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〖第二十六話〗
しおりを挟む腿へ忍びこまれた手が、スリーパーの中へと滑ってゆく。
(うそ、なんで·····)
壊れ物を扱うように優しい手つきだった。
「·····──履いていなかったんですね」
「·····っ」
それが何を意味するのか、ステファンは気付いたようだった。
愛玩奴隷だ。淫らな行為のためだけに存在する奴隷である。
ネロは唇を噛んだ。惨めでたまらなかった。
「俺と話している間も、ずっと?」
媚薬のような声が囁く。ゾクゾクと、背がひりついた。
「ステファン様、もう·····っ」
大きな手が心地よい。
ネロはむずむずと身体を動かした。
「他に怪我は無さそうですね」
滑らかな指は、尻の窄みを掠めた。
「あとは·····」
ネロが、イヴァンのみを受け入れている場所だった。
「ここも、怪我はしていないようだ」
「へ···ぁ····本当に、だめ···──ひっ♡」
ステファンは、そっとほくそ笑む。
痛みと快楽を併用させることができるらしい。
イヴァンはコレを相当可愛がっているようだった。
ネロは、ただ消し去るよりも、良い使い道があるかもしれない。
「ナカはどうでしょうか」
「あ、ダメ·····っ!」
簡単に指が押し込まれる。
ネロの身体から、たちまち力が抜けた。
「んぅ·····っ」
指は、振動を続けながらゆっくりと奥へ押し込まれてゆく。
柔らかく強弱する蕾が、与えられた質量に絡みついて、快楽を搾り取ろうとしているようだった。
「ん···痛みは無さそうですね。寧ろ···」
「ひっ♡うぅ·····だ、め····っ」
腹の中は、擦られる度熱を増す。
「──物足りなさそうだ」
耳元へ口付けを落とされる。
一層低い男の声が名前を呼んだ。
「ひゃう·····っ?」
ネロの背は大きく反れた。
「はぁ·····ぁ·····っ♡ぁ·····っン·····っ♡」
指を抜かれた孔は、名残惜しそうに開閉を繰り返した。
「果ててしまいましたね」
「ひっ·····♡」
大きな手が腰にまわされる。
身体は、引き寄せられた形に歪んだ。
意識を取り戻したネロは、途端サッと青ざめた。
「降ろして····!」
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