骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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2章

66話

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船着場からのモンスターの奇襲攻撃は一郎の防衛により、失敗に終わった。

波打際はモンスターの血で染まり動いているのは一郎の屍の兵のみである。

はじめに守備に当たっていた傭兵隊は奇異な眼差しで眺めている。

この世界でも異様な光景なのかもしれない。

一郎はスケルトンが死んだふりをしているモンスターが居ないか確認する為、

浮かんでるモンスターを念入りに槍で刺したのち、船着き場の一画に集めていく。

そして破損した鉄条網は撤去し早速錬金ギルドに依頼していた新品と入れ替えである。

破損した鉄条網を見て一郎はつぶやく。

「もう少し形状に工夫しないといけないかもしれないですね…」

棘の間隔と強度に問題があり所々力で強引に引きちぎられていた。

オークの力は予想していたよりも凄まじい。

異世界基準で作り直す必要がありそうだ。

一郎が兵器の改善を考えながら、鉄条網の改善案を考えていると、

正門の防衛を終えたアンナがやってきた。

遠隔指揮状況は大体把握していたが今回はこちらも戦死者が出ている。

正門の戦闘は玉砕覚悟で突撃する敵兵の後方で魔法を放ってきたモンスターがいたらしい。

以前望遠鏡で見た魔法使い風のモンスターだろう。

いつも通り外壁の上から弓で応戦していた傭兵たちが魔法の餌食になった様だ。

これまでは投石が主な遠距離攻撃だった為、被害が少なかったらしい。

敵軍は食料が少なくなり強引な戦術をとってきた。

「あんたがいた船着場の防衛は戦死者ゼロで、私の指揮した正門で戦死者が出るなんて…」

「戦争では負傷者や戦死者が出るのが普通です。

こちらも一歩間違えれば敵の侵入を防ぐことができず被害が出たかもしれません。

今回の結果を踏まえ検討改善するのが指揮官の役目です。

お互い頑張りましょう」

「そうね。あんた結構いい人かもね」

「私はただの戦略オタクなだけですよ。

お互い敵を殲滅できる様に作戦を遂行しましょう」

目の前の鉄条網と敵軍の屍を見て微笑む一郎であった。

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