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第五章 婚約話
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翌朝、屋敷に差し込む光は雨上がりのように澄んでいたが、胸に澱むものは晴れなかった。
朝食の席へ向かう途中、リディアは廊下の角で執事と行き合う。銀の盆に載せられた赤い封蝋の手紙は、公爵本邸の書斎へ運ばれるところだった。
「宛名は?」
「エドガー様にございます。侯爵家より、急ぎのお文とのこと」
侯爵家——セリーヌの家名が脳裏をよぎる。心臓が、静かな部屋で落としたペン先のようにぴり、と音を立てた気がした。
同じ頃、公爵本邸の書斎。
重厚な扉の内側で、封蝋が割れる乾いた音がした。
手紙を読み終えたエドガーは、無言で紙を伏せる。机の表面を照らす朝の光が、彼の横顔の輪郭を白く削っていた。
「……侯爵家からだ」
父が目を細める。「予想どおり、縁談の場を設けたいと」
「断る」
「軽く言うな。これは家の話だ」
「家のため、か。——ならば問うが、家のために誰かを犠牲にするのが正しいのか」
言葉は静かで、刃だった。
母が椅子の肘掛けに手を置く。「あなたが犠牲だというのなら、違うわ。あなたは選ばれる側。望まれ、求められる側よ」
「望まれて困ることもある」
父は鼻で笑い、机の引き出しからもう一通の封筒を取り出した。
「王都社交評議会から。仮面舞踏会の案内だ。侯爵家とも顔を合わせるだろう。あちらもそう踏んで手紙を寄こしたのだ」
エドガーは手紙を受け取るが、封を切らない。
「……俺には、すでに守りたい約束がある」
「子どもの頃の小指の約束か?」父の声が低くなる。「ならば、その“相手”は今もなお、お前をただの幼なじみだと思っているのではないか。昨夜も、伯爵家の若造と親しげだったそうだ」
エドガーの視線が、わずかに揺れた。
「——仕事に戻る」
手紙を掴んだまま立ち上がる。
母はため息を落とした。「せめて、お会いする席だけは整えておくわ。断るにも礼儀がいるのが、この世界よ」
リディアのもとにも、その日のうちに別の手紙が届いた。
差出人は伯爵令息——晩餐で穏やかな笑みを向けた青年である。
《王立温室での新種の花をご覧になりませんか。短いお茶会を》
母は封筒を開くなり、嬉しそうに頷いた。「いいお誘いではなくて?」
「……考えさせて」
「考えすぎて、機会を逃すのが一番もったいないのよ」
「わかっているわ」
わかっているけれど、踏み出す一歩の大きさが、今日はやけに怖い。
机に目を落とすと、抽斗の奥の小箱が視界の端でひっそりと光る。
忘れな草の押し花。紙の薄さほどの昔が、そこに眠っている。
(呼べば、来てくれる——)
その約束が、今は遠い。
昼前、廊下の角でばったりと出会った。
エドガーは手に封の切られていない仮面舞踏会の案内状を持っている。二人とも立ち止まり、呼吸だけが近づいた。
「……用件は」
「ただの通りすがりよ」
「なら、ひとつだけ聞かせてくれ。——侯爵家の噂、信じているのか」
喉が固まる。先に出たのは、守りの台詞だった。
「信じるも何も、私には関係のないこと」
彼の目が一瞬だけ翳る。
「そうか。……では、もう一つ」
「なに」
「お前は、伯爵令息の誘いを受けるのか」
「どうして知っているの」
「知ってしまった」
「——お茶会よ。花を見に行くだけ」
「行くのか」
「……行くわ」
自分の声が思いのほか静かで、驚く。
エドガーの指がわずかに動き、案内状の角が鳴った。
「そうか。なら、俺も“会うだけ”の場を設けることになる」
「セリーヌ嬢と?」
「侯爵家が望んでいる」
「……おめでとう、なのかしら」
おめでとう、と言った瞬間、胸の奥で何かが微かに崩れた。
彼は短く笑った。笑いなのに、痛む音がした。
「なら、祝ってくれ。——その言葉どおりに」
返す言葉が見つからない。見つけたとして、たぶん喉を通らない。
すれ違うように歩き出す。背中と背中の間に、言い残された言葉が落ちて砕けた。
午後、王立温室は薄いガラス越しの光で満ちていた。
鉄骨の弧が天井を縫い、葉に散った水滴が虹色に光る。
伯爵令息は端整な笑顔で花の名を教え、リディアは相づちを打ちながら歩いた。
「この花は、夜にだけ香りを強くするんです。昼間は内気で、夕暮れになると初めて心を開く」
「……素敵ね」
花弁を指先で確かめると、ほのかな香りが立った。
忘れな草と違って、名に物語を背負っていない花。けれど、それがむしろ心を軽くする。
「リディア嬢」
呼ばれて顔を上げる。
「私は——」伯爵令息は言い淀み、微笑に逃げた。「今日のことは、ただの散歩だと受け取ってください。あなたが気を張らないように」
「お気遣い、感謝します」
会話は穏やかで、音楽のない音楽のようだった。
ただ、ガラス越しに見える中庭の向こう、石造りの回廊に黒い影が立つのが、ふと視界の端を過ぎった。
——エドガー?
