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第三章 ワールドウォー・トゥモロー
世界の中心で愛を叫んでも恥ずかしくないもんっ!
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「反省しております、本当に申し訳ありません、ハイ。」
「レイさん、貴女を頼ったのはこの作戦に加担する者の中で最も慎一郎様と距離が近く信頼されている人物であるからだ。自分の役割はしっかりこなしてもらいたい所だね。」
「スイマセン、ですが言わせてください。私がチロさんと会うのは約半月振りです。その間、会えない時間が長くなればなるほど迸るチロさんへの想いが大きくなって大きくなって、私はもうこの思いを我が身に留めることが出来なくなっていたのですっ!」
「…そうか、どうやら私の人選ミスにも問題があったようだな。」
ミミによるレイへの説教タイムは大分長い間続いたが、ミミはこれ以上無駄だと感じたか、自身の人選ミスにも原因があると結論付けた。
「…もう会話に入っていいか?」
「ああ、待たせてすまない。…この馬鹿のせいで。」
ミミが馬鹿を叱っている間、俺、神林慎一郎は空気を読んで空気となっていた。会話に一切入らず俺はこの世界に来て暫く聞いていない好きなアニメソングを脳内再生させていた。
「所でさっき言ってた、“作戦”ってのは何だ?」
「…本当に君は抜け目が無いな。能力抜きにしても本当に優秀な人間だ。素晴らしいよ、本当。」
「その“能力”ってのも何だ?異世界転生の説明は聞いたが、チート能力については何も聞いてないぞ。」
俺は空気になりながらも得たそれらの情報の補足を求める。それにミミは溜息をついて、
「…本当はそれもこの馬鹿の仕事何だがな。」
ジト目で睨まれたレイはテヘペロのポーズ。少なくとも俺は許した。
「…まずこの作戦の話をしよう。参加メンバーは私とレイとその他合わせて六人いる、そして君が入れば七人だ。他のメンバーは既に別室で待機している。大まかに言えば潜入操作だ。詳細についてはその別室で話す。」
「後チート能力っていうのは…?」
「ああ、それが本題だな。君自信は気付いていないかも知れないが、実は君はとんでもない力を持っている。」
俺は息を飲む。あれだけ欲しがっていたチート能力だ。最近になって俺は俺の出来ることをやればいいと思う様になってはいたが、力があるなら話は別だ。
皆も憧れた事があるだろう。空を飛び、あらゆる攻撃を無に帰す力や、世界を滅亡させる力を持つ宇宙人さえも軽く一捻りする戦闘力。神に愛され、その加護を一身に受け、死ぬことも傷つく事もない戦士。そんな現実離れした存在に。
「ただ君の能力は非常にイレギュラーだ、説明するのが非常に難しい。」
「イレギュラー?どういう事だ。」
「そうだな、例え話で説明させてもらうと、君はある探し物をしていた。そしてその能力があればそれを一瞬で見つけることが出来る。しかしその代償として何か別の物を無くしてしまうと、そう言った感じだ。」
「…何それ、弱くない?」
「うーん、いや、説明が悪いな。別にそれは探し物じゃ無くてもいいし、物を無くすという訳で無くてもいいんだ。…何かこれを聞いて思い当たる節はあるか?」
「いや、無いな。」
ミミが一生懸命説明してくれるが、すればする程、何だか分かりづらくなっている気がする。そもそもこの能力事態が使い道も分からない雑魚能力な気がしてならない。
「うーーん。…そうだな。一つ尋ねるが、慎一郎。君は今ここにいるレイの事を愛しているか?」
「ファッ!?」
「ちなみに私レイはチロさんを愛していますよ!それはそれは海よりも深く、空よりも高く!世界の中心で、いや、スクランブル交差点の中心で声高に叫んでも恥ずかしく無いくらい大好きですっ!」
ミミの予想外の問いに俺は吹き出す。レイはレイで最近知ったものの一つであろう異世界知識を交えながら絶叫している。
「あ、愛というとまた違うかも知れんが、まあ、好きだぞ?友人としてな。」
本当に何を言わされているんだろう。罰ゲームか何かかな?とまあそんな台詞を言った俺はとてつもなく動揺していた。
「そうか、まあ仮に二人が相思相愛だとして話をするぞ?」
断定ですか。だったら例え話という呈で良かったんじゃ無いですかね?
