スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木

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第64話 それはまるで一夜の夢の様な再会 #3

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そしてベルベルさんが色々説明してくれて……それでだんだん状況が飲み込めてきた。
母さんが生きてた事、僕のために身を隠さなきゃならなかった事、そして父さんも生きているって事……

あの母さんを押しとどめてゆっくり説明してくれたベルベルさんのお陰で、やっと僕は今のこの状況を冷静に受け止める事が出来るようになって――
そして大変な事に気が付いた。

「――まあそんな訳だからカルア、以前あんたに話した『下の娘』っていうのがつまり、あんたの母親だったっていう訳さ」

下の娘……ベルベルさんの下の娘……じゃあ……それじゃあ母さんはっ!?

「母さん! それじゃあ僕と分かれている間ずっと『聖地巡礼』してたって事!?」
「ぶふっ!? だっ第一声がそれかいっ!? 他にもっと何かあるだろ!?」

いやだって……
冷静になったらそこが一番気になっちゃったんだから……
仕方ないよ、ねえ?

「……ったくあんた達は……どうしようもないくらい、間違いなく母子だよ!」

そんなベルベルさんのボヤキ――の向こうで僕の叫びに瞳を輝かせた母さんは、もの凄い勢いでこっちに近づいてきた。

「さすが私の息子。まず最初にそこに食い付くなんて、なんて将来有望なんでしょう。そんなあなたには、お母さんが訪ね歩いた聖地の数々をじーっくりとお話ししてあげる。あっそうだ、まずはこれを見せなきゃ話が始まらないわね。これはね、『華把挑帳かばちょうちょう』って言って……」

こうして4年振りに再会した母さんの、長く楽しい旅の話が始まったんだ……



そんなちょっと想像外の展開を見せた母子の再会に、マリアベルは小さく溜め息。
「はあぁ、そういえばあの娘はああいう娘だったよ……。さてと、じゃああたしはみんなに説明してこようかねえ」
そうひとり呟くと、離れた場所に控えていた面々に歩み寄って行った。

「あんた達、待たせたね。取り敢えず状況は把握できたよ。それでカルア達だが……まあ見ての通りだからさ、暫く二人きりにしといてやってくれ。あんた達にはその間、一体どういう事なのかってのを説明しておくよ」

マリアベルは先程リアベルから聞いた話をそのまま包み隠す事なく全て彼らに伝えた。

そしてその話の中の『とある部分』に激しく反応した少女が二人――
「つまり……あたしとカルアは従兄妹同士だったって事っ!?」
「つまり……今日はカルア君の誕生日っ!?」

そして二人はそっとカルアに視線を送り――
「今日はそっとしておいてあげた方が良さそうね」
「うん。……それにしても従兄妹、従兄妹かあ……姉弟よりも従兄妹かぁ」
「なっ!? 何故そうなるのかな……?」

そして何かに気付いたアーシュの瞳がパッと輝く。
「もしかしてカルア、うちに引っ越してきたりとか? うん、それが当たり前だし、それに凄く自然よ。だってここがカルアのお母さんの実家なんだし。それにうちには部屋が沢山余ってるし。そっ、それに……あ、あたしの隣の部屋も……空いてるし……」

一方、そのアーシュの大きな独り言を耳にしたピノは驚愕の表情を浮かべる。
「えええっ……そっそれは……」

そしてアーシュは――
「そうよ! こうしちゃいられないわ。急いでお祖母様とお母様に相談しなくっちゃ! お祖母様ぁ! お母様ぁ! あとついでにお父様ぁ!」
と、すぐ向こうのマリアベル達に突撃していった。

その後ろ姿を呆然と眺めるピノ。
「これってもしかして私最大のピンチ!? どうしよう、私どうしようっ!?」
……その問いに答えられる者は誰もいなかった。



「――それでね、その人っていうのが何とあの『ここがオダーラの街です』を繰り返し言ってたあの村人のモデルだったのよ」
「ええっ!? ビックリだよ! だってまさかそんな事が……」

聖地巡礼、楽し過ぎる……

「でしょ? ふふふっ。……でもこの話はここまでにしましょうか。まだまだ話は全然尽きないんだけど――それに話し足りない気持ちも一杯なんだけど。でも……。カルア、私あなたの話も聞きたいの。だから次はあなたの話を聞かせて?」

うん、勿論僕だって話したい事が沢山あるんだよ、母さん。
だから僕は話し始めた。父さんと母さんが谷に落ちて死んだって聞かされた、あの日から今日までの僕の大冒険を――
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