忘れな草の約束を胸に抱く幼なじみ公爵と、誤解とすれ違いばかりの婚約までの物語
公爵家の嫡男エドガーと、隣家の令嬢リディアは幼い頃から互いの存在が当たり前だった。
笑えば隣にいて、泣けば手を差し伸べてくれる——そう信じていた。
しかし、成人を迎える前夜、ふとした誤解が二人の距離を引き裂く。
エドガーは彼女が自分ではなく他の男を想っていると勘違いし、冷たく距離を取るように。
リディアはリディアで、彼が華やかな社交界で微笑みを向ける令嬢を本気で愛していると信じ込んでしまう。
避けるでも、断ち切るでもなく、互いに思いを秘めたまま交わされる会話はどこか棘を含み、
日々のすれ違いは二人の心をじわじわと蝕んでいく。
やがて訪れる政略結婚の話。
逃げられない運命の中で、ふたりは本当に互いの本心を知ることができるのか——。
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