「物騒な話にはなってしまうが、例えば君が愛する人、レイを失ってしまう。それは病死かもしれないし、事故死かもしれない。はたまた戦死かもしれない。そんな時君はおそらくエド様さえも打ち負かす力を手に入れるだろう。その能力の力でな。」
「え!?マジで!?何か急に強そう!!」
エドと言えばガールズガーディアンガンガンダッシュ戦記の作中での最強キャラだ。その彼女を倒す力となればチート以外の何物でもない。
そんな能力を外様である俺が持っていていいんだろうか?この世界が実際に存在するゲームなだけにメアリー・スーの様な事にはなってしまうのではないか。
「まあ、そういう訳でそんな超能力を持つ君に協力して貰いたい。」
「ああ、そういえば潜入操作だと言ってたか?何処に潜入するんだ。」
「ふふ、良く聞いてくれたな。」
正に待ってたと言わんばかりの表情をミミは見せる。
「今から向かうのは“王国の王城”だ。テンション上がってきただろう?」
「レイさん、貴女を頼ったのはこの作戦に加担する者の中で最も慎一郎様と距離が近く信頼されている人物であるからだ。自分の役割はしっかりこなしてもらいたい所だね。」
「スイマセン、ですが言わせてください。私がチロさんと会うのは約半月振りです。その間、会えない時間が長くなればなるほど迸るチロさんへの想いが大きくなって大きくなって、私はもうこの思いを我が身に留めることが出来なくなっていたのですっ!」
「…そうか、どうやら私の人選ミスにも問題があったようだな。」
ミミによるレイへの説教タイムは大分長い間続いたが、ミミはこれ以上無駄だと感じたか、自身の人選ミスにも原因があると結論付けた。
「…もう会話に入っていいか?」
「ああ、待たせてすまない。…この馬鹿のせいで。」
ミミが馬鹿を叱っている間、俺、神林慎一郎は空気を読んで空気となっていた。会話に一切入らず俺はこの世界に来て暫く聞いていない好きなアニメソングを脳内再生させていた。
「所でさっき言ってた、“作戦”ってのは何だ?」
「…本当に君は抜け目が無いな。能力抜きにしても本当に優秀な人間だ。素晴らしいよ、本当。」
「その“能力”ってのも何だ?異世界転生の説明は聞いたが、チート能力については何も聞いてないぞ。」
俺は空気になりながらも得たそれらの情報の補足を求める。それにミミは溜息をついて、
「…本当はそれもこの馬鹿の仕事何だがな。」
ジト目で睨まれたレイはテヘペロのポーズ。少なくとも俺は許した。
「…まずこの作戦の話をしよう。参加メンバーは私とレイとその他合わせて六人いる、そして君が入れば七人だ。他のメンバーは既に別室で待機している。大まかに言えば潜入操作だ。詳細についてはその別室で話す。」
「後チート能力っていうのは…?」
「ああ、それが本題だな。君自信は気付いていないかも知れないが、実は君はとんでもない力を持っている。」
俺は息を飲む。あれだけ欲しがっていたチート能力だ。最近になって俺は俺の出来ることをやればいいと思う様になってはいたが、力があるなら話は別だ。
皆も憧れた事があるだろう。空を飛び、あらゆる攻撃を無に帰す力や、世界を滅亡させる力を持つ宇宙人さえも軽く一捻りする戦闘力。神に愛され、その加護を一身に受け、死ぬことも傷つく事もない戦士。そんな現実離れした存在に。
「ただ君の能力は非常にイレギュラーだ、説明するのが非常に難しい。」
「イレギュラー?どういう事だ。」
「そうだな、例え話で説明させてもらうと、君はある探し物をしていた。そしてその能力があればそれを一瞬で見つけることが出来る。しかしその代償として何か別の物を無くしてしまうと、そう言った感じだ。」
「…何それ、弱くない?」
「うーん、いや、説明が悪いな。別にそれは探し物じゃ無くてもいいし、物を無くすという訳で無くてもいいんだ。…何かこれを聞いて思い当たる節はあるか?」
「いや、無いな。」
ミミが一生懸命説明してくれるが、すればする程、何だか分かりづらくなっている気がする。そもそもこの能力事態が使い道も分からない雑魚能力な気がしてならない。
「うーーん。…そうだな。一つ尋ねるが、慎一郎。君は今ここにいるレイの事を愛しているか?」
「ファッ!?」
「ちなみに私レイはチロさんを愛していますよ!それはそれは海よりも深く、空よりも高く!世界の中心で、いや、スクランブル交差点の中心で声高に叫んでも恥ずかしく無いくらい大好きですっ!」
ミミの予想外の問いに俺は吹き出す。レイはレイで最近知ったものの一つであろう異世界知識を交えながら絶叫している。
「あ、愛というとまた違うかも知れんが、まあ、好きだぞ?友人としてな。」
本当に何を言わされているんだろう。罰ゲームか何かかな?とまあそんな台詞を言った俺はとてつもなく動揺していた。
「そうか、まあ仮に二人が相思相愛だとして話をするぞ?」
断定ですか。だったら例え話という呈で良かったんじゃ無いですかね?
「物騒な話にはなってしまうが、例えば君が愛する人、レイを失ってしまう。それは病死かもしれないし、事故死かもしれない。はたまた戦死かもしれない。そんな時君はおそらくエド様さえも打ち負かす力を手に入れるだろう。その能力の力でな。」
「え!?マジで!?何か急に強そう!!」
エドと言えばガールズガーディアンガンガンダッシュ戦記の作中での最強キャラだ。その彼女を倒す力となればチート以外の何物でもない。
そんな能力を外様である俺が持っていていいんだろうか?この世界が実際に存在するゲームなだけにメアリー・スーの様な事にはなってしまうのではないか。
「まあ、そういう訳でそんな超能力を持つ君に協力して貰いたい。」
「ああ、そういえば潜入操作だと言ってたか?何処に潜入するんだ。」
「ふふ、良く聞いてくれたな。」
正に待ってたと言わんばかりの表情をミミは見せる。
「今から向かうのは“王国の王城”だ。テンション上がってきただろう?」
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