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第1章
四月の終わりと君との出会い(前編)
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キーンコーンカーンコーン。
教室に備え付けられたスピーカーから授業終了を知らせるチャイムが鳴る。その途端、さっきまでカリカリという文字を書く音に支配されていた教室は、所々から聞こえるため息とともに急に騒がしくなった。
今は四月ももうすぐ終わり、五月になろうという時期である。
中学三年生になった時岸帆文(ときぎしほぶみ)は実力テストを受けていた。
「はい。それじゃあ、鉛筆を置いて後ろの人は解答用紙を集めてきてください」
テスト監督をしていた若い女教師は胸の辺りで手を合わせて言った。
帆文は固くなった身体をほぐすように腕を伸ばしながら、笑顔を浮かべている夜志野秋姫(やしのあき)先生を見た。
夜志野先生は英語担当で、このクラスの担任だった。整った顔立ちに長い黒髪、そして、いつも浮かべている穏やかな笑顔が特徴の教師はまだ新任三年目である。彼女は生徒達から密かにヒメ先生と呼ばれていた。それはなめられているからではない。生徒思いで何事にも一生懸命な先生に対して、生徒達はある種の尊敬と親しみを込めてそう呼んでいた。
テストを集め終えると、号令をして授業が終わる。すると、帆文は突然背後から声を掛けられた。
「文、何ぼーっとしてるの?」
帆文が背後へ振り向くと、そこには顔立ちの整った少年が立っていた。
「別に」
帆文はこれ以上ないくらい短い返事を返すと、首を振った。淡泊な返事も気にせず、少年はにやっと口元を歪めた。
「もしかして、ヒメ先生に見とれてた?」
「アホか。ケイとは違うんだよ」
帆文はかぶりを振ってぶっきらぼうに言い放つ。
「ヒメ先生はきれいだから見とれても仕方ないよ」
ケイと呼ばれた少年はにやにやしながら、帆文をからかう。
「だから、見とれてないって」
帆文は憮然とした表情を浮かべた。
少年の名は東田敬勝(ひがしだただかつ)。帆文の友人だった。軽いノリの少年で、敬勝という堅苦しい名前を嫌い、友人にはケイと呼ぶように言っていた。
「恥ずかしがらなくてもいいのに」
「あのなあ。俺はケイみたいに惚れっぽくないから」
「人を盛りのついた猫みたいにいうのは聞き捨てならないね」
「惚れっぽいっていっただけだろ。まあ、間違ってないと思うけど」
「うわー、傷つく」
「自分で言っといて何言ってんだ。それに惚れっぽいのは事実だろ」
「む、確かにそうだけど。僕はいつでも真剣だよ」
「はいはい」
帆文は流すように、返事をする。そんな帆文に対して、ケイは斜め後ろを見ながら呻く。
「ひどい。ニシアキもそう思うだろ?」
そこには短髪の少年が座っていた。
「ん? なんだ?」
「文がいじめるの」
「ケイが自爆しただけだ」
「ああ。いつものことか」
「それはどっちのこと?」
ケイの言葉をスルーして、ニシアキは窓の外を眺める。
「外に何かあるのか」
帆文はニシアキの見ている方を見る。そこには何の変哲のない運動場が広がっているだけだった。
「いや、特に何もない」
そう言うとニシアキは帆文のほうに向き合う。
「テストどうだった?」
「まあまあ」
帆文はこともなげに答える。
「文ってまあまあっていいながら、いつも九十点ぐらい取るよね」
ケイは恨めしそうにじとっとした目で見る。
「たまたまだ」
「これだからできるやつは」
ケイははんっと呻くと、肩をすくめた。そんなケイをスルーして帆文はニシアキを見る。
「ニシアキはどうだった?」
「社会と英語はできたかな。国語はよくわからん」
「いいなあ。僕なんて全部駄目だったのに」
ケイは呻くように言うと、帆文は無機質に答える
「どんまい」
「心がこもってない」
ケイは白々しい帆文を見た。帆文は一瞬思案すると、また口を開く。
「どんまい、ケイ。勉強が出来ても社会に出た時、特に役に立たないから気にするな」
「勉強できるやつに言われると、最高に腹立つ言葉だね」
「文が言うと説得力あるけどな」
「なんで?」
ケイの疑問の声にニシアキはぽつりと呟く。帆文は何を言ったのか聞こえなかった。
「ああ、確かに」
ニシアキの言葉にケイはなるほどと頷く。帆文は訝しげに顔をしかめた。
