ヒガンバナの箱庭

ツジウチミサト

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「おまえ、俺がまだしてるだろうがっ」

 意図を察した霜月が吠えるが、葉月は眉一つ動かさないまま膝でにじり寄る。
 そして無言のままあずさの襟元を大きく開き、ツンと尖っていた小さな膨らみをきつく摘まんだ。

「んうっ……!」

 鋭い痛みより、疼くような快感に肩を竦める。
 葉月の表情が凶悪に歪んだ。
 あずさの背筋に悪寒が這い上がる。あずさがこの家で最も恐れ、最も被虐心を煽られる酷薄な笑みだ。
 葉月は微笑んだまま胸に顔を寄せると、敏感になった突起へ、吐息に掠れた声で囁いた。

「……可愛がってやろう」
「ひあ……っ!」

 突起を舌で転がすように舐め上げ、また指の腹で押し潰し捏ねくり回して、葉月はあずさの乳首を容赦なく嬲る。
 性感帯に変えられた乳首は痛みすら愉悦とし、気づけば葉月に向かってねだるように胸を突き出している有様だ。

「くそっ……!」

 横槍を入れた兄に対抗するように、霜月がまた律動を再開させた。
 内腿を抱えた手が汗にぬめり、苛立つ彼がさらに激しく腰を振り立てる。

「あ、はっ……ああ、あっ、あっ……!」

 尻と胸とを同時に攻められて、快感の逃がしどころがない。
 最早口を閉じることすら出来ず、唾液と喘ぎを垂れ流す。

「んむっ……」

 その頬に手を添えて、下から掬い上げるように葉月があずさと口を合わせる。ぴちゃぴちゃ舌の交わる水音さえ気持ちいい。
 息継ぎに口を離した瞬間、無理矢理振り向かされ、今度は霜月の口づけを受けた。

「あぅっ……」

 余裕なく吸いついてくる口に呼吸もままならない。捕まった舌を吸い上げられる甘い痛みに、あずさは無意識のうちに体内の媚肉を霜月に絡みつかせる。
 くっ、と霜月が歯を食いしばって低く唸り、その瞬間腹の中で彼が弾けた。

「はああぁっ……!」

 ドクドクと熱い精液が注ぎ込まれるのを感じ、背を仰け反らせて突き上げてくる快感に痺れる。
 衝撃を受け止めていた体を、突然葉月が抱えて引き剥がした。

「え? ……やっ!」

 腕の中に攫われるやいなや床に横たえられ、ほぼ役目を失っていた紐帯を完全にほどかれる。
 脚の間に身を割り込ませた葉月は、一瞬あずさの上気した裸体に視線を走らせると、その顔を股間に沈めた。

「あっ! いや、だめいやっ、あ、ああぁ……っ!」

 先端の蜜壺を舌先でちろちろ刺激され、先走りが滲むとそれを塗り広げるように舌全体を使って舐められる。

「んうぅっ……!」

 射精感を引きずり出そうとするのは口だけではない。
 竿を根元から先端へ何度も扱かれ、根元の袋もくすぐるように愛撫された。
 咥えるより挿れられるより、あずさが最も苦手とする口淫の施しを、葉月はそれと解って好む。
 霜月に散々揺さぶられ、熱を腹に孕んだままの体は容易く昇りつめ、あずさは啜り泣きを漏らしながら切羽つまって訴えた。

「や、ぃや……もうむり、イかせて、くださっ……!」
「許す。潮のように噴け」

 じゅっ、と音がするほど葉月がきつく吸い上げる。

「ひぁっ、あぁああっ────……!」

 意識が閃光のように爆発し、あずさは長く尾を引く嬌声を上げて達した。
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