骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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3章

88話

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一郎は朝早くから湖の主の解体作業に向かう。

巨体の為移動することが困難なことから落とし穴の周りを拡張し足場を作り作業を行なう様だ。

足場を作っている作業員に差し入れを行い解体状況を聞く。

「こんな大物初めて解体しますよ。解体に数日かかりそうですが、防御力が非常に高いクロコダイルタートルの素材は高値で取引されます。期待していてください」

肉は滋養強壮に表皮や甲羅は魔法を防ぐ鎧や盾などの防具に骨はその巨体を支えるだけあって建築資材に使えるそうだ。

彼らにとっては湖の主は宝の山に見えるのだそうだ。

協力したギルドや商人に報酬を分配しても自分一人では使い切れない程の素材が手に入りそうである。

その後、一郎は盆地の開発に必要地形を調査してもらう為、エクストラのジョーンズに依頼する。

「旦那任せてくださいな。旦那の事前情報でモンスターの脅威は低いそうですから散歩がてら気楽に受けさせてもらいますよ」

「お願いします。私は解放軍の廃村奪還作戦の侵攻が始まるので一度セントフリーに報告しにはなれます夕方には戻ってきますので頼みました」

最後にアルビーに必要そうな物を聞いて盆地を後にした。

一郎はセントフリー近くの森の降り立ち一郎は正門に向かう途中、外の草原でジェノサイドの訓練を目にした。

騎馬による突撃の訓練。長槍と盾を使った集団戦そして、個々の戦闘能力を上げる為のタイマン勝負である。

ちょうど今ジャンヌとシウバが戦っている。

お互い木製の訓練用の武器を使っているが真剣さながらの激しい戦闘を行っている。

戦況はシウバの圧倒的優勢、シウバの豪腕から繰り出される連続攻撃でジャンヌは何度も倒れ吹き飛ばされているが立ち上がり向かっている。

「ジャンヌさんすごいでしょ?はじめの頃は訓練に追いつけなくて気を失うことも何度もあったのに今ではうちの傭兵団でもやって行けるくらい力をつけているわ」

シウバの姉エレナが一郎に話しかけてきた。

「えぇ鬼気迫るものがありますね。本気でセントロイスの民を救いたいのでしょう」

ジャンヌはボロボロになりながらも少しでも力をつけようと試行錯誤しながら果敢に立ち向かっていた。

彼女は今できることを全力に取り組む姿は好感が持てる。

その後、一郎はセントフリー内の傭兵ギルド併設の酒場で解放軍と落ち合う。

彼らはこれから出陣なのにすでに酒を飲んでいた。

「おっ一郎さんいいところにきてくれた。これから解放軍の出陣式が始まるので是非参加してください」

すでに飲んでいる解放軍の面々にため息をつきながら一郎はカインのところに向かう。

酒場の中央で顔を赤くしたカインはジョッキ片手に雄弁と参加する傭兵に持論を語っていた。

一郎は話す価値の無い無能な依頼者と言葉を交わさず、盆地にいる人達に必要な物資を買いに行く一郎であった。
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