「どういう意味だよ」
「どういうって」
「だってねえ」
ニシアキとケイは互いに顔を見合わせる。帆文はわけがわからない。
「?」
困惑する帆文にニシアキが口を開く。
「この中で社会を知っているのは文だけってことだ」
その言葉に帆文は「ああ」と理解したように頷く。そこで夜志野先生が戻ってきた。
「それじゃあ、帰りの会をしましょう」
その一言で、喧噪に包まれた教室は沈静化していく。三人はそれぞれの席に戻ると、帰り支度を始めた。
放課後、帆文はショルダーバッグを肩にかけると、教室を出ようとした。しかし、突然ケイに呼び止められる。
「文って今日はあれ」
いつもの調子の良さは一切なりを潜めた様子のケイは、おずおずと尋ねた。
「ああ」
帆文は不思議に思いながら、頷く。
「時間ってないよね?」
「いや、今日は五時間で終わりだし、少しならあるけど」
「それなら、放課後の掃除代わってくれない。多目的室なんだけど」
「・・・・・・なんで?」
「ちょっと用事があって」
「部活?」
ケイはサッカー部に入っていた。小学校からやっていたのでそこそこ上手いらしい。ポジションは右フォワードだった。
「うん、そんなところ」
「まあ、いいけど」
「ありがとう。今度ジュースおごるから」
そう言うと、ケイは両手を合わせて頭を下げながら、走って教室を出て行った。そんなケイを見ながら帆文は、ニシアキの方を見た。
「この前、ニシアキとも代わってなかったっけ」
「そうだな」
ニシアキは黒いリュックサックを背負いながら頷く。
「もしかしてケイ、何かあった?」
「多分、いつものことだろ」
帆文の疑問にニシアキはあっさりと答えた。
「ああ、そういうこと」
その言葉で帆文は納得した。そして、ニシアキに尋ねる。
「もしかして、何か聞いている?」
「いや。でも、そのうち言ってくるだろ」
「そうだな」
そう言うと、帆文は教室掃除をするために鞄を下ろした。
「じゃあ、頑張れよ」
「ニシアキも部活頑張って」
ニシアキはこくりと頷くと、教室を出て行った。彼は、吹奏楽部に入っていた。担当はパーカッションである。ドラムから木琴まで何でも叩いていた。
「それじゃあ、さっさと掃除を終わらせるか」
そう呟くと、帆文は多目的室に向かった。
帆文は掃除を終えると、自転車に乗って下校した。向かう先は家ではない。通学路を外れ、住宅街の中を二十分ほどこいでいく。すると、古い家に着いた。家には看板が掛かっており、そこには「柴宮古書店」と書かれている。
そこが帆文がいつも放課後に向かう先である。
自転車を家の脇にある小さな駐車場の隅に止めると、帆文は正面入口から家に入った。
「こんにちは」
帆文は勝手開きになっている入口から入る。すると、本独特のほこりっぽいような、かびっぽいような匂いが鼻腔をくすぐった。
店内には並行に並べられた本棚が広がっていて、棚には大量の本が整然と並べられている。入口付近にはハードカバーや文庫本といった文学本が作者別に並べられ、奥には図鑑や画集、雑誌といった大型本が並んでいる。
店内の一番奥にはカウンターがあり、そこには赤いエプロンをつけたショートカットで眼鏡をかけた女性が座って本を読んでいた。
「早いわね」
女は壁に掛けられた時計を見ると、針は午後三時過ぎを指していた。いつも帆文がここに来るのは四時過ぎである。つまり、いつもより一時間も早い。帆文はその理由を説明する。
「今日は実力テストだったので、学校は五時間で終わりだったんです」
「へぇ、テストは出来たの?」
「ぼちぼちです」
「そう。何をするかはあなたの自由だけど、勉強はちゃんとやっておきなさい」
その言葉に帆文は驚いたような表情を浮かべた。
「意外ですね。宮さんは勉強とかしない派だと思ってました」
その言葉に宮さんと呼ばれた女は憤慨したように頬をふくらませる。帆文は昔からの知り合いである彼女のことをいつも宮さんと呼んでいた。彼女の名前は柴宮幸(しばみやみゆき)。この店の店長だった。
「ここじゃ店長って呼ぶ約束でしょ」
「あ、はい。すいません。店長」
帆文は素直に謝る。その反応に店長は満足気に頷くと、ふくらました頬を元に戻した。
「よろしい。あと、私だって色々考えているんだから、そう言われるのは心外ね」
「色々って例えば?」
