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第26章|再びの舞踏会
舞踏会の再招待状は、白い封筒なのに妙に重く見えた。
封蝋は王宮の紋章。開かなくても、内容は分かる。
——欠席は礼を欠く。
——夫人としての姿勢が問われる。
——“噂”が育った今だからこそ、出席が必要だ。
リリアーヌはテーブルの上に封筒を置き、指先を一度だけ添えた。
紙の冷たさが、決意の輪郭をなぞる。
「お嬢様。お召し物は……」
侍女長ヴィオラが控えめに言った。
彼女の声は、いつもなら準備を促す音なのに、今日は“戦”の号令に聞こえた。
「淡い色は避けるわ」
「承知いたしました。では、深い青にいたしましょう。噂は“柔らかさ”を餌にいたしますから」
淡い色は守られる妻に見える。
守られる妻は“守られる価値がある”という前提で、噂の的になる。
——なら、自分で立つ色を選ぶ。
深い青。夜の海のような色。
泣いていない、と言い切る色。
「髪は、いつも通りに」
「少し、まとめ方を変えましょう。後ろに流して、首筋を隠します。冷えが残っております」
“冷え”。
体だけではない。心の方も、まだ冷えている。
それでも、舞踏会へ行く。
逃げない。
ただ——戦場の前線に立ち続けないだけ。
リリアーヌは鏡の中の自分を見た。
目の下の影は薄くなっている。
けれど、笑う練習をやめた分だけ、口元が静かだ。
扉が叩かれた。
「リリアーヌ様。ガブリエル様がお見えです」
胸がひやりとする。
そのひやりは、不安ではない。
“約束を守る”緊張だ。
「通して」
入ってきたガブリエルは、いつもの軽さを纏っていなかった。
礼装の黒が端正で、肩に落ちる布の線が“覚悟”を示す。
「……迎えに来た」
それだけ言う。
余計な言葉がない。
彼は、リリアーヌの今を理解している。
「ありがとう」
リリアーヌがそう言うと、ガブリエルは一瞬だけ、目を伏せた。
「礼は、いらない。
俺は——君の望んだ通りにするだけだ」
望んだ通り。
舞踏会のエスコートを公爵ではなく、彼に頼んだ日のことが脳裏を掠める。
あの日は“逃げ”だった。
今日のこれは“選択”だ。
「……無理はしないで」
ガブリエルが言った。
“無理に笑うな”とも、“無理に強がるな”とも言わない。
ただ、無理をするな。
「ええ。無理はしない」
リリアーヌはそう答えて、手袋をはめた。
白い手袋は、余計な感情を隠す膜だ。
廊下へ出ると、空気が冷たい。
屋敷の外に止められた馬車の御者が帽子を取る。
ガブリエルは先に歩き、自然に手を差し出した。
「足元、滑る」
——優しい。
優しいのに、求めない優しさ。
それが、今のリリアーヌには救いだった。
馬車の中。
窓の外を街灯が流れていく。
ガブリエルは沈黙を怖がらない。
リリアーヌも、沈黙が怖くない。
「……今日、噂はもっと酷くなるかもしれない」
リリアーヌがぽつりと言うと、ガブリエルは頷いた。
「酷くなる。
でも、噂ってのは——相手を泣かせるほど強くなる。
君が泣かないなら、噂は飢える」
それは、優しい言葉ではない。
現実の言葉だ。
だから、効く。
「泣かないわ」
「うん。泣かせない」
短い。
けれど、その短さが誓いみたいだった。
王宮の正門が見え、馬車が止まる。
音楽が遠くから漏れてくる。
灯りが眩しい。
ガブリエルが降りて、先に外へ出る。
次にリリアーヌが降りようとした、その瞬間——
「……リリアーヌ」
聞き慣れた声が、夜気を裂いた。
身体が固まる。
声の主を見なくても分かる。
アレクシス。
ゆっくり視線を向けると、石畳の上に彼が立っていた。
