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45.体力作り
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てっきり任務が終わったと思っていたので、婚約破棄したくないと伝えようと身構えていたのですが、まさかこれからが本番で、今迄の任務が予行演習だとは思いませんでした。
任務続行ならば、もう暫く時間はあります。
婚約破棄について伝えるのは、任務が終わってからでも遅くないでしょう。
それまでは婚約者として必要とされるよう、頑張るつもりです。
先ずは一ヶ月後の任務で、私に必要な事は何かと考えていましたら、重要な事に気付いてしまいました。
ダンス程度なら踊れますが、全く体力に自信がありません。
今迄、移動は馬車でしたし、王宮内では転移陣を使って移動していますので、ほぼ歩きません。
急に騎士の皆さんと森を一日中歩くなんて、絶対に足手まといになってしまいます。
重要な話をされた翌日。
レリック様にお休みを告げられた私は、日中、そんな事を考えて過ごしていました。
夕方。
私室にお戻りになったレリック様に、この不安を相談しました。
「我々としては、セシルが森を歩かなくていいよう、転移陣を使う計画を立てている。だが、不測の事態を考えれば、体力は無いよりある方がいいのは確かだ。そうだな……。」
レリック様が顎に手を当てています。
考え事をする時の癖なのでしょう。
「では、散歩から始めよう。散歩と言っても、騎士達の歩幅に合わせた散歩だ。散歩は騎士棟の訓練場を使う。日が無いから、早速、明日から毎日通ってもらう。あと、行きの移動は地下道を使って、帰りは転移陣にしよう。」
「はい、よろしくお願いします。」
翌朝、元気一杯に目覚めた私は、やる気に満ちていました。
レリック様の部屋に入室して、陣ではなく、本棚の裏にある扉から階段を下りて地下道を通り、更に階段を上って騎士棟にあるレリック様の個室まで歩きます。
「騎士棟へ着くまでに疲れては意味がない。先ずは準備運動だ。」
レリック様はいつも通り、手を繋いで、私の歩幅に合わせて歩いて下さいました。
私が所属する黒騎士団のアレク団長には、レリック様から事情を話して下さったそうで、黒騎士団には寄らず、直接騎士団の訓練場へと向かいました。
訓練場は屋外で、北棟と南棟の間にあります。
一周、四百メートルのトラックが入る位の広さがあるそうです。
「では、早速散歩しようか。」
「はい。」
レリック様が歩き始めましたので、付いて行きます。
でも、全然付いて行けません。
レリック様は私に比べて歩幅も大きいですし、歩くスピードも早いので、走らなければ付いて行けません。
レリック様は少し歩くと振り向いて、私を待って下さいます。
私がやっと追い付くと、レリック様は頷いて再び歩きだしますが、すぐに引き離されてしまいます。
何度か同じ事を繰り返しただけで、もう、息切れがして、その場で踞ってしまいました。
「ハァ、す、みま、ハァ、ハァ……せん。ハァハァ……」
どうしましょう。全く付いて行けません。
森だったら、確実に置いてけぼりです。
「少しずつで良い。休憩したら、また歩こう。それを繰り返せば少しずつ慣れる筈だ。」
レリック様が背中に手を添えて慰めて下さいますが、申し訳ないです。
「はい……。でも、レリック団長はお忙しいのに、お付き合い頂くのは、心苦しいです。」
何とか呼吸を整えながら話しました。
騎士棟ではレリック様ではなく、レリック団長と呼びます。
「そんな事、気にしなくて良い。それに、散歩に協力するのは私だけではない。」
レリック様が目を向けると、赤騎士団の皆様が三十名程、整列していました。
「え?」
歩くのに必死で、騎士達の存在に全然気付きませんでした。
お見苦しいところを見られて恥ずかしいです。
「騎士団と森を歩ける体力をつけたいと本人が希望している。しかし、現状はこの通りだ。休憩を挟みながら散歩を続けていれば、少しずつ体力もつくだろう。手の空いている者でいい。交代しながらセシルの散歩に付き合ってくれ。」
「「「ハッ!」」」
皆さん良いお返事です。ご迷惑をおかけします。
レリック様に連れられて、暫く近くのベンチで休みました。
呼吸も整って、そろそろ動けそうです。
「レリック団長、そろそろ再開出来そうです。」
立ち上がると、クリス副団がやって来ました。
「レリック団長は書類仕事が溜まっていますので、私が付き合いましょう。」
「よろしくお願いします。クリス副団。」
やっぱり歩幅とスピードに付いて行けず、直ぐに息切れしてしまいました。
再び座り込んでは、ベンチに連れて行って貰い、休んで落ち着くと、別の騎士が散歩に付き合って下さいます。
それを何度か繰り返しました。
「セシル嬢、ゆっくりで良いよ。」
直ぐに疲れる私に、皆さん、嫌な顔一つせず、とても親切に付き合って下さいます。
もっと頑張らなくてはと思うのですが、もう、脹ら脛がパンパンで、足が棒のようです。
歩いている途中で、カクッと足の力が抜けてしまいました。
あ、転ぶ!
