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第四章 ファーストプレイ:デットエンド

ガールズガーディアンガンガンダッシュ戦記

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    …そうですねえ、そのゲームのタイトルは……ガールズガーディアンガンガンダッシュ戦記何てどうでしょう?」

「長い、却下。」

「ええ~!?」

 早々、自身が考えた渾身のタイトルを否定されるハルカ。

「何でですか!?いいじゃないですか!?略してガガガ戦記ですよ?分かりやすいじゃないですか!」

「確かに略しやすいタイトルは悪くない。だけどそのタイトルから内容が一切連想されないのよ。ガンダとか死語だし。」

「う、う~!!」

 最もなダメ出しをされて、ハルカは言い返す言葉もなく押し黙る。犬のようにうーうー唸っているのが本当に子供っぽい。

「じゃ、じゃあ!七海さんは何か良い案があるんですか?人にダメ出しばっかりして!」

「あるわよ、もちろん。とっておきなのがね!」

 先程までの無気力溜め息製造機ぶりは何処へやら、七海が胸を張って鼻息を荒くしながらそう言った。

「な、何ですとー!!」

「ふふん♪」

 特に言われた訳でも無いのにも関わらず、七海はカバンからメモ帳を取り出し文字を書き出す。上機嫌に鼻唄を歌いながら。

「どうよ!!」

「ふむふむ。」

 自信満々にタイトルを書いた紙をハルカに手渡す。

「…少女は死なず、ただ消え去るのみ…?」

「そう!あの異世界は闘いの世界、訳あって上役は全員女性で構成されてるし、それに日本にも馴染みの深いアメリカの軍人、ダグラス・マッカーサーの名言をもじったタイトルにすることで戦争物だと馬鹿でも理解できるわ!完璧ね!」

「…何か微妙ですね。」

「あ?」

 自分の意見を否定されたのが気に食わなかったのか、七海は低い声でハルカを恫喝し睨み付ける。他人の意見を軽々しく否定しておいてまるでガキ大将みたいなヤツだ。

 しかし精神が図太いのか馬鹿なのかは知らないが、ハルカは全く怯まず否定の根拠を述べる。

「まず私が馬鹿なだけかもしれませんが、マッカーサーと言ったらGHQのボスという情報で完結してます。その名言も聞いたことはありますがマッカーサーのものだと知りませんでした。その言葉を聞いて戦争を連想させるのは100%では無いでしょう。それに私のだって末尾の戦記の言葉で戦争ものだと大体は想像できるでしょう?しかもミリタリーものではなく魔法の戦争となるならマッカーサーの名言は錯乱を生むだけでは?」

「……ちっ!」

 自信満々だった七海の案も否定され、言い返す言葉が無くなった七海は舌打ちをする。

 二人の同じ状況での反応、どっちの反応の方が女の子的だといったら、とりあえずハルカの方がいいかなーと思う。…ただコイツは馬鹿だけど。

 その後、あーだこーだと水掛け論がしばらく続き、一通り話しきって熱が収まった頃に一つの結論が出る。

「…ガールズガーディアンガンガンダッシュ戦記(仮)、とりあえず今はそれでいいわ。」

「そうですね。今はそれで話を進めましょう。」

 とりあえずタイトルについての議論は終結し、議論は次の話題に移る。

「まずゲームのストーリーから決めましょうか?」

「そうね。とは言っても大体は決まっているわ。」

 七海はスラスラとメモに文字を書いていく。そしてハルカが読み上げる。

「…東西南北、そして中央の五つの国が世界の頂点を目指すべく世界対戦を行い、勝ち残る。…えらくシンプルですね。もっと無いんですか?伝説の勇者の血を引く主人公だとか、小さな町に住む超能力少年だとか。」

「そっちの方が王道過ぎてつまらないと思うけど。でもとりあえずストーリーは適当でいいわ。このゲームは所謂キャラゲーね。…あの人達みんなキャラ濃いんだもんなぁ。」

「あの人達、というと七海さんの言う異世界に住む人たちですか?」

「ええ、そうよ。」

 そう答え、今度はメモに異世界の住人それぞれの似顔絵と特徴を記していく。一通り書き終えた所でハルカが感想を口にする。

「…確かにキャラ濃いですね。あと大体年上じゃないですか。同年代と言えるのはミミさん、ハナさん、レイさん、それとギリギリでカナさんとユキさんですかねぇ。」

「でもカナさんとかはたまに年上であることを忘れるけどね。まあ、それはいいとして、これが何となくの設定。それぞれの国の代表と側近ね。」

「あれ?でもこれ足りなく無いですか。これで全員何ですか?」

 ハルカが指差し登場人物達の数を数える。東西南北と中央の五つの国に代表、側近と一人づつ。計十名必要な筈だ。だが数えてみると数が足りていない。

「あら、そうね。そう言えば忘れてたわ。」

 そう言って七海は書き並べたキャラ達をそれぞれの国に振り分けていく。

「そうね。東の国の側近が不在だわ。…まあ、適当にエドにでもしときますか。」

「あとは……中央の国の側近も不在ね。…うーん、誰にしようかしら?」




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