目を凝らしたときには、影はもう動いていて、回廊の奥へ消えた。心臓だけが少し速くなる。
同じ頃、回廊の陰。
エドガーは立ち止まり、額に手を当てて深く息を吐いた。
温室の中、淡い色のドレスがガラス越しに揺れる。隣に立つ青年の肩の線まで、やけにくっきり見えた。
(“ただの散歩”なら、俺もただの挨拶で終わらせられるのか)
掌の中で封筒の角がさらに丸くなる。侯爵家からの“顔合わせ”の日時。
母の筆跡で添えられた小さな付箋に《穏やかに。礼を尽くして》とある。
礼——それは刃を包む布にすぎない、と彼は知っている。
視線を温室から外したとき、正面からジュリアンが歩いてきた。燕尾服の上着を肩に掛け、片手には仮面舞踏会の小箱を持っている。
「偶然だな、公爵様」
「偶然にしては、よく会う」
「王都は意外と狭い。——これ、リディア嬢に渡すよう頼まれました」
淡い空色の仮面。小箱の内側には、薄い青いリボンがあしらわれている。
ジュリアンは視線を温室のほうへ流した。「入られないのですか?」
「入る資格がない」
「資格、ね」ジュリアンは口角だけで笑った。「資格をお作りになれる方だと思っていましたが」
「今は違う」
「では、その仮面をどうします? 私が届けましょうか」
「……頼む」
エドガーは小箱を握り直し、それからそっとジュリアンの手に戻した。
青いリボンが一瞬、指に触れて、昔の庭の匂いが呼び起こされる。
夕刻、温室を出ると空は薄桃色に染まっていた。
門のところで伯爵令息が礼を取る。「今日はありがとうございました。——次は、音楽のある場で」
「ええ」
別れの会釈を交わし、リディアは馬車へ向かう。
ガラスの壁に映る自分の姿が揺れ、その背後、回廊の影から誰かの視線が離れていく気配がした。
夜。
自室の机の上に、小さな小箱が置かれていた。
仮面舞踏会の招待状と一緒に、ジュリアンの丁寧な文字が添えられている。
《評議会より、参加者には簡素な仮面を。お似合いの色を選びました——J》
箱を開けると、淡い空色の仮面が静かに横たわっていた。内側には、忘れな草を思わせる青の細いリボン。
指先でそっとなぞる。
あの庭の青と同じ色だ。
けれど、小箱の中には彼の名はどこにもない。
(仮面なら——素直に、なれるの?)