礼装の白。王宮の灯りを受けて、冷たいほど整っている。
いつもなら、そこに“当然の位置”で立っている人。
今日は——違う。
彼の目が、ガブリエルの腕に置かれたリリアーヌの手袋を見た。
次に、リリアーヌの顔を見る。
その視線が、ほんの僅かに揺れた。
遅い。
そう思った自分に、驚く。
「迎えに来た」
アレクシスが言った。
“当然”の音で。
リリアーヌは、一拍置いた。
息を吸って、吐いて、声を整える。
「……ありがとうございます」
礼だけは、落とさない。
けれど、その礼は距離を作る礼だ。
「ですが、手配は済んでおります」
アレクシスの眉が僅かに寄る。
彼は“拒絶”だと受け取るだろう。
でも、これは拒絶ではない。
——線引き。
「リリアーヌ。今夜は——」
「今夜は、舞踏会です」
リリアーヌは柔らかく遮った。
鋭く言えば、相手が正当化できる。
柔らかく言えば、相手は“自分の落ち度”と向き合うしかない。
「社交の場で揉め事は望みません」
自分で言って、胸が静かになる。
いつもはこの台詞が、自分を縛った。
今日は、自分を守る盾になる。
アレクシスは言葉を探すように口を開き、閉じた。
その沈黙が——一番残酷だと、彼はまだ知らない。
ガブリエルが一歩前に出た。
声を荒げない。
けれど、立ち位置が“守る”だった。
「閣下。今夜、彼女は俺がエスコートする。
——彼女がそう望んだ」
アレクシスの視線が、鋭くガブリエルへ刺さる。
だが刺した瞬間、刺した方の胸が痛んだように、彼の喉が上下した。
「望んだ……?」
「ええ」
リリアーヌは、はっきり頷いた。
震えない。
この瞬間に震えたら、また“噂”が餌を得る。
「私は、私の居場所を選びます」
それは宣戦布告ではない。
自立の宣言だ。
アレクシスの目が細くなる。
怒り——ではない。
困惑と、遅れて生まれる焦り。
「……君は、まだ」
「まだ、何でしょう」
リリアーヌは微笑んだ。
薄い微笑。
彼が何度も見落としてきた表情。
アレクシスの唇が動く。
けれど言葉は出ない。
“説明できない理由”が、また彼の喉を塞ぐ。
だからリリアーヌは、これ以上立たない。
彼の沈黙の前に。
「失礼いたします」
そう言って、ガブリエルの腕に指先を預けた。
手袋越しの温かさが、血を巡らせる。
背後で、アレクシスが何か言いかけた。
けれど音楽が高まり、その声は飲み込まれた。
——飲み込まれたのは声だけではない。
今まで何度も、リリアーヌの“助けて”は音楽に消されたのだ。
広間へ入ると、光が爆ぜる。
人々の笑い。香水。グラスの音。
視線が、瞬時にこちらへ集まった。
噂は、目で伝染する。
「見て……ガブリエル様が」
「まあ、やっぱり……?」
「公爵様は……来ていたの?」
囁きが、羽虫みたいにまとわりつく。
リリアーヌは背筋を伸ばした。
深い青のドレスは、沈まない。
ガブリエルが耳元で、低く言う。
「君は、ここにいるだけでいい。
喋らなくていい。笑わなくていい。
ただ、立て」
立つ。
立っているだけで、戦いになる夜。
リリアーヌは頷き、前を向いた。
——王妃の席が見える。
王妃の視線が一瞬こちらに来て、すぐ逸れた。
“分かっている”という合図。
リリアーヌの胸が、ほんの少しだけ軽くなる。
そのとき、背後から空気が変わった。
冷たい刃が入ってくるみたいに。
振り向かなくても、分かる。
アレクシスが、広間に入ってきたのだ。
ガブリエルの腕に置いた指先が、微かに震える。
震えを隠すように、リリアーヌはグラスを取った。
そして——背後から聞こえた低い声。
「……今夜は、俺が」
その続きが言えるのか。
言えないのか。
