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第1章
四月の終わりと君との出会い(後編)
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二人で手分けして探すことで、二十冊の本はすぐに見つかった。そして、それぞれの本を封筒や段ボール箱に入れて注文者に郵送する準備をする。ゆっくり流れていた時間は、歯車を巻かれたように勢いよく流れ出す。そこからバイト終了に七時まではあっという間に過ぎた。
こうして、鈴恵のバイト初日は大きな問題なく終了した。
帆文と鈴恵は居間に戻ると、エプロンをハンガーに掛けて戻した。そして、一息つくために畳の上に座る。真ん中にあるテーブルには麦茶の入ったコップとチョコレートが置いてあった。二人が不思議に思っていると、店長が口を開く。
「お疲れ様。よかったら食べて」
店長からの差し入れだった。彼女は適当なように見えて案外、細かい気配りをするタイプの人だった。
「ありがとうございます」
「あっ、ありがとうございます」
帆文と鈴恵はそれぞれお礼を言うと、コップを手に取る。
緊張から喉が渇いていたのか鈴恵は一気に飲み干した。帆文も半分くらい一気に口にする。
一息ついてゆっくりしていると、店長が鈴恵に話しかけた。
「鈴ちゃん、バイト初日はどうだった?」
「あっ、はい。緊張しました。でも、時岸さんがしっかり教えてくれたからなんとかなりました」
「そうなの。文、よかったわね」
帆文は照れくさそうに「どうも」と頷くとチョコレートを口にした。そんな帆文を見ながら、店長はにやりと口元を歪めると鈴恵に質問する。
「そうだ。文に変なことはされなかった?」
突然の質問に鈴恵は驚いたような、戸惑うような声をあげる。
「え? へっ、変なことですか?」
「こらこら、いきなり何言ってるんですか?」
帆文は眉間に皺を寄せながら、店長をにらみ付ける。
「何って、バイト初日の女の子を心配しただけじゃない」
店長は当然のことといわんばかりの態度で言った。
「心配の方向が斜め上過ぎやしませんか?」
帆文はそんな店長にじとっとした目を向ける。
「最近はそういうの厳しいから。ほら、大手企業ならどこの会社でもなんとかハラ委員会を作らないといけないみたいじゃない。だから、うちも心配で」
泣き真似をしながら店長は説明する。鈴恵はそんな二人のやりとりをただぽかんとした表情で見ている。
「じゃあ、パワハラで訴えますよ」
帆文は低い声で店長に言い放つ。
「わー、こわーい。鈴ちゃん。文はこういうやつだから気をつけてね」
店長は両手で身体を抱きかかえながら、鈴恵を見た。
「え? ええ?」
いきなり話を振られた鈴恵は驚くことしかできない。
「草川さん。店長はこういうやつだから気にしないくていいですよ」
帆文はそんな鈴恵に毅然と言い放つ。鈴恵は反射的に頷いていた。
「え? はっ、はい」
鈴恵の返事に店長は頬を膨らませて鈴恵を見る。
「ねえ? なんで、私に対してはええ? で、文にははいなの?」
「へ? いやっ、あのっ」
突然の飛び火に鈴恵は戸惑う。どうしたらいいのかわからなかったので、助けを求めるように帆文を見た。
しかし、帆文は勝ち誇った顔で店長を見ているだけだった。鈴恵は目で帆文に助けてと合図を送るが全く気づかれない。
「どうしてなのかしら? 鈴ちゃん」
一方、店長は圧を強めていく。店長は笑顔を浮かべていた。口元は笑っているのに、目が一切笑っていない、まるで能面みたいに怖い笑顔だった。
「ひぃいいぃ」
鈴恵は小動物のような悲鳴を上げる。なぜか追い詰められていた。目尻に涙が浮かぶ。しかし、どうしたらいいのかわからない。そんなときだった。
「冗談よ。からかってごめんね、鈴ちゃん」
店長は穏やかな笑顔を浮かべた。
「え?」
「さっきも言ったけど、店長はこういう人だから気にしなくていいですよ」
帆文がフォローするように言う。
「そうそう。私達に気を使わなくていいんだから、思ったことがあったら遠慮なく言ってね」
店長は優しく鈴恵に語りかけた。そして、すぐ真顔になって帆文を見る。
「でも、文、こういう人って失礼じゃない?」
「じゃあ、どういうんですか?」
「からかうのが上手とか?」
「さっきのどう見てもパワハラでしたよ」
「ええ? まさかあ。鈴ちゃん違うよね?」
「えっ?」
