび歩きだそうとしたとき、今度は暗闇のなかからぬっと現れた壁が伊織にぶつかってきた。
「あだッ」
「うわぁゴメンナサイッ」
と。
ぶつかった何かが謝罪する。今度はなんだと伊織が顔を上げると杉山が背を丸めて怯えている。
「す、杉やん──何しとんねん」
「な。なんや伊織か……うわ大神もいてるやん。もーびっくりさせんでや」
「どっか行くん?」
「いや、こっちの知り合いと連絡とってん。中学の同級生やねんけどな。ほしたらこの辺りまで来てくれる言うから」
「えーホンマ? 実はうちもそやねん、なんや奇遇やなぁ!」
「ほんならいっしょ行こうや。大神がいてるなら先生に見つかってもうまく誤魔化せそうや」
などと話していると、近くでバイクが止まる音がした。三人が同時に振り向く。エンジン音が止まり、ボソボソと掠れるほどのちいさな話し声が聞こえてきた。
辺りの外灯は薄暗く、様子が見えない。
伊織が不安げな顔で大神を見上げる。しかし、大神がなにかをいう前に「おっ」と声がした。杉山がパッとあかるい顔をしている。つられて視線の先を見ると、足音とともに暗がりから現れたふたりの男──。
「あっ?」
伊織の声が裏返った。
なぜならそこに横峯と、夕方の公園で会ったばかりの桜庭がいたからである。
「た、たすく!」
「コタローッ」
同時に声を上げた。直後、顔を見合わせる。
「杉やん知り合いなん」
「そういう伊織も──」
ヘルメットを小脇に抱えた横峯が、にっこりわらって伊織に駆けよった。そのすこしうしろでは桜庭が杉山に向かって姿勢よく手を上げている。
はからずもふたたび、飛天金剛学院のレギュラーふたりと会いまみえることとなった才徳テニス部メンバーであった。
「あとから考えれば考えるほどおもろかったわ。フツー修学旅行先で喧嘩ふっかけてテニスするか? あれからうちの部員にそれ言うたらみんな笑てたで」
宿からすこし離れた公園にて。
ブランコに座る横峯佑がケタケタと笑った。
「せやってムカつくやんか。ちょーっと歳いっとるだけで偉そうにさぁ! 大神がいてへんかったら殴ってたで。よお殴らんかったな大神」
「ムカついたくらいでいちいち殴るわけねーだろ。それよりテニスで、ああいう奴らの鼻っ柱をへし折るのが楽しいんじゃねえか」
「ははぁ、さては慣れとるな」
「うるせー」
「そんときにコタローとも会うてたんやな。世間って狭いなァ」
杉山が桜庭に目を向ける。
遅い時間に起きていることがそう多くないらしく、桜庭はすこし眠たそうな目で「うん」とつぶやいた。
「僕が生きるには狭い世界や」
「わははっ、出たな虎太朗節。こいつボンボンやからか基本的に自分が世界の中心やねん。あ、せや。関西大会は勝ち上がれそうか?」
「オイオイ」
と、いまにも寝落ちそうだった桜庭は急激に元気になると、ベンチからすっくと立ち上がって手を広げた。
「僕ら飛天金剛が全国行かれへん可能性が一パーセントくらいはあるとでも言いたげやな、杉」
「ご心配なく。今年の関西じゃうちが独走させてもろてますねん。数年前の関西ジュニア大会でベスト8以上の奴らが、けっこううちに集まってきてんのよな」
「そらスゴいやん」
「ま、そのうちのひとりが関東に流れてもうたわけやけど──」
桜庭がじとりと杉山を睨み付ける。
すまんすまん、と眉を下げてわらう彼を見て、大神がにやりとわらった。
「そういや横峯はD1つったか。お前が当たる可能性もあるんじゃねーか、杉山」
「えっホンマ? そら楽しみやわ」
「へえ、杉山クンもダブルスか。あれ、でも俺らここ来る前に神奈川県大会の試合結果見たけど、シングルスやってへんかった?」
「リサーチ速いな。オレ両刀使いやからな、シングルスもいけんねん」
「杉やんはメンタル安定しとったら強いもん。あんな、才徳ホンマに強いで。たすくもあんま舐めんときや」
「舐めてへん。なにせあの如月千秋相手にタイブレーク百ポイント以上で競ったちゅう男がいてるんやで」
と。
横峯のことばで、一同の視線が一気に大神へ注がれた。しかし当の本人はその話をされるのがあまり好きではないのか、フンとちいさく鼻をならして「負けたけどな」とつぶやいた。
インターハイ決勝戦の死闘は、よほど全国に広まっているらしい。横峯の話だと試合のテープが出回っており、それを見て練習に生かす学校もあるのだとか。
なにを参考にすることがある、と大神は首をかしげたが、伊織はなぜか胸を張った。
「そりゃあ大神の持ち味は、スタミナが支えるきれいなフォームやろ。あれほど動いてもコントロールがほとんど鈍らへん、フォームが崩れへんからや。ふつう疲れたらおんなじようには打てんようなるのに」
「なんや」横峯が口を尖らせる。「えらい自慢気やな」
「せやって一番好きやもん」
「大神が?」
「大神のテニスが」
伊織はふところから取り出した揚げパンにかぶりついた。どうやら夜食のため、あらかじめコンビニで買っていたらしい。
「これまで出会うたテニスプレイヤーのなかで、いっちゃん好き」
「それは聞き捨てならんど伊織、お前むかしは俺のテニスめっちゃ好きや言うてたやんけ!」
「せやん。倉持のテニスもめっちゃ好きやァ言うてたん忘れてへんで!」
横峯と杉山が同時に身を乗り出す。
が、伊織はけろりとしている。早々に胃へと送り込まれた揚げパンの袋をぐしゃりと潰し、
「好きやで」
とうなずく。
「たすくも倉持クンも、ホンマにええテニスしよるもん。好きやで。ほんでも──ほんなら一番好きなテニスはどれやねん言われたら、大神のテニスやんなぁ」
「う、浮気者ォ」
「なんやねんうっとうしい。あれか、『将来はパパと結婚する』って言うた娘が年頃んなって彼氏連れてきたような心境なんか。残念やな、たいていそういうんは誰にでも言うてんねん──」
そこまで言って、伊織がはたと動きを止める。
妙に熱い視線が一身に注がれていることに気がついたからである。おそるおそるそちらを見ると、大神がまっすぐにこちらを見ていた。
なんとも形容しがたい微妙な顔に、伊織は
「どういう感情……?」
とつぶやいた。
「テメー、そんだけ俺のことが好きなら、さっさと俺とのシングルスを承諾しろ」
「俺のこと──って」
伊織は一瞬言いよどむ。
「だっ……だアホッ。だれがアンタのこと好きやねん。アンタのことちゃうわアンタのテニスやッ。そこいっちゃん大切なとこやから間違えんとって」
「どっちも変わんねーだろ」
「変わるわ!」
言いながら、伊織は頬が熱くなるのを感じた。暗闇で助かった。まだ日があったなら、するどい大神ならばそこにもツッコんできただろう。
「────ッねむい。帰る」
「なんや、えらい急やな」
「そっちのコタローさんもおねむなんやろ。また全国で会えんねんから、今日はもうお開きにしよ。うちら明日も早いねん!」
伊織は早口でわめきたてる。
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