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第二章 開戦

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「…と言うことで、もう少し落ち着いたら様子を見に来るそうだ」
「『そうですか。ありがとうございます。
それから色々とご迷惑と心配おかけしまして申し訳ございませんでした』」

昨日はお互いに安心したせいか、あの後すぐに寝てしまったのでまともに話す(マリナは筆談だが)のは約一か月ぶりか、開戦前から数えるなら三か月ぶりくらいになるか。

宣戦布告されてすぐにマリナは諜報に行き帰ってきてもすぐ開戦し、その後も昨日までマリナは昏睡状態だったので落ち着いてまともに話すのは、三か月ぶりくらいになるな。

「迷惑はかけられていない。マリナがいなければ今頃この国もどうなっていたか分からないしな。だが心配は大いにしたので謝罪は受け取っておこう」

そう言うと一瞬目を丸くして、声は出ていないがクスクスと笑った。久しぶりの笑顔、可愛いな。久しぶりなことばかりだなそういえば。

「今日は何かしたいことはあるか?」
「『朝食は取りましたし、太陽の光を浴びた方がいいとは言われましたよね。
ですがこの状態では出来そうにありませんわ』」

苦笑してそんな風に書いた紙を見せてきた。筆談用にメモ帳とペンを常に持ておくよう渡している。

「…そうだな。では少し触れるぞ?」

マリナの答えを聞く前に抱き上げると、驚いたのか慌てて俺の首に腕を回してギュッと抱きしめてきた。顔を見ると真っ赤で、やっぱり可愛いなと思った。失うかもしれない状況が続いていてそれどころではなかったので、その反動か知らないがマリナのことが前以上に愛おしく思える。

それに、マリナの言動がいちいち可愛いと思ってしまう。これでマリナが完全に回復したら俺はどうなってしまうのか…

「こうすれば、動けなくても問題ないだろう?辛くはないか?」
「『はい、大丈夫です。それよりいきなり抱き上げられたので驚きましたわ。
それと、重くはないですか?』」
「よかった。全然重くないぞ、むしろ軽すぎて心配なくらいだ。早く今まで通りの食事が取れるようになったらいいが」

それでもマリナは小食だったので軽いのに変わりはないと思うがな。今のマリナは痩せすぎだが以前のマリナはスタイル抜群だったし、多少太っていたとしてもマリナが可愛くて愛おしいのは変わらない。

「『頑張ります!』」

両手で握りこぶしをつくり、胸の前で掲げて見せてくれた。別に無理して頑張ろうとしなくていいんだがな。

ーーー
マリナが筆談しているときに、途中で行間が変わっているのはマリナが行を変えて文字を書いているという表現のつもりです。長文書くときは読みやすいように行を変えたりしますからね。
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