そう思った時、咄嗟に腕が伸びてきて、前から体を支えられましたので、転ばずに済みました。
良かった、怪我をしたら余計に迷惑をかけてしまいます。
「有り難うございます。」
見上げて驚きました。
「レリック様!?」
仕事で騎士棟へ行っていましたのに、いつ、こんなに近くまで来ていたのでしょう。
驚いていると、レリック様に、サッと抱き上げられてしまいました。
「今日はここまでだ。」
「あ、はい。」
足がカクカクするので、正直、助かりますが、騎士達に見られているのは、とても恥ずかしいです。
「セシルが転んで怪我をしたら意味が無い。念のため、明日からは側に一人就いて、二人体制で頼む。」
「「「ハッ!」」」
私を抱き上げるレリック様の指示に、皆さん何事も無いように、良い返事をしています。
「皆様、今日は有り難うございました。申し訳ございませんが、明日も、よろしくお願いいたします。」
抱き上げられたまま声を掛けるのも失礼かと思いますが、ご挨拶しましたら、一斉に敬礼されました。
男性と女性で返事の仕方が違うのでしょうか。
「あの、レリック団長、もう大丈夫なので、降ろして頂けませんか?」
「まだ足が震えている。」
何故分かるのでしょう?
レリック様は私を抱き上げたまま、北棟三階にある赤騎士団の執務室まで行くと、ソファーに降ろして下さいました。
「セシル、靴を脱いでズボンを膝まで上げろ。そうしたら、ソファーの上に足を伸ばして座ってくれ。」
「理由を伺っても?」
私達の国では、女性が異性に素足を見せるのは、恥ずかしく、はしたないとされています。
それに、ソファーの上に足を伸ばして座るなんて、お行儀が悪いです。
レリック様は王族ですから、何がはしたないかなんて、きっと分かっている筈です。
それでも、そのように言うのは、きっと意味があるのでしょう。
「筋肉疲労は冷やすと良いらしい。我々は筋肉疲労した際、青騎士団から冷却の陣を取り寄せて、疲れを溜めないようにしている。ソファーに陣を置くから、セシルも脹ら脛を冷やした方が良い。服を着たままでも良いが、直接肌に当てた方が早く冷やせるから、脱ぐのを推奨されている。」
お行儀よりも、私の足を心配して言って下さっているのですね。
皆さんがそうしているのなら、私も従うべきでしょう。
「分かりました。」
靴を脱いでズボンの裾を膝上まで捲りました。
そして、レリック様が置いて下さった陣に脹ら脛を乗せました。
トントンとレリック様が指で陣をノックすると、次第に脹ら脛が冷たくなって、まるで足が氷水に浸かっているような感覚を覚えました。
「レリック団長、冷たいです。どのくらい冷やすのですか?」
「三十分程だ。」
「それは無理です。もう駄目。」
陣のあるソファーから足を下ろそうとしました。
「待て、せめて十分は耐えろ。」
レリック様が陣から離れないように、私の脛を押さえました。
「ひゃっ!」
「どうした。痛かったか?力は入れて無いが。」
力は緩まりましたが、足は押さえられたままです。
レリック様は本当に心配して下さっているだけなのは分かります。
私の足なんて、触ったところで、何の魅力も無いのでしょう。
でも、私はそんな風には割り切れないのです。
恥ずかしさで紅潮した顔を見られたくなくて、咄嗟に手で顔を覆いました。
「痛くはないです。でも、足を触られるのは、かなり、恥ずかしいです。」
「っ、それは、済まない。」
レリック様は、やっと手を放して下さいました。
レリック様が回り込んで来る気配がして、私は顔を覆っている手を、そっと下へずらしました。
私と目線の高さを合わせるように、レリック様は跪いて、真剣な表情をしています。
「疲れを溜めない為に、もう少し我慢してくれ。」
「……はい。」
お忙しいのに、体力の無い私の為に付き合って下さって、ケアまで気にかけて下さっているのです。
我が儘は言えませんでした。
「ううっ、冷たいぃ~!まだですか?」
チラリとレリック様を見ると、優しい顔で背中を擦ってくれます。
でも、容赦がありません。
「まだだ。頑張れ、じき慣れる。」
「ううっ……。」
両手を握り込んだまま、上半身を左右に振りつつ、何とか足を動かさないように、耐えました。
まさか、歩いた後に体力と精神力を削られるとは思いませんでした。
任務続行ならば、もう暫く時間はあります。
婚約破棄について伝えるのは、任務が終わってからでも遅くないでしょう。
それまでは婚約者として必要とされるよう、頑張るつもりです。