突然のことに鈴恵は戸惑いの声をあげる。
「ほら、今ので即答しないあたり真っ黒です」
「むう」
店長は憮然とした表情を浮かべた。
「いっ、いえ。そうじゃなくて、突然のことで何も言えなかっただけで。だから、違います」
鈴恵はしどろもどろになりながら、ぶんぶんと首を振る。
「ほら。鈴ちゃんはそう言っているわよ」
店長はどや顔で帆文を見た。
「はいはい」
帆文は手をひらひらと振って、店長の言葉を流した。しかし、店長は気にせず、にやりと笑う。
「残念だったわね。鈴ちゃんは私側に付いたわ。謝るなら今のうちよ」
「子どもかっ」
「子ども心を忘れない大人っていいでしょう」
「ピーターパンみたいなこと言わないでください」
「せめてウィンディっていってほしいなー」
「年齢考えてください。もうアラサーでしょう。言ってて悲しくならないんですか」
「まだ、二十七よ。失礼ねっ」
「アラサーなのは変わらないだろっ」
「あははは」
その時、突然笑い声が響いた。それが鈴恵から発せられたものだと気づくのに、帆文と店長は一瞬遅れる。
「あははははははは・・・・・・」
鈴恵はお腹に手を当てながら笑っていた。そんな鈴恵を店長と帆文はぽかんと見る。
「あっ、ごめんなさい。でも、なんだかおかしくって」
「おかしい?」
「店長の頭が?」
「文、減給」
「ぐっ、それは卑怯です」
「はははははっ」
鈴恵はまた笑い出す。店長と帆文は毒気を抜かれたように、息を吐くと鈴恵を見た。二人の視線に気づくと、鈴恵は大きく息を吐いて笑顔を浮かべた。
「ごめんなさい。二人のやりとりが面白くってつい笑ってしまいました」
「面白い?」
「かなあ?」
帆文と店長は互いに顔を見合わせる。
「ええ。とても面白かったです。お二人は仲いいんですね」
「仲よくはないわね」
「草川さん、それは勘違いです」
店長と帆文は口々に否定する。しかし、鈴恵はくすっと笑うと、
「でも、息ぴったりですね」
と言った。店長と帆文は互いに顔を見合わせ、なんともいえない複雑な表情を浮かべる。そして、店長はぽつりと言った。
「まあ、文は私の弟子だから息はあってるかもね」
「弟子?」
鈴恵が疑問の声を上げる。
「あっ、店長何勝手に―」
「―勝手にって何よ。いいじゃない、本当のことなんだし」
「そうですけど」
何のことかわからない鈴恵はきょとんと二人を見つめる。
「昔、文に空手を教えていたの。まだ、小学生だった頃ね。ちなみに、その頃の文の話聞きたい?」
そう言って店長はにやりと口元を歪めた。帆文はそんな店長を慌てて止める。
「こらっ、何言ってるんですか?」
「冗談よ。でも、あの頃はまだ可愛げがあったのに、どうしてこうなってしまったのかしら」
「どう見ても店長のせいです」
「半分は寛人でしょ」
「むっ。それも否定できませんけど」
「じゃあ、お二人は強いんですね。いいなあ」
鈴恵はどこか遠くを見つめながら、心底うらやましそうに言った。帆文はその言葉に眉を寄せる。高校一年生の女の子の言葉として、強いことをうらやましがるのはとても不思議だった。
「鈴ちゃんも強くなりたいの? なら、私の弟子にしてあげよっか」
「えっ。でも、私身体動かすの苦手ですし。運動とかすごく下手でどんくさいですし」
鈴恵は首をぶんぶん振りながら、自分を一通り卑下する。それが彼女にとって覆らない現実で、偽りのない本心であることは、その姿から痛いほど伝わってきた。
その姿に帆文は既視感を覚えた。脳裏に浮かんだ思い出したくない記憶には、瞬時に蓋をし、なんとか封じ込める。しかし、口元が歪むのだけは我慢できなかった。
店長はそんな鈴恵を見ながら、優しく微笑む。
「苦手でも下手でもいいのよ。それってこれから上達する可能性があるってことでしょ。だから、そんなに自分を貶める必要はないわ」
鈴恵ははっと息を飲む。そして、その言葉に何を思ったのか、驚いたように店長を見つめていた。
「店長ってたまにいいこと言いますね」
「まあね」
店長は胸を張って、どや顔を浮かべた。それさえなければいいのにと帆文は思ったが、あえて口には出さなかった。
鈴恵はしばらく店長を見ていたが、はっと気づくと少し考えるように目を伏せる。そして、小さく頷くと口を開いた。
「ありがとうございます。誘ってもらえたことは、すごく嬉しいです。でも、私お金がないんです。だから、月謝とか払えないので。ごめんなさい」
鈴恵はそう言って顔を伏せた。店長はそんな鈴恵を見て穏やかな笑みを浮かべた。
