骸の王～異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

１章

30話

一郎は雄羊のフルフェイスを被ったままセントロイスの兵達が設営していた陣地に足を運ぶ。

テントは潰れセントロイス兵の屍が散らばっている。

わずかな生き残りの貴族や教会の兵は鑑定を行った後、アンデッドのゾンビ兵に指示して砦の落とし穴に落として捕虜にした。

ついでに森に入った脱走兵もついでに落としておいた。

森の脱走貴族兵は高価そうな服を着ていたので偉い人なのだろう。

捕虜は全員で10名ほどまぁ相手の今後の戦力を聞き出すのなら十分だろう。

その後は装備品と貴重品の剥ぎ取りである。

さすが貴族の装備は金がかかっているようなフルプレートの装備や高価な装備がたくさんあった。

こちらもかなりのアンデッドを倒されたが倒した屍体と戦利品があれば黒字である

そして何より捕虜が手に入れたことが大きい。

捕虜は身代金の要求や上手くいけば相手の戦力を聞き出すことができる。

とりあえずとりあえず鑑定をした結果一番レベルの高い教会の法衣をまとった兵を連れ出す。

尋問を行う際とアンデッドのゾンビ兵で囲んで尋問をしたところ教会の兵は「悪しき輩に話すことなどない！」などといって抵抗していた。なかなか骨のある兵士である。

信仰心のさせる業なのか元々の性格なのかわからないが抵抗されるのは予想の範疇なので早々に砦にあった牢屋にぶち込んでおく。

続いて次にレベルの高い高価そうな服を着ていた貴族の兵を連れ出す。

貴族の兵は先ほどの教会兵とうって変わって命乞いし始めた。

やれ自分は首都から来たアロガンテ子爵で偉いから命だけは助けてくれとか助けてくれたら財宝を渡すなどと言っている。

相手戦力のことを少し質問したらべらべらと話だし聞いてもいないことまでもしゃべり始めた。

さっきの教会の兵とはえらい違いでこの子爵の話が本当なのか疑問である。

一通り聞いた後、砦の別の檻にぶち込む。

同じ方法で尋問をした結果。協会側は頑なに抵抗し貴族側は命乞いをしていた。

情報も初めに行っていたアロガンテ子爵以上の情報はなかったが裏が取れたのでよしとする。

子爵から聞いた内容だと本隊の軍は2000人ほどで白騎士からなる教会の精鋭部隊と黒騎士からなるセントロイス王国
の精鋭部隊が来るそうだ。

今日から１週間後に街で補給を行なったのちモハべ王国を攻める予定らしい。

セントロイスの街を守る兵は残り100ほど傭兵の数は不明だが今回の戦闘でかき集められているので残りはほとんどいないそうだ。

今回の情報で大体の情報が決まった。

本体が来る前に自分を召喚した街を占領することにしよう。

早速アンデッド化した鳥に文を持たせリバーウッドの今回得た情報とこれからの一郎の行動を書き綴り援軍を依頼した。

砦何には最低限のスケルトンを防衛に回し一郎はブラッドスケルトンに担がせたソファーに座り街に向けて疾走する。

半日ほどで街が見えて来た。

そして一郎はアンデッド化した騎兵150体と300体のゾンビ部隊そしてそのゾンビの一体に自分が装備していたものと同じデザインの雄羊のフルフェイスの仮面を装備させる。

こちらはエンチャントのないただの頭蓋骨だがこれで十分である。最後にアンデッド達を森に待機させてる。

その後一郎は体に土をつけて一人街の傭兵ギルドに駆け込んだ。

そしてカウンターで声を上げる。「ギルドマスター大変だ！砦に行った兵士が全滅してアンデッドの大軍が押し寄せ来る！」

閑散としたギルド内で一郎の声が響いた。