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第1章 幕開けは復讐から
47 王立学園のファンクラブ
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「そうそう、ナギサ知ってるか? うちの学園には非公式だがファンクラブって言うのがあるんだ。その中で一番会員ってのが多いのはナギサらしいぞ」
「俺?」
「俺も聞いたことあるな。妹が言ってた。妹もお前のファンクラブの一員で、夏休み明けにでも一度直接話してみたいってさ」
「へぇ……別に良いけど、面白そうなものがあるんだね?」
でもなんで俺なの? 精霊王の権力? 精霊王の伴侶になれば向かうところ敵なしって言っても過言じゃないもんねぇ。
「ええ。ファンクラブはあくまでも『ファン』、それも非公式ですから身分や権力関係なく影から応援するグループだそうですね。中にはファンではなく本気で恋愛感情を抱いている人もいるらしいですから抜け駆け禁止とかそういうのはない、と。どのファンクラブもルールはほぼ同じだと聞きました」
「……セインくん、なんか詳しくない?」
「え!? あ、えっと……あ、兄上が卒業生ですからね」
「焦りすぎだろ……男女も関係ないのか?」
「妹が言うには男女関係なく、加えて生徒のみならず教師も会員だったりするらしいぞ。もちろん公私混同は厳禁と言うことで認められているが、もはや公式と言っても差し支えないな」
「ふむふむ」
ここにも詳しい人が一名。こっちは妹ちゃん情報だけど……それを言うならセインくんもセリスくん情報か。でもセインくんの方はなんか怪しいんだよねー。
「ね、セインくん。もしかしてだけど、誰かのファンクラブに入ってたりするのー?」
「おぉ……直球だな」
遠回しに聞く必要もないでしょ。後ろめたいことでもあるのなら別かもしれないけど。
「あー……えっと……そ、そんなことはないですよ……?」
「分かりやす過ぎるぞセイン。相手は察した。俺は優しいから黙っててやろう」
「俺もだ」
「え、だれだれ?」
分かってないの俺だけー? 仲間外れですかねぇ? それとランスロットくん、気を付けた方が良いよ。セインくんがそのドヤ顔を見てたぶん一発入れたくなってる。
性格的に実行はしないと思うけど。
「それはだな、セリ……」
「ちょっと、駄目ですって! さっき言わないって言ったじゃないですか!」
「セリ? ……あ、分かった。セリスくんか」
うわあぁ! って珍しく大声で悲鳴を上げてるセインくんおもしろ。まさかのブラザーコンプレックス、いわゆるブラコンってやつ? 意外ってほどではないけどそんなに恥ずかしがるかな? 俺は堂々と直人くん愛を語ってたけど……
「卒業生のファンクラブもあるの? それはびっくり」
「セリス……? 俺はてっきりナギサのことかと」
「ちょ、ちょっと待ってください! それ以上は喋らないで頂けます!?」
「俺のわけないでしょ。セリスくんって言うのはシュリー公爵家の嫡男で次期当主の、セインくんの兄君」
「そうか。普通に呼び捨てしてしまった」
騒ぐセインくんの横でマイペースに疑問をぶつけてくるエリオットくん。
個室だから他のお客の迷惑にはならないから良いけど赤い顔で文句を言うセインくん、それを揶揄いつつ笑顔で受け流すランスロットくん、というこの光景は中々新鮮で面白い。
セインくんに『笑って見てますけどエリオットも悪いんですからね』って叫ばれてる。それをなぜかと問うエリオットくんに答えたのはランスロットくんだった。
「っセインはな、くくっ……セリス様だけじゃなくて……っ、ナギサのファンでもあるんだよ……! あっはっは!」
腹痛いっ! と爆笑しだしたランスロットくんは今度こそセインくんに叩かれた。色々予想外すぎて観劇でも観てる気分。
「本人の前で言わなくても良いじゃないですか……!」
「二人ともちょっと落ち着け」
「はぁー……っ! 悪いわるい」
「ナ、ナギサ様! たしかにナギサ様のファンクラブに入ってますけど恋愛感情ではないですからね!? ファンというより尊敬の感情が大きいです。なので嫌いにならないでください……!」
ちょっと涙目になってるし……ランスロットくんとは逆の意味でだけど。それとファンなのは本当なんだねぇ……俺のどこに推せる要素があるのか不明だけど悪い気はしないかなー。
「そんなこと気にする性格ではないだろ」
「まあナギサは同性とか異性とか気にする暇あれば寝てそうだしな」
「それなら良いのですけど……」
