骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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2章

55話

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で、旦那どうするんだい?」

「このまま突撃すると囲まれてお終いです。
個々の能力が高くてもこの湿原のせいで機動力が制限され数で勝るゴブリンの軍団と正面切って戦うのはリスクがあります」

「となると遠回りしてやり過ごすしかないですかね?」

「いえ邪魔なゴブリンどもはいなくなってもらいましょう」

一郎は索敵用に飛ばしている鳥でゴブリンの軍隊を念入りに索敵する。

包囲網の密度の高いところと包囲から少し離れた街道の上に十匹ほどゴブリンの反応があることにがわかった。

包囲戦は持久戦である。

この湿地で四六時中いるだけでは食料は枯渇し維持できない。

襲っていないのであれば彼らの本陣が近くにありそしてそこに続く道がある。

その連絡通路を潰せば自然と敵は疲弊して維持するのは難しくなるだろう。

しかし今回は短期で決着をつける必要があるのでもっと手っ取り早く倒すことにする。

一郎はマジックバッグから骨を大量に出しスケルトンゴブリンを100体ほど召喚して始める。

その手には槍を装備させて穂先にもれな麻痺毒をつける。

そして匍匐でゆっくりと確実に所定の位置に前進させていく。

2時間ほどで反対側の街道にいる。

十匹のゴブリンの後方に待機させた。

そしてアンデッド化した鳥を50程召喚し全てにスモールボムを咥えさせる。

準備は整った。戦闘開始である。


まずはじめに少し離れたゴブリンの集団にスモールボム咥えた鳥の半数をカミカゼアタック開始!

二匹ほど残ったが退路方向から突撃したスケルトンゴブリンに串刺しされ生き絶える。

その後スケルトンゴブリンは素早く街道沿いの湿原に伏せさせ待機。

大きな音がなったので包囲していたゴブリンたちも反応したが陣形は変わらない。

離れた位置にいたのは指揮官ではなく予備兵もしくは連絡役だった様だ。

そして数匹のゴブリン様子を見に来たところを湿原に伏せていたスケルトンゴブリンの槍で攻撃。

待ち伏せかつ多方向からの同時攻撃によりあっけなく生き絶えた。

鳥の偵察から密集していて且つその中心動かない敵の反応が数点確認できた。

通常指揮官が勝手に動いたら集団戦の指揮はできない。

一郎の様な遠隔指揮の様なスキルがあれば別だが、

大概は指揮官は本陣を置きそこに補佐役と数名の伝達係を置く、

そして本陣は包囲陣のを敷いた場合兵の密度が高くなる場所か、全体を見渡せる少し離れた場所に設置する。

今回は前者の様であった為、離れていた数体がを倒しても包囲陣に乱れがなかった。

となると本陣は今固まっているところにある可能性が高い。

残りのミニボム加えた鳥を突撃させてそれと同時にスケルトンゴブリンを突撃させる。

また一郎側の街道からスケルトンフォレストウルフ二十匹ほど召喚し突撃させた。

手前の包囲しているゴブリンは反対側の立て続けの爆発音に注意が向き、後方から迫ってくるスケルトンフォレストウルフの反応に遅れる。

本陣とも思われるところは多数の死傷者が出た中でさらに100体のスケルトンゴブリンの攻撃をうけ連絡系統は崩れ去った。

頭を失ったゴブリンは今の一郎にとって殲滅するのは容易い。敵の指揮官が集まっていた人を殲滅した後スケルトンゴブリンとスケルトンフォレストウルフを手足の様に指揮し、数ではまだ有利だったゴブリンの集団は次々と各個撃破される。

時々固まって守りを固める賢いゴブリンの集団は新たにミニボム加えた鳥の神風攻撃によりチリジリされ倒されていった。

作戦開始3時間後にはまともに動くゴブリンの姿はなかった。

「旦那こりゃすごい。まさか言った通りゴブリンの集団がいなくなっちまった」

「まぁゴブリンの住処を潰すまでは安心できないのですが、ひとまず村に入って情報をもらいましょう」

一抹の不安を抱えながら村に向かう一郎であった。
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