「大丈夫よ。別に、道場をしているわけじゃないからお金は払わなくていいわ。文だって一円も払ってないでしょ」
「えっ」
店長の言葉に帆文は驚く。実際の所、帆文は月謝のような、指導料のようなお金を払っていた。もっとも、それは帆文が払いたいと言ったから払っていただけで、店長はもともとお金はいらないと言っていた。しかし、事実は払っているということである。だから、店長の言葉には嘘が混じっていた。
そんなちぐはぐな状況に戸惑う帆文に店長はウインクすると、小さく頷いた。そこで帆文は自分が何をすべきか理解する。
「ああ。店長の指導は適当だからお金を払う必要はないですよ」
「むう。適当はないんじゃない」
「本当のことでしょ。店長は基本見て覚えろですし。無茶苦茶殴るし。最初ぼこぼこにされたの忘れてませんからね」
「あら、空手をするんだったら、痛みを知ることは大事でしょう。人を傷つけるだけの一方的な暴力を教えるつもりはないわ」
「まあ、そういう方針はいいと思いますけど」
「だから、鈴ちゃん。お金の心配はいらないわ。代わりに、時間が空いた時に教えるだけ。それでもいい?」
「あっ、はい。ありがとうございます」
鈴恵は笑顔で頷いた。そして、ぺこりと下げる。
「よろしくお願いします」
「そんなかしこまらなくていいわ」
店長はそう言いつつも、どこか嬉しそうだった。
帆文はそんな二人を見ながら、今のやりとりを思い浮かべる。
店長は今、さらりと嘘をついた。それは誰かを傷つけるための嘘ではない。自分を守るための嘘でもない。誰かを助けるための嘘。誰かを思いやった嘘。そんな嘘をとっさに言える姿は、帆文にとってどうしようもなく大人に思えた。
帆文と鈴恵は自転車に二人乗りしながら家路についていた。
帆文が自転車をこいで、鈴恵が鞄を下に引いて荷台に座る。彼女はスカートを履いていたので、荷台に対して足を投げ出すように、横向きに座っていた。そのため、バランスはひどく不安定である。しかも、二人乗りは初めてという鈴恵は落ちないように帆文の肩をぎゅっと強く掴んでいた。その手はかすかに震えている。きっと初めての二人乗りに緊張しているんだろうと帆文は思った。
帆文にとっても女の子を後ろに乗せるのは初めてである。だから、気にならないかと言われれば嘘だった。しかし、店長に頼まれたことだから仕方なくしていると言い聞かせながら、帆文は自転車をこいでいた。
二人が店を出た時、時刻は十九時半になっていた。春が過ぎ、明るい時間も増えてきたとはいえ、辺りは真っ暗である。そこで店長は帆文に鈴恵を家まで送るように言った。その言葉に驚いたのは鈴恵である。彼女は「それは悪いから」と頑なに断っていたが、時間が遅いこと、暗いと何かあるかわからないこと、バイト初日で疲れているだろうということ、帆文と帰り道が途中まで同じだったことなど様々な理由を店長に挙げられ、結局二人で帰ることになった。
二人は住宅街の中をのんびりと進む。
四月も終わりだが、夜風は冷たい。しかし、バイトで疲れた身体にはどこか心地よかった。
「乗り心地は悪くないですか?」
帆文が尋ねると、鈴恵は「はい」と返事した。そして、遠慮がちに声をあげる。
「あっ、あのっ」
そこで鈴恵は一瞬、言いよどむ。しかし、覚悟を決めたように頷くと言葉を続けた。
「重たくないですか?」
その質問に帆文は首を振った。
「大丈夫です。むしろ、軽いです」
誰かと比較したわけではないが、帆文は正直に答えた。すると、背後でほっとするような息づかいが聞こえた。
そして、二人の間に沈黙が流れる。
沈黙は気まずい。何かを話そうとするが、帆文には適当な話題が浮かばなかった。どうしようかと困っていると、背後から声をかけられる。
「時岸さんはどうしてバイトしているんですか?」
「え?」
「あっ、すいません。なんとなく聞いてみただけなので気にしないでください」
「いえ、突然で驚いただけです。俺は・・・・・・」
帆文はそこで口をつぐんだ。本当の理由を言うことは簡単だった。しかし、それを言うと年齢やいろいろなものを話さないといけなくなる。それは初対面の人に言うにはあまり気分のいい話ではなかった。だから、帆文はとっさに嘘をつこうとした。
「お金が欲しいから働いています」
しかし、帆文の口から出た返事は嘘にすらならなかった。しかも、答えにもならなかった。ごくごく当たり前のことである。言ってからしまったと思ったときにはもう遅かった。きっと鈴恵は怪訝に思うだろうと帆文は確信する。そうなった時、どう説明したらいいのか、よい方法は思い浮かばなかった。
