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114.幸せすぎて怖い
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それから3ヶ月があっという間に過ぎた。
ルイはクラウド商会の仕事が忙しく、休日はほぼ無く朝早く出かけ、夜遅く帰ってくるようになった。
それでも必ず朝食は2人で一緒に食べてキスをして出掛けていく。夜はグレイが先に寝ていても、こっそりただいまのキスをしてグレイを抱きしめて眠っているようだった。
グレイはリリィの果樹園改めデイビットの果樹園を手伝いつつ料理の勉強も始めた。
リコ達の店舗探しにも同行し店も決まった。
いよいよ1ヶ月後にはオープン予定だ。
毎日が充実していて楽しい日々だ。
グレイが今日の仕事を終え、ベッドの上でリリィのレシピ本を読んでいると、ルイが帰ってきた。
「おかえり!今日はずいぶん早いな。」
グレイが迎えに出ると、ルイはグレイを抱きしめた。
「ただいま。あー、久しぶりにグレイに迎えに来てもらえた。すごく嬉しい。」
「久しぶりで悪かったな。いつも遅いお前が悪いんだ。もっと仕事を減らしたらどうだ?」
「ごめん、責めてるわけじゃないよ。グレイの言うとおり私の帰りが遅いのがいけないんだ。」
ルイはグレイの耳や首ににキスをしながらまさぐってくる。
「お、おい、まだヤらねぇぞ。お前夕飯も食べてないんだろ?」
グレイは慌ててルイの手を掴んだ。
「まだ?じゃあ夕食の後ならいいのか?」
ルイは熱のある瞳でグレイを見つめた。
こうやって見つめられると嫌だなんて言えない。もちろん最初から言うつもりもないが。
「飯食って風呂入った後なら…いい。」
「ふふ、ありがとう。私は幸せ者だ。」
ルイは嬉しそうに微笑んでグレイの唇にキスをした。厚い舌を絡ませ、食べられそうな感覚になる。久しぶりのルイの濃厚なキスに腰が砕けそうになる。
「っん…ん!っだから、まず飯食ってからだって!」
グレイはルイの顔を無理やり引き離した。
「ふふ、ごめん。つい、ね。」
ルイは相変わらず優しい笑顔だが、目の下にはくっきりとクマがある。
いい男が台無しだな。今日は癒してやらないと。
グレイは決意した。
「痒いところはありませんかー?」
夕食を食べた後、睡魔に襲われそうなルイを無理やり浴室に放り込んだ。グレイも一緒に入るというとものすごく元気になって喜んだ。
そして今、バスタブの中でルイの髪を洗ってあげている。
「ありませーん。とても気持ち良くて幸せでーす。」
「ルイはいつも幸せだって言うなぁ。口癖か?」
「あはは、確かに口癖になりそうだ。でもグレイといるといつも幸せだと思うんだよ。怖いくらいな。」
目を閉じていたルイはゆっくり瞼を開け、青い瞳がキラキラと光った。やっぱりルイの瞳は美しい。でも少し寂しそうに見える。
「幸せなのに怖いのか?」
「…ああ、怖いよ。グレイがそばにいてくれる事がこんなに幸せだからこそ、お前がある日突然いなくなったらどうしよう、だとか愛想を尽かされて私の元を去ってしまったらどうしよう、だとか考えてしまうんだ。
お前に出会う前、私は何に幸せを感じて生きてたんだろう。そんな事さえもう思い出せないな。グレイがいなくなってしまったら私はもう生きてはいけないと思う。
はは、ごめん。重すぎるよな。」
ルイは手を伸ばしてグレイの頬を撫でた。
「うーん、確かに重いな。ルイは働き過ぎだよ。疲れてるからそんなにネガティブな気持ちになるんだ。ほら、髪は洗い終わったぞ。」
「ん、ありがとう。」
グレイはシャワーでルイの髪を洗い流した。
