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最終章 姉妹の選択
野次馬
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「はっはっはぁ! 絶対にここから先には通さんぞお!」
灰色の光が発光すると、愉快そうに狂った魔法使いさんの声が聞こえて来る。その声と眩しさが、とても喧しく感じる。ルルとナナが目を細めていると、段々と灰色の光が大きく膨れ上がっていく。
「眩しいよー」「鬱陶しい……」
遂に目蓋を開いているのが苦痛となり、姉妹は揃って目を閉じた。
その間にも光は強さを増していく。
「う……うそ……」
後ろから聞こえた魔女さんの声に、姉妹は揃って振り向いた。
「あなた達! どこかへ隠れなさい!」
魔女さんの焦り声が後ろから響いた時には、既に手遅れだった。
ミシミシと嫌な音が耳を触ったかと思えば、次の瞬間には轟音と共に、天井から無数のコンクリートの破片が落下してくる。
「あわわわわわわ」
ルルは咄嗟にナナの手を掴み、檻の端まで急いで避難した。その瞬間、さっきまでルルとナナが居た所には、無数のコンクリートが降り注ぐ。
「「魔女さん!」」
椅子に拘束されていた魔女さんはその場から動く事は出来なかったが、ちょうど彼女の手前でコンクリートの落下は終わった。
「ふぅ」と胸を撫で下ろしたのも束の間、姉妹は目の前を見て目を丸くした。
姉妹の目の前に日光が差していたのだ。なぜ日光が差しているのか。それは姉妹の目から見ても明らかだった。
「はっはっは――! この姿になったワシはもう誰にも止められんぞ――!」
頭上から鳴り響く声と共に、鼓膜を突き破るような咆哮が放たれた。
恐る恐る顔を上げると、そこには目を疑うような光景が広がっていた。
「そこの魔女もどきのお陰でドラゴンになることが出来たわい――そこの娘には感謝しかないな!」
そう。何とそこには、大きくて黒い二本足で立っているドラゴンが居たのだ。
体の表面には硬そうなウロコがあり、初めてドラゴンを見た姉妹は、度肝を抜かれている。
「あいつ……」
椅子に拘束されたままの魔女さんは、上を見上げたまま唇を噛んでいる。
そして遂には、異変に気が付いた村の人たちが野次馬のようにぞろぞろと集まって来てしまった。その中の数人は、地下にいる姉妹や魔女さんを見つけたようだ。
「なんだこのドラゴン!」「なにがあった!」「下に誰か居るぞ!」「きゃー! ドラゴンよー!」
野次馬の喧騒が更に野次馬を呼び、頭上には人の頭が沢山見える。
「どどどどうしよう……」「やばいよね……」
自分よりも何十倍も大きなドラゴンを見上げながら、姉妹は揃って口をポカンと開けている。
「魔女さん、どうすればいいかな……?」
ルルが問いながら魔女さんの方へと近づくと、その後ろからはナナも着いてきた。魔女さんは「うーん」と唸りながら、頭を悩ませている。
「逃げろって言っても無駄よね?」
「うん!」「もちろん」
即答してみせる姉妹に、魔女さんは苦笑いを浮かべた。
「じゃああいつを倒すしかないじゃない……」
「そんなことできるのー?」「できるのー?」
「うーん、出来なくは……ないかな」
魔女さんがそう口にした時、ドラゴンの足が動き出した。
ズシンズシンと音を立てながら横を向くと、ドラゴンは首を大きく振りかぶった。
危ない――!
ルルがそう叫ぼうとした時、ドラゴンの首がハンマーのようにして、人々の群れをなぎ払った。
「きゃあ!」「うわぁ!」「危ない!」「大丈夫か!」「きゃー!」
ドラゴンの頭に薙ぎ払われた人々は、首と地面の間に挟まったり、数メートル吹き飛ばされたりしながら、甲高い悲鳴を上げている。
「やめてドラゴンさん! その人たちは関係ないでしょ!」
ルルが大きな声を出すと、ドラゴンの顔が三人の居る方を向いた。
「関係ない訳がないじゃろ!」
「なんで? だって私たち四人の問題でしょ!」
ルルがナナの前に出て声を放つと、ドラゴンは「はははは!」と大きな声で笑った。
「小娘、お前は何も分かってないな」
「分かってないってどういうこと? だって私たちが檻を見つけたのがいけないんでしょ!」
「いいや違うな。遅かれ早かれこういう結果にはなってたんじゃよ」
そんなことを言われても、話しの本質がどこにあるのか分からないルルとナナは、揃って首を傾げている。
「そこにいる女――お前らが魔女さんと呼んでるそいつが生きている限り、こうなることは目に見えていたんじゃ」
「だからどういう――」
「口封じだろ? エセ魔法使いが」
後ろから聞こえた乱暴な口調に、姉妹はギョッとした目をしながら後ろを向くと、牙を見せている魔女さんが居た。
どうやら魔女さんは、魔法使いさんと話す時には乱暴な口調になるらしい。
「おー、よく分かったのお。さすがは魔女に育てられた女だ」
その言葉に、村の人々がザワザワとし出した。珍しい『魔女』という存在に物珍しさを感じて、地下を見下ろしている人も居る。
「お前から聞いたからな。この村の人たちに魔法の腕を見せつけたいがために私を酷い目に合わせやがって」
「うるさい! 魔女に育てられたお前には分からないだろう、必死に魔法を勉強しているだけなのに怪しい者扱いをされる気持ちが――!」
その言葉が辺りに響いたと思えば、ドラゴンの口の中には炎が灯り始めた。そしてその口は、群がる野次馬へと向けられる。
