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第1章 幕開けは復讐から
48 水の宮と手作りマカロン
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「ありがとうございました! これからもエリオットのことをよろしくね」
やっぱり元気な人だねぇ。高貴で近寄りがたそうな口調なのに、性格は気さくで優しい俺の母さんにちょっと似てるところがある。俺に反抗期なんてものは存在してなかったけど、普通のこの歳の男なら母親にこんな風に言われるの嫌がりそうだよね。だけどエリオットくんは平然としてる。良い意味でこの親にしてこの子あり、って感じ。
「次はどうする?」
「まだ昼ですしせっかく夏なのですから海に泳ぎに行きませんか? 楽しいと思いますよ。……ストレス発散したいですし……」
「後半が本音だねぇ。疲れてるの?」
「いえ、つい先程のことですよ。体でも動かしてないと思い出してしまってランスロットを地に沈めたくなります」
セインくんって意外だけど武闘派なんだよねぇ。実践は知らないけど学園の試験では剣術、体術共に余裕の一位だったから。ランスロットくんを叩いた時も痛そうな音してた。
「でも水着がないぞ」
「水着なら俺が今着てる服に防水魔法をかけてあげるよ。それで良いんじゃないー?」
全身着たままじゃ泳ぎにくいから上だけ脱いで、と付け加えると名案だと即決された。
「脱ぐだけと言っても人前で着替えるものではないからね、一回水の宮に行って着替えよー」
「水の……」
「……宮?」
「って、精霊王の住処だろ? 勝手に入っていいのか?」
「勝手にって、俺の宮なんだけど。精霊王は俺ですよ?」
「あ、そうだった……いや、ナギサは精霊王っぽくないと言うか、マイペース過ぎてそんなすごい立場だってこと忘れないか?」
二人に尋ねるとセインくんはそうですか? って言ってくれたけどランスロットくんは全力で頷いた。仮にも本人の前でそういうこと言うかなぁ?
いや、俺もほんの少しくらいは自覚あるよ。だけどそんな全力で同意することないでしょ。さすがに傷付く……ことはないんだけどさ。
「まあいーよ。じゃあ俺が精霊王だってこと思い出してね? 転移魔法は基本精霊王しか使えないから」
心の準備が出来ていないとか何とか言ってるのを無視してさっさと水の宮に転移すると、場所を指定しなかったので厨房に着いた。
「あれ、王様だ! お帰りなさい!」
「ただいまリー。何作ってるの?」
きゃー、と歓喜の悲鳴を上げたり声以外で嬉しさを表現する精霊たちの頭を撫でてあげつつ聞いてみると……
「お砂糖たっぷりのマカロンっていうスイーツの作り方をウンディーネ様に教えてもらって作ってたの!」
……だって。王様へのプレゼント! と言ってくれるリーを抱っこしてあげながら、ウンディーネはどこでレシピを覚えたんだろうと首を傾げる。
不思議に思いながら聞いてみると、なんと水の宮の書庫にはレシピ本もあるらしい。なんでこの宮の主である俺が知らないで、他のみんなは知ってるのかな……?
「そのウンディーネはどこに行ったのー? 宮の中には気配がないけど」
「えっとね、アルのところに遊びに行くって言ってたよ!」
「アルフォンスくんのところに? いきなり行って迷惑かけてなかったら良いんだけどなぁ……ルーは?」
「ランと遊びに行ったよ!」
え、珍しいね。仲良しなのは知ってたけどランがクレアちゃんの傍を離れるなんて。あの一件から基本的にずっと一緒にいたのに。
「そっか。じゃあ俺はもう行くよ。マカロン、楽しみにしてるね」
「うん!」
「僕たちのことは忘れているのかと思っていましたよ」
「えー? そんなことないけど」
「たしかに精霊王って感じがしたな。と言うよりも愛する子供を見つめる親の目か」
「なにそれ」
どんな目? 普通にお話ししていただけなのに。親馬鹿みたいに言われたくないんですけどー。
やっぱり元気な人だねぇ。高貴で近寄りがたそうな口調なのに、性格は気さくで優しい俺の母さんにちょっと似てるところがある。俺に反抗期なんてものは存在してなかったけど、普通のこの歳の男なら母親にこんな風に言われるの嫌がりそうだよね。だけどエリオットくんは平然としてる。良い意味でこの親にしてこの子あり、って感じ。
「次はどうする?」
「まだ昼ですしせっかく夏なのですから海に泳ぎに行きませんか? 楽しいと思いますよ。……ストレス発散したいですし……」
「後半が本音だねぇ。疲れてるの?」
「いえ、つい先程のことですよ。体でも動かしてないと思い出してしまってランスロットを地に沈めたくなります」
セインくんって意外だけど武闘派なんだよねぇ。実践は知らないけど学園の試験では剣術、体術共に余裕の一位だったから。ランスロットくんを叩いた時も痛そうな音してた。
「でも水着がないぞ」
「水着なら俺が今着てる服に防水魔法をかけてあげるよ。それで良いんじゃないー?」
全身着たままじゃ泳ぎにくいから上だけ脱いで、と付け加えると名案だと即決された。
「脱ぐだけと言っても人前で着替えるものではないからね、一回水の宮に行って着替えよー」
「水の……」
「……宮?」
「って、精霊王の住処だろ? 勝手に入っていいのか?」
「勝手にって、俺の宮なんだけど。精霊王は俺ですよ?」
「あ、そうだった……いや、ナギサは精霊王っぽくないと言うか、マイペース過ぎてそんなすごい立場だってこと忘れないか?」
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いや、俺もほんの少しくらいは自覚あるよ。だけどそんな全力で同意することないでしょ。さすがに傷付く……ことはないんだけどさ。
「まあいーよ。じゃあ俺が精霊王だってこと思い出してね? 転移魔法は基本精霊王しか使えないから」
心の準備が出来ていないとか何とか言ってるのを無視してさっさと水の宮に転移すると、場所を指定しなかったので厨房に着いた。
「あれ、王様だ! お帰りなさい!」
「ただいまリー。何作ってるの?」
きゃー、と歓喜の悲鳴を上げたり声以外で嬉しさを表現する精霊たちの頭を撫でてあげつつ聞いてみると……
「お砂糖たっぷりのマカロンっていうスイーツの作り方をウンディーネ様に教えてもらって作ってたの!」
……だって。王様へのプレゼント! と言ってくれるリーを抱っこしてあげながら、ウンディーネはどこでレシピを覚えたんだろうと首を傾げる。
不思議に思いながら聞いてみると、なんと水の宮の書庫にはレシピ本もあるらしい。なんでこの宮の主である俺が知らないで、他のみんなは知ってるのかな……?
「そのウンディーネはどこに行ったのー? 宮の中には気配がないけど」
「えっとね、アルのところに遊びに行くって言ってたよ!」
「アルフォンスくんのところに? いきなり行って迷惑かけてなかったら良いんだけどなぁ……ルーは?」
「ランと遊びに行ったよ!」
え、珍しいね。仲良しなのは知ってたけどランがクレアちゃんの傍を離れるなんて。あの一件から基本的にずっと一緒にいたのに。
「そっか。じゃあ俺はもう行くよ。マカロン、楽しみにしてるね」
「うん!」
「僕たちのことは忘れているのかと思っていましたよ」
「えー? そんなことないけど」
「たしかに精霊王って感じがしたな。と言うよりも愛する子供を見つめる親の目か」
「なにそれ」
どんな目? 普通にお話ししていただけなのに。親馬鹿みたいに言われたくないんですけどー。
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