女性一人読み台本

君看雙眼色（きみみよ、そうがんのいろ）

君看雙眼色 不語似無憂（きみみよ そうがんのいろ かたらざれば うれいなきににたり）。

いつからだろう、何も言わなくなったのは。
なにも感じなくなった訳じゃない、機械になった訳じゃない。
毎日必死に傷ついて、それでも生きて、このくだらない毎日を頑張っている。
長いロープや太い道路、電車を待つホーム、大量の睡眠薬。
きっとこの毎日から楽になれる手段はいくつか思い付くけど、必死にその毎日にしがみついて生きていく手段を探している。
生きぬきたい訳じゃない、幸せになりたいとももう思わない。
ただ、誰かにこの苦しみに気づいて欲しい。
それだけできっとまた明日も、傷ついて行けるから。