骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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4章

118話

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その後、一郎は輩に対して尋問の始める。

下準備として輩を囲っている鉄条網から離れた森の中に即席の天幕と鉄条網の檻を作る。

次に一郎は一通り輩達に鑑定をかけ、戦闘に使えなさそうな者からスケルトンに命令させ一人ずつ連れていく。

天幕の中では新たに作られた鉄条網で囲み椅子が一つおいてあった。

そして、足元の正面にはクレイモアが置かれ、その奥で一郎が笑顔でお茶を飲んで待っていた。

ガタガタと震える輩に対し、一郎は笑顔のままで尋問を始める。

命乞いを始める者が殆どでペラペラと話してくれた。

一郎は命欲しさに出任せを言っている可能性も考慮して、メモを取りながら質問して言った。

そして最後に一郎は輩達にお願い事をする。

「では外の皆さんに聞こえるように断末魔をあげてください」

一郎がクレイモアに視線を送ると皆さまざまな悲鳴を森で喚いてくれた。

尋問が終わった輩は森の奥にある別の鉄条網の檻の中に入れられた。

周りはスケルトンに見張られているが食料と酒がある。

「あなたは私に協力してくれた大切な捕虜です。引き渡すまで命の保証をします。それまで食事でも楽しんでください」

飴と鞭である。

そして目の前にはその現実から逃れる為の酒と食料。今後の計画に支障をきたさないように彼らには従順に従ってもらうことにする。

捉えた輩の進退は最終的に決めてはいないが、彼らに一時的な身の安全を保障することで脱走を企てることは少ないだろう。

脱走を企てたところで酒の入った輩に遅れをとることはない。

尋問が中盤になって、ついに因縁の中年の頭が禿げ上がった中年の男の番になった。

中年の男はやるなら一思いにやれと開き直っていた。一郎に恨みを買っていた為どの道助からないと思っているのだろう。

想定の範囲内である。

一応質問したが、反抗的な態度をとり一切質問に応じない。

一郎はため息をついた後、元いた鉄条網の中に戻し尋問前の輩に聞こえるように話し出す。

「ご協力感謝します。あなたのおかげで組織の全容がわかりました。
前の人達の様な事をしないですみました。
これは少ない報酬ですが、受け取ってください。これからもよろしくお願いします」


一郎は中年の男に向かって金貨を一枚投げ入れる。

「では次はそこの大きな男の人にしましょうか」

一郎は中年の男と一緒にいた上半身裸の男を指差し連れて行く。

中年の男がこちらに向かってなんか言っていたが、一郎は手を振り森の中の天幕に移動する。

上半身裸の男は中年の男とは違いペラペラと喋り始めたが、一郎は最後に質問する。

「爆死と魔物の餌どっちがいいですか?明日の朝一にその答えを聞かせていただきます」

一郎はスケルトンに指揮し、上半身男の背中をナイフで何度か切りつける。

致命傷にならないように低級のポーションで回復させたが、痛々しい傷跡が残った。

そして、一郎は尋問前の輩と頭が禿げ上がった中年の男の所に上半身裸の男を縛って戻した。

去り際に一言

「そこの男のように、話してくれれば手荒な事をしなくて済んだのですが、残念です。
尋問はまた明日行いますのでその時に最後質問に答えてくださいね。よろしくお願いします」

一郎はその場を立ち去る。

そして酔っ払っている輩の集団に酒を追加し、さり気なく話を聞き始める。

酔った輩達は実に口が軽く、先ほどよりもより有益な情報を得ることができた。

そして、尋問前の輩と金貨をもらった中年と傷を負った上半身裸の男のいる鉄条網は、険悪な雰囲気のまま一夜が過ぎるのであった。
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