帆文が尋ねると、店長は笑顔で即答した。
「愛と平和について」
帆文はげんなりしたようにを見た。
「・・・・・・ちなみに、本気ですか?」
「本気(まじ)よ」
店長は真剣な表情で頷く。帆文はこれ以上話してもろくなことにならないと判断すると、適当に話題を切り上げる。
「じゃあ、そういうことにしておきますね」
「なあに、つれないわね。何か嫌なことでもあった?」
「バイト前に疲れたくないだけです」
げんなりした様子でそう言うと、帆文は店の奥にある部屋に入るために靴を脱いだ。
その部屋は居間のようになっていて、真ん中にはテーブルがある。そして、壁にハンガーにかけられた仕事用のエプロンが掛かっていた。帆文はいつもはそこに荷物を置き、仕事着であるエプロンを身につけていた。
帆文は部屋に入り、仕事の準備をしようとする。しかし、普段ならありえないものが目に入り、帆文はとっさに声をあげた。
「え?」
「え?」
声が重なる。
そこには一人の少女が座っていた。見知らぬ制服を着ていることから学生であることがわかる。
二人の間に沈黙が流れる。
帆文は少女をじっと見つめた。少女もまた帆文の方をじっと見つめている。
肩まで伸びた黒髪。
黒色のフレームの眼鏡。
伏し目がちで、やや垂れた瞳。
小柄な体型。
どことなく儚い印象の少女だった。
帆文は四ヶ月前からここに通っていたが、彼女のことは今まで一度も見たことなかった。
「えっと」
帆文はなんとか言葉を発するが、何を言っていいかわからない。すると、背後から声が響いた。
「ずいぶんと長く見つめ合ってるわね」
帆文と少女は頬を赤く染めながら、慌てて声の方に顔を向ける。
そこには顔だけ出した店長がいた。その口元はにやにやとしたこらえきれない笑みが浮かんでいる。
帆文は店長のもとへ急いで近寄ると、小声でささやいた。
「誰ですか?」
「目の前にいる本人に聞きなさいよ。ウブな帆文くん」
揶揄するような店長に帆文はいらっと口元を歪める。
「・・・・・・もしかして、ねらってやってます?」
帆文はじとっとした目で店長をにらみつける。しかし、彼女はそんな帆文の言葉をスルーして口を開いた。
「本当は着替えてるところに入っていってほしかったんだけど、着替える服がなかったのが残念でならないわ」
「何させようとしているんですか」
「本当、人生うまくいかないわね」
店長は両手を広げ、大げさに嘆く。
「つまらないことで勝手に人生を悟らないでください」
「うちも仕事用の制服を導入しようかしら」
「そんなしょうもない理由で導入しないでください」
「でも、思春期だとそういうの見れると嬉しいでしょ」
「知らない人の着替え見ても気まずいだけです」
「知っている人の方が気まずいでしょ。それとも、文は知っている人の着替えを見たい派?」
「殴っていいですか?」
「わー、こわい」
ちゃかすような店長に対して、帆文が拳を振り上げると、背後から声が聞こえた。
「あの・・・・・・」
それはまるで生まれたての子犬が鳴いているような、か細く儚い声だった。
帆文と店長は少女の方を見る。その途端、少女はびくっと震えると、俯いてしまった。
「あーあ、文が怖い顔するからよ」
「店長がイカレているからです」
「イカレてるは酷くない?」
「だったら、まともな大人になってください」
「十分まともじゃない」
「どこがですか」
軽口をたたき合い終えると、帆文はため息をついた。
「で、この子は誰です?」
「新しいバイトよ。ほら、文、自己紹介して」
店長に勧められて、帆文はもう一度ため息をつく。そして、少女を方を見た。
「時岸帆文です。よろしくお願いします」
そう言って帆文はぺこりと頭を下げる。少女はそんな帆文を見て、慌てて口を開く。
「あのっ、そのっ、草川鈴恵(くさかわすずえ)です。よろしくお願いします」
そして、少女は勢いよく頭を下げた。
「ちなみに、鈴ちゃんは文と同じ学年だからよろしくね」
店長が付け足すように言った。帆文は中学三年生だったが、中学生がバイトをするわけにはいかないので。体面上は高校一年生ということにしていた。教師など知っている大人が来てバイトをしていることがバレたらまずいのだが、帆文が働いているのは住宅街にある小さな古書店である。お客さんといっても毎日それほど来るわけではない。そのため、幸い今まで知り合いが来たことは一度もなかった。おそらく今後もないだろう。
