32 / 40
魔族生活の薦め
1
しおりを挟む「ロズ様、本日はテラウェリタスの中心地であるクラルスに観光などはいかがでしょう?」
気を失うように寝てしまった翌朝。ロズはノワの淹れた紅茶で喉を潤し、魔王の住処とは思えない清々しい朝を迎えていた。
「……観光?」
「ロズ様はこちらの世界に来てまだ数日…、この世界や魔族について知っていただくため、街の様子などの散策はいかがかと」
ノワの思いがけない提案に、ロズはサンドイッチに伸ばした手を止める。
ロズがこちらの世界に転生してから三週間程経っていたが、スリザスとエリオと過ごした数日は勇者に会う目的があった為、観光のように好きに過ごす時間はなかった。
アストルムに連れられて来た里は、長閑な村で観光として観る場所もなかった。そしてアストルムの修行中は、観光などと考える余裕もなかったことを思い出す。
「……この世界についても知らないことが多いし、買い物もしてみたいわ」
勇者として召喚された塁の事は気掛かりでもあったが、ロズがこの先一人で生きるためにも様々な知識が必要だった。
そして魔族について、知らなくてはいけない事も多い。
魔という側面だけで見た場合と、実際に感じる印象は違う。
「では、朝食後に準備をしますね。ロズ様の外出は魔王様の提案なんですよ。ロズ様が魔族や、テラウェリタスの地に住む者たちに害をなす事はないと、レフィナード様を説得したのです」
「やっぱり反対されてたんだ」
転生者といえども、ロズはエバーティムから来た人間で、すぐに自由な時間が与えられるとは考えていなかった。
レフィナードの反対する意味は分かるが、何故魔王がロズの身元を保証し、外出までさせるのか。
そして、初対面のはずのロズに対して、知った様子だったことも気になっていた。
「魔王様は、先日のロズ様に対する失礼な態度を反省しておられましたわ。そのお詫びと思って、あの堅物竜……レフィナード様を説得したのですよ」
「そうなのね……。でも街に行ける事は嬉しいし、自由にさせてもらうわ」
「そうです。レフィナード様から資金は貰いましたので、ロズ様の必要な物も揃えましょう」
忙しくなります!と、ノワは奥の衣装部屋へと行ってしまった。
のんびりと待望のサンドイッチをひと口食べると、竜の里で食べた物よりバターがたっぷりと使われていた。
紅茶もだが、サンドイッチを広めた転生者も居たのだろうかと思いを馳せ、ロズは初めての異世界観光に胸を躍らせた。
0
あなたにおすすめの小説
この世界に転生したらいろんな人に溺愛されちゃいました!
キムチ鍋
恋愛
前世は不慮の事故で死んだ(主人公)公爵令嬢ニコ・オリヴィアは最近前世の記憶を思い出す。
だが彼女は人生を楽しむことができなっかたので今世は幸せな人生を送ることを決意する。
「前世は不慮の事故で死んだのだから今世は楽しんで幸せな人生を送るぞ!」
そこからいろいろな人に愛されていく。
作者のキムチ鍋です!
不定期で投稿していきます‼️
19時投稿です‼️
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
無表情な黒豹騎士に懐かれたら、元の世界に戻れなくなった私の話を切実に聞いて欲しい!
カントリー
恋愛
「懐かれた時はネコちゃんみたいで可愛いなと思った時期がありました。」
でも懐かれたのは、獲物を狙う肉食獣そのものでした。by大空都子。
大空都子(おおぞら みやこ)。食べる事や料理をする事が大好きな小太した女子高校生。
今日も施設の仲間に料理を振るうため、買い出しに外を歩いていた所、暴走車両により交通事故に遭い異世界へ転移してしまう。
ダーク
「…美味そうだな…」ジュル…
都子「あっ…ありがとうございます!」
(えっ…作った料理の事だよね…)
元の世界に戻るまで、都子こと「ヨーグル・オオゾラ」はクモード城で料理人として働く事になるが…
これは大空都子が黒豹騎士ダーク・スカイに懐かれ、最終的には逃げられなくなるお話。
小説の「異世界でお菓子屋さんを始めました!」から20年前の物語となります。
主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?
玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。
ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。
これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。
そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ!
そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――?
おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!?
※小説家になろう・カクヨムにも掲載
じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが
カレイ
恋愛
天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。
両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。
でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。
「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」
そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる