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第二話 大厄災対策本部
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第二話 大厄災対策本部
もう幾度も破壊し再生した世界の中で、この呪われた牢獄の中で人類を筆頭とした全種族たちは、いずれ自分達に振り向かれる大厄災に対抗するための、最後の抵抗をしていた。
ー エーフェリディア人類連合大帝国 ー
場面は変わり、幾度もの終焉と再生を迎えた種族たちは一致団結するために建国した超大国へと移った。城下町で国民たちが日常を過ごしていたが、王城内の会議室の空気感は完全に真逆であった。
「……………では、これより第1回、大厄災対策会議を開始する。」
重い口をあげて、最後の抵抗の開始の火蓋を切ったのは、この大帝国の主人でもあり人族の代表のヴァン・クロード・エーフェリディア皇帝であった。人族の中で最強クラスの実力と、王として一流の器を持っている名君である。
「まず、我が国の予言者たちの報告によると、最初から順に《火の大厄災》、《水の大厄災》、《風の大厄災》、《地の大厄災》、《聖の大厄災》、《闇の大厄災》、《生命の大厄災》、そして最後に《混沌の大厄災》がこの世界を滅ぼしに来るとのことです。強さの序列もこれと同じとのことです。」
次に口を開いたのは、世界最大の宗教の総本山である『ノースフォン聖法国』の国主であるリーヴェン教皇だった。聖法国には未来の光景を視ることができる予言者たちを有しており、対大厄災には欠かせない存在である。
「先人たちは奴らを討伐するのに失敗した様だが今回は違う!我が国の騎士団を持ってすれば、大厄災など恐るるに足らず!!」
得意げに話していたのは、世界最強の軍事力を誇る軍事国家である『グランバルス帝国』の国主である国王パレスであった。グランバルス帝国の騎士は他国の騎士数人分に匹敵する文字通り精鋭だが、前回の世界では全く同じの軍隊が大厄災に挑んでも、近づいただけで全滅してしまった。しかし悲しいかな。この事実は、この世界が再生された際に消え去ってしまっていた。
「落ち着きなさい、パレス卿。確かにあなたの軍勢はとても頼りになりますが、相手は『原初の神』の怒りの感情そのものです。…少し話がずれましたね。」
パレス国王を諌めたのは、精霊が受肉した事で生まれた新種族『妖精族』の一人である『森妖精族』の王朝を築いた王であるニーフィルム国王だった。見た目はこの中では一番若い風に見えるが、なんと年齢は1000歳という最年長中の最年長である。その生きた年月による知見で、国王たちのまとめ役となっている。そして、ニーフィルム国王は、対大厄災において欠かせない情報を持っていた。
「先月、我が国の調査隊が精霊の大森林で、『先史の遺物』を発見しました。」
『先史の遺物』…かつて滅んだ世界が、後の世界に託すために大厄災に関して有力な情報が眠っている遺物や遺跡である。これがあるのとないのでは対大厄災の難易度が天と地の差がある。
「遺物に記されていた古代語文によると…『大厄災は各地の秘境に眠っており、時が来た時に一体ずつ目覚めて世界を滅ぼす。』とのことです。そして各地の秘境に関しても、まだ少ないですが情報が記されていました。」
「おお!まことか!」
「今までにない有力な情報だぞ!」
「でかしたぞニーフェルム国王!」
かつてないほどの有力な情報に、各国の国王たちは大いに盛り上がっていた。この情報が正しければ、過去の世界では成し得なかった“事前対策“が可能となるのだ。
「まず、火の大厄災は〈神龍の火山〉、水の大厄災は東海洋の〈海神の禍域〉、風の大厄災は〈暴風の竜穴〉、地の大厄災はこの大地のどこかから。現在分かっているのはこの辺りですね。」
地の大厄災の発生場所のあやふやさが目立つものの、一気に四体の大厄災に関する情報が手に入った。しかし、彼らの魂の奥底はこう叫んでいる