しかし、背後から聞こえてきた鈴恵の言葉は帆文の予想したものとは違った。
「そうですか。私と同じですね」
「え?」
「私もお金が欲しいです」
それは誰かに語りかけると言うより、まるで漏れてしまった願いのような言葉だった。
「それはどうして?」
帆文が尋ねる。しかし、その返事は返ってこない。代わりにぽんぽんと肩を叩かれた。
「あっ、ここで止まって下さい」
帆文は慌ててブレーキをかける。
そこは小さな橋がかかっている十字路だった。住宅街の中なので、周囲にはいくつかの家がある。そのどれかが鈴恵の家なのだろうと思った。
「急に言ってごめんなさい」
「いえ。いいです」
鈴恵は自転車から降りると、鞄を持ちぺこりと頭を下げた。
「ありがとうございました」
「どうしたしまして。じゃあ、お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
鈴恵は小さく手を上げると、ひらひらと手を振った。
帆文も振り返す。そして、自転車をこぎ始めた。
少し進んで背後をちらりと見る。鈴恵はまるでホテルの見送りみたいにまだ帆文の方を見ていた。
寒いのに、まめだな。
心の中でぽつりと思うと、帆文は自転車をこぐ速度を上げた。すぐに鈴恵の姿は見えなくなる。
それから十分ほど自転車をこいで、帆文は自宅に着いた。
住宅街にある二階建ての一軒家である。
帆文は屋根付きの駐輪スペースに自転車を止め、玄関から入った。
「おかえり」
帆文が家に入ると、まだ若いが、どこか冴えない感じの男が出迎えた。彼の名は時岸寛人。帆文の保護者である。
「ただいま」
帆文はどこかそっけなく言葉を返す。
「ご飯できているから食べよっか」
「ああ。ありがとう」
帆文はこくりと頷くと、ダイニングへ向かった。ダイニングテーブルにはどこにでもあるようなごく普通の夕餉が並んでいた。帆文は手を洗ってうがいをすると、席に着く。寛人はご飯と味噌汁をよそっていた。帆文も自分の分をよそう。準備ができると、二人で「いただきます」と手を合わして、ご飯を食べ始める。
「今日、バイトに新しい子が入ったんだって」
「ああ」
「宮さんが好みの子って言っていたけど、どんな子だった?」
寛人の言葉に帆文は吹き出しそうになる。
「好みの子って、入ってきたのは女の子だぞ」
「そうなの? まあ、どっちでもいいけど」
寛人の言葉に帆文はげんなりしながら、どっちでもよくなくねと心の中でつっこむ。
「可愛い子だった?」
そう言われて帆文はまた吹き出しそうになる。
「何言ってるんだいきなり?」
「いやあ、宮さんが可愛い子って言っていたから」
「まあ、確かにそうだと思うよ」
「へぇ、文がそう言うのってあまりないよね」
「別にそんなことない」
「いいじゃないか。バイトも楽しくなりそうで。文と同い年なんだろ、その子」
「え?」
「えって、知らないの? 宮さんはそう言ってたけど」
「いや、俺と同じ高校一年生だって・・・・・・」
確認するように独りごちると帆文は気づく。
「それってそういうことなのか」
「うん。多分、そうなんじゃない。僕が聞いたのは文と同じ中三だってよ」
「どうして中三がバイトしているんだよ」
帆文は自分のことを棚に上げて疑問を口にした。
「さあ? そこまでは聞いていないけど」
寛人は肩をすくめた。帆文はわけがわからず混乱する。
「まじか。ああ、そういえば・・・・・・」
そこで帆文は初めて出会った時を思い出し、「鈴恵と呼んでください」と言った理由はこういうことなのかと納得する。
「何かあった?」
「いや、なんでもない」
「そう。でも、同い年ならやりやすいんじゃないか」
そう言われて帆文は一瞬逡巡し、瞬時に葛藤し、刹那に結論を出す。
「いや、そうでもない」
「そうなの。どうして?」
不思議そうな顔をする寛人に帆文はかぶりを振った。
「まあ、別にいいだろ」
そっけなく言って、帆文はご飯を口に運び出す。寛人は不思議そうに帆文を見ていたが、何も答えない様子を見ると、味噌汁を飲み始めた。
そして、夕食の時間は静かに進んでいく。
帆文は食事をしながら鈴恵のことを考えていた。
どうして中学生なのにバイトしているのか。
何のためにお金がいるのか。
なんで強くなりたいのか。
わからないことだらけだった。