仮面の縁に額を寄せて目を閉じる。
会いたい。けれど、会えばまた、言葉が足りなくなる。
言えない言葉を隠すには、仮面は都合が良すぎる。
同じ夜、公爵本邸の書斎。
エドガーは封を切らずにいた侯爵家の手紙を、ようやく開いた。
日時は仮面舞踏会の翌日。場所は侯爵家の私邸。
短く整った文面の最後に、《セリーヌも楽しみにしております》とある。
窓外、遠い時計台が十を告げる。
机の引き出しを開けると、褪せた青の切れ端が中にある。
彼はそれを指に巻き、拳を固く握った。
「……祝ってくれ、か」
自分で言い、苦笑が漏れる。
祝われたいのではない。
ただ——呼んでほしい。
子どもの約束に縋るのは、幼稚だと笑われてもいい。
彼女が「来て」と言えば、何度でも行けるのに。
灯りを落とす直前、机の端に仮面舞踏会の案内状を置いた。
その下に、短い紙片を滑り込ませる。
《最初の曲は、俺と》
出しはしない。出せない。
それでも、紙の上だけでも言葉を完成させておきたかった。
夜はゆっくりと沈み、明かりの消えた廊下に遠い足音が流れた。
王都は眠り、約束は起きている。
仮面が、ほんとうの顔を隠す夜が来る。
朝食の席へ向かう途中、リディアは廊下の角で執事と行き合う。銀の盆に載せられた赤い封蝋の手紙は、公爵本邸の書斎へ運ばれるところだった。
「宛名は?」
「エドガー様にございます。侯爵家より、急ぎのお文とのこと」
侯爵家——セリーヌの家名が脳裏をよぎる。心臓が、静かな部屋で落としたペン先のようにぴり、と音を立てた気がした。
同じ頃、公爵本邸の書斎。
重厚な扉の内側で、封蝋が割れる乾いた音がした。
手紙を読み終えたエドガーは、無言で紙を伏せる。机の表面を照らす朝の光が、彼の横顔の輪郭を白く削っていた。
「……侯爵家からだ」
父が目を細める。「予想どおり、縁談の場を設けたいと」
「断る」
「軽く言うな。これは家の話だ」
「家のため、か。——ならば問うが、家のために誰かを犠牲にするのが正しいのか」
言葉は静かで、刃だった。
母が椅子の肘掛けに手を置く。「あなたが犠牲だというのなら、違うわ。あなたは選ばれる側。望まれ、求められる側よ」
「望まれて困ることもある」
父は鼻で笑い、机の引き出しからもう一通の封筒を取り出した。
「王都社交評議会から。仮面舞踏会の案内だ。侯爵家とも顔を合わせるだろう。あちらもそう踏んで手紙を寄こしたのだ」
エドガーは手紙を受け取るが、封を切らない。
「……俺には、すでに守りたい約束がある」
「子どもの頃の小指の約束か?」父の声が低くなる。「ならば、その“相手”は今もなお、お前をただの幼なじみだと思っているのではないか。昨夜も、伯爵家の若造と親しげだったそうだ」
エドガーの視線が、わずかに揺れた。
「——仕事に戻る」
手紙を掴んだまま立ち上がる。
母はため息を落とした。「せめて、お会いする席だけは整えておくわ。断るにも礼儀がいるのが、この世界よ」
リディアのもとにも、その日のうちに別の手紙が届いた。
差出人は伯爵令息——晩餐で穏やかな笑みを向けた青年である。
《王立温室での新種の花をご覧になりませんか。短いお茶会を》
母は封筒を開くなり、嬉しそうに頷いた。「いいお誘いではなくて?」
「……考えさせて」
「考えすぎて、機会を逃すのが一番もったいないのよ」
「わかっているわ」
わかっているけれど、踏み出す一歩の大きさが、今日はやけに怖い。
机に目を落とすと、抽斗の奥の小箱が視界の端でひっそりと光る。
忘れな草の押し花。紙の薄さほどの昔が、そこに眠っている。
(呼べば、来てくれる——)
その約束が、今は遠い。
昼前、廊下の角でばったりと出会った。
エドガーは手に封の切られていない仮面舞踏会の案内状を持っている。二人とも立ち止まり、呼吸だけが近づいた。
「……用件は」
「ただの通りすがりよ」
「なら、ひとつだけ聞かせてくれ。——侯爵家の噂、信じているのか」
喉が固まる。先に出たのは、守りの台詞だった。
「信じるも何も、私には関係のないこと」
彼の目が一瞬だけ翳る。
「そうか。……では、もう一つ」
「なに」
「お前は、伯爵令息の誘いを受けるのか」
「どうして知っているの」
「知ってしまった」
「——お茶会よ。花を見に行くだけ」
「行くのか」
「……行くわ」
自分の声が思いのほか静かで、驚く。
エドガーの指がわずかに動き、案内状の角が鳴った。
「そうか。なら、俺も“会うだけ”の場を設けることになる」
「セリーヌ嬢と?」
「侯爵家が望んでいる」
「……おめでとう、なのかしら」
おめでとう、と言った瞬間、胸の奥で何かが微かに崩れた。
彼は短く笑った。笑いなのに、痛む音がした。
「なら、祝ってくれ。——その言葉どおりに」
返す言葉が見つからない。見つけたとして、たぶん喉を通らない。
すれ違うように歩き出す。背中と背中の間に、言い残された言葉が落ちて砕けた。
午後、王立温室は薄いガラス越しの光で満ちていた。
鉄骨の弧が天井を縫い、葉に散った水滴が虹色に光る。
伯爵令息は端整な笑顔で花の名を教え、リディアは相づちを打ちながら歩いた。
「この花は、夜にだけ香りを強くするんです。昼間は内気で、夕暮れになると初めて心を開く」
「……素敵ね」
花弁を指先で確かめると、ほのかな香りが立った。
忘れな草と違って、名に物語を背負っていない花。けれど、それがむしろ心を軽くする。
「リディア嬢」
呼ばれて顔を上げる。
「私は——」伯爵令息は言い淀み、微笑に逃げた。「今日のことは、ただの散歩だと受け取ってください。あなたが気を張らないように」
「お気遣い、感謝します」
会話は穏やかで、音楽のない音楽のようだった。
ただ、ガラス越しに見える中庭の向こう、石造りの回廊に黒い影が立つのが、ふと視界の端を過ぎった。
——エドガー?
