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noise
virus
しおりを挟む吉田は簡単に人を殺した。
仲間のはずなのに、簡単に殺した。
「…あんた、狂ってる……」
「…それを淡々と言う君だって狂ってるよ。まぁ、だからこそ君が欲しいんだけどねっ!」
刀を振り下ろした。
雫はギリギリのところでそれを受ける。
「…あ、そっか……そうだよね………避けないよね?仲間がいるから?君、そんなこと気にする子なの?無関心そうなのに??」
挑発するように声を荒げながら、何度も何度も刀を振る。
雫は力を受け流すが、男との力の差は簡単に埋まらない。
長時間受け続けることは不可能だった。
そこで先手に打ってでた。
吉田の刀を受けながら、その腕を蹴りつけた。
痛みはそれほどないが、一瞬だけ動きが止まる。
それを予想して今度は自ら刀を思いっきり振り、吉田の持っていた刀を遠くに飛ばすことに成功した。
「…へぇ、君、戦闘慣れしてるね……その小さな体で僕の刀を飛ばすなんて」
明らかな劣勢に置かれても、吉田の表情は変わらず笑顔だった。
「…でも結局君は僕を殺せない」
吉田は悠々と刀を取りに戻った。
「さぁ、振り出しに戻ったけど………どうする?」
どうする?
どうする?って………
雫は思考をフル回転させていた。
誰かを守りながら戦った経験はない。
それでも、この男は森を狙い続けるだろう。
……覚悟を決めろ。
そう、自分に言い聞かせた。
「…限界なんて、誰が決めた?」
ボソッと呟く。
「振りだし?何を言う?こっちは腹くくった。お前は触れちゃいけないものに突っ込んだんだ。後悔しろ」
雫の雰囲気が瞬間、変わる。
瞳の色が赤くなり、殺気を放っていた。
そう、殺気……
雫は吉田を殺すことを決めた。
吉田が瞬きしたその一瞬で、目の前に迫る。
「…ぐっ……」
刀がぶつかる音が響く。
ギリギリ防いだ吉田だったが、その衝撃で体勢を崩してしまった。
二撃目もギリギリかわす。
だが、三撃目は確実にかわせなかった。
吉田の真下から、彼女は喉元に刀を伸ばす。
ガキィン
「…お前!勝手に出ていって何殺されそうになってんだ!」
「しん、さく?」
服を引き、刀で弾き飛ばしたのだ。
雫は今、刀を持っていない。
しかし、吹き飛ばしされた刀はそれほど遠くはない場所に落ちていた。
「…とりあえず逃げるぞ!騒ぎをかけつけて何人かこっちに来てる」
男二人は裏通りからすぐに姿を消した。
「……ハァ………ハァ……」
雫はその場にうずくまり、肩で息をした。
戻れ、戻れ、戻れ
何度もそれを念じた後、彼女の瞳は元の真っ黒に戻っていた。
「…新撰組だ。そこを………雫?」
野次馬をかき分け、あの聞き慣れた声が近づく。
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