出会って初日だから当然のことである。しかし、それでも帆文は一つだけ確信していることがあった。
彼女の態度や様子は昔の自分にひどく似ている。
それは帆文にとって決して喜ばしいことではなかった。
こうして、鈴恵のバイト初日は大きな問題なく終了した。
帆文と鈴恵は居間に戻ると、エプロンをハンガーに掛けて戻した。そして、一息つくために畳の上に座る。真ん中にあるテーブルには麦茶の入ったコップとチョコレートが置いてあった。二人が不思議に思っていると、店長が口を開く。
「お疲れ様。よかったら食べて」
店長からの差し入れだった。彼女は適当なように見えて案外、細かい気配りをするタイプの人だった。
「ありがとうございます」
「あっ、ありがとうございます」
帆文と鈴恵はそれぞれお礼を言うと、コップを手に取る。
緊張から喉が渇いていたのか鈴恵は一気に飲み干した。帆文も半分くらい一気に口にする。
一息ついてゆっくりしていると、店長が鈴恵に話しかけた。
「鈴ちゃん、バイト初日はどうだった?」
「あっ、はい。緊張しました。でも、時岸さんがしっかり教えてくれたからなんとかなりました」
「そうなの。文、よかったわね」
帆文は照れくさそうに「どうも」と頷くとチョコレートを口にした。そんな帆文を見ながら、店長はにやりと口元を歪めると鈴恵に質問する。
「そうだ。文に変なことはされなかった?」
突然の質問に鈴恵は驚いたような、戸惑うような声をあげる。
「え? へっ、変なことですか?」
「こらこら、いきなり何言ってるんですか?」
帆文は眉間に皺を寄せながら、店長をにらみ付ける。
「何って、バイト初日の女の子を心配しただけじゃない」
店長は当然のことといわんばかりの態度で言った。
「心配の方向が斜め上過ぎやしませんか?」
帆文はそんな店長にじとっとした目を向ける。
「最近はそういうの厳しいから。ほら、大手企業ならどこの会社でもなんとかハラ委員会を作らないといけないみたいじゃない。だから、うちも心配で」
泣き真似をしながら店長は説明する。鈴恵はそんな二人のやりとりをただぽかんとした表情で見ている。
「じゃあ、パワハラで訴えますよ」
帆文は低い声で店長に言い放つ。
「わー、こわーい。鈴ちゃん。文はこういうやつだから気をつけてね」
店長は両手で身体を抱きかかえながら、鈴恵を見た。
「え? ええ?」
いきなり話を振られた鈴恵は驚くことしかできない。
「草川さん。店長はこういうやつだから気にしないくていいですよ」
帆文はそんな鈴恵に毅然と言い放つ。鈴恵は反射的に頷いていた。
「え? はっ、はい」
鈴恵の返事に店長は頬を膨らませて鈴恵を見る。
「ねえ? なんで、私に対してはええ? で、文にははいなの?」
「へ? いやっ、あのっ」
突然の飛び火に鈴恵は戸惑う。どうしたらいいのかわからなかったので、助けを求めるように帆文を見た。
しかし、帆文は勝ち誇った顔で店長を見ているだけだった。鈴恵は目で帆文に助けてと合図を送るが全く気づかれない。
「どうしてなのかしら? 鈴ちゃん」
一方、店長は圧を強めていく。店長は笑顔を浮かべていた。口元は笑っているのに、目が一切笑っていない、まるで能面みたいに怖い笑顔だった。
「ひぃいいぃ」
鈴恵は小動物のような悲鳴を上げる。なぜか追い詰められていた。目尻に涙が浮かぶ。しかし、どうしたらいいのかわからない。そんなときだった。
「冗談よ。からかってごめんね、鈴ちゃん」
店長は穏やかな笑顔を浮かべた。
「え?」
「さっきも言ったけど、店長はこういう人だから気にしなくていいですよ」
帆文がフォローするように言う。
「そうそう。私達に気を使わなくていいんだから、思ったことがあったら遠慮なく言ってね」
店長は優しく鈴恵に語りかけた。そして、すぐ真顔になって帆文を見る。
「でも、文、こういう人って失礼じゃない?」
「じゃあ、どういうんですか?」
「からかうのが上手とか?」
「さっきのどう見てもパワハラでしたよ」
「ええ? まさかあ。鈴ちゃん違うよね?」
「えっ?」
突然のことに鈴恵は戸惑いの声をあげる。
「ほら、今ので即答しないあたり真っ黒です」
「むう」
店長は憮然とした表情を浮かべた。
「いっ、いえ。そうじゃなくて、突然のことで何も言えなかっただけで。だから、違います」
鈴恵はしどろもどろになりながら、ぶんぶんと首を振る。
「ほら。鈴ちゃんはそう言っているわよ」
店長はどや顔で帆文を見た。
