骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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4章

106話

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一部ハプニングはあったが、無事相談会は終わり帰路を二人で歩く。

解散時に、ジャンヌから宿場町の基礎工事の依頼を頼まれたので、明日から更に忙しくなりそうだ。

隣を歩くアルビーは普段より多く酒を飲み上機嫌である。

腕に抱きつき鼻歌を奏でている。

プロポーズはいつにするか、明確にしてはいないが、そろそろ覚悟を決めるべきだろう。

アルカディアのことを考えると陸路と空路を確立する迄は厳しそうだろう。

翌日の朝、一朗はそれとなくアルビーに伝える。

相変わらず上機嫌で朝食を作るアルビーは快く受け入れてくれた。

「確かに、今のままでは一朗さん無しだとアルカディアの他国の連携は難しいものね。私も微力ながら協力させてくださいね」

てっきりプロポーズを急かされると思ったのだが肩すかしに終わった。

その後、一朗は早速昨日ジャンヌから依頼された宿場町の依頼を受けに行く。

傭兵ギルドに、行き詳しい内容を職員に確認する。

内容はセントフリー南の砦と同等の規模を計画しているようだ。

一朗の役目は宿場町の外壁と上下水の基礎工事。

大まかな宿場町の主要道路構築である。

傭兵仕事というより土建屋の仕事だと思うのだが、建設中にモンスターに襲われる可能性がある為、

24時間骸の兵で工事を行う一郎に白羽の矢が立ったのだろう。

宿場町の建設予定地は盆地周辺の森から少し離れた川の近くである。

「ここは今でも野営地として使われているので、問題ないと思うのですがどうでしょうか?」

「そうですね。ここなら森からくるモンスターの発見しやすいでしょうし、問題ないと思います」

「アルカディア一の策士にお墨付きを頂けて安心です。
報酬の件ですが、国からは宿場町の好きな一区画と米一年分との事です。合意していただけますか?」

「全く問題ありません。では本日から早速取り掛かりたいと思います」

すでに初回難民護衛の際に報酬で貰った米を半分消費していたのでこちらとしては有難い。

さらに宿場町の一区画の土地はアルビーに任せればうまく運用し、継続的な利益が得られるだろう。

一郎は依頼を受けてから目安をつけるための杭となる木材を補充し、骨のドラゴンで目的地まで飛び建設予定地向かう。

建設予定地の近くの川の両端は草原になっており、今後の開拓もしやすそうだ。

一郎がついた時には行商人の一団が広場で休憩を取っていた。

傭兵の一人が気がつき急遽防衛体制を取っていた。

「おっ目の良い人がいたようですね」

幻影の杖でカモフラージュしていたが察知されてしまった。

彼らに敵意がないことを示す為、街道の少し離れたところに着陸し、徒歩で接近する。

「あれ?一朗さんじゃないですか?」

よく知っている顔が声をかけてきた。

「お久しぶりです。ヤマトさん護衛の最中ですか?」

笑顔で答える一郎を見て、護衛の兵は臨戦態勢を解除した。

その後、彼らの 話を聞きかなら宿場町の新築予定の話をする。

「一郎さんは最近は色々な任務を受けているんですね。

私達は相変わらず護衛の任務で引っ張りだこです。

休憩後もアルカディアに向かう予定です」

ブラックキャットはリバーウッドから離れ、セントフリーとアルカディアの護衛任務を多く受け持っているそうだ。

そこで、護衛の専門家である彼らにほしい施設を聞くと

「やはり、馬を休ませたりいざという時には、購入できる施設があるとありがたいですね。あとは馬車の修理施設があると助かります。」

成る程確かに一郎のように移動手段を手軽に召喚できる人は少ない。

馬はこの世界ではなくてはならないのだが優秀な馬は少ないとのことである。

そこで一郎は思い出す。ジェノサイド傭兵団の馬たちである。

彼らの馬は戦場をいくつも駆け抜けた優秀な馬である。

しかし、今は森の中の哨戒任務が多い為、活躍の場が少ない。

この宿場町の馬を育て繁殖されればアルカディアの新しい産業になり得る。

そして、馬車や馬具の生産拠点を作れば、国土の広いモハべ共和国と共にさらなる発展が見込まれるだろう。

何より兵站の際に優秀な馬や荷馬車の技術力の発展は輸送能力の向上に直結する。

今後の戦略上重要な戦力であった。

「ヤマトさん貴重なご意見ありがとうございます。

この宿場町の方向性が決まりそうです。

アルカディア迄の護衛の手伝いとついたら夕食でも奢らせてください」

思わぬ誘いに喜ぶブラックキャットの面々であった。
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