少女はその言葉にはっと驚いたように目を見開くと、こくこくと頷いた。どことなくか弱い小動物を思わせるような動きだった。
「じゃあ、文。後は任せたから。鈴ちゃんに仕事のやり方を教えてあげて」
「え? そういうのって店長が教えるんじゃないんですか?」
「何言ってるの。ここからは交代でしょう。それに私は私の仕事があるから、教えるのはあなたの仕事よ」
「そう言うものですか?」
「ええ。何かあったらフォローはするわ。だから、一度やってみなさい」
「それなら、わかりました」
「私が教えたようにやれば簡単でしょう」
「そりゃ、簡単でしょう。店長は見て覚えろしか言わなかったんですから」
「あれ、そうだったっけ?」
とぼけたように言うと、店長は家の奥へ入っていた。
帆文ははあっとため息をつくと、鈴恵を見た。
「じゃあ、草川さん。まずはそこにあるエプロンをつけてください」
帆文は壁に掛かっているエプロンを指さす。そこには、単色のエプロンが数枚かかっていた。ピンク、緑、白、黒とカラフルである。
鈴恵は「はっ、はい」と上ずった声で威勢よく返事した。そして、エプロンを取ろうとして、動きを止める。
「あの、どれを使ったらいいんでしょうか?」
「どれでもいいです。ああ、黒は俺のだからそれ以外から選んでください」
鈴恵は「わかりました。ありがとうございます」というと、エプロンを選び始める。その間に帆文は荷物を下ろした。そして、鈴恵の方を見た。彼女はエプロンを選び終えたようで、白いエプロンを手に取っていた。帆文は黒いエプロンを手に取る。そして、二人でエプロンを身につけた。
「じゃあ、仕事の仕方を教えますね」
帆文がそう言うと、鈴恵はこくりと頷く。そして、真剣な面持ちで、
「はい。よろしくお願いします」
と言って丁寧にまた頭を下げた。
どこからどう見ても緊張していた。表情もがちがちに固く、どこか強ばってさえいた。
帆文はさっき店長を殴ると言ったのが失敗だったかと反省しながら、どうしようかと考える。
店長曰く、鈴恵は高校一年生である。帆文にとってバイト先では先輩とは言え、年上の女性に緊張されるのは居心地が悪かった。だから、帆文はできるかぎりの笑顔を浮かべると口を開く。
「そんなかしこまらなくていいですよ。気楽にいきましょう」
そんな帆文を鈴恵は一瞬、驚いた表情で見る。しかし、すぐにぎこちなく笑顔を浮かべた。その顔はやっぱり強ばっている。
「はっ、はい」
「えっと、もう少し肩の力抜いていいですよ」
「すっ、すいません」
慌てて鈴恵は頭を下げる。そして、しかられた子犬のようにうなだれた。
帆文は失敗したかなと反省しながら、心の中でため息を吐く。
「いや、謝らなくていいですから」
「はい、・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
鈴恵はまた頭を下げる。蚊の鳴くような声だった。
帆文はどうしたらいいのか考えるが、この状況を打開するよい手は何も浮かばなかった。初対面の人に気を遣ってみたが、うまくいかない。慣れないことはするものじゃないと思った。同時に、この気まずい雰囲気のままバイトをするのは、気持ち的にしんどいが、任された仕事である以上何があっても必ずやり遂げなければならないとも思う。
帆文はもともと責任感は強い方だった。しかし、それ以上に大人はきっと任された仕事はなんでもするだろう。そんな歪んだ強迫観念が今の帆文を動かしていた。
「じゃあ、草川さんこっちに来てください」
そう言って帆文は居間から店へ出る。その時だった。
「あのっ」
突然、鈴恵が今までで一番大きな声を出した。帆文はビクッと身体を震わせながら驚き、慌てて振り向く。すると、鈴恵は真剣な表情で帆文を見つめていた。そして、はっきりと言い放つ。
「鈴恵って呼んでください」
突然、言われた言葉に帆文は困惑する。脳裏でなぜ突然こんなことをいったのか考えるが、一切わからない。ただ、彼女が高校一年生である以上、年上であることは間違いない。だから、帆文の返事は決まっていた。
「いえ、草川さんの方が絶対に年上なので、草川さんって呼びます」
「ええ?」
精一杯の勇気を振り絞った鈴恵はショックを受けたように目を伏せると、うなだれた。
これが帆文と鈴恵の最初の出会いだった。
