骸の王～異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

１章

31話

しばらくしてギルド長が慌ててギルドの受付にやって来た。

「はっ何を言っているのですか。こちらの兵は1000人もの大軍でモンスター退治に行ったのですよ何かの見間違いではないのですか？」

「いえいえ、街の南の森を見てください。その証拠にアンデッドで溢れかえってますよ」

ギルド長が受付の近くにいた監査員に指示をしていた。

一郎はおどおどしながら話し出す。「私はこの街の知人に知らせたいので依頼通り謎のアンデッドの討伐お願いします」と言い残しその場を後にする。

慌ただしくなった傭兵ギルドを後にした一郎は小動物アンデッドで後をつけている監視員がいないかを念入りに確認した。

どうやら傭兵ギルドは一郎の行動を気にしているどころではないしく街にいるモンスター退治に行った兵の確認を急いでいる。

一郎はマジックバッグに入っていた貴金属を売り払いその金でありったけの食料を買い込む。

そして街の宿をとり部屋の中で飲み物片手にアンデッド部隊を細かい指揮をする。

遠隔指揮の情報から監査員は南の森でアンデッドの集団を発見すると急いで街に戻って来た。

おそらくギルド長に報告をしているのだろう。

砦を攻めに行ったはずの兵士がアンデッドになって戻ってくる。まさにミイラ取りがミイラになった。

しばらくして街に鐘が鳴り響く、モンスターの襲来を知らせる鐘のようで窓の外が慌ただしくなって来た。

そんな混乱の中一郎は悠々と買い込んだ食料を食べながら指揮を行う。

アンデッドの騎兵を進軍させたが街の門は閉められてしまい進軍できなかった。

街の門では残りわずかの街の防衛の兵が集まりだした。

とりあえずアンデッド化した騎兵を外壁の周りで走らせてする。

大半の防衛の兵が門にい集まったところを確認し、以前下水道にはなっていたアンデッド化した小動物をギルド周りと門の近くの井戸に飛び込ませる。

ミニボム持ちは下水を区切っていた柵を破壊して侵入経路を作らせる。

その後昼夜問わずアンデッドの集団は街の周りを徘徊し威嚇し続けた。

一その間一郎は買い込んだ食料をギルドや防衛にの兵に少しずつ提供した。

ギルド長は初め疑っていて口にしていなかったが空腹に耐えかねて口にし始めた。

食料が高騰していたところに一郎が大量に買い込んだ為、食料の値段はさらに跳ね上がっていたのである。

とても一般の人では買うことができない。しまいには街内で略奪が起きる始末である。

そして守備兵達は次々と体調を崩し始める。

一郎があらかじめ飛び込ませた屍体で汚染された井戸の水を口にしたからである。

一郎は食べ物を提供しても飲み物は配らなかったのである。

当然防衛の兵は門の近くもしくは傭兵ギルドの近くの汚染された井戸の水を使い始めるわけであって、緊張と疲れが溜まっている兵達が体調を崩すのは必須である。

一郎は食料を配りながら防衛の状況や守りの要に探りを入れる。

そしてアンデッドの襲来から４日目体調を崩して守備兵の半分が病気になったことを確認したのちゾンビの歩兵部隊
を外の下水道から侵入させ街の主要施設を攻撃して回った。

攻撃目標は傭兵ギルドと街の貴族の護衛兵である。

街中の下水道の入り口からの奇襲で混乱している中、一郎は街に入ったゾンビの部隊を遠隔指揮して内側から門を開かせた。

その後はアンデッド化した騎兵が街を蹂躙していきわずかな抵抗をしていた門を守ってた兵を駆逐していった。

こうしてアンデッドの襲撃５日目には街はアンデッドの集団に占領された。