「はいはい」
帆文は手をひらひらと振って、店長の言葉を流した。しかし、店長は気にせず、にやりと笑う。
「残念だったわね。鈴ちゃんは私側に付いたわ。謝るなら今のうちよ」
「子どもかっ」
「子ども心を忘れない大人っていいでしょう」
「ピーターパンみたいなこと言わないでください」
「せめてウィンディっていってほしいなー」
「年齢考えてください。もうアラサーでしょう。言ってて悲しくならないんですか」
「まだ、二十七よ。失礼ねっ」
「アラサーなのは変わらないだろっ」
「あははは」
その時、突然笑い声が響いた。それが鈴恵から発せられたものだと気づくのに、帆文と店長は一瞬遅れる。
「あははははははは・・・・・・」
鈴恵はお腹に手を当てながら笑っていた。そんな鈴恵を店長と帆文はぽかんと見る。
「あっ、ごめんなさい。でも、なんだかおかしくって」
「おかしい?」
「店長の頭が?」
「文、減給」
「ぐっ、それは卑怯です」
「はははははっ」
鈴恵はまた笑い出す。店長と帆文は毒気を抜かれたように、息を吐くと鈴恵を見た。二人の視線に気づくと、鈴恵は大きく息を吐いて笑顔を浮かべた。
「ごめんなさい。二人のやりとりが面白くってつい笑ってしまいました」
「面白い?」
「かなあ?」
帆文と店長は互いに顔を見合わせる。
「ええ。とても面白かったです。お二人は仲いいんですね」
「仲よくはないわね」
「草川さん、それは勘違いです」
店長と帆文は口々に否定する。しかし、鈴恵はくすっと笑うと、
「でも、息ぴったりですね」
と言った。店長と帆文は互いに顔を見合わせ、なんともいえない複雑な表情を浮かべる。そして、店長はぽつりと言った。
「まあ、文は私の弟子だから息はあってるかもね」
「弟子?」
鈴恵が疑問の声を上げる。
「あっ、店長何勝手に―」
「―勝手にって何よ。いいじゃない、本当のことなんだし」
「そうですけど」
何のことかわからない鈴恵はきょとんと二人を見つめる。
「昔、文に空手を教えていたの。まだ、小学生だった頃ね。ちなみに、その頃の文の話聞きたい?」
そう言って店長はにやりと口元を歪めた。帆文はそんな店長を慌てて止める。
「こらっ、何言ってるんですか?」
「冗談よ。でも、あの頃はまだ可愛げがあったのに、どうしてこうなってしまったのかしら」
「どう見ても店長のせいです」
「半分は寛人でしょ」
「むっ。それも否定できませんけど」
「じゃあ、お二人は強いんですね。いいなあ」
鈴恵はどこか遠くを見つめながら、心底うらやましそうに言った。帆文はその言葉に眉を寄せる。高校一年生の女の子の言葉として、強いことをうらやましがるのはとても不思議だった。
「鈴ちゃんも強くなりたいの? なら、私の弟子にしてあげよっか」
「えっ。でも、私身体動かすの苦手ですし。運動とかすごく下手でどんくさいですし」
鈴恵は首をぶんぶん振りながら、自分を一通り卑下する。それが彼女にとって覆らない現実で、偽りのない本心であることは、その姿から痛いほど伝わってきた。
その姿に帆文は既視感を覚えた。脳裏に浮かんだ思い出したくない記憶には、瞬時に蓋をし、なんとか封じ込める。しかし、口元が歪むのだけは我慢できなかった。
店長はそんな鈴恵を見ながら、優しく微笑む。
「苦手でも下手でもいいのよ。それってこれから上達する可能性があるってことでしょ。だから、そんなに自分を貶める必要はないわ」
鈴恵ははっと息を飲む。そして、その言葉に何を思ったのか、驚いたように店長を見つめていた。
「店長ってたまにいいこと言いますね」
「まあね」
店長は胸を張って、どや顔を浮かべた。それさえなければいいのにと帆文は思ったが、あえて口には出さなかった。
鈴恵はしばらく店長を見ていたが、はっと気づくと少し考えるように目を伏せる。そして、小さく頷くと口を開いた。
「ありがとうございます。誘ってもらえたことは、すごく嬉しいです。でも、私お金がないんです。だから、月謝とか払えないので。ごめんなさい」
鈴恵はそう言って顔を伏せた。店長はそんな鈴恵を見て穏やかな笑みを浮かべた。
「大丈夫よ。別に、道場をしているわけじゃないからお金は払わなくていいわ。文だって一円も払ってないでしょ」
「えっ」
店長の言葉に帆文は驚く。実際の所、帆文は月謝のような、指導料のようなお金を払っていた。もっとも、それは帆文が払いたいと言ったから払っていただけで、店長はもともとお金はいらないと言っていた。しかし、事実は払っているということである。だから、店長の言葉には嘘が混じっていた。