ちぐはぐでかみ合わない、お互いに自分のことしか見えていない、子どもと子どもの出会いだった。
教室に備え付けられたスピーカーから授業終了を知らせるチャイムが鳴る。その途端、さっきまでカリカリという文字を書く音に支配されていた教室は、所々から聞こえるため息とともに急に騒がしくなった。
今は四月ももうすぐ終わり、五月になろうという時期である。
中学三年生になった時岸帆文(ときぎしほぶみ)は実力テストを受けていた。
「はい。それじゃあ、鉛筆を置いて後ろの人は解答用紙を集めてきてください」
テスト監督をしていた若い女教師は胸の辺りで手を合わせて言った。
帆文は固くなった身体をほぐすように腕を伸ばしながら、笑顔を浮かべている夜志野秋姫(やしのあき)先生を見た。
夜志野先生は英語担当で、このクラスの担任だった。整った顔立ちに長い黒髪、そして、いつも浮かべている穏やかな笑顔が特徴の教師はまだ新任三年目である。彼女は生徒達から密かにヒメ先生と呼ばれていた。それはなめられているからではない。生徒思いで何事にも一生懸命な先生に対して、生徒達はある種の尊敬と親しみを込めてそう呼んでいた。
テストを集め終えると、号令をして授業が終わる。すると、帆文は突然背後から声を掛けられた。
「文、何ぼーっとしてるの?」
帆文が背後へ振り向くと、そこには顔立ちの整った少年が立っていた。
「別に」
帆文はこれ以上ないくらい短い返事を返すと、首を振った。淡泊な返事も気にせず、少年はにやっと口元を歪めた。
「もしかして、ヒメ先生に見とれてた?」
「アホか。ケイとは違うんだよ」
帆文はかぶりを振ってぶっきらぼうに言い放つ。
「ヒメ先生はきれいだから見とれても仕方ないよ」
ケイと呼ばれた少年はにやにやしながら、帆文をからかう。
「だから、見とれてないって」
帆文は憮然とした表情を浮かべた。
少年の名は東田敬勝(ひがしだただかつ)。帆文の友人だった。軽いノリの少年で、敬勝という堅苦しい名前を嫌い、友人にはケイと呼ぶように言っていた。
「恥ずかしがらなくてもいいのに」
「あのなあ。俺はケイみたいに惚れっぽくないから」
「人を盛りのついた猫みたいにいうのは聞き捨てならないね」
「惚れっぽいっていっただけだろ。まあ、間違ってないと思うけど」
「うわー、傷つく」
「自分で言っといて何言ってんだ。それに惚れっぽいのは事実だろ」
「む、確かにそうだけど。僕はいつでも真剣だよ」
「はいはい」
帆文は流すように、返事をする。そんな帆文に対して、ケイは斜め後ろを見ながら呻く。
「ひどい。ニシアキもそう思うだろ?」
そこには短髪の少年が座っていた。
「ん? なんだ?」
「文がいじめるの」
「ケイが自爆しただけだ」
「ああ。いつものことか」
「それはどっちのこと?」
ケイの言葉をスルーして、ニシアキは窓の外を眺める。
「外に何かあるのか」
帆文はニシアキの見ている方を見る。そこには何の変哲のない運動場が広がっているだけだった。
「いや、特に何もない」
そう言うとニシアキは帆文のほうに向き合う。
「テストどうだった?」
「まあまあ」
帆文はこともなげに答える。
「文ってまあまあっていいながら、いつも九十点ぐらい取るよね」
ケイは恨めしそうにじとっとした目で見る。
「たまたまだ」
「これだからできるやつは」
ケイははんっと呻くと、肩をすくめた。そんなケイをスルーして帆文はニシアキを見る。
「ニシアキはどうだった?」
「社会と英語はできたかな。国語はよくわからん」
「いいなあ。僕なんて全部駄目だったのに」
ケイは呻くように言うと、帆文は無機質に答える
「どんまい」
「心がこもってない」
ケイは白々しい帆文を見た。帆文は一瞬思案すると、また口を開く。
「どんまい、ケイ。勉強が出来ても社会に出た時、特に役に立たないから気にするな」
「勉強できるやつに言われると、最高に腹立つ言葉だね」
「文が言うと説得力あるけどな」
「なんで?」
ケイの疑問の声にニシアキはぽつりと呟く。帆文は何を言ったのか聞こえなかった。
「ああ、確かに」
ニシアキの言葉にケイはなるほどと頷く。帆文は訝しげに顔をしかめた。
「どういう意味だよ」
「どういうって」
「だってねえ」
ニシアキとケイは互いに顔を見合わせる。帆文はわけがわからない。
「?」
困惑する帆文にニシアキが口を開く。
