ホントの気持ち

神娘

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49、退院できるよ

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名取side

空の退院後のことが決まった。
俺が仕事でいない時は城崎先生と神山先生が空と一緒にいてくれることになった。
初めは申し訳ない気持ちが大きかったが、2人の温かい気持ちのお陰で感謝の方が大きくなった。

退院、空楽しみにしてたもんな~
退院のとこ空に言ったらどんな反応するかなぁ
学校はまだ難しいが家でゆったりとは過ごせる。

退院してすぐは環境の変化で精神的に不安定になりやすいため1週間くらいは一緒にいてあげなさい。と、医院長が言ってくださり1週間休むことにした。

最近ずっと患者が心配で休日も病院で過ごしていたからたまにはゆっくり家で休むのも良いだろう。
担当の患者は俺がいない間先輩が診てくださると言ってくれた。

明後日には退院できるよう色々準備しないと、



朝の診察をして回り、空の病室に朝食を持って行った。
珍しくまだ寝ていた。
そっと空の頭を撫で、空がここに来た頃のことを思い出した。
来てすぐはドアが開くことにも怯えていた。
俺が入ってくる度にガクガク震えパニックを起こしていた。
その頃から考えるとこうやって俺が入ってきてもスースー気持ち良さそうな寝息を立てているのは少しでも安心できている証拠かな。

「う…んー…」
空がもぞもぞ動き枕に顔を擦りながら声を出した。
薄らと目を開けぼーっとしている。
まだ眠いのだろうか、
眠いならまだ寝てもいいが診察だけ終わらそうと思い声をかけた。

「おはよう、まだ眠い?」

ビクッ

「え、あ、おはよう、いつからいたの?」

驚かせてしまった。

「うーん、5分くらい前かな、
まだ眠い?眠かったら寝ててもいいよ。
ちょっと診察だけさせてね。」

そう言って空に手を伸ばした。

「んっ……」

未だに体に触ろうとすると固く目を閉じて体に力が入る。
まだ触られることが怖いんだろうな。

「大丈夫、大丈夫、すぐ終わるよ。」

優しく声をかけてできるだけ早く終わらせた。

「はい、終わり、 
どうする?もうちょっと寝る?それとも朝ごはんにする?」

「朝ごはんにする。」

「分かった、準備するね。」

机に朝食を並べた。

「いただきます」

最近よく食べれるようになり固形の食べ物が少しずつ増えてきた。

「陽ちゃん、見て!!にんじんお星様☆」

にんじんが星の形に切られているのを嬉しそうに見せてくれた。

「ホントだ星だ、すごいな~」

見て満足すると美味しそうに頬張った。




「ごちそうさまでした」

綺麗に完食し空になった皿を見て微笑んでいた。

「美味しかったか?」

「うん!!お星様美味しかった。」

よっぽど嬉しかったんだろうな。
退院してからも家で作ってやろう。

「良かったな~」

頭を撫でた。



「空、退院のことなんだけどちょっとお話しようか。」

「うん、」

退院に対して不安があるのか空は少し表情を強ばらせた。

「明後日、退院しようと思っている。」

「退院できるの?」

空は顔を上げ嬉しそうに聞いてきた。

「うん、出来るよ。
でもな、俺が病院で働いているからずっとは空と一緒にいてあげられないんだ。
それを昨日城崎先生と神山先生にお話したら、
俺が仕事でいない時は2人が空と一緒にいてくれることになったんだけど、空はどう?
俺がいない時は城崎先生や神山先生と一緒にいてくれるか?」

「僕、1人でも大丈夫だよ。
今までも家で1人のことあったしちゃんとお留守番できるよ。」

「うん……留守番できることは知ってる。
でも、俺は空の辛かった過去とか辛い気持ちを少しでも減らしてあげたいんだ。
そのためにも、空にはこれ以上寂しい思いをしてほしくない。
…それに…俺はあまり休日もないからほとんど家にいないから、空を1人にする事が不安で心配なんだ。
俺のエゴだな、ごめん…空が嫌なら無理にとは言わないが……」

「分かった。でも、僕…2人に迷惑かけたくない…」

「そうだな、空の気持ちは分かるよ。先生達とも直接お話しようか。2人も心配なことがあるみたいだったから。」
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