先ずは一ヶ月後の任務で、私に必要な事は何かと考えていましたら、重要な事に気付いてしまいました。
ダンス程度なら踊れますが、全く体力に自信がありません。
今迄、移動は馬車でしたし、王宮内では転移陣を使って移動していますので、ほぼ歩きません。
急に騎士の皆さんと森を一日中歩くなんて、絶対に足手まといになってしまいます。
重要な話をされた翌日。
レリック様にお休みを告げられた私は、日中、そんな事を考えて過ごしていました。
夕方。
私室にお戻りになったレリック様に、この不安を相談しました。
「我々としては、セシルが森を歩かなくていいよう、転移陣を使う計画を立てている。だが、不測の事態を考えれば、体力は無いよりある方がいいのは確かだ。そうだな……。」
レリック様が顎に手を当てています。
考え事をする時の癖なのでしょう。
「では、散歩から始めよう。散歩と言っても、騎士達の歩幅に合わせた散歩だ。散歩は騎士棟の訓練場を使う。日が無いから、早速、明日から毎日通ってもらう。あと、行きの移動は地下道を使って、帰りは転移陣にしよう。」
「はい、よろしくお願いします。」
翌朝、元気一杯に目覚めた私は、やる気に満ちていました。
レリック様の部屋に入室して、陣ではなく、本棚の裏にある扉から階段を下りて地下道を通り、更に階段を上って騎士棟にあるレリック様の個室まで歩きます。
「騎士棟へ着くまでに疲れては意味がない。先ずは準備運動だ。」
レリック様はいつも通り、手を繋いで、私の歩幅に合わせて歩いて下さいました。
私が所属する黒騎士団のアレク団長には、レリック様から事情を話して下さったそうで、黒騎士団には寄らず、直接騎士団の訓練場へと向かいました。
訓練場は屋外で、北棟と南棟の間にあります。
一周、四百メートルのトラックが入る位の広さがあるそうです。
「では、早速散歩しようか。」
「はい。」
レリック様が歩き始めましたので、付いて行きます。
でも、全然付いて行けません。
レリック様は私に比べて歩幅も大きいですし、歩くスピードも早いので、走らなければ付いて行けません。
レリック様は少し歩くと振り向いて、私を待って下さいます。
私がやっと追い付くと、レリック様は頷いて再び歩きだしますが、すぐに引き離されてしまいます。
何度か同じ事を繰り返しただけで、もう、息切れがして、その場で踞ってしまいました。
「ハァ、す、みま、ハァ、ハァ……せん。ハァハァ……」
どうしましょう。全く付いて行けません。
森だったら、確実に置いてけぼりです。
「少しずつで良い。休憩したら、また歩こう。それを繰り返せば少しずつ慣れる筈だ。」
レリック様が背中に手を添えて慰めて下さいますが、申し訳ないです。
「はい……。でも、レリック団長はお忙しいのに、お付き合い頂くのは、心苦しいです。」
何とか呼吸を整えながら話しました。
騎士棟ではレリック様ではなく、レリック団長と呼びます。
「そんな事、気にしなくて良い。それに、散歩に協力するのは私だけではない。」
レリック様が目を向けると、赤騎士団の皆様が三十名程、整列していました。
「え?」
歩くのに必死で、騎士達の存在に全然気付きませんでした。
お見苦しいところを見られて恥ずかしいです。
「騎士団と森を歩ける体力をつけたいと本人が希望している。しかし、現状はこの通りだ。休憩を挟みながら散歩を続けていれば、少しずつ体力もつくだろう。手の空いている者でいい。交代しながらセシルの散歩に付き合ってくれ。」
「「「ハッ!」」」
皆さん良いお返事です。ご迷惑をおかけします。
レリック様に連れられて、暫く近くのベンチで休みました。
呼吸も整って、そろそろ動けそうです。
「レリック団長、そろそろ再開出来そうです。」
立ち上がると、クリス副団がやって来ました。
「レリック団長は書類仕事が溜まっていますので、私が付き合いましょう。」
「よろしくお願いします。クリス副団。」
やっぱり歩幅とスピードに付いて行けず、直ぐに息切れしてしまいました。
再び座り込んでは、ベンチに連れて行って貰い、休んで落ち着くと、別の騎士が散歩に付き合って下さいます。
それを何度か繰り返しました。
「セシル嬢、ゆっくりで良いよ。」
直ぐに疲れる私に、皆さん、嫌な顔一つせず、とても親切に付き合って下さいます。
もっと頑張らなくてはと思うのですが、もう、脹ら脛がパンパンで、足が棒のようです。
歩いている途中で、カクッと足の力が抜けてしまいました。
あ、転ぶ!
