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第二章 開戦

2-11 マリナside

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メルリーエンとの戦いについて私が提案した作戦は最初、猛反対された。
結果的に私の作戦が実行されることとなったが、この戦いで私は多分死ぬ。

戦いと言うか、戦いになる前に支配してしまうのだが、まあ分かりにくいため戦いと言うことで良いだろう。

作戦が決まり、早速動き始めるため、私は一度必要な道具を取りに戻っていた。
野営しているところに戻るとキース様がどこかに行こうとしているのを見つけた。

自分の死期は自分で分かるものだ。キース様と会えるのも最後になるだろうと思い、彼を追いかけた。

ベルト侯爵家の皆は私が最強だと思っているだろう。きっと死んでしまう可能性が高くても私は生きて戻るだろう、と。
皆が思うほど私は強くない。先祖返りでも。そもそも私達のご先祖だって最強だったわけではないだろう。それなら先祖返りとはいえ、私だって最強にはならない筈だ。


「ーーーこんばんは、キース様。今夜は夜空がとても綺麗ですね」
「っ!」

木に上り、何かを考え終わった様子のキース様に話しかけた。

「マリナもここに座れ。こちらの方が綺麗に見えるぞ」
「では、お言葉に甘えて。……キース様はここで何をなさっていたのです?」
「ただ、一人になりたかっただけで何かしていた訳ではない」

何か悩んでいることでもあるのだろうか?もしそうだとしても私には何も出来ないが…

「あら、そうなのですね」

少しの間、沈黙が降りる。先に沈黙を破ったのはキース様だった。

「マリナは何故ここに?殿下からは例の件で既に動き始めていると聞いたが」
「あら、ご存知だったのですね。一度必要な者を取りに戻っただけですよ。そうしたら、偶然キース様がここに来るのを見付けたもので」
「…そうか」

本当に偶然、キース様を見つけた。メルリーエンに行く前にお会い出来て良かった。

「メルリーエン滞在に必要な物を取りに来ていたのです」
「そうか…」

この人になら打ち明けても良いだろうか。結婚当初と違い私はこの方を信じてしまっている。秘密は守ってくれるだろう。
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