ヒガンバナの箱庭

ツジウチミサト

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 掴んだ腰を揺さぶりながら、霜月は強引に奥へと進んでいく。

 塗られた油による疼きと、なによりも雄の味を教え込まれた媚肉は、ゴリゴリこすられるたびに激しい快感をあずさに伝えた。
 矜持や尊厳、そして自分をこんな風にした兄弟への恨みすら、激しい悦楽の渦の中に溶け、あずさは髪を振り乱すほどに身悶えた。

「ここ、だろぉっ!」
「ひあぁんっ!」

 霜月がイイところを抉った。そのまま先端をぐりぐり押し当てられ、頭が真っ白になる。
 感じ過ぎて立てた膝に力が入らないあずさの尻を、霜月は平手で打ちながら、さらに深く猛る肉棒をねじ込んだ。

「尻も上げてられねえのか、この淫乱!」
「も、もうし、わけ、あ、ありま、は、あぁっ!」
「ぶたれて気持ちいいのか? いいんだろっ!?」
「き、きもちい、きもちいい、イイッ……!」

 全身を貫く夥しい快感に思わず叫んだ途端、急に体が浮いた。
 霜月に抱え上げられたのだとわかったのは、胡座をかいた太股に座らされ、自重で最奥に彼を受け入れた衝撃によってだった。

「あ……あ、あっ……」

 串刺しにされた体は強ばり、目を見開いたまま呼吸すらままならない。
 開けっぱなしの口を魚のようにはくはくと震わせると、耳の裏に霜月が含み笑いで囁いた。

「見ろよ、葉月も愉しんでやがる」
 
 操られたようにあずさの目が動き、灯火の向こうで自分をじっと見つめている葉月の視線とぶつかった。
 葉月は、あずさの全身を隈無く鑑賞していた。
 霜月に膝の後ろを支えられ、限界まで脚を開かされたあずさの股間に、あの冷たい瞳がじっと視線を注いでいる。

「ぁ……」

 あずさの頬が、かあっと音を立てて朱色に染まる。
 もう何度も見られ、犯されている相手だというのに、葉月が冷静なまま興奮している姿を目にすると、何故かあずさの羞恥は否応なしにかき立てらてしまうのだ。

「おい、今はこっちだ」
「ひあっ!」

 苛立つ声と共に、急に下から突き上げられた。意識から外れていた怒張が、再び腹の中で存在を主張しだす。
 咥え込んだまま揺さぶられる乱暴な快感と、葉月の冷たい目に視姦されているという悦楽とが、あずさの体を内側から炙った。

「ハハ、もっと鳴け! 喚け!」
「はうっ! あ、だめ、だめぇ……!」

 緩急つけて突かれるたびに、あずさの喉の奥からあられもない嬌声が迸る。
 奉公の初めは歯を食いしばって耐えていたというのに、声を抑えないよう躾られた体は、今や主の望むがままだ。

「ハッ……ナカに、出して、ほしいか?」
「あ、出して、くだ、くださいっ……いやぁあんっ!」

 限界の近い霜月がさらに腰を振り立て、あずさも極みへと引き上げられる。
 身を捩って悶えるあずさの痴態に、ふむ、とため息のような声が漏れた。
 弟とあずさの交合を黙って眺めていた葉月が、ゆらりと腰を上げた。
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