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第三章 ワールドウォー・トゥモロー
再会した小五ロリは今やJKになっていた。
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「あー!あー!違いますっ!私の事はナナと呼んでくださいっ!お願いしますっ!(^-^)/」
「なんやねん、自分。」
情緒不安定な、ナナと名乗る黒装束にすかさずニシがツッコミを入れる。流石関西人、ツッコミにキレがあった。
と、そんな感慨とは別にもう一つ、俺は思う所があった。その黒装束の事だ。
そのナナと自称する黒装束の少女、彼女の声や雰囲気が俺は見知った誰かと似ていることに気付く。そしてそれは何処か懐かしさを感じさせるのだ。
その記憶に、俺は確信的な心当たりがあった。
「お前、白雪七海だろ。」
「ッ……!!」
黒装束は息を飲む。そして暫く固まっていた為、俺は彼女に近づき、彼女が被っているフードを脱がす。
黒装束のその素顔が晒される。整った目鼻立ちに、瑪瑙の様に黒い瞳と髪色。穏やかな雰囲気を醸し出す柔和な表情。
久しく見ていなかった、愛おしい、可憐な少女がそこにいた。
…白雪七海。予想通り彼女が黒装束の正体であった。
彼女は恥ずかしさのあまりからか顔全体を真っ赤に染め上げている。しかしながらも笑顔を浮かべてこう言った。
「ひ、ひひ、久しぶりっ!?げ、元気してた?」
「……。」
彼女と会うのはおおよそ6年振りになる。それだけでも長い時間に感じるが、彼女と最後に会ったのは小学生の時だ。多感な時期なだけに彼女と会えなかった時間は思っている以上にとても長かった。
「…誰だっけ、お前?」
「…。」
俺がそう言うと、彼女は泣きそうな顔をして押し黙った。しかし直ぐに笑顔を取り繕った。
「そ、そうだよね。…もう6年もたってるんだもんね。忘れちゃうよね、私の事なんて。」
そう言って笑う彼女だが、その表情は何処か悲しそうだ。俺はとぼけた顔をしていたが、彼女があまりに悲しそうな表情をするので…、
「いや、嘘だよ。しかもさっき七海って呼んだだろうが。本当にドジだな。」
「え、嘘?……もう!慎一郎の意地悪っ!!」
やはり俺の嘘に彼女は気付いていなかったらしく、俺がネタバラシすると驚いて泣き出してしまった。
「おいおい、泣くなよ。笑った方が可愛いぞ?」
「うるさいっ!慎一郎の馬鹿!嘘つきっ!アホ!」
七海は緊張の糸が切れたかの様に泣きわめいた。そして暫くして落ち着いたのか、彼女が口を開いた。
「でも嬉しい。慎一郎が私の事を覚えてくれていて。それに怒られると思ってたのに優しく接してくれて。」
七海は女神の様な微笑みを浮かべる。やはり彼女の笑顔は誰よりも眩しい。だが、しかし…
「まあ、俺にも色々あったんだよ。確かに昔は本当にお前の事が忘れられなくて急にいなくなったお前を恨んだりしていた。でも今は別に好きな娘がいる。だから怒りや恨みは殆ど無い。」
「……は?」
俺が現状を告白すると、彼女の顔から光が消え、ドスのきいた低い声でそう呟いた。彼女の鋭い視線が俺に突き刺さる。
「…好きな娘?…私以外の?何を考えてるの?慎一郎。アンタってそんな浮気性だったの?」
「え、えぇ?」
彼女は俺を攻め立てる。感動の再開ムードから一転、とんでもない修羅場へと状況は変わっていた。
「ねぇ?答えて。」
もはやヤンデレのテンプレと化した七海だが、醸し出す雰囲気は並みのものではない。殺意の波動をひしひしと感じる。
「殺意の波動?…そうね。状況によっては貴方を殺すことも辞さないわ。…カナ?中央の国の代表ね、それと、レイ!?貴方三又もかけてるの!?」
俺が声に出す前に彼女は俺の心でも読んだのか、俺の意中の人、そして若干の恋心的な何かがなきにしもあらずな俺の親友(女)の名前を見事当てて見せた。
「どうして?私というものがありながら、貴方は他の女を選ぶの?しかも優先順位が、カナ、レイと来てそして私っていうのが気に食わないんだけど?」
「ちょっと待て!何だ?さっきから。お前、心を読む能力でも持ってんのかよ!」
「そんな事はどうでもいいでしょっ!!私と貴方は恋人同士、なのに何で貴方は他の女と一緒にいるのよ!」
「恋人同士って、そんなの昔の話だろ!しかもふったのはお前の方だったろ!」
「私はこれからは一緒にいられないって言っただけで別れようとは言ってないですぅ~」
何がどう違うんだよっ!とツッコミを入れようとしたが、これ以上話しても無駄だと悟った俺は溜息を吐き、反論することを止めた。
「違いますぅ~、一緒にいなくても付き合ってるっていうカップルとかもいますぅ~」
「もう終わったろ!何でこの話続けるねん!」
俺が話を止めてもさらに突っ掛かってくる七海。…そんな七海に俺はある違和感を覚えていた。
「…お前絶対持ってるだろ、心を読む超能力。」
先程いた部屋でミミやレイから聞いた超能力の話、それとこれから行う任務。その事を考えるとここにいるメンバーは何らかの能力か高い戦闘力を持ってる事が察せられる。そしてその問いは見事当たったようで…。