リリアーヌは、振り返らないまま息を止めた。
封蝋は王宮の紋章。開かなくても、内容は分かる。
——欠席は礼を欠く。
——夫人としての姿勢が問われる。
——“噂”が育った今だからこそ、出席が必要だ。
リリアーヌはテーブルの上に封筒を置き、指先を一度だけ添えた。
紙の冷たさが、決意の輪郭をなぞる。
「お嬢様。お召し物は……」
侍女長ヴィオラが控えめに言った。
彼女の声は、いつもなら準備を促す音なのに、今日は“戦”の号令に聞こえた。
「淡い色は避けるわ」
「承知いたしました。では、深い青にいたしましょう。噂は“柔らかさ”を餌にいたしますから」
淡い色は守られる妻に見える。
守られる妻は“守られる価値がある”という前提で、噂の的になる。
——なら、自分で立つ色を選ぶ。
深い青。夜の海のような色。
泣いていない、と言い切る色。
「髪は、いつも通りに」
「少し、まとめ方を変えましょう。後ろに流して、首筋を隠します。冷えが残っております」
“冷え”。
体だけではない。心の方も、まだ冷えている。
それでも、舞踏会へ行く。
逃げない。
ただ——戦場の前線に立ち続けないだけ。
リリアーヌは鏡の中の自分を見た。
目の下の影は薄くなっている。
けれど、笑う練習をやめた分だけ、口元が静かだ。
扉が叩かれた。
「リリアーヌ様。ガブリエル様がお見えです」
胸がひやりとする。
そのひやりは、不安ではない。
“約束を守る”緊張だ。
「通して」
入ってきたガブリエルは、いつもの軽さを纏っていなかった。
礼装の黒が端正で、肩に落ちる布の線が“覚悟”を示す。
「……迎えに来た」
それだけ言う。
余計な言葉がない。
彼は、リリアーヌの今を理解している。
「ありがとう」
リリアーヌがそう言うと、ガブリエルは一瞬だけ、目を伏せた。
「礼は、いらない。
俺は——君の望んだ通りにするだけだ」
望んだ通り。
舞踏会のエスコートを公爵ではなく、彼に頼んだ日のことが脳裏を掠める。
あの日は“逃げ”だった。
今日のこれは“選択”だ。
「……無理はしないで」
ガブリエルが言った。
“無理に笑うな”とも、“無理に強がるな”とも言わない。
ただ、無理をするな。
「ええ。無理はしない」
リリアーヌはそう答えて、手袋をはめた。
白い手袋は、余計な感情を隠す膜だ。
廊下へ出ると、空気が冷たい。
屋敷の外に止められた馬車の御者が帽子を取る。
ガブリエルは先に歩き、自然に手を差し出した。
「足元、滑る」
——優しい。
優しいのに、求めない優しさ。
それが、今のリリアーヌには救いだった。
馬車の中。
窓の外を街灯が流れていく。
ガブリエルは沈黙を怖がらない。
リリアーヌも、沈黙が怖くない。
「……今日、噂はもっと酷くなるかもしれない」
リリアーヌがぽつりと言うと、ガブリエルは頷いた。
「酷くなる。
でも、噂ってのは——相手を泣かせるほど強くなる。
君が泣かないなら、噂は飢える」
それは、優しい言葉ではない。
現実の言葉だ。
だから、効く。
「泣かないわ」
「うん。泣かせない」
短い。
けれど、その短さが誓いみたいだった。
王宮の正門が見え、馬車が止まる。
音楽が遠くから漏れてくる。
灯りが眩しい。
ガブリエルが降りて、先に外へ出る。
次にリリアーヌが降りようとした、その瞬間——
「……リリアーヌ」
聞き慣れた声が、夜気を裂いた。
身体が固まる。
声の主を見なくても分かる。
アレクシス。
ゆっくり視線を向けると、石畳の上に彼が立っていた。
礼装の白。王宮の灯りを受けて、冷たいほど整っている。
いつもなら、そこに“当然の位置”で立っている人。
今日は——違う。
