骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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3章

77話

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「恐怖による国の統制ですかカトリーヌ女王もなかなかやりますねぇ…」

「何を言っているのですか!
女王のせいで国民達は自由も制限され財産も取り上げられて不自由な生活を余儀なくされているのですよ」

この歳で自国の民のことを考える彼女は見た目以上にしっかりしているようだ。

とても年頃の女性とは思えない。

「ところでさっきから気になるのですがジャンヌさんは貴族ですか?
身なりと言葉遣いから一般の国民とは考えにくいのですが……」

ジャンヌは少し考え一郎の目を見て話し始める。

「えぇ・・・父は辺境の地の男爵でした。
父の領地は王都から遠く、父の政策の方針で多くの人種が平等に生活していました。
しかし王が変わり教会に目をつけられ程なくして父は処刑されました。
私は領民の助けのお陰でなんとか生き延びれましたが…」

一郎はセントロイスの国でもまともな貴族がいたことを初めて知った。

ジャンヌも父と同じ志ならば依頼を受けて良いと思えてきた。

「わかりました。それでは報酬は私達が解放した土地をいただけるのならば受けましょう」

ジャンヌの目に力が入る。

「土地は民の生活になくてはならないものです。
私一人の権限で報酬にできるものではないのです。
それに今の私にはその様な力や権限はありません」

うむどうやら領民のことを考えるまともな貴族の様だ。

「試した様で申し訳ない。

統治者としては合格ですね。

報酬は解放した土地全てではありませんよ。

今後の戦略の為に必要な分だけなので安心してください。

それにあなたにはこれから力と権限を持ってもらうので問題ないです。

何故ならセントロイスの土地に新たな国を作ってもらうのですから……」

「一郎さんこれまた大胆なことを言いましたね」

「王を倒しても頭が変わるだけであったら結局国は腐敗し同じことが繰り返されます。
この際一掃しましょう!」

「そんな大それたことは私達解放軍には出来ません。
資金も軍事力もないのですから……」

「その辺はリバーウッドの人達と話し合えばなんとかなるでしょう。
ねぇネイガー学長?」

「はっはっはっ、一郎も中々面白いことを提案する様になったな。
いいだろう。明日早速人を集めて知恵を出し合ってみるか!」

その後解放軍の事やセントロイス国内の状況を確認しながら今後の計画を考える一郎であった。
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