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第55話 カルア君対策会議って何ですか? #3
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話したいような話したくないようなラーバル、そして出来るならもうこれ以上は聞きたくない一同。
「それは魔法実技の授業での事……目撃したのは土魔法担当指導員のドートン君だった。そしてドートン君から報告を受けた僕が、その情報から判定を下したんだ」
その時の報告を思い出しながら、ラーバルは説明を続ける。
「その事件の現場となった実習室では、カルア君とそのパーティメンバーであるアーシュ君、ノルト君の3名が、剣を持った人形を土魔法により作成し操作し、お互いの人形同士を戦わせていたそうだよ。これもまた発展させていけば軍事転用が可能となるだろうね。つまりは『汎用人型兵器の試作機』ってやつさ。これが2番目の軍事的脅威レベル魔法だったんだ」
ここで一旦区切るラーバル。
今、参加者達の胸中に渦巻く思いはただひとつ。『もう終わって欲しい』……
その願いは中途半端な形で叶う事となった。
「一旦休憩にしようか」
ご飯を食べながらのピノさんとのお喋り。
「――それで、アーシュとノルトの3人で土人形を操作して戦わせたんです。最初のうちはずっと勝ててたんだけど、2人ともどんどん強くなっていって……。面白かったなあ」
「ふふふ、土のお人形を操作して戦うなんて面白そうね。今度私にも教えてくれる?」
「もちろんです。それに作るのも操作するのも大分慣れたから、もっと色んな事だって出来るかも。例えば土じゃなくてガラスや金属や、あと魔石とかで。あっそうか、それだったら【融解】したドロドロのままのを、錬成で形を動かしながら操作したりも出来るかも。うん、これもすっごく面白そう」
「ふふっ、カルア君ってば本当に楽しそう。それにお友達も出来てよかったわね。学校は楽しい?」
「とっても! 授業も楽しいし、先生もクラスのみんなもいい人たちだし。あ、でもレミア先生の喋り方はちょっと……」
「ミレアさんのお姉さんだっけ。学校で会った事はなかったと思うから、私より少し上の学年だったのかな。たまにあった合同授業とかでも見た覚えはないなあ」
「あれ、そうなんですか。あっ話は変わりますけど、このあいだ授業中に通信が繋がっちゃった時――」
そして再び会議室。
短い休憩が終わり、皆その顔に隠しきれない疲労感を滲ませたまま部屋へと戻ってきた。
「では再開しましょう。皆さん心の準備はいいですね。まあ準備出来てなくても始めちゃいますけど」
そんな再会宣言。途中から崩れていた真面目口調はもう完全に力尽きたようだ。
「じゃあ次は3番目の軍事的脅威レベルについてだ。――今回は魔法そのものじゃなくって彼の作った魔道具によるものだった。何とカルア君は付与や魔道具作成まで出来るそうだよ。付与はロベリー君、そして魔道具作成はモリス氏によるものかな」
もしその通りだとすると、カルアは最新の付与術までも使いこなせるという事になる。一体カルアはどこまで……
「その魔道具とはふたつのアクセサリー。うちひとつについてはヤバすぎて話す事が出来ないけど、もう片方は彼がいつも身に着けているブレスレットだ。これが実は収納付きの通信具で、しかも映像まで送る事が出来て通信範囲も非常に広い。驚くべき事に、その時はここからヒトツメの街にいる相手と通信していたそうだ。これも間違いなく軍事的脅威レベルに該当するね。こんな物を配備したら戦争のやり方が変わるよ」
ラーバルは全員の顔を見回すが、もう誰も目を合わせてくれない。
仕方がないので、そのまま話を続けた。
「カルア君が関係した『軍事的脅威レベル』はこれで以上なんだけど、それとは別にもう一つ。多分みんな知ってると思うけど、カルア君は二日前に新魔法を発見したんだ。それは氷魔法に類似する技術を使った【加熱】の魔法だ。それに伴い氷魔法は【冷却】という名称で【加熱】と共に『錬成魔法』の一部に再分類する事を提案する予定だよ。もちろん開発者をカルア君としてね。そしてこの【加熱】なんだけど、実はこの魔法でカルア君は水を高温にして爆発させたんだ。更には石から溶岩を作成する事までやってのけた。これもまた、『軍事的脅威レベル』として認定してもおかしくない内容だろうね。まあ今回は普通に新魔法と再分類として発表しちゃう予定だけどさ」
そしてラーバルは口調を戻し、クーラに向かって話しかけた。
先ほどの彼女の問いに答えるために……
「さてクーラ君、もしカルア君がこれら全ての魔法を攻撃として君に向けた場合、君はどこまで対処が可能ですか? 時空間魔法の結界に相手を閉じ込め、離れた場所から全ての武器や防具を破壊し、空間ごと【加熱】や【冷却】をしてくる、そんな彼に対して?」
