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第一章 魔女さんとの不思議な日々
ナナの魔法
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「ねえねえ、ナナの魔法はどういう時に使えるのー?」
ナナが魔女さんの袖を引っ張り、唇に人差し指を当てながら問う。
「ふふっ、それはねぇ、ルルのお手伝いをするための魔法よ」
「お姉ちゃんのお手伝い~?」
ナナの頭の上には、未だに大きなクエスチョンマークがあるようだ。しかし魔女さんはそんな事などお見通しだという様子で、柔らかい笑みを見せている。
「じゃあ試しにやってみましょうか……ルルー? ちょっとこっちへいらっしゃい」
魔女さんがルルに向かって手招きをすると、少し離れて魔法の練習をしていたルルがちょこちょこと歩いて駆け寄ってきた。
「どうしたのー?」
「ルル、覚えた魔法をもう一度やってみてちょうだい。出来るだけ長くお願いね」
魔女さんの言葉の意図が掴めずにルルは不思議そうな表情を浮かべたが、「わかった!」と言って魔法の準備をし始めた。
手を開いて胸の前に突き出し、ゆっくりと目を瞑った。
するとルルの手の平には、小さな火が灯った。
「それじゃあ、ナナはルルの出した火に向かって魔法を使ってみてくれる?」
「はーい」
ナナが火の近くに寄り、ルルと同じように手をかざす。そしてすぐに、ナナの手元を青色の光が包んだ。
「そうしたら、その青い光をルルの火に近づけてみてちょうだい」
集中が途切れないようにと、言葉は出さずに頷き返すナナ。赤い火と青い光が重なり、火がゆらゆらと揺れる。
次の瞬間。
火がボワッと音を立てて燃え上がり、その大きさは姉妹の顔程の大きさにまで膨れ上がった。
姉妹が驚いて尻もちを着くと、大きかった火が綺麗さっぱりに消え去ってしまう。
「うわー、びっくりした―」
ルルは口を丸く開きながら、自分の手をまじまじと眺めている。
「ひえぇ……爆発した……」
ナナは目を白黒とさせて、火が舞っていた空を見上げている。
二人がそれぞれの反応を見せていると、魔女さんがいたずらっ子の様にくすくすと笑いながら歩み寄ってくる。
「うふふ、驚かせてごめんなさいね。 でも魔法陣を浮かべている内は熱くないから安心してね」
「もー、言うの遅いよー」「熱いのかと思って手離しちゃったよぉ」
ぶーぶーと文句を垂れる姉妹に、魔女さんは「ごめんね」と言いながらくすくすと笑うのを止めない。
「でもこれでナナの魔法は理解出来たでしょ?」
「うん、お姉ちゃんの火をパワーアップさせるんだねっ……!」
魔女さんは尻もちを着く姉妹に手を差し伸べて立たせると、首をコクコクとさせて頷いた。
「大体は合ってるわね。でもね、火だけじゃなくて他の魔法にも使えるのよ?」
「他の魔法?」「お姉ちゃん他のまほーも使えるのー?」
姉妹が魔女さんの着ているローブの裾を揺すりながら尋ねると、魔女さんは姉妹の頭の上に手を置いて優しく撫でた。
「使えるわよ~。今日覚えた魔法が完璧に出来るようになったら別の魔法陣を用意して上げるわね」
「やったー!」「わーい、次はどんなまほー?」
「次の魔法はね……その時までのお楽しみよ」
上品に笑って言う魔女さんに、姉妹の二人は「えー!」と声を合わせた。そんな二人の頭を、魔女さんが優しく撫でる。
「でも安心して。きっとあなた達が気に入ってくれる魔法だから」
それを聞いた姉妹は興奮したように、土の上で足をジタバタとさせ始めた。
「すごく楽しみ! もっと魔法使いたーい!」「ナナもナナも……!」
魔女さんは足元で興奮する姉妹をなだめるように頭を撫でて、「うんうん」と頷いている。その口元はとても幸せそうだ。
