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77、いい子になろう。
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空side
いい子になろう。
陽ちゃん達に迷惑かけないいい子になったら帰らなくて良いよね…
多分…
僕にできること…
なんだろう…
机の上の紙に書いて整理しよう…
僕にできること…まずは家事…とか?
料理とか掃除とか洗濯とかなら家でもやってたしできるはず…
あとは…我儘言わない。
これ以上陽ちゃんに迷惑かけたくない
あとは…全部我慢する。
3つくらいならできる。
3つくらい出来なきゃ…
まずできるのは家事、
服を着替え、紙をポケットに入れドアを開ける。
「陽ちゃん…」
テレビを観ている陽ちゃんに声を掛ける。
「空、どうした?お腹空いたか?」
「うーうん、あのね、陽ちゃん…ごめんなさい。」
「え?」
「昨日の夜…迷惑かけてごめんなさい。」
「迷惑とか思ってないよ。昨日は、」
「もうお昼だね。お腹空いてる?」
「え?あ、ああまぁ空いてきたかな。」
陽ちゃんが迷惑じゃないとか僕に気をつかってそういう事を言うのは分かってた。
でも…迷惑っていうのもちゃんと分かってる。
だから、そういう嘘の言葉は聞きたくなくて無理やり話題を変えた。
家事をするためにリビングに来たんだ。
「食べれそうか?ちょっと待ってな、」
「ぼ、僕が作る。」
「いいよ、座って待ってな、」
「陽ちゃんこそゆっくりしてて、久しぶりの休みなんだから」
「いや、このくらい、」
「僕料理得意なんだよ。だから、久しぶりに作りたくて、ね?良いでしょ?」
「分かった。怪我しないように気をつけてな。」
「はーい」
陽ちゃんがソファーに座ったのを確認して冷蔵庫を開ける。
うーん、得意と言ったものの久しぶりだしオムライスにしよう。
上手にできたかな、
陽ちゃんの口に合うかどうか…不安になりながらも机に運ぶ。
「できたよ~」
「おお!オムライスか美味しそ~空の手作り初めてだな~」
「でも…陽ちゃんの口に合うか…」
陽ちゃんが一口食べるのをじっと見つめる。
「美味しい!」
「ホント?!良かったぁ、」
「ホントに美味しいよ~ありがとう」
美味しい美味しいと食べてくれる陽ちゃんをじっと見つめ心が温かくなる。
ちゃんとできて良かった。
「空は食べないのか?」
「え?あ、うん、今は…お腹空いてないから大丈夫。」
「そっか…空いたら食べろよ。」
「うん、」
なぜだか空腹感は無く、代わりにキリキリと痛みを感じた。
でも…陽ちゃんには言わない。
このくらい大丈夫。
我慢するって決めたんだ。
奥歯を噛み締め笑顔を作った。
僕の笑顔を見た陽ちゃんはまた困った顔をした。
また…困らせてしまった。
どうして陽ちゃんはそんな顔をするの?
僕には分からない。
料理だけじゃなくて他にも僕にできること…掃除をしよう。
ちゃんといい子になれたら困らないよね。
食べ終えた皿を片付け、部屋の掃除をした。
「ありがとう、綺麗にしてくれたんだね。そろそろ休憩しよう。」
「うーうん、あと洗濯物干すだけだから。」
「いいよ、そのくらい俺がやっとくから。」
「ホントにあとそれだけだから、陽ちゃんは休んでて、」
洗濯物を持ってベランダに向かう。
ベランダ…それは僕が1番怖い場所…
鍵を開ける手が震える。
心が拒否している。
心が必死で抵抗している。
けど…やらなきゃ、きっと大丈夫。
洗濯物をかけるだけ、すぐ部屋に戻ればいい。
大丈夫、大丈夫…
頭がグラグラするのを無視してベランダに出て洗濯物を干す。
はぁ、全部干せた。
やっぱり大丈夫じゃん、このくらい平気。
きっともう、大丈夫、
だってあれは過去だもん、今じゃない。
洗濯物を干し終え部屋に戻ろうとした
その時、
ガラッ
ベランダの窓が開いて、
そこに誰かが…立っている…
誰…
「空、…、…っぱり手……よ。」
誰?なんて言ってるの?
頭が働かない…誰か確認したいのに体が固まって動かない…
「空?……!!空?」
手がこっちに来る!!
怖い!!嫌だ!!
手を叩き固まる体を必死に動かしその人から離れる
なのにどんどん近づいてくる。
体がふわりと浮く…
まただ…またあの時と同じ、あの恐怖をもう感じたくなくて手足を精一杯動かし逃れようとするが全く効かない。
体を力ませる。殴られた時少しでも痛みを感じないようにするために
力ませた体は小刻みに震え、恐怖を感じた心からは一滴の涙もでない。
浅くしか吸えない呼吸を繰り返す。
頭は恐怖の黒で一色になる。
今まで何をしていたかも分からない。
僕の体に触れているのが誰なのかも分からない。
どうしたらいいのか、どうしたいのかも何も分からない。
いい子になろう。
陽ちゃん達に迷惑かけないいい子になったら帰らなくて良いよね…
多分…
僕にできること…
なんだろう…
机の上の紙に書いて整理しよう…
僕にできること…まずは家事…とか?