そんなちぐはぐな状況に戸惑う帆文に店長はウインクすると、小さく頷いた。そこで帆文は自分が何をすべきか理解する。
「ああ。店長の指導は適当だからお金を払う必要はないですよ」
「むう。適当はないんじゃない」
「本当のことでしょ。店長は基本見て覚えろですし。無茶苦茶殴るし。最初ぼこぼこにされたの忘れてませんからね」
「あら、空手をするんだったら、痛みを知ることは大事でしょう。人を傷つけるだけの一方的な暴力を教えるつもりはないわ」
「まあ、そういう方針はいいと思いますけど」
「だから、鈴ちゃん。お金の心配はいらないわ。代わりに、時間が空いた時に教えるだけ。それでもいい?」
「あっ、はい。ありがとうございます」
鈴恵は笑顔で頷いた。そして、ぺこりと下げる。
「よろしくお願いします」
「そんなかしこまらなくていいわ」
店長はそう言いつつも、どこか嬉しそうだった。
帆文はそんな二人を見ながら、今のやりとりを思い浮かべる。
店長は今、さらりと嘘をついた。それは誰かを傷つけるための嘘ではない。自分を守るための嘘でもない。誰かを助けるための嘘。誰かを思いやった嘘。そんな嘘をとっさに言える姿は、帆文にとってどうしようもなく大人に思えた。
帆文と鈴恵は自転車に二人乗りしながら家路についていた。
帆文が自転車をこいで、鈴恵が鞄を下に引いて荷台に座る。彼女はスカートを履いていたので、荷台に対して足を投げ出すように、横向きに座っていた。そのため、バランスはひどく不安定である。しかも、二人乗りは初めてという鈴恵は落ちないように帆文の肩をぎゅっと強く掴んでいた。その手はかすかに震えている。きっと初めての二人乗りに緊張しているんだろうと帆文は思った。
帆文にとっても女の子を後ろに乗せるのは初めてである。だから、気にならないかと言われれば嘘だった。しかし、店長に頼まれたことだから仕方なくしていると言い聞かせながら、帆文は自転車をこいでいた。
二人が店を出た時、時刻は十九時半になっていた。春が過ぎ、明るい時間も増えてきたとはいえ、辺りは真っ暗である。そこで店長は帆文に鈴恵を家まで送るように言った。その言葉に驚いたのは鈴恵である。彼女は「それは悪いから」と頑なに断っていたが、時間が遅いこと、暗いと何かあるかわからないこと、バイト初日で疲れているだろうということ、帆文と帰り道が途中まで同じだったことなど様々な理由を店長に挙げられ、結局二人で帰ることになった。
二人は住宅街の中をのんびりと進む。
四月も終わりだが、夜風は冷たい。しかし、バイトで疲れた身体にはどこか心地よかった。
「乗り心地は悪くないですか?」
帆文が尋ねると、鈴恵は「はい」と返事した。そして、遠慮がちに声をあげる。
「あっ、あのっ」
そこで鈴恵は一瞬、言いよどむ。しかし、覚悟を決めたように頷くと言葉を続けた。
「重たくないですか?」
その質問に帆文は首を振った。
「大丈夫です。むしろ、軽いです」
誰かと比較したわけではないが、帆文は正直に答えた。すると、背後でほっとするような息づかいが聞こえた。
そして、二人の間に沈黙が流れる。
沈黙は気まずい。何かを話そうとするが、帆文には適当な話題が浮かばなかった。どうしようかと困っていると、背後から声をかけられる。
「時岸さんはどうしてバイトしているんですか?」
「え?」
「あっ、すいません。なんとなく聞いてみただけなので気にしないでください」
「いえ、突然で驚いただけです。俺は・・・・・・」
帆文はそこで口をつぐんだ。本当の理由を言うことは簡単だった。しかし、それを言うと年齢やいろいろなものを話さないといけなくなる。それは初対面の人に言うにはあまり気分のいい話ではなかった。だから、帆文はとっさに嘘をつこうとした。
「お金が欲しいから働いています」
しかし、帆文の口から出た返事は嘘にすらならなかった。しかも、答えにもならなかった。ごくごく当たり前のことである。言ってからしまったと思ったときにはもう遅かった。きっと鈴恵は怪訝に思うだろうと帆文は確信する。そうなった時、どう説明したらいいのか、よい方法は思い浮かばなかった。
しかし、背後から聞こえてきた鈴恵の言葉は帆文の予想したものとは違った。
「そうですか。私と同じですね」
「え?」
「私もお金が欲しいです」