「だったら今日教えた魔法は早く覚えちゃいなさい? あなた達だったらあれくらいの魔法はすぐに出来るようになるはずよ」
「はーい!」「はーい」
姉妹が揃って返事をすると、魔女さんが「うふふ」と笑って姉妹の目の高さに合わせるようにしゃがみ込んだ。
「だけれど……そろそろ二人とも疲れちゃってるわね……魔法の練習はまた明日にしましょう」
魔女さんに言われて、ルルとナナは自分たちが肩で息をしているのに気が付いた。
魔法を使うと本当に疲れるのか。まるでかけっこをした後のような気分だ。けれども、姉妹は首を横に振る。
「私は疲れてないよ! まだ魔法の練習できるもん!」
「ナ、ナナも出来るよ……!」
真剣な眼差しを浮かべている姉妹だが、魔女さんは二人の頬を手の平で優しく包んで首を横に振った。
「ダメよ、これ以上やったら明日は魔法の練習が出来なくなっちゃうわよ? それでもいいの?」
『ダメ』という単語に一瞬だけ体をビクリとさせた姉妹だが、相手が魔女さんだと分かるとすぐに調子を取り戻した。
姉妹は二人して「うー」と唸り声を上げた末、先に口を開いたのはルルだった。
「うん、明日もやりたいから今日はやめる」
どこか諦めがつかなそうだが、魔女さんが「いい子ね」と言って頭を撫でると、ルルは無邪気な笑顔を見せた。
「ルルはやめるって言っているけれど、ナナはどうする?」
「わかった……ナナもおわりにする……」
口をギュッと噤んで悔しそうに下を向くが、魔女さんが「ナナもいい子ね」と言いながら優しく頬を撫でると、ナナも目を細めて「うん!」と大きく頷いた。
姉妹の返事を聞いた魔女さんが二人の手を取って立ち上がる。
「それじゃあ家へ戻りましょうか。三人でクッキーでも作りましょう」
「わーい! クッキー!」「ナナ……クッキー好き……!」
テンションが上がっているルルは、魔女さんと握る手をブンブンと振っている。一方のナナは、魔女さんに手を引かれながらちょこちょこと歩く。
そんな姉妹を微笑ましそうに見下ろす魔女さん。
三人が家の中に入って扉を閉めると、近くの道を数人の旅人が通過して行った。
ナナが魔女さんの袖を引っ張り、唇に人差し指を当てながら問う。
「ふふっ、それはねぇ、ルルのお手伝いをするための魔法よ」
「お姉ちゃんのお手伝い~?」
ナナの頭の上には、未だに大きなクエスチョンマークがあるようだ。しかし魔女さんはそんな事などお見通しだという様子で、柔らかい笑みを見せている。
「じゃあ試しにやってみましょうか……ルルー? ちょっとこっちへいらっしゃい」
魔女さんがルルに向かって手招きをすると、少し離れて魔法の練習をしていたルルがちょこちょこと歩いて駆け寄ってきた。
「どうしたのー?」
「ルル、覚えた魔法をもう一度やってみてちょうだい。出来るだけ長くお願いね」
魔女さんの言葉の意図が掴めずにルルは不思議そうな表情を浮かべたが、「わかった!」と言って魔法の準備をし始めた。
手を開いて胸の前に突き出し、ゆっくりと目を瞑った。
するとルルの手の平には、小さな火が灯った。
「それじゃあ、ナナはルルの出した火に向かって魔法を使ってみてくれる?」
「はーい」
ナナが火の近くに寄り、ルルと同じように手をかざす。そしてすぐに、ナナの手元を青色の光が包んだ。
「そうしたら、その青い光をルルの火に近づけてみてちょうだい」
集中が途切れないようにと、言葉は出さずに頷き返すナナ。赤い火と青い光が重なり、火がゆらゆらと揺れる。
次の瞬間。
火がボワッと音を立てて燃え上がり、その大きさは姉妹の顔程の大きさにまで膨れ上がった。
姉妹が驚いて尻もちを着くと、大きかった火が綺麗さっぱりに消え去ってしまう。
「うわー、びっくりした―」
ルルは口を丸く開きながら、自分の手をまじまじと眺めている。
「ひえぇ……爆発した……」
ナナは目を白黒とさせて、火が舞っていた空を見上げている。