「ダメ! みんな逃げて!」
ルルが叫んだとほぼ同時、ドラゴンの口から炎が放たれた。
灰色の光が発光すると、愉快そうに狂った魔法使いさんの声が聞こえて来る。その声と眩しさが、とても喧しく感じる。ルルとナナが目を細めていると、段々と灰色の光が大きく膨れ上がっていく。
「眩しいよー」「鬱陶しい……」
遂に目蓋を開いているのが苦痛となり、姉妹は揃って目を閉じた。
その間にも光は強さを増していく。
「う……うそ……」
後ろから聞こえた魔女さんの声に、姉妹は揃って振り向いた。
「あなた達! どこかへ隠れなさい!」
魔女さんの焦り声が後ろから響いた時には、既に手遅れだった。
ミシミシと嫌な音が耳を触ったかと思えば、次の瞬間には轟音と共に、天井から無数のコンクリートの破片が落下してくる。
「あわわわわわわ」
ルルは咄嗟にナナの手を掴み、檻の端まで急いで避難した。その瞬間、さっきまでルルとナナが居た所には、無数のコンクリートが降り注ぐ。
「「魔女さん!」」
椅子に拘束されていた魔女さんはその場から動く事は出来なかったが、ちょうど彼女の手前でコンクリートの落下は終わった。
「ふぅ」と胸を撫で下ろしたのも束の間、姉妹は目の前を見て目を丸くした。
姉妹の目の前に日光が差していたのだ。なぜ日光が差しているのか。それは姉妹の目から見ても明らかだった。
「はっはっは――! この姿になったワシはもう誰にも止められんぞ――!」
頭上から鳴り響く声と共に、鼓膜を突き破るような咆哮が放たれた。
恐る恐る顔を上げると、そこには目を疑うような光景が広がっていた。
「そこの魔女もどきのお陰でドラゴンになることが出来たわい――そこの娘には感謝しかないな!」
そう。何とそこには、大きくて黒い二本足で立っているドラゴンが居たのだ。
体の表面には硬そうなウロコがあり、初めてドラゴンを見た姉妹は、度肝を抜かれている。
「あいつ……」
椅子に拘束されたままの魔女さんは、上を見上げたまま唇を噛んでいる。
そして遂には、異変に気が付いた村の人たちが野次馬のようにぞろぞろと集まって来てしまった。その中の数人は、地下にいる姉妹や魔女さんを見つけたようだ。
「なんだこのドラゴン!」「なにがあった!」「下に誰か居るぞ!」「きゃー! ドラゴンよー!」
野次馬の喧騒が更に野次馬を呼び、頭上には人の頭が沢山見える。
「どどどどうしよう……」「やばいよね……」
自分よりも何十倍も大きなドラゴンを見上げながら、姉妹は揃って口をポカンと開けている。
「魔女さん、どうすればいいかな……?」
ルルが問いながら魔女さんの方へと近づくと、その後ろからはナナも着いてきた。魔女さんは「うーん」と唸りながら、頭を悩ませている。
「逃げろって言っても無駄よね?」
「うん!」「もちろん」
即答してみせる姉妹に、魔女さんは苦笑いを浮かべた。
「じゃああいつを倒すしかないじゃない……」
「そんなことできるのー?」「できるのー?」
「うーん、出来なくは……ないかな」
魔女さんがそう口にした時、ドラゴンの足が動き出した。
ズシンズシンと音を立てながら横を向くと、ドラゴンは首を大きく振りかぶった。
危ない――!
ルルがそう叫ぼうとした時、ドラゴンの首がハンマーのようにして、人々の群れをなぎ払った。
「きゃあ!」「うわぁ!」「危ない!」「大丈夫か!」「きゃー!」
ドラゴンの頭に薙ぎ払われた人々は、首と地面の間に挟まったり、数メートル吹き飛ばされたりしながら、甲高い悲鳴を上げている。
「やめてドラゴンさん! その人たちは関係ないでしょ!」
ルルが大きな声を出すと、ドラゴンの顔が三人の居る方を向いた。
「関係ない訳がないじゃろ!」
「なんで? だって私たち四人の問題でしょ!」
ルルがナナの前に出て声を放つと、ドラゴンは「はははは!」と大きな声で笑った。
「小娘、お前は何も分かってないな」
「分かってないってどういうこと? だって私たちが檻を見つけたのがいけないんでしょ!」
「いいや違うな。遅かれ早かれこういう結果にはなってたんじゃよ」
そんなことを言われても、話しの本質がどこにあるのか分からないルルとナナは、揃って首を傾げている。
「そこにいる女――お前らが魔女さんと呼んでるそいつが生きている限り、こうなることは目に見えていたんじゃ」
「だからどういう――」
「口封じだろ? エセ魔法使いが」
後ろから聞こえた乱暴な口調に、姉妹はギョッとした目をしながら後ろを向くと、牙を見せている魔女さんが居た。
どうやら魔女さんは、魔法使いさんと話す時には乱暴な口調になるらしい。
「おー、よく分かったのお。さすがは魔女に育てられた女だ」
その言葉に、村の人々がザワザワとし出した。珍しい『魔女』という存在に物珍しさを感じて、地下を見下ろしている人も居る。
「お前から聞いたからな。この村の人たちに魔法の腕を見せつけたいがために私を酷い目に合わせやがって」
「うるさい! 魔女に育てられたお前には分からないだろう、必死に魔法を勉強しているだけなのに怪しい者扱いをされる気持ちが――!」
その言葉が辺りに響いたと思えば、ドラゴンの口の中には炎が灯り始めた。そしてその口は、群がる野次馬へと向けられる。
「ダメ! みんな逃げて!」
ルルが叫んだとほぼ同時、ドラゴンの口から炎が放たれた。
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