それは誰かに語りかけると言うより、まるで漏れてしまった願いのような言葉だった。
「それはどうして?」
帆文が尋ねる。しかし、その返事は返ってこない。代わりにぽんぽんと肩を叩かれた。
「あっ、ここで止まって下さい」
帆文は慌ててブレーキをかける。
そこは小さな橋がかかっている十字路だった。住宅街の中なので、周囲にはいくつかの家がある。そのどれかが鈴恵の家なのだろうと思った。
「急に言ってごめんなさい」
「いえ。いいです」
鈴恵は自転車から降りると、鞄を持ちぺこりと頭を下げた。
「ありがとうございました」
「どうしたしまして。じゃあ、お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
鈴恵は小さく手を上げると、ひらひらと手を振った。
帆文も振り返す。そして、自転車をこぎ始めた。
少し進んで背後をちらりと見る。鈴恵はまるでホテルの見送りみたいにまだ帆文の方を見ていた。
寒いのに、まめだな。
心の中でぽつりと思うと、帆文は自転車をこぐ速度を上げた。すぐに鈴恵の姿は見えなくなる。
それから十分ほど自転車をこいで、帆文は自宅に着いた。
住宅街にある二階建ての一軒家である。
帆文は屋根付きの駐輪スペースに自転車を止め、玄関から入った。
「おかえり」
帆文が家に入ると、まだ若いが、どこか冴えない感じの男が出迎えた。彼の名は時岸寛人。帆文の保護者である。
「ただいま」
帆文はどこかそっけなく言葉を返す。
「ご飯できているから食べよっか」
「ああ。ありがとう」
帆文はこくりと頷くと、ダイニングへ向かった。ダイニングテーブルにはどこにでもあるようなごく普通の夕餉が並んでいた。帆文は手を洗ってうがいをすると、席に着く。寛人はご飯と味噌汁をよそっていた。帆文も自分の分をよそう。準備ができると、二人で「いただきます」と手を合わして、ご飯を食べ始める。
「今日、バイトに新しい子が入ったんだって」
「ああ」
「宮さんが好みの子って言っていたけど、どんな子だった?」
寛人の言葉に帆文は吹き出しそうになる。
「好みの子って、入ってきたのは女の子だぞ」
「そうなの? まあ、どっちでもいいけど」
寛人の言葉に帆文はげんなりしながら、どっちでもよくなくねと心の中でつっこむ。
「可愛い子だった?」
そう言われて帆文はまた吹き出しそうになる。
「何言ってるんだいきなり?」
「いやあ、宮さんが可愛い子って言っていたから」
「まあ、確かにそうだと思うよ」
「へぇ、文がそう言うのってあまりないよね」
「別にそんなことない」
「いいじゃないか。バイトも楽しくなりそうで。文と同い年なんだろ、その子」
「え?」
「えって、知らないの? 宮さんはそう言ってたけど」
「いや、俺と同じ高校一年生だって・・・・・・」
確認するように独りごちると帆文は気づく。
「それってそういうことなのか」
「うん。多分、そうなんじゃない。僕が聞いたのは文と同じ中三だってよ」
「どうして中三がバイトしているんだよ」
帆文は自分のことを棚に上げて疑問を口にした。
「さあ? そこまでは聞いていないけど」
寛人は肩をすくめた。帆文はわけがわからず混乱する。
「まじか。ああ、そういえば・・・・・・」
そこで帆文は初めて出会った時を思い出し、「鈴恵と呼んでください」と言った理由はこういうことなのかと納得する。
「何かあった?」
「いや、なんでもない」
「そう。でも、同い年ならやりやすいんじゃないか」
そう言われて帆文は一瞬逡巡し、瞬時に葛藤し、刹那に結論を出す。
「いや、そうでもない」
「そうなの。どうして?」
不思議そうな顔をする寛人に帆文はかぶりを振った。
「まあ、別にいいだろ」
そっけなく言って、帆文はご飯を口に運び出す。寛人は不思議そうに帆文を見ていたが、何も答えない様子を見ると、味噌汁を飲み始めた。
そして、夕食の時間は静かに進んでいく。
帆文は食事をしながら鈴恵のことを考えていた。
どうして中学生なのにバイトしているのか。
何のためにお金がいるのか。
なんで強くなりたいのか。
わからないことだらけだった。
出会って初日だから当然のことである。しかし、それでも帆文は一つだけ確信していることがあった。
彼女の態度や様子は昔の自分にひどく似ている。
それは帆文にとって決して喜ばしいことではなかった。
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