「よし。じゃあお疲れのルインハルト様をもっと気持ち良くさせてやる。」
グレイはそう言ってイタズラっぽく笑った。
ルイはクラウド商会の仕事が忙しく、休日はほぼ無く朝早く出かけ、夜遅く帰ってくるようになった。
それでも必ず朝食は2人で一緒に食べてキスをして出掛けていく。夜はグレイが先に寝ていても、こっそりただいまのキスをしてグレイを抱きしめて眠っているようだった。
グレイはリリィの果樹園改めデイビットの果樹園を手伝いつつ料理の勉強も始めた。
リコ達の店舗探しにも同行し店も決まった。
いよいよ1ヶ月後にはオープン予定だ。
毎日が充実していて楽しい日々だ。
グレイが今日の仕事を終え、ベッドの上でリリィのレシピ本を読んでいると、ルイが帰ってきた。
「おかえり!今日はずいぶん早いな。」
グレイが迎えに出ると、ルイはグレイを抱きしめた。
「ただいま。あー、久しぶりにグレイに迎えに来てもらえた。すごく嬉しい。」
「久しぶりで悪かったな。いつも遅いお前が悪いんだ。もっと仕事を減らしたらどうだ?」
「ごめん、責めてるわけじゃないよ。グレイの言うとおり私の帰りが遅いのがいけないんだ。」
ルイはグレイの耳や首ににキスをしながらまさぐってくる。
「お、おい、まだヤらねぇぞ。お前夕飯も食べてないんだろ?」
グレイは慌ててルイの手を掴んだ。
「まだ?じゃあ夕食の後ならいいのか?」
ルイは熱のある瞳でグレイを見つめた。
こうやって見つめられると嫌だなんて言えない。もちろん最初から言うつもりもないが。
「飯食って風呂入った後なら…いい。」
「ふふ、ありがとう。私は幸せ者だ。」
ルイは嬉しそうに微笑んでグレイの唇にキスをした。厚い舌を絡ませ、食べられそうな感覚になる。久しぶりのルイの濃厚なキスに腰が砕けそうになる。
「っん…ん!っだから、まず飯食ってからだって!」
グレイはルイの顔を無理やり引き離した。
「ふふ、ごめん。つい、ね。」
ルイは相変わらず優しい笑顔だが、目の下にはくっきりとクマがある。
いい男が台無しだな。今日は癒してやらないと。
グレイは決意した。
「痒いところはありませんかー?」
夕食を食べた後、睡魔に襲われそうなルイを無理やり浴室に放り込んだ。グレイも一緒に入るというとものすごく元気になって喜んだ。
そして今、バスタブの中でルイの髪を洗ってあげている。
「ありませーん。とても気持ち良くて幸せでーす。」
「ルイはいつも幸せだって言うなぁ。口癖か?」
「あはは、確かに口癖になりそうだ。でもグレイといるといつも幸せだと思うんだよ。怖いくらいな。」
目を閉じていたルイはゆっくり瞼を開け、青い瞳がキラキラと光った。やっぱりルイの瞳は美しい。でも少し寂しそうに見える。
「幸せなのに怖いのか?」
「…ああ、怖いよ。グレイがそばにいてくれる事がこんなに幸せだからこそ、お前がある日突然いなくなったらどうしよう、だとか愛想を尽かされて私の元を去ってしまったらどうしよう、だとか考えてしまうんだ。
お前に出会う前、私は何に幸せを感じて生きてたんだろう。そんな事さえもう思い出せないな。グレイがいなくなってしまったら私はもう生きてはいけないと思う。
はは、ごめん。重すぎるよな。」
ルイは手を伸ばしてグレイの頬を撫でた。
「うーん、確かに重いな。ルイは働き過ぎだよ。疲れてるからそんなにネガティブな気持ちになるんだ。ほら、髪は洗い終わったぞ。」
「ん、ありがとう。」
グレイはシャワーでルイの髪を洗い流した。
「よし。じゃあお疲れのルインハルト様をもっと気持ち良くさせてやる。」
グレイはそう言ってイタズラっぽく笑った。
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