「この中で社会を知っているのは文だけってことだ」
その言葉に帆文は「ああ」と理解したように頷く。そこで夜志野先生が戻ってきた。
「それじゃあ、帰りの会をしましょう」
その一言で、喧噪に包まれた教室は沈静化していく。三人はそれぞれの席に戻ると、帰り支度を始めた。
放課後、帆文はショルダーバッグを肩にかけると、教室を出ようとした。しかし、突然ケイに呼び止められる。
「文って今日はあれ」
いつもの調子の良さは一切なりを潜めた様子のケイは、おずおずと尋ねた。
「ああ」
帆文は不思議に思いながら、頷く。
「時間ってないよね?」
「いや、今日は五時間で終わりだし、少しならあるけど」
「それなら、放課後の掃除代わってくれない。多目的室なんだけど」
「・・・・・・なんで?」
「ちょっと用事があって」
「部活?」
ケイはサッカー部に入っていた。小学校からやっていたのでそこそこ上手いらしい。ポジションは右フォワードだった。
「うん、そんなところ」
「まあ、いいけど」
「ありがとう。今度ジュースおごるから」
そう言うと、ケイは両手を合わせて頭を下げながら、走って教室を出て行った。そんなケイを見ながら帆文は、ニシアキの方を見た。
「この前、ニシアキとも代わってなかったっけ」
「そうだな」
ニシアキは黒いリュックサックを背負いながら頷く。
「もしかしてケイ、何かあった?」
「多分、いつものことだろ」
帆文の疑問にニシアキはあっさりと答えた。
「ああ、そういうこと」
その言葉で帆文は納得した。そして、ニシアキに尋ねる。
「もしかして、何か聞いている?」
「いや。でも、そのうち言ってくるだろ」
「そうだな」
そう言うと、帆文は教室掃除をするために鞄を下ろした。
「じゃあ、頑張れよ」
「ニシアキも部活頑張って」
ニシアキはこくりと頷くと、教室を出て行った。彼は、吹奏楽部に入っていた。担当はパーカッションである。ドラムから木琴まで何でも叩いていた。
「それじゃあ、さっさと掃除を終わらせるか」
そう呟くと、帆文は多目的室に向かった。
帆文は掃除を終えると、自転車に乗って下校した。向かう先は家ではない。通学路を外れ、住宅街の中を二十分ほどこいでいく。すると、古い家に着いた。家には看板が掛かっており、そこには「柴宮古書店」と書かれている。
そこが帆文がいつも放課後に向かう先である。
自転車を家の脇にある小さな駐車場の隅に止めると、帆文は正面入口から家に入った。
「こんにちは」
帆文は勝手開きになっている入口から入る。すると、本独特のほこりっぽいような、かびっぽいような匂いが鼻腔をくすぐった。
店内には並行に並べられた本棚が広がっていて、棚には大量の本が整然と並べられている。入口付近にはハードカバーや文庫本といった文学本が作者別に並べられ、奥には図鑑や画集、雑誌といった大型本が並んでいる。
店内の一番奥にはカウンターがあり、そこには赤いエプロンをつけたショートカットで眼鏡をかけた女性が座って本を読んでいた。
「早いわね」
女は壁に掛けられた時計を見ると、針は午後三時過ぎを指していた。いつも帆文がここに来るのは四時過ぎである。つまり、いつもより一時間も早い。帆文はその理由を説明する。
「今日は実力テストだったので、学校は五時間で終わりだったんです」
「へぇ、テストは出来たの?」
「ぼちぼちです」
「そう。何をするかはあなたの自由だけど、勉強はちゃんとやっておきなさい」
その言葉に帆文は驚いたような表情を浮かべた。
「意外ですね。宮さんは勉強とかしない派だと思ってました」
その言葉に宮さんと呼ばれた女は憤慨したように頬をふくらませる。帆文は昔からの知り合いである彼女のことをいつも宮さんと呼んでいた。彼女の名前は柴宮幸(しばみやみゆき)。この店の店長だった。
「ここじゃ店長って呼ぶ約束でしょ」
「あ、はい。すいません。店長」
帆文は素直に謝る。その反応に店長は満足気に頷くと、ふくらました頬を元に戻した。
「よろしい。あと、私だって色々考えているんだから、そう言われるのは心外ね」
「色々って例えば?」
帆文が尋ねると、店長は笑顔で即答した。
「愛と平和について」
帆文はげんなりしたようにを見た。
「・・・・・・ちなみに、本気ですか?」
「本気(まじ)よ」
店長は真剣な表情で頷く。帆文はこれ以上話してもろくなことにならないと判断すると、適当に話題を切り上げる。