彼の目が、ガブリエルの腕に置かれたリリアーヌの手袋を見た。
次に、リリアーヌの顔を見る。
その視線が、ほんの僅かに揺れた。
遅い。
そう思った自分に、驚く。
「迎えに来た」
アレクシスが言った。
“当然”の音で。
リリアーヌは、一拍置いた。
息を吸って、吐いて、声を整える。
「……ありがとうございます」
礼だけは、落とさない。
けれど、その礼は距離を作る礼だ。
「ですが、手配は済んでおります」
アレクシスの眉が僅かに寄る。
彼は“拒絶”だと受け取るだろう。
でも、これは拒絶ではない。
——線引き。
「リリアーヌ。今夜は——」
「今夜は、舞踏会です」
リリアーヌは柔らかく遮った。
鋭く言えば、相手が正当化できる。
柔らかく言えば、相手は“自分の落ち度”と向き合うしかない。
「社交の場で揉め事は望みません」
自分で言って、胸が静かになる。
いつもはこの台詞が、自分を縛った。
今日は、自分を守る盾になる。
アレクシスは言葉を探すように口を開き、閉じた。
その沈黙が——一番残酷だと、彼はまだ知らない。
ガブリエルが一歩前に出た。
声を荒げない。
けれど、立ち位置が“守る”だった。
「閣下。今夜、彼女は俺がエスコートする。
——彼女がそう望んだ」
アレクシスの視線が、鋭くガブリエルへ刺さる。
だが刺した瞬間、刺した方の胸が痛んだように、彼の喉が上下した。
「望んだ……?」
「ええ」
リリアーヌは、はっきり頷いた。
震えない。
この瞬間に震えたら、また“噂”が餌を得る。
「私は、私の居場所を選びます」
それは宣戦布告ではない。
自立の宣言だ。
アレクシスの目が細くなる。
怒り——ではない。
困惑と、遅れて生まれる焦り。
「……君は、まだ」
「まだ、何でしょう」
リリアーヌは微笑んだ。
薄い微笑。
彼が何度も見落としてきた表情。
アレクシスの唇が動く。
けれど言葉は出ない。
“説明できない理由”が、また彼の喉を塞ぐ。
だからリリアーヌは、これ以上立たない。
彼の沈黙の前に。
「失礼いたします」
そう言って、ガブリエルの腕に指先を預けた。
手袋越しの温かさが、血を巡らせる。
背後で、アレクシスが何か言いかけた。
けれど音楽が高まり、その声は飲み込まれた。
——飲み込まれたのは声だけではない。
今まで何度も、リリアーヌの“助けて”は音楽に消されたのだ。
広間へ入ると、光が爆ぜる。
人々の笑い。香水。グラスの音。
視線が、瞬時にこちらへ集まった。
噂は、目で伝染する。
「見て……ガブリエル様が」
「まあ、やっぱり……?」
「公爵様は……来ていたの?」
囁きが、羽虫みたいにまとわりつく。
リリアーヌは背筋を伸ばした。
深い青のドレスは、沈まない。
ガブリエルが耳元で、低く言う。
「君は、ここにいるだけでいい。
喋らなくていい。笑わなくていい。
ただ、立て」
立つ。
立っているだけで、戦いになる夜。
リリアーヌは頷き、前を向いた。
——王妃の席が見える。
王妃の視線が一瞬こちらに来て、すぐ逸れた。
“分かっている”という合図。
リリアーヌの胸が、ほんの少しだけ軽くなる。
そのとき、背後から空気が変わった。
冷たい刃が入ってくるみたいに。
振り向かなくても、分かる。
アレクシスが、広間に入ってきたのだ。
ガブリエルの腕に置いた指先が、微かに震える。
震えを隠すように、リリアーヌはグラスを取った。
そして——背後から聞こえた低い声。
「……今夜は、俺が」
その続きが言えるのか。
言えないのか。
リリアーヌは、振り返らないまま息を止めた。
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