あぁ……心配してたのはそれ? 別に前世では同性のアイドルのファンとか普通にいたし、まったく気にもしてなかったんだけど。あとランスロットくんは確実に俺のこと馬鹿にしてる。
「好きは貫けば良いと思うよー」
「俺?」
「俺も聞いたことあるな。妹が言ってた。妹もお前のファンクラブの一員で、夏休み明けにでも一度直接話してみたいってさ」
「へぇ……別に良いけど、面白そうなものがあるんだね?」
でもなんで俺なの? 精霊王の権力? 精霊王の伴侶になれば向かうところ敵なしって言っても過言じゃないもんねぇ。
「ええ。ファンクラブはあくまでも『ファン』、それも非公式ですから身分や権力関係なく影から応援するグループだそうですね。中にはファンではなく本気で恋愛感情を抱いている人もいるらしいですから抜け駆け禁止とかそういうのはない、と。どのファンクラブもルールはほぼ同じだと聞きました」
「……セインくん、なんか詳しくない?」
「え!? あ、えっと……あ、兄上が卒業生ですからね」
「焦りすぎだろ……男女も関係ないのか?」
「妹が言うには男女関係なく、加えて生徒のみならず教師も会員だったりするらしいぞ。もちろん公私混同は厳禁と言うことで認められているが、もはや公式と言っても差し支えないな」
「ふむふむ」
ここにも詳しい人が一名。こっちは妹ちゃん情報だけど……それを言うならセインくんもセリスくん情報か。でもセインくんの方はなんか怪しいんだよねー。
「ね、セインくん。もしかしてだけど、誰かのファンクラブに入ってたりするのー?」
「おぉ……直球だな」
遠回しに聞く必要もないでしょ。後ろめたいことでもあるのなら別かもしれないけど。
「あー……えっと……そ、そんなことはないですよ……?」
「分かりやす過ぎるぞセイン。相手は察した。俺は優しいから黙っててやろう」
「俺もだ」
「え、だれだれ?」
分かってないの俺だけー? 仲間外れですかねぇ? それとランスロットくん、気を付けた方が良いよ。セインくんがそのドヤ顔を見てたぶん一発入れたくなってる。
性格的に実行はしないと思うけど。
「それはだな、セリ……」
「ちょっと、駄目ですって! さっき言わないって言ったじゃないですか!」
「セリ? ……あ、分かった。セリスくんか」
うわあぁ! って珍しく大声で悲鳴を上げてるセインくんおもしろ。まさかのブラザーコンプレックス、いわゆるブラコンってやつ? 意外ってほどではないけどそんなに恥ずかしがるかな? 俺は堂々と直人くん愛を語ってたけど……
「卒業生のファンクラブもあるの? それはびっくり」
「セリス……? 俺はてっきりナギサのことかと」
「ちょ、ちょっと待ってください! それ以上は喋らないで頂けます!?」
「俺のわけないでしょ。セリスくんって言うのはシュリー公爵家の嫡男で次期当主の、セインくんの兄君」
「そうか。普通に呼び捨てしてしまった」
騒ぐセインくんの横でマイペースに疑問をぶつけてくるエリオットくん。
個室だから他のお客の迷惑にはならないから良いけど赤い顔で文句を言うセインくん、それを揶揄いつつ笑顔で受け流すランスロットくん、というこの光景は中々新鮮で面白い。
セインくんに『笑って見てますけどエリオットも悪いんですからね』って叫ばれてる。それをなぜかと問うエリオットくんに答えたのはランスロットくんだった。
「っセインはな、くくっ……セリス様だけじゃなくて……っ、ナギサのファンでもあるんだよ……! あっはっは!」
腹痛いっ! と爆笑しだしたランスロットくんは今度こそセインくんに叩かれた。色々予想外すぎて観劇でも観てる気分。
「本人の前で言わなくても良いじゃないですか……!」
「二人ともちょっと落ち着け」
「はぁー……っ! 悪いわるい」
「ナ、ナギサ様! たしかにナギサ様のファンクラブに入ってますけど恋愛感情ではないですからね!? ファンというより尊敬の感情が大きいです。なので嫌いにならないでください……!」
ちょっと涙目になってるし……ランスロットくんとは逆の意味でだけど。それとファンなのは本当なんだねぇ……俺のどこに推せる要素があるのか不明だけど悪い気はしないかなー。
「そんなこと気にする性格ではないだろ」
「まあナギサは同性とか異性とか気にする暇あれば寝てそうだしな」
「それなら良いのですけど……」
あぁ……心配してたのはそれ? 別に前世では同性のアイドルのファンとか普通にいたし、まったく気にもしてなかったんだけど。あとランスロットくんは確実に俺のこと馬鹿にしてる。
「好きは貫けば良いと思うよー」
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