目を凝らしたときには、影はもう動いていて、回廊の奥へ消えた。心臓だけが少し速くなる。
同じ頃、回廊の陰。
エドガーは立ち止まり、額に手を当てて深く息を吐いた。
温室の中、淡い色のドレスがガラス越しに揺れる。隣に立つ青年の肩の線まで、やけにくっきり見えた。
(“ただの散歩”なら、俺もただの挨拶で終わらせられるのか)
掌の中で封筒の角がさらに丸くなる。侯爵家からの“顔合わせ”の日時。
母の筆跡で添えられた小さな付箋に《穏やかに。礼を尽くして》とある。
礼——それは刃を包む布にすぎない、と彼は知っている。
視線を温室から外したとき、正面からジュリアンが歩いてきた。燕尾服の上着を肩に掛け、片手には仮面舞踏会の小箱を持っている。
「偶然だな、公爵様」
「偶然にしては、よく会う」
「王都は意外と狭い。——これ、リディア嬢に渡すよう頼まれました」
淡い空色の仮面。小箱の内側には、薄い青いリボンがあしらわれている。
ジュリアンは視線を温室のほうへ流した。「入られないのですか?」
「入る資格がない」
「資格、ね」ジュリアンは口角だけで笑った。「資格をお作りになれる方だと思っていましたが」
「今は違う」
「では、その仮面をどうします? 私が届けましょうか」
「……頼む」
エドガーは小箱を握り直し、それからそっとジュリアンの手に戻した。
青いリボンが一瞬、指に触れて、昔の庭の匂いが呼び起こされる。
夕刻、温室を出ると空は薄桃色に染まっていた。
門のところで伯爵令息が礼を取る。「今日はありがとうございました。——次は、音楽のある場で」
「ええ」
別れの会釈を交わし、リディアは馬車へ向かう。
ガラスの壁に映る自分の姿が揺れ、その背後、回廊の影から誰かの視線が離れていく気配がした。
夜。
自室の机の上に、小さな小箱が置かれていた。
仮面舞踏会の招待状と一緒に、ジュリアンの丁寧な文字が添えられている。
《評議会より、参加者には簡素な仮面を。お似合いの色を選びました——J》
箱を開けると、淡い空色の仮面が静かに横たわっていた。内側には、忘れな草を思わせる青の細いリボン。
指先でそっとなぞる。
あの庭の青と同じ色だ。
けれど、小箱の中には彼の名はどこにもない。
(仮面なら——素直に、なれるの?)
仮面の縁に額を寄せて目を閉じる。
会いたい。けれど、会えばまた、言葉が足りなくなる。
言えない言葉を隠すには、仮面は都合が良すぎる。
同じ夜、公爵本邸の書斎。
エドガーは封を切らずにいた侯爵家の手紙を、ようやく開いた。
日時は仮面舞踏会の翌日。場所は侯爵家の私邸。
短く整った文面の最後に、《セリーヌも楽しみにしております》とある。
窓外、遠い時計台が十を告げる。
机の引き出しを開けると、褪せた青の切れ端が中にある。
彼はそれを指に巻き、拳を固く握った。
「……祝ってくれ、か」
自分で言い、苦笑が漏れる。
祝われたいのではない。
ただ——呼んでほしい。
子どもの約束に縋るのは、幼稚だと笑われてもいい。
彼女が「来て」と言えば、何度でも行けるのに。
灯りを落とす直前、机の端に仮面舞踏会の案内状を置いた。
その下に、短い紙片を滑り込ませる。
《最初の曲は、俺と》
出しはしない。出せない。
それでも、紙の上だけでも言葉を完成させておきたかった。
夜はゆっくりと沈み、明かりの消えた廊下に遠い足音が流れた。
王都は眠り、約束は起きている。
仮面が、ほんとうの顔を隠す夜が来る。
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