「じゃあ、そういうことにしておきますね」
「なあに、つれないわね。何か嫌なことでもあった?」
「バイト前に疲れたくないだけです」
げんなりした様子でそう言うと、帆文は店の奥にある部屋に入るために靴を脱いだ。
その部屋は居間のようになっていて、真ん中にはテーブルがある。そして、壁にハンガーにかけられた仕事用のエプロンが掛かっていた。帆文はいつもはそこに荷物を置き、仕事着であるエプロンを身につけていた。
帆文は部屋に入り、仕事の準備をしようとする。しかし、普段ならありえないものが目に入り、帆文はとっさに声をあげた。
「え?」
「え?」
声が重なる。
そこには一人の少女が座っていた。見知らぬ制服を着ていることから学生であることがわかる。
二人の間に沈黙が流れる。
帆文は少女をじっと見つめた。少女もまた帆文の方をじっと見つめている。
肩まで伸びた黒髪。
黒色のフレームの眼鏡。
伏し目がちで、やや垂れた瞳。
小柄な体型。
どことなく儚い印象の少女だった。
帆文は四ヶ月前からここに通っていたが、彼女のことは今まで一度も見たことなかった。
「えっと」
帆文はなんとか言葉を発するが、何を言っていいかわからない。すると、背後から声が響いた。
「ずいぶんと長く見つめ合ってるわね」
帆文と少女は頬を赤く染めながら、慌てて声の方に顔を向ける。
そこには顔だけ出した店長がいた。その口元はにやにやとしたこらえきれない笑みが浮かんでいる。
帆文は店長のもとへ急いで近寄ると、小声でささやいた。
「誰ですか?」
「目の前にいる本人に聞きなさいよ。ウブな帆文くん」
揶揄するような店長に帆文はいらっと口元を歪める。
「・・・・・・もしかして、ねらってやってます?」
帆文はじとっとした目で店長をにらみつける。しかし、彼女はそんな帆文の言葉をスルーして口を開いた。
「本当は着替えてるところに入っていってほしかったんだけど、着替える服がなかったのが残念でならないわ」
「何させようとしているんですか」
「本当、人生うまくいかないわね」
店長は両手を広げ、大げさに嘆く。
「つまらないことで勝手に人生を悟らないでください」
「うちも仕事用の制服を導入しようかしら」
「そんなしょうもない理由で導入しないでください」
「でも、思春期だとそういうの見れると嬉しいでしょ」
「知らない人の着替え見ても気まずいだけです」
「知っている人の方が気まずいでしょ。それとも、文は知っている人の着替えを見たい派?」
「殴っていいですか?」
「わー、こわい」
ちゃかすような店長に対して、帆文が拳を振り上げると、背後から声が聞こえた。
「あの・・・・・・」
それはまるで生まれたての子犬が鳴いているような、か細く儚い声だった。
帆文と店長は少女の方を見る。その途端、少女はびくっと震えると、俯いてしまった。
「あーあ、文が怖い顔するからよ」
「店長がイカレているからです」
「イカレてるは酷くない?」
「だったら、まともな大人になってください」
「十分まともじゃない」
「どこがですか」
軽口をたたき合い終えると、帆文はため息をついた。
「で、この子は誰です?」
「新しいバイトよ。ほら、文、自己紹介して」
店長に勧められて、帆文はもう一度ため息をつく。そして、少女を方を見た。
「時岸帆文です。よろしくお願いします」
そう言って帆文はぺこりと頭を下げる。少女はそんな帆文を見て、慌てて口を開く。
「あのっ、そのっ、草川鈴恵(くさかわすずえ)です。よろしくお願いします」
そして、少女は勢いよく頭を下げた。
「ちなみに、鈴ちゃんは文と同じ学年だからよろしくね」
店長が付け足すように言った。帆文は中学三年生だったが、中学生がバイトをするわけにはいかないので。体面上は高校一年生ということにしていた。教師など知っている大人が来てバイトをしていることがバレたらまずいのだが、帆文が働いているのは住宅街にある小さな古書店である。お客さんといっても毎日それほど来るわけではない。そのため、幸い今まで知り合いが来たことは一度もなかった。おそらく今後もないだろう。
少女はその言葉にはっと驚いたように目を見開くと、こくこくと頷いた。どことなくか弱い小動物を思わせるような動きだった。
「じゃあ、文。後は任せたから。鈴ちゃんに仕事のやり方を教えてあげて」
