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63、でも、父さんの声が聞こえる
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空side
震えだけが治まらない…
さっきからずっと父さんの声が聞こえる…
神山先生は父さんはいないって言ってた…でも…声が聞こえる…
なんで……本当はいるんじゃないの?
本当はいて父さんのところに返すつもりなんじゃ…
僕がいい子じゃないから…
「捨てないで…」
「空くん?」
「僕のこと捨てないで!…
…ちゃんといい子になるから!!お願い!!捨てないで!」
神山先生の服を握りしめ必死に言った。
「空くん、どうしたの?捨てたりしないよ。大丈夫」
「もうあの家に戻りたくない!もう怖いの嫌だ…いやだ…
お願い…お願い…なんでもするから…」
「空くん、」
ガチャ
「名取先生、」
「空、ここにあの父親はいない。
ここにいるのは空と神山先生と城崎先生と俺だけだ。」
「でも…」
「でも何だ。」
陽ちゃんが険しい顔をして聞いてきた。
でもの先が言えない…もし言って本当に父さんがいたら…
「なんでも…ない」
「空、思っていることはちゃんと言いなさい。
言わないと分かんないよ。でも何だ?」
これ以上黙っていたら陽ちゃんに怒られる…
陽ちゃんに怒られたくない…
でも…でも…
「でも……、父さんの声が聞こえる…から…家にいると思った。
僕…いい子じゃないから…父さんのところに返すのかなって………」
「あの父親のところには返さないよ。
もしあの父親が空を返して欲しいってお願いしてきても返さない。俺らと過ごすって決めただろ?」
「うん……ごめんなさい………」
「ごめん、きつく言って怒ってるわけじゃないんだ。
でもちゃんと知っていて欲しかったから。
昨日退院したばかりだもんな、不安だよな。」
ちょっと怖い言い方だったけど、陽ちゃんに父さんのところに返さないと言われてやっと震えが治まった。
陽ちゃんはたまにきつい言い方になってしまう時がある。
その時は怒らせちゃったのかなって思うけど、違うんだ。
陽ちゃんはちゃんと気持ちを伝えたい時に目を見てハッキリ言おうとするからきつく感じちゃうんだ。
ちょっと怖いけど、僕のことちゃんと考えてくれてるのが伝わるからそういう陽ちゃんも好きだな。
ガチャ
「あの…お取り込み中すみません、
そろそろ9時になるからお腹空くかなって思って、
夕紀まだリビング無理そうだったらこっちで食べるか?」
リビング………
「えっと……」
「まだ無理そうだから、ここで朝ごはん食べようか、
俺もまだ食べてないし一緒に食べよう。」
行けないって言えずに黙っていると陽ちゃんが代わりに言ってくれた。
「じゃあ持って来ますね~」
「あ、俺も手伝うよ。空くんオレンジジュースでいい?」
「うん、」
「じゃあ待っててね。」
城崎先生と神山先生が朝食を持ってきてくれるのを陽ちゃん待った。
震えだけが治まらない…
さっきからずっと父さんの声が聞こえる…
神山先生は父さんはいないって言ってた…でも…声が聞こえる…
なんで……本当はいるんじゃないの?
本当はいて父さんのところに返すつもりなんじゃ…
僕がいい子じゃないから…
「捨てないで…」
「空くん?」
「僕のこと捨てないで!…
…ちゃんといい子になるから!!お願い!!捨てないで!」
神山先生の服を握りしめ必死に言った。
「空くん、どうしたの?捨てたりしないよ。大丈夫」
「もうあの家に戻りたくない!もう怖いの嫌だ…いやだ…
お願い…お願い…なんでもするから…」
「空くん、」
ガチャ
「名取先生、」
「空、ここにあの父親はいない。
ここにいるのは空と神山先生と城崎先生と俺だけだ。」
「でも…」
「でも何だ。」
陽ちゃんが険しい顔をして聞いてきた。
でもの先が言えない…もし言って本当に父さんがいたら…
「なんでも…ない」
「空、思っていることはちゃんと言いなさい。
言わないと分かんないよ。でも何だ?」
これ以上黙っていたら陽ちゃんに怒られる…
陽ちゃんに怒られたくない…
でも…でも…
「でも……、父さんの声が聞こえる…から…家にいると思った。
僕…いい子じゃないから…父さんのところに返すのかなって………」
「あの父親のところには返さないよ。
もしあの父親が空を返して欲しいってお願いしてきても返さない。俺らと過ごすって決めただろ?」
「うん……ごめんなさい………」
「ごめん、きつく言って怒ってるわけじゃないんだ。
でもちゃんと知っていて欲しかったから。
昨日退院したばかりだもんな、不安だよな。」
ちょっと怖い言い方だったけど、陽ちゃんに父さんのところに返さないと言われてやっと震えが治まった。
陽ちゃんはたまにきつい言い方になってしまう時がある。
その時は怒らせちゃったのかなって思うけど、違うんだ。
陽ちゃんはちゃんと気持ちを伝えたい時に目を見てハッキリ言おうとするからきつく感じちゃうんだ。
ちょっと怖いけど、僕のことちゃんと考えてくれてるのが伝わるからそういう陽ちゃんも好きだな。
ガチャ
「あの…お取り込み中すみません、
そろそろ9時になるからお腹空くかなって思って、
夕紀まだリビング無理そうだったらこっちで食べるか?」
リビング………
「えっと……」
「まだ無理そうだから、ここで朝ごはん食べようか、
俺もまだ食べてないし一緒に食べよう。」
行けないって言えずに黙っていると陽ちゃんが代わりに言ってくれた。
「じゃあ持って来ますね~」
「あ、俺も手伝うよ。空くんオレンジジュースでいい?」
「うん、」
「じゃあ待っててね。」
城崎先生と神山先生が朝食を持ってきてくれるのを陽ちゃん待った。
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