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第二章 開戦

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「ぐすっ」

まずは泣き真似からね。我ながらわざとらしいとは思ったけれど、全く疑われてないようだわ。

「おや?わざわざ敵兵に潜り込んできたのに、あっさり捕まって泣いているのかな?」

これで本当に頭脳にあたる方なの?影武者だったりしません?

「…」

「…わたし、…殺されるの?」

頑張ってわざとらしくないように、泣き真似しながら演技します。ちょっと笑いそうですわ。

「さぁ、どうだろうねぇ。殺されるかも知れないねえ?」

…私、この方の話し方嫌いですわ。情報聞き出したらここにいる全員始末して帰りましょ。

「はっ!折角捕まえたんだ。綺麗な顔してるし少し遊んでやってから殺した方が良いんじゃねぇ?」

貴方は黙っていてくださいまし。いかにも弱そうですわ。

「……」

「そうだねぇ。そろそろどうにかしないと、いつまでもこのままって訳にはいかないかなぁ?」

プルプルと震えるふりをします。イメージは生まれたての小鹿ですわ!可愛いですよね!

「ねぇ、きみ。痛めつけられて殺されるか、遊ばれてから殺されるか、両方されて殺されるか、どれがいいかなぁ?僕は最後のがいいと思うんだけど」

「…ぜ、全部……いや…」

「ええ?どれか選んでよ?つまらないだろう?」

そろそろかしら。

「……じゃあ………そ、その前に…どうやって…わたしの国に勝つつもりなのか…教えてくださる…?」

絶望して震えながら、最後にひとつだけ……といった感じで聞いてみます。これでどうかしら?

「ん~、じゃあ特別だよ?どうせもう死ぬもんねぇ?」

「がはは!そうだな!さっさと教えてやれよ」

「向こうの国は仮にも帝国、強いからね?一応、最終手段を用意してあるんだよ。ひとつでも強力すぎる武器。わかる?ひとつで何万人も死んでしまう。」

「な、なに?」

「核兵器!大量に用意してあるからね。ドドォーンと一気に使おうと思ってるんだ!いいでしょ?」

核?それも大量に?まずいですわ、さっさと解体してしまわないと……

「場所はねぇ、全部ーーの倉庫の中!きっと楽しい時間になるよ?……そうだ、いいこと思い付いた!どうせなら君も使ってみる?仲間を殺して、きっと恨まれるだろうねぇ。でもあんな自国の領土を広げようともしない、平和な脳内お花畑の国民ばっかりの国なんていらないよねぇ?きっと彼らは僕たちに殺されるべくして生まれてきたん…だ…よ…」

「おい、どうしたんだ?とつぜ……ぐわぁぁぁぁ!」

「なんてこと言いますの?長い間平和な国を築き上げてきた皇族の方や国民を侮辱しないでくださいませ。私、貴方たちは絶対に許しませんわよ」

って、もう全員殺してしまいましたわ。

「なにごとだ!?おいっ!なぜ動ける?手枷などはどこにいった!」

「あんなもの、一瞬で外せますわよ。これくらい常識ですわ。そもそも私が牢から出ている時点でおかしいとは思いませんの?」

「はっ、そういえばそう…だ…」

短剣を一気に投げて全員同時に倒します。私は暗殺する時はナイフで急所を一突きにしますのよ。その方が確実でしょう?無駄に戦うよりも。

さて、倉庫に向かいましょう。一人では恐らく間に合いませんから一度戻った方がいいわね。
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