そう思った時、咄嗟に腕が伸びてきて、前から体を支えられましたので、転ばずに済みました。
良かった、怪我をしたら余計に迷惑をかけてしまいます。
「有り難うございます。」
見上げて驚きました。
「レリック様!?」
仕事で騎士棟へ行っていましたのに、いつ、こんなに近くまで来ていたのでしょう。
驚いていると、レリック様に、サッと抱き上げられてしまいました。
「今日はここまでだ。」
「あ、はい。」
足がカクカクするので、正直、助かりますが、騎士達に見られているのは、とても恥ずかしいです。
「セシルが転んで怪我をしたら意味が無い。念のため、明日からは側に一人就いて、二人体制で頼む。」
「「「ハッ!」」」
私を抱き上げるレリック様の指示に、皆さん何事も無いように、良い返事をしています。
「皆様、今日は有り難うございました。申し訳ございませんが、明日も、よろしくお願いいたします。」
抱き上げられたまま声を掛けるのも失礼かと思いますが、ご挨拶しましたら、一斉に敬礼されました。
男性と女性で返事の仕方が違うのでしょうか。
「あの、レリック団長、もう大丈夫なので、降ろして頂けませんか?」
「まだ足が震えている。」
何故分かるのでしょう?
レリック様は私を抱き上げたまま、北棟三階にある赤騎士団の執務室まで行くと、ソファーに降ろして下さいました。
「セシル、靴を脱いでズボンを膝まで上げろ。そうしたら、ソファーの上に足を伸ばして座ってくれ。」
「理由を伺っても?」
私達の国では、女性が異性に素足を見せるのは、恥ずかしく、はしたないとされています。
それに、ソファーの上に足を伸ばして座るなんて、お行儀が悪いです。
レリック様は王族ですから、何がはしたないかなんて、きっと分かっている筈です。
それでも、そのように言うのは、きっと意味があるのでしょう。
「筋肉疲労は冷やすと良いらしい。我々は筋肉疲労した際、青騎士団から冷却の陣を取り寄せて、疲れを溜めないようにしている。ソファーに陣を置くから、セシルも脹ら脛を冷やした方が良い。服を着たままでも良いが、直接肌に当てた方が早く冷やせるから、脱ぐのを推奨されている。」
お行儀よりも、私の足を心配して言って下さっているのですね。
皆さんがそうしているのなら、私も従うべきでしょう。
「分かりました。」
靴を脱いでズボンの裾を膝上まで捲りました。
そして、レリック様が置いて下さった陣に脹ら脛を乗せました。
トントンとレリック様が指で陣をノックすると、次第に脹ら脛が冷たくなって、まるで足が氷水に浸かっているような感覚を覚えました。
「レリック団長、冷たいです。どのくらい冷やすのですか?」
「三十分程だ。」
「それは無理です。もう駄目。」
陣のあるソファーから足を下ろそうとしました。
「待て、せめて十分は耐えろ。」
レリック様が陣から離れないように、私の脛を押さえました。
「ひゃっ!」
「どうした。痛かったか?力は入れて無いが。」
力は緩まりましたが、足は押さえられたままです。
レリック様は本当に心配して下さっているだけなのは分かります。
私の足なんて、触ったところで、何の魅力も無いのでしょう。
でも、私はそんな風には割り切れないのです。
恥ずかしさで紅潮した顔を見られたくなくて、咄嗟に手で顔を覆いました。
「痛くはないです。でも、足を触られるのは、かなり、恥ずかしいです。」
「っ、それは、済まない。」
レリック様は、やっと手を放して下さいました。
レリック様が回り込んで来る気配がして、私は顔を覆っている手を、そっと下へずらしました。
私と目線の高さを合わせるように、レリック様は跪いて、真剣な表情をしています。
「疲れを溜めない為に、もう少し我慢してくれ。」
「……はい。」
お忙しいのに、体力の無い私の為に付き合って下さって、ケアまで気にかけて下さっているのです。
我が儘は言えませんでした。
「ううっ、冷たいぃ~!まだですか?」
チラリとレリック様を見ると、優しい顔で背中を擦ってくれます。
でも、容赦がありません。
「まだだ。頑張れ、じき慣れる。」
「ううっ……。」
両手を握り込んだまま、上半身を左右に振りつつ、何とか足を動かさないように、耐えました。
まさか、歩いた後に体力と精神力を削られるとは思いませんでした。
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