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第六章
《第34話》本当の名前
しおりを挟む「んっ!···や、だ···っ、···あんの·····っ····や····!」
「嫌なわけ、無いですよね?」
「っ、!?」
奥のしこりのような部分を、連続して圧される。
訳の分からぬ快楽に、目を見開く。
背は海老反りになって、足が痙攣するように震えた。
「ひ、っや、そこ、っ···あっ───!」
とうとう押しあがってきた何かが頂点へ達して、大きく体が跳ねる。
びく、びくびくっ、と筋肉が痙攣する。
尻の穴は忙しなく強弱した。
「はぁ·····はぁっ·····は·····んっ」
舐めるような口付けを落とされる。
「名前で呼んでください·····」
濡れた声は姫宮の耳を伝い、腹にゾクゾクした響きをもたらした。
「あ、んの···っあっ·····っ···!」
1度止まった指が、ズルズルと動き出す。
「違います、みずきさん」
ブラウンの瞳を見つめても、彼が何を考えているかは分からない。
一度尻で達してしまったあとは、内側が馬鹿になったみたいに、快楽を得ることしか考えられなくなった。
昼に、美しい所作で食事をしていた庵野の、長くしなやかな指を思い出す。
それが、今、自分のナカを執拗に愛撫している。
角張った指の折れ目が、抜き差しされる度に少し苦しい。
おかしくなってしまいそうだ。
カチャカチャとベルトを外す音がした。
目の前に、重たそうな雄が飛び出す。
姫宮はぎょっとした。
「や、なに、すっ·····んんっ···」
庵野の唇に、唇を啄まれる。
熱い舌に、脳が惚けてゆく。
「····名前、呼んでください」
俺の名前、と、繰り返し言った庵野の指が抜かれる。
奥がジンジンと熱い。
閉じかけた足を両手で開かれる。
姫宮は唖然として庵野を見上げていた。
どうして、お前がそんな顔してんだよ。
ぐるぐる回る頭で、不意に、庵野と幼い少年が重なる。
「·····みやび?」
少年の名前と、目の前の美男子の名前が一致する?
あ、と思った頃、彼のペニスがそこへ押し付けられていた。
「あ、うそ·····───っ!」
ずぷっ、と、音がする。
重圧に押しつぶされる。
目の前で火花がちった。
「あっ·····ふ、かっ·····」
目を見開いた先で、彼は笑っていた。
色の濃くなった瞳がこちらを見つめ、湿った唇が、美しく弧を描いている。
少しの間、1寸の狂いもなく作り上げられたような男の顔に、目が離せなくなった。
「······───あんっ」
更に奥まで押し広げられる感覚。
恐らく規格外な大きさだ。
言葉にならない喘ぎが漏れた。
再び、何度目かもわからぬ口付けで、拒絶しようとした言葉を塞がれる。
深く口付けされながら、それが動きだす。
圧迫感と息苦しさと、耐え難い快感。
神経を直接撫でられるような感覚に、震えが止まらない。
逃げることなど到底できず、何度も奥を擦り付けられた。
「名前、呼んでよ」
何度も粘膜を擦った肉が止まる。
「み、やび」
「みずきさん·····」
庵野はため息をついた。
突かれる度、奥は強く締められ、さらに内側へと誘われているみたいだ。
「もっと俺のペニスで嬲って欲しいって···甘えてるみたいだ」
「ち、がっ·····あっ···、あ、あっ···ひっ」
浅い所だけを擦ってやると、ぱちゅ、ぱちゅ、と遊ぶような水音が漏れた。
しばらくそうしてやると、姫宮は物足りなさそうに眉を下げる。
先程より奥に、欲望を叩き込む。
姫宮のつま先がピンと伸ばされ、しかしそこで、庵野は動きを止めた。
「あっ···」
「どうして欲しいですか?」
「やっ····み、やび··········もぅ······っ」
真っ赤な顔。目元が潤んでいる。
泣きそうだ。
泣かせたい。
俺のものを咥えこんで涎を流すこの人を、感覚が無くなるまでいじめて、ぐちゃぐちゃにしたい。
熟れた乳首をピンと指で弾くと、甘い声が漏れた。
「みやびっ·····」
名前を呼びながら、きゅっ、と奥が締め付けられる。
先に限界を迎えたのは庵野だった。
ついに根元まで押し付け、再び奥を擦り始める。
「あぁっ!ひ、ゃんっ、あ、あっ、んっ」
「みずきさんっ···中に、出してもいいですか?」
姫宮には聞こえていない。
その一層奥へ、濃い欲を打ち付ける。
喰う様なキスを交わして、じっくりと奥を舐め上げてやる。
「ンン────!!」
打ち付けられる感覚は、とても長く感じられた。
熱いものが腹の中を満たして、苦しくてたまらなくなる。
「ひんっ」
意識が飛びそうになって、姫宮は舌を噛んだ。
再び、終わることを知らない快楽を与えられる。
香ってきた彼のコロンの香りに、目を薄めた。
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