二人がそれぞれの反応を見せていると、魔女さんがいたずらっ子の様にくすくすと笑いながら歩み寄ってくる。
「うふふ、驚かせてごめんなさいね。 でも魔法陣を浮かべている内は熱くないから安心してね」
「もー、言うの遅いよー」「熱いのかと思って手離しちゃったよぉ」
ぶーぶーと文句を垂れる姉妹に、魔女さんは「ごめんね」と言いながらくすくすと笑うのを止めない。
「でもこれでナナの魔法は理解出来たでしょ?」
「うん、お姉ちゃんの火をパワーアップさせるんだねっ……!」
魔女さんは尻もちを着く姉妹に手を差し伸べて立たせると、首をコクコクとさせて頷いた。
「大体は合ってるわね。でもね、火だけじゃなくて他の魔法にも使えるのよ?」
「他の魔法?」「お姉ちゃん他のまほーも使えるのー?」
姉妹が魔女さんの着ているローブの裾を揺すりながら尋ねると、魔女さんは姉妹の頭の上に手を置いて優しく撫でた。
「使えるわよ~。今日覚えた魔法が完璧に出来るようになったら別の魔法陣を用意して上げるわね」
「やったー!」「わーい、次はどんなまほー?」
「次の魔法はね……その時までのお楽しみよ」
上品に笑って言う魔女さんに、姉妹の二人は「えー!」と声を合わせた。そんな二人の頭を、魔女さんが優しく撫でる。
「でも安心して。きっとあなた達が気に入ってくれる魔法だから」
それを聞いた姉妹は興奮したように、土の上で足をジタバタとさせ始めた。
「すごく楽しみ! もっと魔法使いたーい!」「ナナもナナも……!」
魔女さんは足元で興奮する姉妹をなだめるように頭を撫でて、「うんうん」と頷いている。その口元はとても幸せそうだ。
「だったら今日教えた魔法は早く覚えちゃいなさい? あなた達だったらあれくらいの魔法はすぐに出来るようになるはずよ」
「はーい!」「はーい」
姉妹が揃って返事をすると、魔女さんが「うふふ」と笑って姉妹の目の高さに合わせるようにしゃがみ込んだ。
「だけれど……そろそろ二人とも疲れちゃってるわね……魔法の練習はまた明日にしましょう」
魔女さんに言われて、ルルとナナは自分たちが肩で息をしているのに気が付いた。
魔法を使うと本当に疲れるのか。まるでかけっこをした後のような気分だ。けれども、姉妹は首を横に振る。
「私は疲れてないよ! まだ魔法の練習できるもん!」
「ナ、ナナも出来るよ……!」
真剣な眼差しを浮かべている姉妹だが、魔女さんは二人の頬を手の平で優しく包んで首を横に振った。
「ダメよ、これ以上やったら明日は魔法の練習が出来なくなっちゃうわよ? それでもいいの?」
『ダメ』という単語に一瞬だけ体をビクリとさせた姉妹だが、相手が魔女さんだと分かるとすぐに調子を取り戻した。
姉妹は二人して「うー」と唸り声を上げた末、先に口を開いたのはルルだった。
「うん、明日もやりたいから今日はやめる」
どこか諦めがつかなそうだが、魔女さんが「いい子ね」と言って頭を撫でると、ルルは無邪気な笑顔を見せた。
「ルルはやめるって言っているけれど、ナナはどうする?」
「わかった……ナナもおわりにする……」
口をギュッと噤んで悔しそうに下を向くが、魔女さんが「ナナもいい子ね」と言いながら優しく頬を撫でると、ナナも目を細めて「うん!」と大きく頷いた。
姉妹の返事を聞いた魔女さんが二人の手を取って立ち上がる。
「それじゃあ家へ戻りましょうか。三人でクッキーでも作りましょう」
「わーい! クッキー!」「ナナ……クッキー好き……!」
テンションが上がっているルルは、魔女さんと握る手をブンブンと振っている。一方のナナは、魔女さんに手を引かれながらちょこちょこと歩く。
そんな姉妹を微笑ましそうに見下ろす魔女さん。
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