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第1章 幕開けは復讐から
27 情報交換
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◇
ナギサがティルアード国王と話している時、四人の大精霊は風の精霊の住処である空───そこに存在する風の宮に集まっていた。魔力を通して四六時中ナギサが管理しているが、他の宮も含めて精霊には常時開放されている。彼らが集まったのは情報交換のため。それぞれ情報収集はお手の物だが得意としている分野が違うため、円滑に進めるには今ある情報だけでも共有しておいた方が良いと考えたのだ。
「……それで、どうして風の宮に集まったのですか?」
「だってぇ、火の宮はわたしと相性が悪いし水の宮からは追い出されちゃったんだもの。地の宮でも良かったけどそこは何となく、ねぇ?」
「そそそれで……な、なんで集まったの?」
「そうだな!なんで集まったんだ!?」
冷静に、でも呆れたように問うたのは風の大精霊シルフ。それに答えたのは水の大精霊ウンディーネで、おどおどしているのが地の大精霊ノーム、そしていかにも熱血系といった印象を受けるのが火の大精霊サラマンダーだ。
主である精霊王ナギサに似て、大精霊である彼らも中々個性豊かだった。
「伝えてあったでしょ? 情報交換だよぉ」
「それは知ってますよ。何の情報交換かと聞いているのです」
「精霊たちから聞いたんじゃないの?精霊殺しによる呪いについてだよぉ」
ウンディーネの言葉に、三人はあまり驚いた様子はない。やはりそれぞれの属性の精霊たちから噂程度に聞き、少しは調べていたのだろう。数が多く自由な精霊たちのことだ。情報通でもあるので噂話も好きだろう。ナギサの次に慕っている大精霊にその話をしないはずがない。
さらに言うなら、この話を知らなかったのなら最初からこうして集まろうとはならない。つまり、念のために知らないふりをして確認を取っただけだった。
「そそ、それ……本当の話、だったんだ……」
「ナギサ様曰く|、確信の状態ではないらしいけどねぇ」
精霊殺しによる呪いの話と言っても、この時点では彼らは(仮)だということしか知らない。ナギサが人払いした状態で国王と話しているため、推測から確信へと変化したことまでは彼らも把握出来ていなかったのだ。
サラマンダーは『それはつまり、どういうことだ?』と首を傾げているが全員無視だ。彼は決して脳筋ではなく頭の回転も速いはずなのだが、時々察しが悪いというか馬鹿っぽく感じることがある。それが今のような時だ。
そして一々説明していては時間が勿体ないと無視されるのもお決まりである。この場にナギサがいたなら不憫だねぇとか言って笑っていることだろう。
そして最終的にはしっかり教えてあげているはずだ。何だかんだ言って面倒見が良いので。
閑話休題。
「良く分からないが共有できるだけの情報はないぞ! 今回のような裏が多そうな情報を集めるのは得意分野ではないからな!」
「ぼぼっ、ぼ、ぼくも……本当に、二人が知ってることくらいしか……」
二人は攻撃や守りに特化しているのでこの類の情報収集が苦手なのは仕方ないだろう。火属性が攻撃に特化しているのはともかく、イメージ的には意外かもしれないが土属性は守りが得意なのだ。
風属性は風を操って遠くの音を拾うことが出来るので情報収集には向いている。水属性は治療系が多い。
そのため、ウンディーネが色々と知っているのは現在ナギサが水の宮にいるからである。なのでノームやサラマンダーが詳しいことを知らなくても無理はなかった。
ナギサがティルアード国王と話している時、四人の大精霊は風の精霊の住処である空───そこに存在する風の宮に集まっていた。魔力を通して四六時中ナギサが管理しているが、他の宮も含めて精霊には常時開放されている。彼らが集まったのは情報交換のため。それぞれ情報収集はお手の物だが得意としている分野が違うため、円滑に進めるには今ある情報だけでも共有しておいた方が良いと考えたのだ。
「……それで、どうして風の宮に集まったのですか?」
「だってぇ、火の宮はわたしと相性が悪いし水の宮からは追い出されちゃったんだもの。地の宮でも良かったけどそこは何となく、ねぇ?」
「そそそれで……な、なんで集まったの?」
「そうだな!なんで集まったんだ!?」
冷静に、でも呆れたように問うたのは風の大精霊シルフ。それに答えたのは水の大精霊ウンディーネで、おどおどしているのが地の大精霊ノーム、そしていかにも熱血系といった印象を受けるのが火の大精霊サラマンダーだ。
主である精霊王ナギサに似て、大精霊である彼らも中々個性豊かだった。
「伝えてあったでしょ? 情報交換だよぉ」
「それは知ってますよ。何の情報交換かと聞いているのです」
「精霊たちから聞いたんじゃないの?精霊殺しによる呪いについてだよぉ」
ウンディーネの言葉に、三人はあまり驚いた様子はない。やはりそれぞれの属性の精霊たちから噂程度に聞き、少しは調べていたのだろう。数が多く自由な精霊たちのことだ。情報通でもあるので噂話も好きだろう。ナギサの次に慕っている大精霊にその話をしないはずがない。
さらに言うなら、この話を知らなかったのなら最初からこうして集まろうとはならない。つまり、念のために知らないふりをして確認を取っただけだった。
「そそ、それ……本当の話、だったんだ……」
「ナギサ様曰く|、確信の状態ではないらしいけどねぇ」
精霊殺しによる呪いの話と言っても、この時点では彼らは(仮)だということしか知らない。ナギサが人払いした状態で国王と話しているため、推測から確信へと変化したことまでは彼らも把握出来ていなかったのだ。
サラマンダーは『それはつまり、どういうことだ?』と首を傾げているが全員無視だ。彼は決して脳筋ではなく頭の回転も速いはずなのだが、時々察しが悪いというか馬鹿っぽく感じることがある。それが今のような時だ。
そして一々説明していては時間が勿体ないと無視されるのもお決まりである。この場にナギサがいたなら不憫だねぇとか言って笑っていることだろう。
そして最終的にはしっかり教えてあげているはずだ。何だかんだ言って面倒見が良いので。
閑話休題。
「良く分からないが共有できるだけの情報はないぞ! 今回のような裏が多そうな情報を集めるのは得意分野ではないからな!」
「ぼぼっ、ぼ、ぼくも……本当に、二人が知ってることくらいしか……」
二人は攻撃や守りに特化しているのでこの類の情報収集が苦手なのは仕方ないだろう。火属性が攻撃に特化しているのはともかく、イメージ的には意外かもしれないが土属性は守りが得意なのだ。
風属性は風を操って遠くの音を拾うことが出来るので情報収集には向いている。水属性は治療系が多い。
そのため、ウンディーネが色々と知っているのは現在ナギサが水の宮にいるからである。なのでノームやサラマンダーが詳しいことを知らなくても無理はなかった。
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