【完結】アウローラ・ロレーヌの華麗なる復讐計画 ~皆様、仲良く地獄へ落ちましょう!~

山咲莉亜

文字の大きさ
8 / 26
アウローラ・ロレーヌの華麗なる復讐計画 ~皆様、仲良く地獄へ落ちましょう!~

8 夜の女神に愛を捧ぐ

しおりを挟む
 あの日、アウローラは初めてフェリクスとの約束を破った。アウローラが夜にひとりで外出していたことが父にバレ、監視付きで謹慎を命じられてしまったからである。それから三日後、ロレーヌ伯爵家は朝から大騒ぎだった。屋敷内の人があまりにも慌ただしく動き回っているため監視に事情を聞いたところ、何を思ってか急遽ロンバルティ辺境伯がロレーヌ伯爵家を訪れることになったらしい。そして今、アウローラは目の前で寛ぐ美しい彼をじとりと睨んでいた。

「おはようアウローラ。今日も良い天気だな」
「大雨よ」

 女性に笑顔を見せることなど一切ない、冷酷無慈悲な辺境伯様は一体どこに行ったのだろうか。実際の天気は真逆だというのに爽やかに微笑む彼の言葉を一刀両断すれば、フェリクスは楽しそうに声を上げて笑った。
 現在アウローラの部屋にはフェリクス以外の誰もいない。監視も家族も、フェリクスの『お願い』で退出したのだ。

「それよりフェリクス、約束を破ってごめんなさい。さっき見たと思うけれど、監視を付けられてしまったのよ」
「気にするな。夜の自由時間を何より楽しみにしている君が急に来なくなったから心配したが、無事ならそれで良い。俺の方ももう少し気を遣うべきだった。何かされたか?」
「少しね」

 絞め殺されるところだった、とは言わない。アウローラもどれほどフェリクスに愛されているか理解しているのだ。あの時の出来事をすべて話せば、アウローラが復讐する前に彼が手を下してしまうだろう。そうなれば別の意味で計画が頓挫する。それだけは絶対に避けたい。アウローラは最も彼らが苦しむ形で断罪したいのだ。

「へぇ……証拠は取ってあるのか?」
「もちろん。フェリクスは私がただで苦しめられるような女だと思っているのかしら?」
「違うな。やられた分は倍以上で返すのが俺の惚れたアウローラ・ロレーヌという女性だ」
「その通り」

 フェリクスと日中に会うのは久しぶりだ。多忙ゆえに普段は夜に作戦会議をしているので、今日は話し合いの時間が短い。婚姻の儀は三日後に迫っているし監視があるから彼と会えるのは今日が最後になるだろう。最後の作戦会議をしようと姿勢を正せば、アウローラの意図を読み取ったらしいフェリクスも同じようにしてくれた。

「さて、最後の準備を始めましょう」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

こうして私は悪魔の誘惑に手を伸ばした

綴つづか
恋愛
何もかも病弱な妹に奪われる。両親の愛も、私がもらった宝物もーー婚約者ですらも。 伯爵家の嫡女であるルリアナは、婚約者の侯爵家次男ゼファーから婚約破棄を告げられる。病弱で天使のような妹のカリスタを抱き寄せながら、真実の愛を貫きたいというのだ。 ルリアナは、それを粛々と受け入れるほかなかった。 ゼファーとカリスタは、侯爵家より譲り受けた子爵領へと移り住み、幸せに暮らしていたらしいのだが。2年後、『病弱』な妹は、出産の際に命を落とす。 ……その訃報にルリアナはひっそりと笑みを溢した。 妹に奪われてきた姉が巻き込まれた企みのお話。 他サイトにも掲載しています。※ジャンルに悩んで恋愛にしていますが、主人公に恋愛要素はありません。

皇后マルティナの復讐が幕を開ける時[完]

風龍佳乃
恋愛
マルティナには初恋の人がいたが 王命により皇太子の元に嫁ぎ 無能と言われた夫を支えていた ある日突然 皇帝になった夫が自分の元婚約者令嬢を 第2夫人迎えたのだった マルティナは初恋の人である 第2皇子であった彼を新皇帝にするべく 動き出したのだった マルティナは時間をかけながら じっくりと王家を牛耳り 自分を蔑ろにした夫に三行半を突き付け 理想の人生を作り上げていく

悪役令嬢の妹は復讐を誓う

影茸
恋愛
王子との婚約を冤罪によって破棄され、何もかも失った少女メイア・ストラード。 そしてその妹、アリアは絶望に嘆き悲しむ姉の姿を見て婚約を破棄した王子に復讐を誓う。

“いつまでも一緒”の鎖、貴方にお返しいたします

ファンタジー
男爵令嬢エリナ・ブランシュは、幼馴染であるマルグリット・シャンテリィの引き立て役だった。 マルグリットに婚約が決まり開放されると思ったのも束の間、彼女は婚約者であるティオ・ソルベに、家へ迎え入れてくれないかというお願いをする。 それをティオに承諾されたエリナは、冷酷な手段をとることを決意し……。 ※複数のサイトに投稿しております。

とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜

入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】 社交界を賑わせた婚約披露の茶会。 令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。 「真実の愛を見つけたんだ」 それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。 愛よりも冷たく、そして美しく。 笑顔で地獄へお送りいたします――

[完結]裏切りの学園 〜親友・恋人・教師に葬られた学園マドンナの復讐

青空一夏
恋愛
 高校時代、完璧な優等生であった七瀬凛(ななせ りん)は、親友・恋人・教師による壮絶な裏切りにより、人生を徹底的に破壊された。  彼女の家族は死に追いやられ、彼女自身も冤罪を着せられた挙げ句、刑務所に送られる。 「何もかも失った……」そう思った彼女だったが、獄中である人物の助けを受け、地獄から這い上がる。  数年後、凛は名前も身分も変え、復讐のために社会に舞い戻るのだが…… ※全6話ぐらい。字数は一話あたり4000文字から5000文字です。

あなただけが頼りなの

こもろう
恋愛
宰相子息エンドだったはずのヒロインが何か言ってきます。 その時、元取り巻きはどうするのか?

【追加】アラマーのざまぁ

ジュレヌク
恋愛
幼い頃から愛を誓う人がいた。 周りも、家族も、2人が結ばれるのだと信じていた。 しかし、王命で運命は引き離され、彼女は第二王子の婚約者となる。 アラマーの死を覚悟した抗議に、王は、言った。 『一つだけ、何でも叶えよう』 彼女は、ある事を願った。 彼女は、一矢報いるために、大きな杭を打ち込んだのだ。 そして、月日が経ち、運命が再び動き出す。

処理中です...