「え? そういうのって店長が教えるんじゃないんですか?」
「何言ってるの。ここからは交代でしょう。それに私は私の仕事があるから、教えるのはあなたの仕事よ」
「そう言うものですか?」
「ええ。何かあったらフォローはするわ。だから、一度やってみなさい」
「それなら、わかりました」
「私が教えたようにやれば簡単でしょう」
「そりゃ、簡単でしょう。店長は見て覚えろしか言わなかったんですから」
「あれ、そうだったっけ?」
とぼけたように言うと、店長は家の奥へ入っていた。
帆文ははあっとため息をつくと、鈴恵を見た。
「じゃあ、草川さん。まずはそこにあるエプロンをつけてください」
帆文は壁に掛かっているエプロンを指さす。そこには、単色のエプロンが数枚かかっていた。ピンク、緑、白、黒とカラフルである。
鈴恵は「はっ、はい」と上ずった声で威勢よく返事した。そして、エプロンを取ろうとして、動きを止める。
「あの、どれを使ったらいいんでしょうか?」
「どれでもいいです。ああ、黒は俺のだからそれ以外から選んでください」
鈴恵は「わかりました。ありがとうございます」というと、エプロンを選び始める。その間に帆文は荷物を下ろした。そして、鈴恵の方を見た。彼女はエプロンを選び終えたようで、白いエプロンを手に取っていた。帆文は黒いエプロンを手に取る。そして、二人でエプロンを身につけた。
「じゃあ、仕事の仕方を教えますね」
帆文がそう言うと、鈴恵はこくりと頷く。そして、真剣な面持ちで、
「はい。よろしくお願いします」
と言って丁寧にまた頭を下げた。
どこからどう見ても緊張していた。表情もがちがちに固く、どこか強ばってさえいた。
帆文はさっき店長を殴ると言ったのが失敗だったかと反省しながら、どうしようかと考える。
店長曰く、鈴恵は高校一年生である。帆文にとってバイト先では先輩とは言え、年上の女性に緊張されるのは居心地が悪かった。だから、帆文はできるかぎりの笑顔を浮かべると口を開く。
「そんなかしこまらなくていいですよ。気楽にいきましょう」
そんな帆文を鈴恵は一瞬、驚いた表情で見る。しかし、すぐにぎこちなく笑顔を浮かべた。その顔はやっぱり強ばっている。
「はっ、はい」
「えっと、もう少し肩の力抜いていいですよ」
「すっ、すいません」
慌てて鈴恵は頭を下げる。そして、しかられた子犬のようにうなだれた。
帆文は失敗したかなと反省しながら、心の中でため息を吐く。
「いや、謝らなくていいですから」
「はい、・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
鈴恵はまた頭を下げる。蚊の鳴くような声だった。
帆文はどうしたらいいのか考えるが、この状況を打開するよい手は何も浮かばなかった。初対面の人に気を遣ってみたが、うまくいかない。慣れないことはするものじゃないと思った。同時に、この気まずい雰囲気のままバイトをするのは、気持ち的にしんどいが、任された仕事である以上何があっても必ずやり遂げなければならないとも思う。
帆文はもともと責任感は強い方だった。しかし、それ以上に大人はきっと任された仕事はなんでもするだろう。そんな歪んだ強迫観念が今の帆文を動かしていた。
「じゃあ、草川さんこっちに来てください」
そう言って帆文は居間から店へ出る。その時だった。
「あのっ」
突然、鈴恵が今までで一番大きな声を出した。帆文はビクッと身体を震わせながら驚き、慌てて振り向く。すると、鈴恵は真剣な表情で帆文を見つめていた。そして、はっきりと言い放つ。
「鈴恵って呼んでください」
突然、言われた言葉に帆文は困惑する。脳裏でなぜ突然こんなことをいったのか考えるが、一切わからない。ただ、彼女が高校一年生である以上、年上であることは間違いない。だから、帆文の返事は決まっていた。
「いえ、草川さんの方が絶対に年上なので、草川さんって呼びます」
「ええ?」
精一杯の勇気を振り絞った鈴恵はショックを受けたように目を伏せると、うなだれた。
これが帆文と鈴恵の最初の出会いだった。
ちぐはぐでかみ合わない、お互いに自分のことしか見えていない、子どもと子どもの出会いだった。
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