その問いにクーラは軽く目を閉じ、そして頭の中でシミュレーションを行う。
「それは魔法実技の授業での事……目撃したのは土魔法担当指導員のドートン君だった。そしてドートン君から報告を受けた僕が、その情報から判定を下したんだ」
その時の報告を思い出しながら、ラーバルは説明を続ける。
「その事件の現場となった実習室では、カルア君とそのパーティメンバーであるアーシュ君、ノルト君の3名が、剣を持った人形を土魔法により作成し操作し、お互いの人形同士を戦わせていたそうだよ。これもまた発展させていけば軍事転用が可能となるだろうね。つまりは『汎用人型兵器の試作機』ってやつさ。これが2番目の軍事的脅威レベル魔法だったんだ」
ここで一旦区切るラーバル。
今、参加者達の胸中に渦巻く思いはただひとつ。『もう終わって欲しい』……
その願いは中途半端な形で叶う事となった。
「一旦休憩にしようか」
ご飯を食べながらのピノさんとのお喋り。
「――それで、アーシュとノルトの3人で土人形を操作して戦わせたんです。最初のうちはずっと勝ててたんだけど、2人ともどんどん強くなっていって……。面白かったなあ」
「ふふふ、土のお人形を操作して戦うなんて面白そうね。今度私にも教えてくれる?」
「もちろんです。それに作るのも操作するのも大分慣れたから、もっと色んな事だって出来るかも。例えば土じゃなくてガラスや金属や、あと魔石とかで。あっそうか、それだったら【融解】したドロドロのままのを、錬成で形を動かしながら操作したりも出来るかも。うん、これもすっごく面白そう」
「ふふっ、カルア君ってば本当に楽しそう。それにお友達も出来てよかったわね。学校は楽しい?」
「とっても! 授業も楽しいし、先生もクラスのみんなもいい人たちだし。あ、でもレミア先生の喋り方はちょっと……」
「ミレアさんのお姉さんだっけ。学校で会った事はなかったと思うから、私より少し上の学年だったのかな。たまにあった合同授業とかでも見た覚えはないなあ」
「あれ、そうなんですか。あっ話は変わりますけど、このあいだ授業中に通信が繋がっちゃった時――」
そして再び会議室。
短い休憩が終わり、皆その顔に隠しきれない疲労感を滲ませたまま部屋へと戻ってきた。
「では再開しましょう。皆さん心の準備はいいですね。まあ準備出来てなくても始めちゃいますけど」
そんな再会宣言。途中から崩れていた真面目口調はもう完全に力尽きたようだ。
「じゃあ次は3番目の軍事的脅威レベルについてだ。――今回は魔法そのものじゃなくって彼の作った魔道具によるものだった。何とカルア君は付与や魔道具作成まで出来るそうだよ。付与はロベリー君、そして魔道具作成はモリス氏によるものかな」
もしその通りだとすると、カルアは最新の付与術までも使いこなせるという事になる。一体カルアはどこまで……
「その魔道具とはふたつのアクセサリー。うちひとつについてはヤバすぎて話す事が出来ないけど、もう片方は彼がいつも身に着けているブレスレットだ。これが実は収納付きの通信具で、しかも映像まで送る事が出来て通信範囲も非常に広い。驚くべき事に、その時はここからヒトツメの街にいる相手と通信していたそうだ。これも間違いなく軍事的脅威レベルに該当するね。こんな物を配備したら戦争のやり方が変わるよ」
ラーバルは全員の顔を見回すが、もう誰も目を合わせてくれない。
仕方がないので、そのまま話を続けた。
「カルア君が関係した『軍事的脅威レベル』はこれで以上なんだけど、それとは別にもう一つ。多分みんな知ってると思うけど、カルア君は二日前に新魔法を発見したんだ。それは氷魔法に類似する技術を使った【加熱】の魔法だ。それに伴い氷魔法は【冷却】という名称で【加熱】と共に『錬成魔法』の一部に再分類する事を提案する予定だよ。もちろん開発者をカルア君としてね。そしてこの【加熱】なんだけど、実はこの魔法でカルア君は水を高温にして爆発させたんだ。更には石から溶岩を作成する事までやってのけた。これもまた、『軍事的脅威レベル』として認定してもおかしくない内容だろうね。まあ今回は普通に新魔法と再分類として発表しちゃう予定だけどさ」
そしてラーバルは口調を戻し、クーラに向かって話しかけた。
先ほどの彼女の問いに答えるために……
「さてクーラ君、もしカルア君がこれら全ての魔法を攻撃として君に向けた場合、君はどこまで対処が可能ですか? 時空間魔法の結界に相手を閉じ込め、離れた場所から全ての武器や防具を破壊し、空間ごと【加熱】や【冷却】をしてくる、そんな彼に対して?」
その問いにクーラは軽く目を閉じ、そして頭の中でシミュレーションを行う。
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