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鬼畜オオカミと蜂蜜ハニー
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黒い炎が空高く立ち上っている。ジンは碧い双眸を怒りで紅く染めた。
動物達が遠巻きで燃え盛る家を鳴きながら見守っていた。
家の前には二つの人の形が見える。走り寄りながらジンは人の姿にメタモルフォーゼし、呆然とリオラの身体をばあやの身体から離して、その亡骸を抱き締めた。
「リオラ…リオラっ! あぁ! ルリっ!!」
ーーー何故こんな事にっ。
ジンの肩に小鳥が乗り、ピピピと鳴く。
見ればシカやウサギが寄って来て、リオラの血で濡れた手に頬を寄せている。
ーーー神の怒りを。
ジンは全裸のままリオラを抱き上げて歩き出す。一頭のシカがジンの後をついて歩いた。ジンは振り返り、涙で潤んだ眼でシカを一瞥する。
「あの一族は呪われるべきだと思うが?」
鹿は白く発光して人の形に変えた。ただ違うのはその背に大きな羽が在る。首筋に羽の痣が在る。中々の美丈夫だ。
「神は全てを見ている。その子の魂は一度上に運ぶが」
「ふん。そうしてまたその魂の許へ俺を導くのだろう?」
「神は…まだお主を許してはおらぬ。この魂がお主を愛さぬ限り、永遠に呪いは続くであろう」
「永遠か。バカバカしい。いったいいつまで続くのか、この魂が終わるのは」
「さてな。この子がお主への愛に目覚めるまでだ。…神も残酷な事をなさる」
天使は光の中に消え、ジンはリオラの亡骸を抱き締めていた。
その翌日ルイーズの結婚は滞りなく行われ、翌年子をなしたがその子の双眸はオッドアイで、男児であった。その後、男児は産まれてもひと月も持たず天に召され、女子だけがその血筋をどうにか繋ぎ止めていた。月日は廻っても血は決して薄まらず、神の怒りのまま男児はひと月と持たない。まれに女子でもオッドアイの子供が産まれた。
日本。
「おめでとうございます」
山野井家では自宅で出産した女性が、眼を開けぬ子を心配して夫を見上げる。
「院長先生」
看護婦が赤子を抱いて眉根を寄せている。
「あずさは、その子は大丈夫ですか?」
女性は看護婦に訊く。院長と呼ばれた男は首を横に振った。
「オッドアイだ」
「…っ」
涙を零す女性は手を伸ばして赤子を受け取った。
「あずさ」
山野井あずさの誕生である。
「り―――――――――んっ」
里桜が小さな身体で大きな声を張り上げて鈴を呼ぶ。まだ四歳の二人は祖母の家から母の薫と三人で埼玉へ引っ越す事になっていた。その前日、鈴は急に駄々を捏ねて行きたくないと、近所の神社で隠れてしまったのだ。
川は怖くてひとりではいけない。直人が死んだ川だからだ。直人が今も天上には行かず薫の傍に居る。鈴は直人が大好きで、でも直人はもう直ぐ神様の所へ行くのだと知ると、埼玉へ行く気にはなれなかった。
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ジンの肩に小鳥が乗り、ピピピと鳴く。
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ーーー神の怒りを。
ジンは全裸のままリオラを抱き上げて歩き出す。一頭のシカがジンの後をついて歩いた。ジンは振り返り、涙で潤んだ眼でシカを一瞥する。
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「永遠か。バカバカしい。いったいいつまで続くのか、この魂が終わるのは」
「さてな。この子がお主への愛に目覚めるまでだ。…神も残酷な事をなさる」
天使は光の中に消え、ジンはリオラの亡骸を抱き締めていた。
その翌日ルイーズの結婚は滞りなく行われ、翌年子をなしたがその子の双眸はオッドアイで、男児であった。その後、男児は産まれてもひと月も持たず天に召され、女子だけがその血筋をどうにか繋ぎ止めていた。月日は廻っても血は決して薄まらず、神の怒りのまま男児はひと月と持たない。まれに女子でもオッドアイの子供が産まれた。
日本。
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「…っ」
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