『 それだけでは決して大厄災には歯が立たない 』 と。
もう幾度も破壊し再生した世界の中で、この呪われた牢獄の中で人類を筆頭とした全種族たちは、いずれ自分達に振り向かれる大厄災に対抗するための、最後の抵抗をしていた。
ー エーフェリディア人類連合大帝国 ー
場面は変わり、幾度もの終焉と再生を迎えた種族たちは一致団結するために建国した超大国へと移った。城下町で国民たちが日常を過ごしていたが、王城内の会議室の空気感は完全に真逆であった。
「……………では、これより第1回、大厄災対策会議を開始する。」
重い口をあげて、最後の抵抗の開始の火蓋を切ったのは、この大帝国の主人でもあり人族の代表のヴァン・クロード・エーフェリディア皇帝であった。人族の中で最強クラスの実力と、王として一流の器を持っている名君である。
「まず、我が国の予言者たちの報告によると、最初から順に《火の大厄災》、《水の大厄災》、《風の大厄災》、《地の大厄災》、《聖の大厄災》、《闇の大厄災》、《生命の大厄災》、そして最後に《混沌の大厄災》がこの世界を滅ぼしに来るとのことです。強さの序列もこれと同じとのことです。」
次に口を開いたのは、世界最大の宗教の総本山である『ノースフォン聖法国』の国主であるリーヴェン教皇だった。聖法国には未来の光景を視ることができる予言者たちを有しており、対大厄災には欠かせない存在である。
「先人たちは奴らを討伐するのに失敗した様だが今回は違う!我が国の騎士団を持ってすれば、大厄災など恐るるに足らず!!」
得意げに話していたのは、世界最強の軍事力を誇る軍事国家である『グランバルス帝国』の国主である国王パレスであった。グランバルス帝国の騎士は他国の騎士数人分に匹敵する文字通り精鋭だが、前回の世界では全く同じの軍隊が大厄災に挑んでも、近づいただけで全滅してしまった。しかし悲しいかな。この事実は、この世界が再生された際に消え去ってしまっていた。
「落ち着きなさい、パレス卿。確かにあなたの軍勢はとても頼りになりますが、相手は『原初の神』の怒りの感情そのものです。…少し話がずれましたね。」
パレス国王を諌めたのは、精霊が受肉した事で生まれた新種族『妖精族』の一人である『森妖精族』の王朝を築いた王であるニーフィルム国王だった。見た目はこの中では一番若い風に見えるが、なんと年齢は1000歳という最年長中の最年長である。その生きた年月による知見で、国王たちのまとめ役となっている。そして、ニーフィルム国王は、対大厄災において欠かせない情報を持っていた。
「先月、我が国の調査隊が精霊の大森林で、『先史の遺物』を発見しました。」
『先史の遺物』…かつて滅んだ世界が、後の世界に託すために大厄災に関して有力な情報が眠っている遺物や遺跡である。これがあるのとないのでは対大厄災の難易度が天と地の差がある。
「遺物に記されていた古代語文によると…『大厄災は各地の秘境に眠っており、時が来た時に一体ずつ目覚めて世界を滅ぼす。』とのことです。そして各地の秘境に関しても、まだ少ないですが情報が記されていました。」
「おお!まことか!」
「今までにない有力な情報だぞ!」
「でかしたぞニーフェルム国王!」
かつてないほどの有力な情報に、各国の国王たちは大いに盛り上がっていた。この情報が正しければ、過去の世界では成し得なかった“事前対策“が可能となるのだ。
「まず、火の大厄災は〈神龍の火山〉、水の大厄災は東海洋の〈海神の禍域〉、風の大厄災は〈暴風の竜穴〉、地の大厄災はこの大地のどこかから。現在分かっているのはこの辺りですね。」
地の大厄災の発生場所のあやふやさが目立つものの、一気に四体の大厄災に関する情報が手に入った。しかし、彼らの魂の奥底はこう叫んでいる
『 それだけでは決して大厄災には歯が立たない 』 と。
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