料理とか掃除とか洗濯とかなら家でもやってたしできるはず…
あとは…我儘言わない。
これ以上陽ちゃんに迷惑かけたくない
あとは…全部我慢する。
3つくらいならできる。
3つくらい出来なきゃ…
まずできるのは家事、
服を着替え、紙をポケットに入れドアを開ける。
「陽ちゃん…」
テレビを観ている陽ちゃんに声を掛ける。
「空、どうした?お腹空いたか?」
「うーうん、あのね、陽ちゃん…ごめんなさい。」
「え?」
「昨日の夜…迷惑かけてごめんなさい。」
「迷惑とか思ってないよ。昨日は、」
「もうお昼だね。お腹空いてる?」
「え?あ、ああまぁ空いてきたかな。」
陽ちゃんが迷惑じゃないとか僕に気をつかってそういう事を言うのは分かってた。
でも…迷惑っていうのもちゃんと分かってる。
だから、そういう嘘の言葉は聞きたくなくて無理やり話題を変えた。
家事をするためにリビングに来たんだ。
「食べれそうか?ちょっと待ってな、」
「ぼ、僕が作る。」
「いいよ、座って待ってな、」
「陽ちゃんこそゆっくりしてて、久しぶりの休みなんだから」
「いや、このくらい、」
「僕料理得意なんだよ。だから、久しぶりに作りたくて、ね?良いでしょ?」
「分かった。怪我しないように気をつけてな。」
「はーい」
陽ちゃんがソファーに座ったのを確認して冷蔵庫を開ける。
うーん、得意と言ったものの久しぶりだしオムライスにしよう。
上手にできたかな、
陽ちゃんの口に合うかどうか…不安になりながらも机に運ぶ。
「できたよ~」
「おお!オムライスか美味しそ~空の手作り初めてだな~」
「でも…陽ちゃんの口に合うか…」
陽ちゃんが一口食べるのをじっと見つめる。
「美味しい!」
「ホント?!良かったぁ、」
「ホントに美味しいよ~ありがとう」
美味しい美味しいと食べてくれる陽ちゃんをじっと見つめ心が温かくなる。
ちゃんとできて良かった。
「空は食べないのか?」
「え?あ、うん、今は…お腹空いてないから大丈夫。」
「そっか…空いたら食べろよ。」
「うん、」
なぜだか空腹感は無く、代わりにキリキリと痛みを感じた。
でも…陽ちゃんには言わない。
このくらい大丈夫。
我慢するって決めたんだ。
奥歯を噛み締め笑顔を作った。
僕の笑顔を見た陽ちゃんはまた困った顔をした。
また…困らせてしまった。
どうして陽ちゃんはそんな顔をするの?
僕には分からない。
料理だけじゃなくて他にも僕にできること…掃除をしよう。
ちゃんといい子になれたら困らないよね。
食べ終えた皿を片付け、部屋の掃除をした。
「ありがとう、綺麗にしてくれたんだね。そろそろ休憩しよう。」
「うーうん、あと洗濯物干すだけだから。」
「いいよ、そのくらい俺がやっとくから。」
「ホントにあとそれだけだから、陽ちゃんは休んでて、」
洗濯物を持ってベランダに向かう。
ベランダ…それは僕が1番怖い場所…
鍵を開ける手が震える。
心が拒否している。
心が必死で抵抗している。
けど…やらなきゃ、きっと大丈夫。
洗濯物をかけるだけ、すぐ部屋に戻ればいい。
大丈夫、大丈夫…
頭がグラグラするのを無視してベランダに出て洗濯物を干す。
はぁ、全部干せた。
やっぱり大丈夫じゃん、このくらい平気。
きっともう、大丈夫、
だってあれは過去だもん、今じゃない。
洗濯物を干し終え部屋に戻ろうとした
その時、
ガラッ
ベランダの窓が開いて、
そこに誰かが…立っている…
誰…
「空、…、…っぱり手……よ。」
誰?なんて言ってるの?
頭が働かない…誰か確認したいのに体が固まって動かない…
「空?……!!空?」
手がこっちに来る!!
怖い!!嫌だ!!
手を叩き固まる体を必死に動かしその人から離れる
なのにどんどん近づいてくる。
体がふわりと浮く…
まただ…またあの時と同じ、あの恐怖をもう感じたくなくて手足を精一杯動かし逃れようとするが全く効かない。
体を力ませる。殴られた時少しでも痛みを感じないようにするために
力ませた体は小刻みに震え、恐怖を感じた心からは一滴の涙もでない。
浅くしか吸えない呼吸を繰り返す。
頭は恐怖の黒で一色になる。
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