「…そう。持ってるわよ。私は心が読めるの。それ以外にも色々出来るけどね。」
「なんやねん、自分。」
情緒不安定な、ナナと名乗る黒装束にすかさずニシがツッコミを入れる。流石関西人、ツッコミにキレがあった。
と、そんな感慨とは別にもう一つ、俺は思う所があった。その黒装束の事だ。
そのナナと自称する黒装束の少女、彼女の声や雰囲気が俺は見知った誰かと似ていることに気付く。そしてそれは何処か懐かしさを感じさせるのだ。
その記憶に、俺は確信的な心当たりがあった。
「お前、白雪七海だろ。」
「ッ……!!」
黒装束は息を飲む。そして暫く固まっていた為、俺は彼女に近づき、彼女が被っているフードを脱がす。
黒装束のその素顔が晒される。整った目鼻立ちに、瑪瑙の様に黒い瞳と髪色。穏やかな雰囲気を醸し出す柔和な表情。
久しく見ていなかった、愛おしい、可憐な少女がそこにいた。
…白雪七海。予想通り彼女が黒装束の正体であった。
彼女は恥ずかしさのあまりからか顔全体を真っ赤に染め上げている。しかしながらも笑顔を浮かべてこう言った。
「ひ、ひひ、久しぶりっ!?げ、元気してた?」
「……。」
彼女と会うのはおおよそ6年振りになる。それだけでも長い時間に感じるが、彼女と最後に会ったのは小学生の時だ。多感な時期なだけに彼女と会えなかった時間は思っている以上にとても長かった。
「…誰だっけ、お前?」
「…。」
俺がそう言うと、彼女は泣きそうな顔をして押し黙った。しかし直ぐに笑顔を取り繕った。
「そ、そうだよね。…もう6年もたってるんだもんね。忘れちゃうよね、私の事なんて。」
そう言って笑う彼女だが、その表情は何処か悲しそうだ。俺はとぼけた顔をしていたが、彼女があまりに悲しそうな表情をするので…、
「いや、嘘だよ。しかもさっき七海って呼んだだろうが。本当にドジだな。」
「え、嘘?……もう!慎一郎の意地悪っ!!」
やはり俺の嘘に彼女は気付いていなかったらしく、俺がネタバラシすると驚いて泣き出してしまった。
「おいおい、泣くなよ。笑った方が可愛いぞ?」
「うるさいっ!慎一郎の馬鹿!嘘つきっ!アホ!」
七海は緊張の糸が切れたかの様に泣きわめいた。そして暫くして落ち着いたのか、彼女が口を開いた。
「でも嬉しい。慎一郎が私の事を覚えてくれていて。それに怒られると思ってたのに優しく接してくれて。」
七海は女神の様な微笑みを浮かべる。やはり彼女の笑顔は誰よりも眩しい。だが、しかし…
「まあ、俺にも色々あったんだよ。確かに昔は本当にお前の事が忘れられなくて急にいなくなったお前を恨んだりしていた。でも今は別に好きな娘がいる。だから怒りや恨みは殆ど無い。」
「……は?」
俺が現状を告白すると、彼女の顔から光が消え、ドスのきいた低い声でそう呟いた。彼女の鋭い視線が俺に突き刺さる。
「…好きな娘?…私以外の?何を考えてるの?慎一郎。アンタってそんな浮気性だったの?」
「え、えぇ?」
彼女は俺を攻め立てる。感動の再開ムードから一転、とんでもない修羅場へと状況は変わっていた。
「ねぇ?答えて。」
もはやヤンデレのテンプレと化した七海だが、醸し出す雰囲気は並みのものではない。殺意の波動をひしひしと感じる。
「殺意の波動?…そうね。状況によっては貴方を殺すことも辞さないわ。…カナ?中央の国の代表ね、それと、レイ!?貴方三又もかけてるの!?」
俺が声に出す前に彼女は俺の心でも読んだのか、俺の意中の人、そして若干の恋心的な何かがなきにしもあらずな俺の親友(女)の名前を見事当てて見せた。
「どうして?私というものがありながら、貴方は他の女を選ぶの?しかも優先順位が、カナ、レイと来てそして私っていうのが気に食わないんだけど?」
「ちょっと待て!何だ?さっきから。お前、心を読む能力でも持ってんのかよ!」
「そんな事はどうでもいいでしょっ!!私と貴方は恋人同士、なのに何で貴方は他の女と一緒にいるのよ!」
「恋人同士って、そんなの昔の話だろ!しかもふったのはお前の方だったろ!」
「私はこれからは一緒にいられないって言っただけで別れようとは言ってないですぅ~」
何がどう違うんだよっ!とツッコミを入れようとしたが、これ以上話しても無駄だと悟った俺は溜息を吐き、反論することを止めた。
「違いますぅ~、一緒にいなくても付き合ってるっていうカップルとかもいますぅ~」
「もう終わったろ!何でこの話続けるねん!」
俺が話を止めてもさらに突っ掛かってくる七海。…そんな七海に俺はある違和感を覚えていた。
「…お前絶対持ってるだろ、心を読む超能力。」
先程いた部屋でミミやレイから聞いた超能力の話、それとこれから行う任務。その事を考えるとここにいるメンバーは何らかの能力か高い戦闘力を持ってる事が察せられる。そしてその問いは見事当たったようで…。
「…そう。持ってるわよ。私は心が読めるの。それ以外にも色々出来るけどね。」
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