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6話

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真夜中の森を突き進む骸の軍団。

本来夜は森は視界が悪くどう獰猛なモンスターが徘徊する為、人がいることはまずない。

そんなムクロは意気揚々と突き進む。

するとひらけた場所に着いたそこは以前人が住んでいたであろう集落であった。

倒壊した民家 かつて井戸端話で花を咲かせていたであろう朽ちた水場。

まともに立っていたのは石造りの倉庫だけであった。

そして人がいなくなった代わりに占拠していたのは、人よりもふた回り大きなオークであった。

その数立ったの20体、見張りもおらず以前潰した砦のオークとは違いお粗末な集団である。

ムクロはゾンビたちを指揮し集落の包囲するように配置する。

今のゾンビの数は200を超えている。

相手の戦力の10倍であり瞬殺できるのだが、今回は新しく使役できるようになった。

レイスの戦闘実験を行う。

ムクロは使役できるようなっていたが今まで使役していたゾンビの方が使い慣れていた為、もっぱら索敵にしか使っていなかった。

ここでレイスの能力を把握できればこの先の戦術が大きく変わるだろう。

索敵に使っていたレイス5体を寝静まっているオークの集団に進軍させる。

音もなく進むレイス。攻撃を指示すると近くの一体に抱きつくように重なりしばらく立つとオークはうめき声をあげながら力尽きた。

「寝込みに襲われたらひとたまりもないな……」

このままだとオーク達は何も気づかずに死んでしまうので、数が半分に減ったところで、ゾンビ達は包囲の範囲を狭める。

異臭に気づいたオークが起き上がるが隣には生気の亡くなったかつての仲間横たわる。

声をあげ生き残ったものは近くにあった棍棒や刃こぼれしたロングソードを振り回すがレイスには効果なく攻撃は空を切る。

レイスも攻撃を行うのだが相手が動き回るので倒すのに時間がかかるようだ。

味方を見捨てて倉庫から逃げ出すオークも現れたがそこは包囲していたゾンビに囲まれ息絶えた。

そして集落の跡地は屍の軍団に占拠された。
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